ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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第123話「準備」

「それじゃあ、我々新聞部は

オカルト研究部の設営の手伝いを

するわよ」

 

『おーっ!』

 

放課後。奈美の号令を受け、

俺達は元気よく返事して

オカルト研究部のある旧校舎

へやってきた。

 

今回の文化祭での出し物はオカルト研究部との

で行う『オカルトの舘』だ、この旧校舎全体を

使って色んな催しをしようって案に便乗し俺達も

忍者教室として場所を貸してもらう代わりに

準備の手伝いをすることになった。

 

ちなみにオカ研はお化け屋敷、占いの舘、

喫茶店、オカルト研究報告等、皆が出した

案を採用した形らしい。

 

「それじゃあ、打ち合わせ通り、

3年組は部屋の片づけとブース作りの手伝い、

一年生は喫茶店のメニューの決めと試作、

スイッチと月詠は衣装づくりの手伝いよ

ユウスケは悪魔のパワーを生かして、

向こうの男性陣と一緒に大工作業よ!」

 

『はい!』

 

奈美の指示を受け俺は外の作業場まで

やってくると。

 

「イッセー君、そっち持って」

 

「おう」

 

なんてふうにイッセーと木場が木材と格闘していた。

 

「おーい、手伝いに来たぞ」

 

「おう、来たかユウスケ」

 

「助かるよ、ユウスケ君」

 

「いや、俺達も場所を使わせてもらうからな。

手伝うのは当然だろ」

 

体育祭の時みたいに魔王様も来るだろうしな

下手な物作ったらリアス先輩の顔を潰すだろうし、

せっかくの文化祭だし奈美にとっては最後の文化祭だ

存分に盛り上げないとな!

 

ノコギリで木材を切っている時、木場が話かけてくる。

 

「ところで二人共、ディハウザー・ベリアルって

知ってるかい?」

 

その名前どこかで聞いたことがあるな。

確か、リアス先輩がその名を話していたな。

 

「名前だけなら。王者だろ?レーティングゲームの」

 

イッセーの答えに木場はうなずく。

 

そうか、王者の研究で名前を聞いたのか。

 

「そう、正式なレーティングゲームのランク一位。

現王者。ディハウザー・ベリアルだよ。

ベリアル家現当主であり、ベリアル家始まって

以来の怪物。もう長いこと頂点に君臨し続ける

本物のゲーム覇者。皇帝(エンペラー)ベリアルと称される方さ」

 

皇帝(エンペラー)か。魔王の他にそんな強者

が居るなんてな。木場が作業をしながら話を続ける。

 

「ランキングが二十位から別次元と言われ、

トップテンとなれば、英雄とさえ称される。

その中でもランキング五位から上は不動

とも言われていて、ほぼ変動がない状態で

業界に長期間君臨しているんだ。特に三位

のビィディゼ・アバドン、二位のロイガン

・ベルフェゴール、一位のディハウザー・

ベリアルは現魔王に匹敵する力量を持つ

最上級悪魔の中の最上級悪魔だよ。

お三方は大規模な戦争でも起きない限りは

動かないと言われているんだけどね。

ゲームの特性で研磨され、数多くの試合の

末に生み出された結晶だって褒め称えられているよ」

 

魔王クラスかぁ、一度は戦ってみたいよな。

そう言えばタンニーン様もランキングのトップテン

に入ったこともあると聞いた。ゲームのルールが

あるとはいえ、タンニーン様よりも実力が上って

ことだよな。

 

「アバドンとベルフェゴールって聞いたことない

御家の名前だな」

 

そう、疑問を口にするイッセー。

 

確かに以前勉強した七十二柱にはない

名前だったな。

 

「それはそうだね。番外の悪魔(エクストラ・デーモン)だから。彼らは

現政府に関わりたくないのが御家の特色だけど、

なかには異端もいたってことだよ。家とはほぼ

縁切り状態でゲームに参加しているみたいなんだ」

 

いろんな事情があるのか家を飛び出してまで

やりたかったって事か、それでゲームのトップ3

まで上がるんだから、それだけレーティングゲームが

魅力的だってことだよな。

 

戦闘、権力、富、女、地位、それらの欲望は

ゲームに参戦して勝てば存分に得られるって

話しだ、多くの悪魔はそこに大いに魅力を感じている

んだろう。

 

「でもよ、サーゼクス様や他の魔王様もゲームに

参戦できればランキングは変わっていたんだろうな」

 

確かに、サーゼクス様の性格を考えたら参戦したい

だろうに。

 

「仕方ないよ。ゲームのルール上、魔王派参戦でき

ないからね。魔王の眷属ならば参戦できるけど、

その方々もその気がないって話だから。あくまで

魔王の眷属として生きるというのが四大魔王眷属

の皆さんの理念だそうだよ。おれに実戦とゲーム

は似て非なるもの。悪魔の実戦不足を補うために

設置されたゲームだけど、ゲームはゲームで特殊

なルールも多いし、実戦とは戦術、戦略のめぐら

せ方も違う物だと僕は思う。だから、実戦で強く

てもゲームでは成績が上がらないなんて珍しくな

いと感じるんだけどね」

 

木場が自分の意見をここまで吐くなんて珍しいな。

 

でも木場の言う通りなら、ゲームではサーゼクス様

よりも現王者の方がゲームでの戦い方はうまいん

だろうな。シトリー戦の時の様に破壊が制限され

れば、いくらサーゼクス様でもそうとう手加減

しないと戦えないだろうしな。

 

「戦がないゆえのシュミレーション用という面も

あるゲームだけど、踏まえつつも実戦とは別個で

臨んだほうがいいってことか」

 

イッセーの言葉に木場もうなずいていた。そうだな、

俺達、実戦経験は豊富かもしれないが、ゲームでの

特殊ルールにはまったく慣れていない。

今後、経験を積んでいかないといけないな。

 

木場が釘を打ちつけながら言う。

 

「どちらにしても部長やイッセー君が将来ゲームで

覇者を目指すなら、ディハウザー・ベリアルは避け

ては通れない大きな壁。悪魔の世界で上へ行くつも

りなら、現トップランカーは全て倒すべき存在と

想定していたほうがいいね。まあ、部長の『騎士』

である僕もいずれ、その世界に飛び込まないといけ

ないわけだけどさ」

 

リアス先輩の本格参戦は大学卒業後。つまり、

あと四年か五年後ってことか。まだ先は長いが

悪魔になってから怒涛な人生、いや悪魔生を

過ごしているし、時間なんてあっという間に

立つ気がする。

 

そのとき、俺達はどこまで上り詰められるか、

皇帝と戦えるまで成長できるのか。

 

「とりあえずはサイラオーグさんとの試合か」

 

イッセーの言葉に木場も大きくうなずいていた。

 

そうだな、遥か先の高みよりまずは目の前の

壁を超えることが先だよな!

 

その日の為に俺達は訓練している。

バアル眷属に後れを取るわけにはいかないな。

 

「僕らの情報はある程度あちらも把握している。

若手ゲーム戦で映像を通して能力は認知されて

いるだろうね。あちら側が知りそうにないこち

らの手札はイッセー君の新技にユウスケ君の

戦車の新しい力とゼノヴィアのエクス・デュラ

ンダルぐらいだろうか」

 

この間の手合わせで俺の手札もある程度見せた、

以前の戦いの録画だってある。俺達の事は知って

いて当然だろう。イッセーと木場の禁手も把握

しているだろうしな。

 

「あちらだって最善の事前情報を仕入れたりは

するよな」

 

「それはそうだよ。ゲーム前に何も調べず

『なんでもかかってこい!』では『王』として

も眷属としても力を疑われるレベルになる。だか

らこそ、こちらもあちらの情報を調査しているん

だけどね…」

 

俺達もグラシャラボラス戦を参考に、

バアル眷属の研究はしている。

ただ、あちらも当時と同じレベルじゃないだろう。

俺達と同様に悪魔の中では珍しくトレーニングを

積むタイプらしいからな。

 

俺達だってシトリー戦の時より遥かに強くなった。

少なくとも当時をはるかに超える力を持って向か

ってくるだろう。

 

「けど、ユウスケ君のパワーアップは視野に

入っているだろうね。先日の手合わせで金の力を

見て何かを感じ取っていたようだし。

『戦車』の姿にだって金の力があると警戒は

されている。問題はどのタイミングで出すかだね。

あの凄まじい攻撃力は初見での攻撃が最も効果的だ

イッセー君の新技だって同じことが言えるね」

 

確かに、サイラオーグさんは修学旅行前にグレモリー

家で行った俺との手合わせでライジングだって見てる

見せてないだけで、他の姿にだってあると想定するの

は当然だろう。まあ、対策は俺なりにとってはあるさ。

それよりも…

 

「ああ、どれもクセが強いから、サイラオーグさん

相手じゃ二度目はまともに食らってくれそうにない

からな」

 

イッセーの新しい力『赤龍帝の三叉成駒(イリーガルムーブ・トリアイナ)』は、

それぞれの駒の特化型のせいか、長所と短所も顕著だ。

 

龍星の騎士(ウェルシュ・ソニックブースト・ナイト)』は俺のライジング・ナイトを超える

神速を得るが装甲をパージする必要がある為、防御が

大幅に下がってしまう。

 

龍牙の僧侶(ウェルシュ・ブラスター・ビショップ)』は俺のバオウよりも絶大な

魔力の砲撃を放てるが、チャージに時間がかかることと、

当てるのも一苦労だという事。

 

龍剛の戦車(ウェルシュ・ドラゴニック・ルーク)は攻守が圧倒的に上がるが、

鎧が分厚くなるせいか、速さを失う。

 

まあ、どれもが強力だが、どれも弱点が明白だ。

隔てるほどに長所が伸びた分、短所も顕著になったわけだ。

 

曹操と戦った時の様にコンボを決めれば、短所は

補えそうではあるが、その分、体力やらの消耗が

跳ね上がるらしい。

 

「コンボをすれば各昇格の弱点は補えるものの、

イッセー君自身の体力がかなり減る。しかし、

そもそも窮地ではコンボをしなければ生き残れない

だろうから、したほうがいいんだけど…。

長期戦はリスクが高すぎるね」

 

「そうだな、技自体は短期戦に向いている。

できるだけ温存したほうがいいな」

 

一つでも形態を見せたら他の形態にも

強化があると警戒される。初見の状態で

最大コンボを決められれば一気に大ダメージ

を与えられるだろう。

 

まるで格ゲーみたいだな。

 

それでも一つ懸念点がある。それはビショップの

チャージ時間だ。

 

チャージ中は隙だらけだしな。

狙っているのも丸わかりで、

隙でもつかなければ当てられないだろう。

 

「やっぱコンボで仕留めるしかないよな…。

昇格のタイミングと組み合わせ、シミュレーション

を重ねないとな」

 

「各種トレーニングには俺も木場もいつも通り

手伝うぜ。俺も師匠から新呪文を習っている

所だからな。お互い頑張ろうぜ」

 

「おお、確か二人いるグロンギの師匠だっけ

そりゃ頼もしいな」

 

「ユウスケ君もかい、僕も二人と同じように

新技の構想をぶつけたいからさ」

 

お、木場も新技かよ

 

「新技?マジか。気になるな。アテはあるのかよ?」

 

「うん、それなりにね。それより、ドライグは元気

かい?最近、君との掛け合いをあまり見ないからさ」

 

確かに、前までは結構話しているのを見たが、

最近はめっぽう見てないな。

 

すると、イッセーは籠手を素早く出現させて、

ドライグに話しかける。

 

「…ドライグ、まだ元気ないのか?」

 

問うイッセーにドライグが俺達にも聞こえる声で

答える。その声音は元気のないものだった。

 

『…ああ、最近、思うことが多くてな…はぁ…』

 

まさか、二天龍が深いため息を吐くなんてな。

 

「おっ、男同士で密談だなんてよ。

赤龍帝は性別問わずだな」

 

などという冗談交じりで登場したのは

アザゼル先生だった。

 

「先生、カンベンしてくださいよ。って、

学園祭関連の職員会議は終わったんですか?」

 

「体調不良を理由に抜けてきた。ったく、

外国の生徒もいるせいか、やたらと注意事項

に関する決め事が多くてな。あーだこーだ

言い合ってるよ。ま、ロスヴァイセに任せて

逃げてきたけどな」

 

ひどいな。先生は相変わらず雑で不真面目だな。

その分、ロスヴァイセさんは真面目だから、

会議とかはなんだかんだのめり込むタイプ

だから、合ってるだろうけどさ。

 

すると、先生はイッセーの籠手に話しかける。

 

「そういや、ドライグ、言われた通り

カウンセラーのアテが見つかたぞ」

 

『そうか、すまない…』

 

イッセーがそのやり取りを聞いて素っ頓狂

な声をあげる!

 

「ちょ、ちょ、ちょっと待て!

カウンセラーってなんですか!?」

 

いやいや、いつも一緒にいるお前が

なんで知らないんだよ!?

 

それにたいして、先生が頬をかきながら言う。

 

「いやな、ファーブニルの宝玉を通して

プライベートでドライグが言葉を飛ばして

きてな。なんでも最近ふと気づくと泣いている

ことが多くなったそうだ。ため息をつく回数も

増えて、『おっぱい』『乳』『胸』って単語を

耳にするたびに心が張り裂けそうになるみたい

だぞ」

 

深刻じゃないか。

 

イッセーがドライグに語り掛ける。

 

「な…ッ!マジか…?」

 

ドライグは深いため息を吐きながら言った。

 

『ああ、すまないな、相棒。どうにも調子が

あがらんのだ…。おまえのパワーを引き上げる

分にはさほど問題ないさ…。はぁ…』

 

「お、俺が神器に潜ったり、新技を閃いたり

が原因ってわけじゃない…?」

 

とイッセーが不調の原因を上げるが、

先生は首を横に振って否定する。

 

「いや、俺が思うにお前がおっぱいで奇跡を

起こすから、それがショックで心労が溜まった

ってところだと思うが。神器に魂を宿す存在

でも世界に二匹しかいない天龍だぞ?

力とプライドの塊が乳でパワーアップしてりゃ、

心の病に陥ってもおかしくないわな」

 

衝撃の事実にイッセーはその場で崩れ落ちる。

 

「ま、カウンセラーへの連絡先はあとで教える

からよ。ドラゴン専門のカウンセラーなんて探す

のに苦労したぜ。じゃあ、俺は旧校舎に行って

るからよ」

 

手を振り、去っていく先生。

 

そして、イッセーはドライグの変化に驚愕

しながらも籠手を撫でる。

 

「…ごめんよ、ドライグ。いつも俺を

助けてくれているお前がこんなにも

疲弊していただなんて…。しかもその理由が

俺のスケベパワーだなんて、『覇龍』とは

違う、無理のないパワーアップを探っていた

のに、結果からしてみればドライグが

かわいそうなことになるなんて…」

 

『いや、相棒のパワーアップは悪くない…。

いい塩梅だ…ただ、俺の精神が思ったよりも

弱かっただけのようだ…すまんな…』

 

「謝んなよ!悪いのは俺だよ!俺は自分の

ことばかり考えていて、おまえのことなん

て一切考えていなかった!都合の良い時

ばかり助けてもらって、こういうとき何も

できないんじゃ、相棒失格だ!」

 

『…相棒…』

 

イッセーの言葉にドライグは涙声で

感動している様子だった。

 

イッセーは自分の左腕を抱いて言う。

 

「俺、大切にするよ!これからも乳

ばかりだろうけど、それでももっと

大切にするよ!」

 

『ああ、俺の心はこれからも疲弊する

だろうけど、最後まで頼むぞ…』

 

イッセーとドライグが感動的場面を

展開しているが、内容がイッセーが

エロい事への謝罪とはな。

 

木場だってどうしていいか分からず

苦笑してるじゃないか。

 

すると、そこへ。

 

「三人共、まだ作業していたのね」

 

リアス先輩がやってくる。

 

「どうしたんですか?リアス先輩、今の

作業ならもう少しかかりそうですけど」

 

「あ、部長、無駄話していてすみませんでした」

 

素直に謝るイッセーにリアス先輩は手を振って

「そうじゃないのよ」返す。

 

さっきのやり取りを無駄話と言ったぞ、こいつ。

 

そんな俺達にリアス先輩が言う。

 

「サイラオーグの執事がね、個人的に私と

イッセーとユウスケにお願いがあるんですって」

 

これは予想外の展開だった。




文化祭の準備を始めたユウスケ達。
ドライグの予想外な告白もあったが、

そんなユウスケ達の元へ予想外な
人物がやってきた!


次回。第124話「治療」

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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