ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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第126話「アドバイス」

明くる日の放課後。

 

俺達はオカルト研究部の部室へと

集まっていた。

 

そんな中、イッセーがソファで暗い

顔でため息をついていた。

 

理由は手に持っている新聞だろう。

 

それは、冥界の新聞だったが、

問題はその見出しだろう。

 

『おっぱいドラゴン、スイッチを

ぶちゅううううっと吸う!?』

 

記者会見での誤解がマジで新聞に

なるなんてな。最初に見た時は

俺だって頭痛がしたよ。

 

まあ、イッセーが落ち込んでいる理由

はもうひとつある。

 

どうやら昨夜、イッセーが、

リアス先輩を怒らせたようで

イッセーの部屋の扉には

 

「イッセー出入り禁止!」と大きな張り紙

がされており、朝まで入ることが出来ず、

 

空いている部屋で一晩過ごしたらしい。

 

翌朝になっても機嫌は直っていないようで、

俺達とは普通に接してくれるのに、イッセー

と接する時だけ淡々としたもので、

いつもの笑顔はなかった。

 

その様子に俺達は驚き、イッセーに

何があったか聞いてみたが、本人には

理由が分からないようだった。

まあ今わかっているのは、

 

イッセーに原因があるって事ぐらいだな。

まあ、これからアザゼル先生とのゲームに

関する大事なミーティングだ。

切り替えてもらわないと困るんだけどな。

 

現在、部室に居るのは木場とギャスパーのみ。

あとの皆はまだ来てはいない。同じクラスの

教会トリオは学園祭の準備作業に使う布地を

求めて、新校舎へと行っている。

 

リアス先輩や朱乃さん達もおらず、男子のみだ。

 

「よー、ギャスパー。クラスでの二人の

様子はどうよ?」

 

と、イッセーがギャスパーに話題を振る。

 

「は、はい…。小猫ちゃんとレイヴェルさん

は事あるたびに口喧嘩ばかりですぅ。いつも

静かな小猫ちゃんが、レイヴェルさんが相手

だと容赦ないツッコミを入れてばかりなんですぅ…」

 

二人は会いも変わらずか。

 

「で、でも、人間界での生活に不慣れなレイヴェル

さんに文句を言いつつも小猫ちゃんはきちんと

面倒を見てあげていますし、レイヴェルさんも

小言をつぶやきながらも小猫ちゃんのあとを

ついて回ってますよ…?」

 

なんだかんだ、うまくやってるのか?

 

「う、うーん。余計わからん。

乙女心は』複雑怪奇だな…」

 

そんな風に天井を仰ぎながら

イッセーがそう呟くと、

 

「どっちも意中の相手に気づいてはいるん

だろうさ。だから、事あるたびについつい

ぶつかっちまう。同学年だから余計だな」

 

入室」してきたばかりのアザゼル先生がイッセー

の顔を覗き込みながらそう言ってきた。

 

「ど、どういうことですか、先生?」

 

「ま、小猫のお前の言う事を聞き続けて

クラスでの面倒を見るだろうし、レイヴェル

もなんだかんだクラスメイトの小猫を頼って

人間界での生活に慣れていこうとするだろう

ってことだよ」

 

「はぁ…そういうもんですか」

 

気のない返事をするイッセー。

 

「…ぼ、僕は小猫ちゃんのようにレイヴェルさん

のお役に立てそうにないです。と、というか、

プライベートでも戦闘でも皆さんのお役に立て

そうにもなくて…」

 

ギャスパーが若干落ち込み気味に言った。

 

「僕はイッセー先輩やユウスケ先輩のように

勇気も力もありませんし…祐斗先輩のように剣も

使えません…。せめてサポートだけでもお役に

立てたら幸いなのですが…ぼ、僕、男子として

恥ずかしい気持ちでいっぱいですぅぅぅっ!」

 

男として、眷属の役に立ちたいのか、

格好は女だけども、こいつも男だったて事か。

 

「ギャスパー!俺が今から言う事を胸に刻め!

『グレモリー眷属男子訓戒その一!男は女の子を

守るべし』!ほら復唱!」

 

「お、男は女の子を守るべし!」

 

「よし、次!『グレモリー眷属男子訓戒その二!

男はどんなときでも立ち上がる事』!」

 

「お、男はどんな時でも立ち上がる事!」

 

「最後!『グレモリー眷属男子訓戒その三!

何が起きても決して諦めるな』!」

 

「な、何が起きても決して諦めるな!」

 

「よしよし、それを胸に刻んでグレモリー男子

らしく戦えばいいのさ」

 

「は、はい!ぼ、僕、これらを胸に刻んで

がんばりますぅぅぅっ!」

 

ハハッ、ギャスパーも気合が入ったようだな。

木場も小さく笑っていた。

 

「いいね、それ。僕も胸に刻もうかな」

 

「そうだな、俺達四人の胸に刻もうじゃないか」

 

「そうしとけそうしとけ。何があっても諦めない

のがグレモリー眷属だぞ」

 

「暑苦しいねぇ」

 

そんな、俺らのやり取りを見ていた

先生が半眼でぼやいていた。

 

そんな風に男子同士で盛り上がる中、

リアス先輩や他のメンバーも入室してきた。

 

そして、先生は全員集まった俺達を

見渡すようにして言った。

 

「じゃあ、ミーティングを始めるぞ」

 

開口一番に先生は険しい顔つきで言った。

 

「ゲームのミーティング前に各勢力の

情勢について話したいことがある。

ちょいと神器に関して厄介なことに

なりそうでな」

 

「どういうことですか?」

 

木場が訊くと先生は続ける。

 

「英雄派の連中が禁手の研究をして、

実際に結果を出しているのはおまえらも

認識しているはずだ。身をもってその力

を食らったわけだからな」

 

確かに、京都でそれは嫌というほど味わったな。

あいつら、神器の使い方に詳しくて、こちらの

特性なんかも把握されてたようだしな。

アザゼル先生とは違って禁止技や外法の類に

手を伸ばしてるよな。

 

「あいつら、英雄派に属していない一般に

紛れている神器所有者や、悪魔に転生している

神器所有者に禁手に至る方法を伝え始めて

いるって話だ」

 

一般の神器所有者と…悪魔に転生している

所有者に禁手に至る方法を?それってマズいんじゃ…。

 

俺達の表情を見て先生もうなずく。

 

「それがどういう結果を生むか。不遇な人生を

送っていた者が一転して、世界の均衡を崩すとも

言われる力を得れば、そいつの価値観が変わる。

知っての通り、神器を持った奴は必ずしも良い

人生を送れたわけじゃない。人とは違う異能

ゆえに迫害、差別された者も少なくない。

悪魔に転生した所有者も理不尽な取り引きで

眷属になったケースもある」

 

先生の言葉にリアス先輩が続く。

 

「…全ての悪魔が良心的なわけではないものね…。

上級悪魔にも心無い者が少なからずいるわ。

人間界の影響で多様な考えの悪魔が増えてきた

けれど、本来は合理的な思考を持つのが悪魔だもの」

 

強引な方法で悪魔に転生させられた神器所有者か…。

それが禁手になるのか…。

 

先生が続ける。

 

「そう、理不尽な思いで暮らしている神器所有者も

いるってことだ。それらが力の使い方、圧倒的な

能力、禁手を得たらどうなるか?」

 

皆、シンと静まりかえった中、先生は

表情に影を落としながら言う。

 

「使う、だろうな。その力を。人間ならば、

他者への復讐、世俗の逆襲に使うかもしれ

ないし、、神器持ちの転生悪魔なら己を

虐げてきた主への報復を考えるだろう」

 

その推測が正しいなら、人間界、冥界の

あちこちで暴動が起こるかもしれないって

ことじゃないか!それも禁手状態でだと!

 

「怖い、ですね」

 

イッセーがそう漏らすと先生もうなずいた。

 

「ああ、いろいろな意味で怖い事だ。

人間がやられることの限界、超常の存在

への挑戦、禁手の研究をしてきた英雄派の

連中にとって、これから起こるかもしれない

事象はある意味でひとつの成果だろう。

人間界、冥界のどこかで不満を抱えていた

神器所有者が暴動を起こすのは時間の問題だ」

 

英雄派の行ったことは既に根深い話になっているのか。

 

先生は怖い顔で言う。

 

「してやられたってわけだ。テロリストである

あいつらの結末がどうなるかはまだわからないが、

現時点で大きな一発をもらったのは確かだ。

今後に影響は出る。悔しいが、見事だよ。人間の

恐ろしさを改めて思い知った」

 

近く、上級悪魔の間でも事件が多発するかも

しれないってことか。俺達の所は、リアス先輩が

優しいおかげで不満は無いだろうけど、

そればかりじゃないのは分かっているんだ。

京都で俺達と戦った影使いの所有者も力の

使い方、使い道を教えられて人生が一変した

かのような物言いだった。辛い生き方を

してきた者が生まれ変われるような力を得れば

…使う、か。

 

同じ様な者がこれからは多く現れるかもしれない

って事か…。

 

空気が重くなった室内。先生はそれを察してか、

咳払いした。

 

「と、悪かったな。今日、ここに俺が来たのは

サイラオーグ戦へのアドバイザーとしてだったな」

 

アザゼル先生のその言葉に、イッセーが部屋の

雰囲気を変える為に挙手して質問する。

 

「サイラオーグさんにも先生みたいに

アドバイザーがついてるんですか?」

 

そう、俺達グレモリー眷属のアドバイザーは

変わらずにアザゼル先生。いち勢力のトップが

アドバイザーだなんて、俺達は若手にしては

相当』恵まれた存在だ。

 

まあ、先生はシトリーのほうにもアドバイスを

よくしているようだし、アザゼル先生が向こうも

兼任してるのかな?流石にそれは無いか。

 

「ああ、いちおうあっちにもいるぞ。

皇帝様が付いたそうだ」

 

「っ!…ディハウザー・ベリアル」

 

先生の一声に一番反応したのはリアス先輩だった。

 

将来、ゲームで各タイトルをゲットしたい

リアス先輩にとっての目標。

それが現王者の皇帝ベリアル。

 

「まあ、リアスやイッセーが上級悪魔として

ゲームに参加するのならば、正式参戦後の

大きな目標と見ておいていいだろう。

眷属のメンバーも主がゲームに参加する以上

は避けて通れない相手だろうしな」

 

先生は改めてそう言う。

 

「さて、お前達、サイラオーグ眷属

のデータは覚えたな?」

 

先生の言葉に俺や皆がうなずいた。

 

ああ、サイラオーグさんの眷属については

現状わかっている能力のみだが、

研究させてもらった。

 

先生は立体映像を部室の宙に展開する。

バアル眷属の面々がパラメーター付きで

表示されていった。先生がそれを

見ながら言う。

 

「あのグラシャラボラス戦では、能力を

全部見せていない者もいたようだ。まあ、

あの試合は途中でグラシャラボラスの

ガキ大将がサイラオーグ相手にタイマン

を申し込んだしな。実質、サイラオーグ

が勝負を決めたようなものだ。それに」

 

先生は手を組みながら言う。

 

「サイラオーグ達はお前達と同じ、

悪魔では珍しい修行をするタイプだ。

グラシャラボラス戦の時とは明らかに

レベルアップしているだろう」

 

そうだ、バアル眷属もまた努力を重ねる

タイプだ。過去の映像はあくまで参考

にしかならんだろうな。

 

「あいつら、『禍の団』相手にも戦っている

って話だからな。危険な実戦も積んでいる。

『できるだけ若手を戦にかり出さない』って

宣言してたサーゼクスたち四大魔王の意向も

虚しいか。ま、お前達みたいに無茶な戦闘に

連続で出くわす若手もいるしな」

 

先生が苦笑いしながらそう言った。

 

そこで、険しい表情のロスヴァイセさんが

つぶやく。

 

「…この相手の『兵士』、記録映像

のゲームには出てませんよね?」

 

俺達が視線を一点に向ける。

そこには仮面を被った謎の人物が

映し出されていた。

 

名前も『兵士』と表記されており、

判明していなかった。

 

…『兵士』か。サイラオーグさんの所は

『女王』1、『戦車』2、『騎士』2、『僧侶』2

とこちらと似ている。しかしこの謎の人物以外に

『兵士』は見当たらない。

 

「記者会見でも記者がこの人の事であろう

質問をサイラオーグ・バアルに向けて

いましたね」

 

と、木場が言う。

 

「…そいつは滅多なことではサイラオーグも

使わない『兵士』だそうだ。情報もほとんど

無くてな。仮面を被っているために、どこの

誰だかわかりもしない。今回初めて開示され

た者だ。ってことは今度のゲームで使うって

ことだろう。サイラオーグもこいつをできる

だけ他者に引き合わせないようにさせている

ようだからな。ただ」ひとつだけ噂で流れて

いるのは、消費した『兵士』の駒が六つだか、

七つと聞く。ゆえに奴の『兵士』はこいつ

一人なんだそうだ」

 

『六つ!?七つ!?』

 

先生の言葉に驚愕する俺達!

 

赤龍帝」であるイッセーの駒が

七つだ、先生の話が本当なら

相当な手練れか、凄まじい

潜在能力を持っているという事になる。

 

「データがそろっていない以上、この『兵士』

には細心の注意を払って臨むべきだ。

ただでさえ、今回はどんな選手でも参加でき

るんだからな。…サイラオーグの隠し玉、

虎の子ってところか」

 

虎の子か…。まあ、分からない事をいくら考え

ても無駄だな。この話題は此処までだな。

 

その後はリアス先輩が先頭に立って、

ゲームの戦術と相手への対策を俺達に話して、

それを皆で一つ一つ詰めていった。

 

同席していたイリナはふんふんと興味深そうに

話を聞いており、そのうしろで、ジークが

朱乃さんの入れてくれた紅茶を飲み優雅に

くつろいでいた。

 

レイヴェルの方は一生懸命メモを取っていた。

勉強熱心である。

 

議題が終わったタイミングでイッセーが

挙手する。

 

「先生、俺達が正式にレーティングゲーム

に参加したとして、王者と将来的に当たる

可能性は…?先生の目測でもいいですから」

 

「お前達はサイラオーグと合わせて、若手

でも異例の布陣だ。というのも正式に参加

もしていないのにこれだけの力を持った

メンツが集まっているんだからな。しかも

実戦経験、特に世界レベルでの強敵との

戦闘経験がある。その上、全員生き残って

るんだからな。そんなこと、滅多に起こら

ないし、久方ぶりの大型新人チームと見ら

れている。本物のゲームに参戦しても

かなり上を目指せるだろうよ。トップテン

入りは時間の問題だろうな」

 

おお、堕天使の総督さまに太鼓判を貰うとは!

 

気恥ずかしい気分の俺達に先生は続ける。

 

「だが、その分、冥界からの注目も大きい。

今度のゲーム、冥界中がお前達を見ているぞ。

悪神ロキ、テロリストを止めているお前達は

ただでさえ有名人だ。さらに記者会見で

あれだけの盛り上がりも見せたんだからな、

冥界の住人は新しい息吹に悪魔の未来を見ている」

 

…悪魔の未来か。

 

「もちろん、ゲームの現トップランカーも

お前達やサイラオーグ達に注目し、将来の

敵になるであろう者の研究を始めるだろう。

良い傾向だ。ほとんど動かなかったゲーム

のランクトップ陣、遠くない未来にお前達や

サイラオーグがさしこんでくれるかと思うと

今からワクワクしちまうよ」

 

先生は愉快そうに笑った後、続ける。

 

「変えてやれ、レーティングゲームを。

ランキングテン以内も皇帝も、お前達若手

がぶっ倒して新しい流れを作るんだよ」

 

俺達が変えるか…。

 

いいな、それ!

 

俺達ならそれも夢じゃない

せっかく悪魔になったなら

強欲にいかないとな。

 

俺達チームの夢の為にも

まずは今回サイラオーグさんに勝って見せるさ!

 

それが俺達の夢の為の一歩ならやってみたい。

 

いや、叶えてやるさ!

 




遂に始まる、サイラオーグとの若手最強決定戦!

多くの者が注目するこの試合を前に、

ユウスケ達の元へ来客がやってくる。

そして、多くの応援を背に受け、ユウスケ達は

勝利を収めることは出来るのか!

次回、第127話「応援」

是非、見てくれよな。

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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