ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

16 / 132
いつまで経ってもコロナが治まらん

好きなVtuberまで感染したし、

どうにかならんかなぁ

皆さんも感染しないよう気をつけてください。




第15話「特訓」

オカルト研究部の一件の翌日

 

土曜日の朝、俺はアーシアの部屋で正座をしていた。

 

こうなった理由は数時間前に遡る

 

 

 

―早朝―

 

今朝のトレーニングは昨日の一件があった為

 

お休みとなった。俺はいつも通り自主練を行い

 

家に帰ってきた。

 

早朝とあってまだ誰も起きてはいない。

 

朝食の前に汗を流そうと、

 

風呂場に行き、扉を開け中に入るとそこには、裸のアーシアがいた。

 

「キャッ!」

 

「なぁっ!ごめんアーシア!直ぐに出ていくから」

 

俺は直ぐに廊下へ出ようとしたが、アーシアに止められる。

 

「いえ、驚きはしましたが、こういう場合は裸の付き合い?

で仲のいい方ともっと仲良くなれると聞きましたので、

一緒に入りませんか?」

 

アーシアの誘いに一瞬何を言ってるのかと

 

頭が真っ白になったが、直ぐに意識を取り戻す。

 

「それは同性の場合だ!とにかく俺は後で入るから

アーシアはゆっくり入りなさい!」

 

俺は慌てて脱衣所から出て部屋へと戻る。

 

 

―時は戻り朝食後―

 

俺は今朝の件でアーシアを説教する為部屋に訪れる。

 

コンコン

 

「はいどうぞ」

 

「入るよ、アーシア」

 

中に入ると部屋着のアーシアが出迎える。

 

「今大丈夫かい?朝の件で話があるんだけど」

 

「はい、大丈夫です。朝のお祈りをしていた所なので」

 

アーシアは悪魔になった後も神への祈りを欠かさず行っていた。

 

祈りの後に悪魔ゆえにダメージを食らってはいるが、

 

それでも、自分には捨てられないものだと、

 

痛みを覚悟で行っている。

 

こんな健気な様子を見て俺とイッセーは

 

神に会ったら必ず一発入れてやると決意した。

 

「さて、アーシア、まずは朝の事はすまなかった

俺も確認せずに入ってしまって

申し訳ないと思っている」

 

「いえ、私は気にしてないので、大丈夫です」

 

そこが、問題なんだがね。

 

「いいかい、アーシア、男は狼と思いなさい。

ああいう場合は、気にするのが普通だ。

あの場に母さんが居れば、孫が出来ると喜ぶだろうが、

俺だから安心だろうと思ってはいけない。

何かあってからじゃ遅いんだから」

 

「ですが、ユウスケさんもイッセーさんもいい人

ですし、お二人は人狼ではないですよね」

 

「まあそうなんだが、もうちょっと危機感を

持ってほしい、一緒に入ろうといわれても

俺も困ってしまうし、俺もアーシアの

事を困らせたくないしな」

 

俺はアーシアの事を妹のように思っている

 

なので、悪影響になりえる男は近づけ

 

させないようにしているし、

 

だが、一番悪影響なのが、

 

身内というのがなんだろうか。

 

まあ、今回の事件の当事者が

 

イッセーでも同じ対応をしただろうが、

 

イッセーもアーシアの事は妹という

 

認識だ、両親は娘と思っているが、

 

どちらかというと、未来のお嫁さん

 

という考えだろうがな。

 

俺が考えにふけっていると、アーシアが言う。

 

「わかりました。私、ユウスケさんを困らせること、

絶対にしません。ですから、いろいろと

教えてください」

 

「ああ、わかっているよ。でも、異性の俺よりも

同性からのアドバイスの方が有効的だと思う。

リアス先輩か朱乃さんにも相談して、

少しずつ今の生活に慣れていこう」

 

「はい」

 

ふぅ。俺は大きく息をついた。

 

とりあえず、夜に学校へ行ったときに

 

オカルト研究部の女子にわけを話そう。

 

もちろん、風呂場のアクシデントは内緒の方向で。

 

「ユウスケ!アーシア!行くわよ。宿泊出来る準備をしなさい」

 

はぁ?行く?何処へ?つか宿泊⁉

 

戸惑っている俺にリアス先輩が振り返り笑顔で答える。

 

「修行しに山に行くわよ」

 

 

―〇●〇―

 

「ひーひー…」

 

俺とイッセーは尋常じゃない量の荷物を背負って歩いていた。

 

後ろではイッセーが本当にひーひー言っている。

 

「やっほー」

 

『やっほー』

 

誰かのやまびこが聞こえてくる。

 

今俺達は山にいる。先輩が山に修行に行くというので連れられてきた。

 

今朝、突然家へ訪問してきた先輩は俺達に身支度をさせたんだ。

 

仲間達も既に集まっており、早々に魔方陣から山のふもとへ皆で転移した。

 

空は抜けるほど青く快晴だ。周囲には自然豊かな木々が生い茂り、

 

小鳥がチュンチュン鳴いていた。

 

山の風景は最高だった。

 

だが、問題は目の前に続く階段だ。

 

いったい何段あるのか、数えるのも嫌になってくる。

 

「ほら、二人共。早くなさい」

 

遥か前方から先輩が檄を飛ばしてくる。

 

先輩の隣にはアーシア。

 

心配そうにこちらを見ている。

 

「…あの私も手伝いますから」

 

「いいのよ、二人はあれぐらいこなさないと強くなれないわ」

 

という二人の会話がきこえてくる。

 

ありがとうアーシア。そして鬼ですねリアス先輩。

 

俺達の背中には巨大なリュックサック。

 

そして、両手に俺自身とアーシアの荷物だ。

 

イッセーも自身の荷物と先輩二人の荷物を抱えている。

 

俺の方が楽に見えるが、背中のリュックサックは

 

イッセーのものよりも大きく、重量と時折聞こえる

 

金属の擦れる音からトレーニング器具が入っていると

 

思われる。これも修行の一環らしいが、

 

目的地に着く前に死んでしまう。

 

「部長、山菜を積んできました。夜の食材にしましょう」

 

そういいながら、涼しい顔で木場が通り過ぎていく。

 

奴も背中に巨大なリュックサックを背負っている。

 

苦も無くすいすいと山道を登っていく姿に俺は言葉を失う。

 

途中で山菜を摘みだすぐらいだ、奴の体力はこのぐらいは

 

軽いのだろう。

 

「…お先に」

 

さらに横を俺達以上の荷物を背負った小猫ちゃんが通り過ぎていく。

 

『戦車』の怪力だろうが、ここまで強いとは。

 

俺も負けられないな。

 

「うおりゃぁぁぁぁぁ!」

 

イッセーが小猫ちゃんに先を越されたのが悔しかったのか、

 

気合を入れて一気の階段を駆け上っていく。

 

俺も負けてられないとイッセーを追いかけて階段を駆け上がる。

 

そして、追い越し、追い越されと何度も繰り返す内に

 

俺達は目的地である頂上へ辿り着いた。

 

「やっと着いたぁ~」

 

頂上には古い木造の建物がありまるで、

 

漫画に出てくる。

 

寺院の修行所のようだった。

 

俺達は建物の中へ入ると木造独特な木の香りが漂ってくる。

 

俺が疲れて床に倒れ込んでいると、

 

そこへ声をかけてくる人物がいた。

 

「もぉ、だらしないわね。これから修行開始なのに

もうダウンしてるのユウスケ」

 

俺は声がした方へ顔を向けると。

 

そこには私服姿の奈美先輩が立っていた。

 

「えぇ!なんで奈美先輩がここに⁉」

 

「あら、ここは家の修練所よ私が居たっておかしくないでしょ」

 

いや、どゆこと?

 

リアス先輩の話によるとここは奈美先輩の

 

お父さんである大空厳さんが師範を務める。

 

『大空棒術』の修練場であるらしい。

 

今回、奈美先輩のご厚意で貸してくれるとのこと。

 

門下生もおらず身内しかいない為、

 

この修練所も使われておらず、手に余っていたらしい。

 

今回の修行で使わせてもらう代わりに

 

特ダネを要求しそうだがね。

 

「この修練所は使われていないから

最悪壊してもらっても大丈夫よ

お父さんからも許可取っているし

今回の修行も手伝うわ」

 

どうやら知らない間に話が進んでいたようだ。

 

―〇●〇―

 

リビングに一旦荷物を置くと女性陣は

 

動きやすい服装に着替えるため二階へ行った。

 

「僕も着替えてくるね」

 

木場も青色のジャージを持って一階の浴室へ向かった。

 

「覗かないでね」

 

などと、ふざけたことを俺達へ行ってくる。

 

「マジで殴るぞ、この野郎!」

 

俺は疲れていたのでスルーしたが、

 

余裕のなかったイッセーは殺意の籠った目で睨んでいた。

 

俺達も一休みして体力が戻った所で、適当な空き部屋で

 

ジャージに着替えた。

 

着替えから戻ってくると他のメンバーはリビングへ

 

集結していた。赤いジャージ姿のリアス先輩が

 

俺達を視界に捉えると、笑みを浮かべながら言う。

 

「さて、早速修行開始よ」

 

 

レッスン1 奈美先輩と精神修行

 

バシッ!

 

俺達は敷地内にある武道場にて座禅を行っている。

 

精神修行と言ったらこれだ。

 

今もイッセーが雑念があったのか。

 

奈美先輩に肩を板で叩かれている。

 

顔が緩んでいたから、妄想に入ってたのかもしれないが、

 

俺も先日は怒りに飲まれていたので、

 

精神力は鍛えないとまずいな。

 

バシッ!バシッ!

 

「「あいたぁ!」」

 

余計なことを考えていたせいで、

 

イッセー共々叩かれてしまった。

 

 

レッスン2 木場との剣術修行

 

次は修練場の外に出て。次の修行に入る。

 

「よっはっ」

 

「おりゃ! おりゃぁぁ!」

 

「はぁぁぁ!」

 

俺とイッセーが木刀を振り回し、木場との剣の修行に入っている。

 

軽やかに俺達の攻撃をいなす木場。

 

イッセーは剣を力任せに振るっているだけなので、

 

当たる気配はない。

 

俺もイッセーの攻撃を避けた後を

 

狙って攻撃するがかすりもしない。

 

二人がかりでこれとは、

 

流石に実力差がありすぎるな。

 

バシッ!

 

木刀を木場に叩き落された。

 

この修行を開始して数回は落とされている。

 

「そうじゃないよ。剣の動きを見るだけじゃなく、

視野を広げて相手と周囲を見るんだ」

 

説明されて簡単に出来ることではない。

 

だが、目の前の敵だけに集中していた為に

 

この間は魔法を食らってしまった。

 

周囲をちゃんと見れていれば、

 

あの攻撃は避けれたのだろう。

 

やっぱり、『騎士』だけあって木場の技量は凄まじい。

 

最小限の動きだけで俺達はやられてしまう。

 

練習量、実戦での経験がものをいうのだろう。

 

「これは、俺達の修行にはなるけれど、木場の修行には

ならないよな?せっかくの時間を使ってもらって、

申し訳ないな」

 

「大丈夫だよ、ここまではウォーミングアップで

僕自身の修行はこれから始めるから」

 

そう言って木場は、腰の高さ程のチェスの駒を持ってきた。

 

「なんだよそれは?」

 

「トレーニング用の器具さ」

 

そう言って木場は駒に魔力を送ると、

 

駒は変形し、人型に姿を変えた。

 

その姿は西洋の騎士のような

 

甲冑を見に纏っているが、

 

頭だけは、馬の形をしていた。

 

「なんだこれ!」

 

イッセーが突然の事に驚きの声を上げている。

 

実際俺も驚いていた。

 

「これは、トレーニング用の魔導人形の一つ。

ナイトチェスよ。どのような武器も使用でき、

『騎士』の特性も使えるわ」

 

後ろから来たリアス先輩が説明してくれた。

 

「祐斗はこの修行期間の内に駒二つ分の人形を

倒す事を目標にしなさい」

 

「はい。わかりました」

 

そう言った木場は木刀ではなく神器を取り出し、

 

修行を開始する。

 

人形の方も剣で戦っているが、

 

先ほどの俺達との戦いでは、木場が本気を出していないとは

 

思っていたが、ここまで違うとは思っていなかった。

 

『騎士』の特性である速度を生かして、

 

相手を奔放しながら戦っており。

 

俺も目で追うことが出来ないでいた。

 

そんな、木場の攻撃も人形は対応できていた。

 

「リアス先輩、先ほど駒二つ分と言ってましたが、

これ以上あの人形が強くなるんですか?」

 

「ええあれと同じものがもう一つあるのだけれど、

合体して人馬型になると速度がけた違いにあがるは」

 

もしかして、俺がここまで運んだ荷物ってこいつだったんじゃ?

 

「ほら、貴方達も次の修行に移りなさい!」

 

「「は、はい!」」

 

 

レッスン3 朱乃さんと魔力修行

 

「そうじゃないのよ。魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集めるのです。

意識を集中させて、魔力の波動を感じるのですよ」

 

俺は集中し、手のひらに何かを生み出すイメージで魔力を集める。

 

「出来ました!」

 

隣で白いジャージを着たアーシアが

 

魔力の塊を手のひらに作り出していた。

 

緑色の淡い魔力。アーシアの魔力はキレイな緑色をしていた。

 

「あらあら。やっぱり、アーシアちゃんは

魔力の才能があるかもしれませんね」

 

朱乃さんに褒められ、頬を染めるアーシア。

 

俺もようやく魔力の塊を作ることができた。

 

俺のは黄色で、アーシアのようにソフトボール大ではなく。

 

ゴルフボールぐらいの大きさだ、

 

「ぐぬぬぬぬ…」

 

イッセーも魔力を集めているが、

 

米粒程の赤い魔力の塊があるだけで、

 

それ以上大きくならない。

 

まあ、魔方陣を使用できないんだから、

 

当然といえば当然か。

 

「では、その魔力を炎や水、雷に変化させます。

これはイメージから生み出すこともできますが、

初心者は実際の火や水を魔力で動かす方がうまくいくでしょう」

 

朱乃さんがペットボトルの水に魔力を送る。

 

ザシュ!

 

魔力を得た水が鋭い棘と化して、

 

ペットボトルを内側から破っていた。

 

すごいな、これは。

 

「アーシアちゃんとユウスケくんはこれを真似して下さいね。

イッセーくんは引き続き魔力を集中させる練習をするんですよ。

魔力の源流はイメージ。とにかく頭に思い浮かんだものを

具現化させることこそが大事なのです」

 

イメージかぁ。

 

「得意なもの、いつも想像しているものならば、

比較的早く具象化できるかもしれませんわ」

 

得意なものか。俺のベルトから雷が出てたし、

 

雷を練習してみるか?

 

「朱乃さん、ちょっといいですか?」

 

イッセーは何か思いついたようで、

 

朱乃さんに相談していた。

 

そして、朱乃さんはポカンとした後、

 

「うふふ、イッセーくんらしいですわ」

 

と微笑んでいた。

 

そして、何か準備があるのか一度建物の中に戻る朱乃さん。

 

何かを持ってくるとイッセーの前に置いた。

 

大量のタマネギ、人参、ジャガイモだ。

 

カレーの具材一式じゃないか。

 

「では、イッセーくん。合宿中、これを全部魔力でお願いしますね」

 

どゆこと?

 

まあ、人のことを気にしてる場合ではない。

 

俺も修行を続けよう。

 

レッスン4 小猫ちゃんとの組手

 

「ぬががあああああ」

 

ドゴッ!

 

イッセーが小猫ちゃんのパンチで、

 

吹き飛んで今日十回目の巨木との抱擁をしていた。

 

「…弱っ」

 

黄色のジャージを着た小猫ちゃんがぼそりと呟いた。

 

これには、イッセーもショックだろう。

 

小猫ちゃんは立ち技、寝技、

 

その他いろいろな格闘技が得意な悪魔少女。

 

『戦車』の特性、バカげた腕力と強固な防御力も相まって

 

相当強い。小柄な体のせいで、結構俊敏で、

 

少しでも目を離せば懐に潜られてボディに一撃をもらう。

 

手加減されてるようだが、それでも痛いもんは痛い。

 

「…打撃は体の中心線を狙って、的確かつ抉り込むように打つんです」

 

そうは言っても俺達は素人だから当てることすら難しいぞ。

 

小猫ちゃんは腕をぶんぶんと回した後、俺へ拳の照準を定めた。

 

「…さ、次はユウスケさんの番です」

 

どうやら、次にあの木に抱擁するのは俺らしい。

 

 

レッスン5 リアス先輩と修行

 

「ほーら、二人共!気張るのよ!」

 

「「おおっす!」」

 

俺達は朝の階段を駆け上っていた。

 

背中には岩。体に縄で巻き付けていた。

 

階段を駆け上っては降りての繰り返し。

 

重りを付けてこの長さの往復はマジでキツイ。

 

何十往復もして足がガクガク状態になったころ、

 

やっとリアス先輩が「はい、OK」と許してくれる。

 

「次は筋トレね。腕立て伏せいくわよ」

 

「…はい…」「へ、へーい…」

 

この人は鬼だ。いや悪魔か。

 

基礎能力が俺達には絶対的に不足している。

 

俺は鍛えていたつもりだが、悪魔からしたら、

 

そこまで変わらないからな。

 

俺達は、他の部員と比べると練習量がハンパじゃない。

 

特に戦場を一番駆け巡るであろう『兵士』のため、

 

筋力、体力を高めるのは必要条件だった。

 

「ぐわっ!」「ぐぅっ!」

 

腕立てをしている俺達の背中に、

 

リアス先輩が容赦なく岩を載せてくる。

 

魔力で岩を軽々と持ち上げているが、

 

それなら、それで荷物も運べばいいのにな。

 

「さーて、腕立て伏せ三百回。行ってみましょうか」

 

「「オースッ!」」

 

悪魔じゃなかったら俺達は何回死んでいるだろうか。

 

―〇●〇―

 

「うおおお!うめぇぇぇ!マジで美味い!」

 

「確かにこれは美味い。疲れているのもあいまって

いつもより飯がうまく感じる」

 

今日一日の修行を終え、俺達は夕食をいただいていた。

 

テーブルに豪華な食事が盛られている。

 

木場が採ってきた先ほどの山菜はおひたしにされていた。

 

そしてメインの肉料理はリアス先輩が仕留めてきた猪らしい。

 

牡丹肉は初めて食べるがクセもなく美味いな。

 

魚料理。これは奈美先輩が川で釣ってきたようだ。

 

シンプルな塩焼きが美味い。

 

その他にも各種色とりどりの料理がずらりと並んでいた。

 

「あらあら。おかわりもあるからたくさん食べてくださいね」

 

「ユウスケ!そこは普通料理の腕を褒めるところでしょう」

 

この料理は朱乃さんと奈美先輩が作ってくれたようだ。

 

「すみません。お二人の料理の腕は天下一品です」

 

実際二人の料理の腕は高く。

 

皆も箸を止めずに食べている。

 

今日の練習はかなりハードだったからな。

 

飯が進むぜ。

 

イッセーが運んでいた荷物のほとんどが、

 

調理器具と聞いた時は別に要らないのではと

 

二人して思っていたが、こんな美味いものが食えたのだから、

 

一生懸命運んだかいがあったというもの。

 

それと、視界の端に小猫ちゃんが静かにそして豪快に

 

パクパク食べているのはツッコミを入れないでおこう。

 

「朱乃さん、最高っス!嫁に欲しいぐらいです!」

 

「うふふ、困っちゃいますね」

 

と、イッセーに褒められて、朱乃さんは頬に手を当ててニコニコ微笑む。

 

「ユウスケさん、私もスープ作ったんですよ」

 

俺の横に座るアーシアが話しかけてきた。

 

テーブルに置かれているオニオンのスープ。

 

これはアーシアのお手製らしい。

 

俺はスープの皿を手に取ると一気に飲み干した。

 

うん、美味い。

 

「スープも美味しいよ。もう一杯欲しいね」

 

「本当ですか!じゃあ、よそってきますね」

 

アーシアは嬉しそうによそいにいく。

 

「さて、イッセー、ユウスケ。

今日一日修行してみてどうだったかしら?」

 

リアス先輩がお茶を飲んだ後訊いてくる。

 

イッセーが箸を一旦おいて今日の感想を口にした。

 

「…俺が一番弱かったです」

 

「そうね。それは確実ね」

 

俺も箸をおき正直に答える。

 

「今日木場のトレーニングを見て、

俺達とみんなの実力差がはっきりわかりました。

俺は能力的に得意分野がないので、

総合的に能力の引き上げをしないと

『兵士』として強くなれないと感じました」

 

「そうね、その為の「プロモーション」が

存在するわ、でもね、各駒の特性を引き出せても

それを扱えるだけの力が今のあなたには、

無いわね」

 

ハッキリ言われると流石に傷つくのだが、

 

「朱乃、祐斗、小猫はゲームの経験が無くても

実戦経験が豊富だから、感じをつかめば戦えるでしょう。

貴方達とアーシアは実戦経験が皆無に等しいわ。

それでもアーシアの回復、イッセーのブーステッド・ギア、

ユウスケのベルトの力は無視できない。

相手もそれは理解しているはず。

最低でも相手から逃げられるぐらいの力は欲しいわ」

 

「逃げるって…。そんなに難しいですか?」

 

イッセーの質問に先輩はうなずく。

 

「逃げるのも戦術のひとつよ。

一旦退いて態勢を直すのは立派な戦い方。

そうやって勝つ方法もあるの。けれど、

相手に背を向けて逃げるというのは、

実はかなり難しいものよ。

実力が拮抗している相手ならともかく、

差が開いている強敵に背を向けて逃げ出すという

のは殺してくださいと言っているようなものよ。

そういう相手から無事に逃げられるのも実力の一つ。

三人には、逃げ時も教えないといけないわ。

もちろん、面と向かって戦う術も教えるから覚悟なさい」

 

「了解っス」「了解です」「はい」

 

俺達三人は同時に返事をする。

 

アーシアを戦いに巻き込んだのは、

 

グレモリー眷属に転生してしまった以上避けられなかった。

 

…俺はアーシアを守る力を得ないとだめだ。

 

最低でもアーシアの盾になる。そのぐらいの覚悟はある。

 

「食事を終えたらお風呂に入りましょうか。

ここは温泉だから素敵なのよ」

 

ここは修練所のはずだが、まるで旅館だな。

 

「僕は覗かないよ。イッセーくん」

 

木場が温泉と聞いてニヤついている

 

イッセーに先制を入れる。

 

「バッカ!お、おまえな!」

 

「否定しても顔に書いてるぞ、イッセー」

 

「あら、イッセー。私たちの入浴を覗きたいの?」

 

リアス先輩の言葉に全員の視線がイッセーに集中する。

 

これは、流石に気まずいだろう。

 

さっさと謝らないとな。

 

「あら、なら次の新聞の一面は決まりかしら」

 

そう、奈美先輩が笑いながら言ってくる。

 

あの人は、マジで記事にするからな。

 

すると、リアス先輩はクスッと笑う。

 

「なら、一緒に入る?私は構わないわ」

 

いやだめでしょう!

 

「朱乃はどう?」

 

「イッセーくんなら別に構いませんわ。

うふふ。殿方の背中を流してみたいかもしれません」

 

満面の笑みで朱乃さんが肯定する。

 

バカな!ありえないだろ!

 

「奈美はどうかしら?」

 

「別に構わないわよ。それなら、ユウスケに

背中を流してもらおうかしら」

 

絶対に後でゆすられるじゃん。

 

当分は奈美先輩の奴隷だろ。

 

「アーシアは?ユウスケも一緒なら大丈夫よね?」

 

先輩の問いかけにアーシアは顔を真っ赤にして、

 

うつむいてしまったが、小さくこくりと頷いた。

 

うわっ!ありえない展開になってきたぞ。

 

「最後に小猫。どう?」

 

当の小猫ちゃんは両手でバッテン印を作る。

 

「…嫌です」

 

拒否した。これが普通の女子の反応だ!みんなが可笑しいんだ!

 

「じゃ、なしね。残念、イッセー」

 

クスクスと悪戯っぽい笑みで先輩が言う。

 

多分この流れは予想してたんだろうな。

 

「覗いたら、恨みます」

 

小猫ちゃんにも先制を食らっている。

 

「大丈夫俺が見張っておくよ。ほら行くぞイッセー

俺の背中でも流してくれ」

 

「イッセーくん。僕と裸の付き合いをしよう。背中、流すよ」

 

「うっせぇぇぇぇぇッ!マジで殺すぞ、木場ぁぁぁぁぁぁ!」

 

イッセーの怒りの怒声が建物内に響き渡った。

 

―〇●〇―

 

 

修行二日目。

 

昨日は風呂の後に夜中まで練習があった為。

 

筋肉痛がひどい。リアス先輩いわく

 

「夜には夜の練習があるわ。元々夜の住民だものね、私達」

 

だそうだ、毎朝のトレーニングよりハードな為。

 

同じ部屋ではイッセーが筋肉痛に悶えていた。

 

で、二日目の午前中は勉強会だ。

 

リビングに集まり、俺とアーシアとイッセーに

 

悪魔の知識を教える事になったらしい。

 

一気に人名を覚えさせられたが、

 

神話などが好きな俺は比較的覚えやすかったが、

 

神話と実話で、若干違うところがあり、

 

そこで躓くことが多々あった。

 

ある程度教えてもらった後、木場が改めて問題を出してくる。

 

「ではイッセーくん、僕らの仇敵。神が率いる天使。

その天使の最高位の名は?さらにそのメンバーは?」

 

「えっと『熾天使(セラフ)』だろ。メンバーは…

ミカエル、ラファエル。ガブリエル…うーん。

ウリエルか」

 

「正解」

 

「次に僕らの王、『魔王(サタン)』さま。

四大魔王様を答えてもらおうかな」

 

「おう!任せておけ!いずれ、出世してお会いする予定だ!

バッチリ覚えてるぜ!ルシファーさま、ベルゼブブさま、

アスモデウスさま!そして憧れの女性魔王さまであら

せられるレヴィアタンさま!」

 

「正解」

 

流石に自分が所属している勢力のトップは覚えているか。

 

「絶対にレヴィアタンさまにあってみせるぜ!」

 

そう宣言したイッセーは、顔がニヤついているので、

 

レヴィアタン様の姿を想像しているのだろう。

 

「では、イッセーくんが一番苦手な堕天使の幹部を全部言ってもらおうかな」

 

堕天使は他の勢力と比べて数も多いし、名前も覚えにくいからな。

 

果たしてイッセーは覚えているかな?

 

「堕天使の中枢組織を『神の子を見張る者(グリゴリ)』と言って、

総督がアザゼル、副総監がシェムハザ。ここまでは完璧だ。

で、幹部連中は…。アルマロス…、バラキエル…、タミエル…。

あー、えーと、えーと、アレ?ベネなんとか、コ、コ、コ、コカイン…?」

 

うろ覚えのイッセーに俺は代わりに答えてやる。

 

「ベネムエ、コカビエル、サハリエルだろ」

 

「正解、イッセーくんもちゃんと覚えないと、一応、これは基本だから。

日本の首相や各大臣、近隣諸国の首相のお名前を覚えておくようなものだよ」

 

まあ、近隣の首相の名前なんて、ニュースで見ても覚えないしなぁ。

 

興味ないと覚えるのはきついよな。

 

イッセーも堕天使は嫌いだから余計にな。

 

堕天使は組織を作って神器を研究しているらしい。

 

有益な神器所有者は招き入れて仲間にするか、神器を奪うか。

 

有害な所有者ならばその場で処刑するという話だ。

 

神器という存在を知らない所有者さえ。その手にかける。

 

イッセーもそうだったしな。

 

悪魔の一番の敵みたいだし、俺も容赦はしない。

 

アーシアもイッセーもあんな目に遭わせた奴らに

 

手加減は不要だろう。

 

こんな感じに天使、堕天使について教えてもらった。

 

次はアーシアが俺たちに授業を始める。

 

「コホン。では、僭越ながら私、アーシア・アルジェントが

悪魔祓いの基本をお教えします」

 

パチパチ。みんなの前に出て話を始めるアーシアに

 

拍手でエールを送る。

 

すると、途端に赤面してしまった。かわいいかよ。

 

「え、えっとですね。以前、私が属していた所では、

二種類の悪魔祓いがありました」

 

「二種類?」

 

イッセーの問いにアーシアは頷く。

 

「一つはテレビや映画でも出てくる悪魔祓いです。

神父様が聖書の一節を読み、聖水を使い、

人々の体に入り込んだ悪魔を追い払う

『表』のエクソシストです。そして、

『裏』が悪魔の皆さんにとって脅威となっています」

 

アーシアの言葉にリアス先輩が頷く。

 

「イッセーとユウスケも出会っているけれど、

私達にとって最悪な敵は神、

あるいは堕天使に祝福された悪魔祓い師よ。

彼らとは歴史の裏舞台で長年に渡って争ってきたわ。

天使の持つ光の力を借り、常人離れした身体能力を駆使して

全力で私達を滅ぼしに来る」

 

俺はの脳裏にはあのイカレた神父が浮かび上がる。

 

白髪のイカレたエクソシストで、

 

悪魔だけでなく、関わった人間さえ切り捨てる。

 

正直二度と会いたくないな。

 

俺がエクソシストについて考えていると、

 

アーシアはバッグからたくさんの道具を取り出す。

 

リアス先輩は汚いものに触れるような感じで

 

液体の入った小瓶を指でつまんでいる。

 

「では、聖水や聖書の特徴をお教えします。

まずは聖水。悪魔が触れると大変なことになります」

 

「そうね、アーシアも触れちゃダメよ。

お肌が大変なことになるわ」

 

「うぅ、そうでした…。私、

もう聖水を直に触れられません…」

 

リアス先輩の言葉にアーシアはショックを受けている。

 

まあ、悪魔だからな。

 

「作り方もあとで、お教えします。役に立つかどうかわかりませんけど、

いくつか製法があるんです」

 

得意分野なのか、ハキハキと楽しそうに

 

アーシアは講義を続けていた。

 

「次は聖書です。小さい頃から毎日読んでいました。

今は一節でも読むと頭痛が凄まじいので困っています」

 

「悪魔だもの」

 

「悪魔ですもんね」

 

「…悪魔」

 

「うふふ、悪魔は大ダメージ」

 

「うぅぅ、私、もう聖書も読めません!」

 

部員から総ツッコミされて、涙目のアーシア。

 

リアス先輩から聞いたことがあるな。

 

聖書を読まれると、俺ら悪魔は相当苦しむって話だ。

 

俺はまだ経験したことがないが、

 

というか、聖書を愛読してたらいつか死んじまうぞ。

 

「でもでも、この一節は私の好きな部分なんですよ…。

ああ、主よ。聖書を読めなくなった罪深き私をお許し あう!」

 

あっ、またお祈りしてダメージ食らっている。

 

神様、この子のお祈りぐらい見逃してくれよ。

 

こうして、午前の勉強会を終え、俺達は午後の修行へと移っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の修行にて自身の弱さを痛感したイッセー。

だが、悩んでいたのはイッセーだけではなかった

皆が不安に思う中、

街では闇夜に紛れ暗躍する影があった。

次回 第16話「自信」

お待ちください。

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。