朱乃、木場と続いて倒れる仲間達、
相手もこちらも残すは三人、
部長が待つ屋上へと向かうイッセー!
俺達はまだ諦めていない!
解放した神器の能力で逆転できるのか!
校舎の裏手から侵入し、廊下を走る。
目指すは屋上!部長の元!
ドクン。
俺の中で『特性』が脈動する。
相手の本陣に来たことで条件が揃ったんだ!
「『プロモーション』!『女王』!」
俺の体に力がみなぎる。
廊下を一気に走り抜く! だが。
ズザァァァァァァ!
廊下で激しくコケてしまった。
唐突に足の感覚がなくなる。
わかっちゃいるさ。体力の限界なんだろう?
能力が増えてもそれを使えるだけの体力がもう空っぽに近い。
それでも立たなきゃいけない。
這ってでも屋上へ向かう!朱乃さんもいない。
小猫ちゃんもいない。木場もいない。
俺の仲間は皆このフィールドから居なくなっちまった。
部長を守る戦闘要員は俺だけだ!
俺が踏ん張らないとダメなんだ!
負けたくない!負けたくねぇ!
部長!俺は部長を勝たせて見せます!
立ち上がっては転倒して、転倒しては立ち上がって…
…そんなのを繰り返しながら俺は上へ上へ駆け上がっていく。
汗、血、涙、涎、無様に全部垂れ流しながら俺は部長の元へ。
屋上の扉が見えてきた!休むヒマも無く、
俺は扉を勢いよく開け放った!
っ。
眼前で対峙する部長とライザー。
アーシアは二人を少し離れた場所から
オロオロと死ながら見守っている。
よかった。二人共無事だ。
でも、部長は辛そうに肩で息をしている。
きれいな紅の髪も乱れ、制服もボロボロだ。
俺は大きく息を吸い込んで、
「部長ォォォォォォォッッ!兵藤一誠!
ただいま参上しましたぁぁぁぁぁッ!」
屋上全体に聞こえるような声を張り上げる。
全員の視線がこちらへ集中した。
「イッセー!」
「イッセーさん!」
部長とアーシアが歓喜の声をあげてくれる。
へへへ、俺!参上!ここからがクライマックスだぜ!
「ドラゴンの小僧か?レイヴェルの奴、見逃したのか」
舌打ちするライザー。どうやら妹は反抗期みたいだな。
おかげでここまで五体満足で来られたぜ。
「ライザー様、私が『兵士』の坊やと『僧侶』の
お嬢さんをお相手しましょうか?それに『兵士』
の坊やが持つ能力が厄介さもしれませんわ。
相手が身に纏っているものを消し飛ばす能力」
一歩前へ出る『女王』を、ライザーは手で制した。
「俺が纏っている炎を消されたら厄介だと?
どうだろうな。その能力と、リアスの『兵士』
の性格を考えても、女にしか効果が無いんじゃないか?
リアス達の相手は俺がやる。
その方がコイツらも納得するだろう」
…なんだ、その言葉?
「最後だから好きにやらせてやる」ってか?
って俺の『
そうさ、あれは女性にしか効果をが無い。
そういう風に俺がイメージして作ったからだ。
野郎の裸なんて見たくも無いし、
触りたくも無い。
一応、野菜と果物の皮を取るぐらいの力はあるが、
それ以上のことは女性以外には効果は見られなかった。
「ふざけないでライザー!」
怒った部長が、魔力の弾をライザーの顔面を撃ち放つ!
避けもしないで直撃を食らうライザー。
うわ、頭部が消し飛んでいるじゃん!
やった!と、喜ぶのもつかの間、
消し飛んだ頭部から炎が立ち昇り、形を成していく。
炎しだいに顔となり、髪となり、
ライザーの頭部は元の状態に戻ってしまった。
ライザーは何事もなかったかのように
コキコキと音を鳴らすだけだ。
不死身。
これが、不死鳥の再生能力か…。
「リアス、
他の場所で見られている君の御父上にも
サーゼクス様にも恰好がつかないだろう。
君はもう詰んでいる。こうなることは
既に読んでいたことだ。
チェックメイトだ、リアス」
諭すようにライザーは言う。
だが、部長は睨むだけだ。
「黙りなさい、ライザー。私は諦めない!
読んでいた?詰んだ?まだ『王』
である私は健在なのよ?」
不敵に笑う部長。
そうさ!まだ部長がそう言うなら戦える!
まだ終わりじゃない!ここから逆転するんだ!
俺は部長の元へ走り、ライザーとの間に入る。
「アーシア!」
俺がアーシアを呼ぶと、恐る恐るライザーと
『女王』の様子を窺いながら、こちらへ
走り寄ってくる。
ライザーも『女王』も屋上を移動する
アーシアを狙い撃ちすらしなかった。
なんとなくわかっていたことだが、
そんなに余裕かよ!
部長と俺の治療を始めるアーシア。
アーシアの手が俺と部長の体に触れると、
緑色の淡い光がやさしく俺達を覆う。
…体から痛みが嘘のように消えていく。
顔の腫れが引いていき、ローキックの
連発で感覚を失っていた足にも
少しずつ感覚が戻ってくる。
だが疲れだけは取れなかった。
傷が癒えても体力は戻らない…か…。
「俺を治療したらアーシアは下がっていろ」
「!」
驚いた顔のアーシア。
「でも、ユウスケさんからも頼まれてるんです!
私だけ何もしないなんて、私だって魔法で戦えます!」
「アーシアが残っていれば、
俺と部長を癒すことができる。
アーシアは俺達の生命線なんだ」
沈痛な面持ちで何かを言いたげなアーシアだったが、
すぐに口を閉ざして後ろに下がった。
これでいい。別に足手まといって訳ではない。
アーシアが無事なら。
「キャッ!」
なに⁉ アーシアの悲鳴が耳に届く。
俺が目にしたのはアーシアの足元に出現した
見知らぬ魔法陣だった。
それがアーシアの動きを封じているのかのように見えた。
「悪いな。あんま長引いても君らが可哀想だ。
その子を倒しても良かったんだが…。
とりあえず、回復だけは封じさせてもらった。
その魔法陣は俺の『女王』を倒さない限り解けない」
ライザーが淡々と言う。
相手の『女王』は手を突き出して指先を光らせていた。
そうか、あの『女王』が魔力でアーシアを…。
クソ!アーシアが最後の頼みの綱だったのに!
だけど、文句も言っていられない!
ラストバトルだ!
「部長。勝負は続行ですよね?」
「ええ!」
部長の声音はまだ諦めの色を出していない!
そうさ!まだいけるんだ!
「でも、こちらも俺と部長とアーシアしかいません。
しかもアーシアは捕らわれてしまった。
あちらは不死身。眷属悪魔は二名もいる。
状況は最悪でもあります」
俺は口の端を吊り上げて高々と言ってやった。
「諦めないっス。俺はバカだから、『読み』とか
『詰んだ』とかよくわからないんです。
でも、まだ俺は戦える。拳が握れるかぎり
最後まで戦います!」
「よく言ったわ!イッセー、一緒に
ライザーを倒すわよ!」
「はい、部長!」
部長はいつも通り、高らかに命令を下してくれた。
聞いたかよ、ブーステッド・ギア!
俺の主様が俺へ命令をくれたぞ!
簡単なことだ!目の前の相手をぶん殴ればいい。
そう、たったそれだけだ!
「行くぜ!」
『Burst』
それは、一番聞きたくない音声だった。
その音声が宝玉から発せられた時、
俺の体が急激に重くなり、
全身の機能が停止したように。
意識が飛ぶ!ダメだ!それだけはマズイ!
下へ四つん這いに崩れて、
腹からこみ上げてくる物を吐き出してしまった。
「ゲホッ」
それは血反吐だった。
それを目にして単純に理解してしまう。
俺の体は内部も限界なのだと。
籠手の宝玉から光が消える。
宿主である俺が本当に限界だから、
機能停止してしまったのだろう。
…傷は、傷はないのに…。
まだ、戦えるはずなのに…。
倒れる俺にライザーが声を掛ける。
「ブーステッド・ギアの能力はな、想像以上に宿主を
疲弊させるんだよ。力を無理やり倍加させていく
こと自体、異常すぎることなのさ。
体への負担は他の神器に比べると段違いに高い。
この戦場を駆け廻り、俺の下僕達と戦いながら、
ブーステッド・ギアを使い続けた。
リアスの『兵士』、お前はとっくに限界だったんだよ」
…まだだ。そんなこと言われても、そうだとしても、
俺はまだ戦える…。
ここで負けたら、あいつにどんな顔を見せればいいんだよ。
俺達を信頼している任せてくれたんだ、
勝たなくちゃ…。
あいつは自分のせいにするから人一倍責任感が強いあいつは、
負けちまったら絶対に自分のせいにするから。
俺はまだ…。
横で部長が悲しそうな顔をしている。
すみません、心配をかけちゃって。
問題ありません。今、立ちます。立ちますよ。
ぐぐぐと足に力を入れて、起き上がる。
倒れたり立ったり、もう何回繰り返したかな?
「部長、行きましょう!」
俺はライザーへ向かって突っ込んでいった。
―〇●〇―
「ぐほっ!」
激痛が俺を襲う。
今日、何度目か知れない激しい痛み。
…何度も倒れてしまった。
カッコ悪いよな…。
部長…、勝ちましょう。
俺勝ちますよ。
部長は、既に膝をついて立たないでいた。
部長の魔力は尽きている。
何度も何度もライザーを吹っ飛ばしたけど、
その度にライザーは炎を巻き上げさせながら復活した。
何事もなかったかのように。
部長とアーシアを守らないと…。
もう俺しか二人を守る奴がいないんだ…。
俺が…。
ドゴンッ!
ライザーの拳が俺の腹に深く突き刺さり、
さらに抉り込ませるように拳を、回転させてきた。
ゴボッ。
口から血が吐き出される。
…あんなに血を吐いたのにまだ出るんだな…。
視界が霞んできた…。
頭を振って、なんとかボヤける視界を戻そうとした。
大丈夫っすよ…。
勝ちますから…。
このライザーをぶっ倒して…。
部長に勝利をプレゼントします…。
そしたら、きっと部長は笑ってくれますよね…?
…俺、部長が笑ってくれるなら…。
そうだ、部長…。
鍛えてくれてありがとうございました…。
こうやって、立てるのも部長のおかげ…。
…勝ちます。
…俺は『兵士』…。
…最強の『兵士』になるんです。そう最強の
ズドン。
顔面に食い込んだ拳。
当たる瞬間、スローモーションだった。
…まだ、戦えますから…、部長…。
…約束、守りますから…。
…勝ちますから。
ー○●○ー
リアスside
戦況は終局へ移ろうとしていた。
理解している。
私、リアス・グレモリーは詰んだ。
つまり、チェックメイトだ。
もう誰も戦える力が無い。
それでもあの子だけは立ち上がっていた。
イッセー。
彼だけが詰んでいる状態でもライザーへ向かっていく。
けれど、それも終わり。
さっきのライザーの一撃がイッセーの全てを断った。
後方へ倒れ込むあの子を見て、私は無意識に駆け寄っていた。
抱きとめたイッセーの体は血と汗にまみれ、酷い有様だ。
それでも私はこの子が愛しかった。わ
「…イッセー、よくやったわ。もういいわ。よくやったわ」
私は優しくつぶやくが、
イッセーは私の体から離れて身を起こそうとしていた。
「もういいの!イッセー!」
私の手を払い、のろのろと力なく立ち上がっていく。
無言のまま一歩、また一歩と前へ進みだす。
その光景は異様な迫力を生んでいた。
誰もが彼の事を、息を呑んで見守っている。
相手のライザーも無表情で彼を迎えていた。
ダメ!
これ以上やらせれば、私はイッセーを失う。
可愛い下僕。私のイッセー。
これからも沢山可愛がるつもりなのに、
こんな所で失いたくない!
ダッ!
私はイッセーとライザーの間に入り、
イッセーの前に立つ。
「イッセー!止まりなさい!私の言うことが聞けな 」
そこまで言い、私は言葉を詰まらせた。
当然だ。
こんなの…。
こんなの…。
イッセー…。
あなたは…。
イッセーは、既に意識を失っていた。
眼は虚ろで、口も開いたまま。
それなのに、この子は前へ前へ出ようとしている。
震える拳を握りしめたまま…。
「…あなた、こんなになってまで…」
私の頬をいつの間にか涙が伝っていた。
私は可愛いこの子の頬へ手を伸ばす。
頬は腫れあがり、元気を感じさせてくれたこの子
ほっぺの感触が伝わってこない。
「…バカね」
前へ出ようとするイッセーを私は抱きしめた。
「お疲れ様、イッセー」
その言葉を発した時、彼の全身から力が抜け、
その場に倒れ込んだ。
私はイッセーの体を抱きしめ、そのまま下へ寝かした。
彼の頭を膝に乗せる。膝枕、
して欲しいって言ってたものね…。
この子は私の為に戦った。
『部長!俺、絶対に部長を勝たせてみせます!』
イッセーはまだ魔力の使い方もろくに覚えていないというのに、
全力で戦場を駆け回った。
実戦経験なんて皆無に等しいのに。
怖かった筈だ。死ぬであろう場面もあったのに…。
『諦めないっス。俺は馬鹿だから「読み」とか「詰んだ」
とかよく分からないです。でも、
まだ俺は戦える。拳が握れるかぎり最後まで戦います!』
拳をこんなに腫れさせるまで、
この子は私の為に戦ってくれた…。
いつも。いつもこの子は笑顔だった。
いつでも一生懸命で、
いつでも私の為に動いてくれた。
私は知らない内にこの子に惹かれていたのね。
もう少しで私はイッセーの笑顔を
永遠に失うところだった。
「ありがとう、朱乃、祐斗、小猫、ユウスケ、
アーシア…イッセー。
不甲斐ない私の為に、よく頑張ってくれたわ」
そっと、イッセーの頭を撫でた後、
ライザーに言う。
「私の負けよ。
初のレーティングゲーム。
それは苦く、辛い敗北から始まった。
私は、この敗北を絶対に忘れない。
ー○●○ー
ユウスケside
「以上が今回のレーティングゲームの結末です」
俺はグレイフィアさんから試合の内容を聞かされた。
「そうですか、俺は…間に合わなかったのか…」
「皆さまも、もうじき此方へ戻ってきます」
「皆んなは無事なんですよね?」
ゲームだから、怪我はないだろうけど、
精神に受けた傷は癒えない。
イッセーは大分やられたようだから心配だ。
カッ!
床の魔方陣が光だした。
紋様は俺達のグレモリー眷属のもの。
どうやら、皆が戻ってきたようだ。
いっそう眩い光を放ち、
光のなかから皆が現れた。
皆、暗い雰囲気でイッセーはリアス先輩に膝枕されており
眠っているようだった。
「戻っていたのね。ユウスケ」
俺が戻っていたことにリアス先輩が気がついた。
「はい奈美先輩は無事に助け出しましたが、
すみません間に合うことができなくて」
「いえ、私もライザーを甘く見ていたわ。
イッセーの覚醒は作戦にはなかった事
当初の作戦通り進めていても
私に勝ち目はなかったわ。
皆、不甲斐ない私の為によく頑張ってくれたわね」
リアス先輩が俺達に謝るが、
誰も返答出来なかった。
もし、 俺が居れば。
もし、 イッセーの負担が少なければ、
もしかしたら、 勝てていたかもしれない。
そんな考えが頭を過るが、
頭を振って、そんな考えを振り払う。
皆頑張って戦った結果にケチをつけるなんて、
一番やってはいけない事だ!
俺は今回何もできなかったんだから。
「皆さまお揃いになりましたので、
今後の予定をお伝えします」
静かな部室にグレイフィアさんの声が周りに響く
「リアス様には二日後、婚約を発表する
パーティーに出席していただきます。
その為『女王』と共に一度実家に戻って頂きます」
準備に時間が掛かるはずなのにその日数ってことは。
やはり、負けることは皆分かり切っていた事だったのか。
頭にくるよな、
誰もリアス先輩の勝利を考えていないなんて
「わかったわ。朱乃、一緒に来てもらえる?
他の皆は今日は帰ってちょうだい。
皆、ありがとうね」
「はい、部長」
リアス先輩が朱乃さんに命令して、
今日は解散となった。
「イッセーはいつ目覚めるんですか?」
俺はずっと気になっていた。
イッセーは寝ているようだが、
目覚める様子はない。
「イッセー様は今回の戦いによる肉体・精神
両方を疲労しているので、数日は
眠ったままかもしれません」
眠っている間に全てが終わっている
可能性もあるのか。
「なら、俺が背負って帰ります
リアス先輩達は準備があるでしょうから」
「そうね。お願いするわユウスケ」
俺はイッセーを背中に乗せる。
そして、部屋の入口でずっと黙っていた
奈美先輩に声を掛ける。
「では、奈美先輩一緒に帰りましょう
家まで送りますよ」
すると奈美先輩が反論する
「いえ、貴方はイッセー君を家に運びなさい。
試合には出ていなくても私をさらった怪物と
戦ったのよ。気づいていないだけで
疲労しているはずよ。
私は一人で帰るから安心しなさい」
奈美先輩は自分がこれ以上迷惑を掛けたくないようで、
俺の誘いを断った。
「ですが、また他のグロンギが出るか分かりません。
夜だけは誰かと一緒にいないと」
そう、俺が倒した他にもグロンギはいる
奴らの目的が分からない以上安心はできない。
「なら、僕と小猫ちゃんで先輩は送ってくるよ
それなら君も安心でしょ。幸いにも僕たちの家と
先輩の家は同じ方向だからね」
口論になろうとした俺達を木場が間に入って
止めてくれる。
「お願いしていいか、木場、小猫ちゃん!」
「…私は今回、活躍できなかったので。
これくらいさせて下さい」
二人も今回の試合結果に思うところがあるようだ。
声にいつもの元気はない。
俺は二人の厚意に甘えることにした。
「なら頼んだ、俺は二人と帰るよ」
「ユウスケ!落ち込んじゃダメよ!
貴方はやりたい事をやったのだから
結果を気にするんじゃなくて
この後も好きにやりなさい!」
奈美先輩はそう言い残して木場達と共に
部室を後にする。
「…好きにやれか…」
「ユウスケ様、先ほどの話にあった
グロンギについて教えていただけますか?
今回の婚約に関係する者の仕業とは
思えませんが、お嬢様の領地で行われたこと
ですので、こちらでも調べておきます」
「わかりました詳しく説明します」
俺はグレイフィアさんに
工場跡地で起きたこと。グロンギについて
全て話した。
「情報ありがとうございます。
何か分かりましたらお嬢様へ
ご報告いたします。
では、お嬢様行きましょう」
「ええ、分かっているわ」
「リアス先輩!」
俺は魔方陣に向かう先輩に声を掛ける。
「俺もイッセーもまだ諦めていませんから!」
「ありがとうユウスケ、イッセーをお願いね」
そう言ってリアス先輩達は魔方陣にて転移した。
残された俺達は学校を出て帰路につく。
「ユウスケさん、先ほどのあきらめないって
どういうことですか?」
帰り道の途中、アーシアが先ほどの俺の発言に
ついて訪ねてきた。
「そのままさ、まだ婚約を止める方法は
あるはずさ、イッセーはこんなことで
好きになった人が不幸になるのを
ほっとける人間じゃないしな」
「そうですね…。私の事も
ほっとけなかったから
助けてくれましたし、
でも、どうやってですか?」
当然の疑問だな。
リアス先輩の婚約を止める方法、
それは……。
「分からない!」
「え⁉」
「分からない、けど、
とりあえず、イッセーが起きてから
考えよう」
問題の先送りだがな、
「余計なお世話はヒーローの本質さ」
不意に後ろから声をかけられた
「初めまして、兵藤祐介君
いや、仮面ライダークウガ」
そこに居たのは、黒いコートにフードを
被った一人の男性だった。
「お前、何者だ」
「ユ、ユウスケさん」
俺は直ぐさまアーシアを背後に隠し
黒コートの相手を警戒する。
「おいおい、そんなに警戒するなよ傷つくだろ」
その男はおちゃらけた態度でいるが、
隙が一切見当たらなかった。
確実に格上だ、今までにあった中でも
一番かもしれない。
「お前は何者だ?何が目的だ?」
今戦闘は避けなくてはならない。
「俺の名は『メモリー』。今回は挨拶に来た。
此処の仮面ライダーであるクウガ、君にね」
仮面ライダーという名に聞き覚えはないが、
クウガはグロンギが俺の事をそう呼んでいた。
「仮面ライダーってなんだ?」
「そうか、ライダーの概念はないのか。そうだな、
仮面ライダーとは、誰かの自由の為に戦う
仮面の戦士の称号さ」
「…自由の為に」
その称号が俺にふさわしいとは思えないが、
俺をそう呼んでくれる人がいることが
嬉しく思えた。
「お前もいずれ実感するさ。自分が仮面ライダーだと
それはそうとこれを渡しておこう」
ヒュッ!
黒コートの男が俺に何かを投げ渡す。
パシィ。
「これは…」
受け取ったものを見るとそれは変な形をした
何も描かれていないスタンプの様だった。
「それはいずれ、お前の役にたつものだ
大事に持っておけ。使い方はいずれ分かる
機会があればまた会おう」
そう言って。
黒コートの男は去っていった。
最後まで何者か分からなかった。
顔もフードの中が見えなかったしな。
「何者だったんでしょうか、あの人は」
アーシアが不安そうに聞いてきた。
「分からない、敵ではないんだろうけど」
とりあえずスタンプを懐にしまい、俺達は
家に帰ることにした。
「仮面ライダーか…」
俺は先ほどの黒コートの男の話が気になっていた。
―〇●〇―
赤い。
赤い夢を見ていた。
俺の中で唐突に何かが訴える。
神器で今まで振るっていた力は
本来のものではないと。
誰が? 神器が?
それは、俺の中で渦巻く何かだ。
灼熱の炎を揺らしながらそいつは
口の端を吊り上げる。
『そんなんじゃお前はいつまで経っても強くなれない』
頭にそんな言葉が通り過ぎる。
俺が思っていたわけではない。
心の奥底から…いや、この声は俺の左腕から…。
『お前はドラゴンを見に宿した異常なる存在。
無様な姿を見せるなよ「白い奴」に笑われるぜ?』
お前は、あの夢に出てきたドラゴンか?
例のパワーアップもお前の仕業か?
『ああ、お前が望み、俺も望み、そして
「白い奴」も望んだ。だから、新しい段階に
入ったのさ』
望む? 何を言ってやがる…。
つーか、『白い奴』って誰だよ!
『いずれ、奴はお前の前に現れる。そうさ、
俺とあいつは戦う運命にあるからな。
そうだ。ついでだ。俺の力、その本来の使い方を
教えてやる』
何を…。
お前は何を言ってるんだ!
…お前は一体…。
『
兵藤一誠、お前の左腕に居るものだ』
ウェルシュ・ドラゴン…ドライグ…。
『負けるのもいい。死ななければ敗北も力の糧になる。
だが、それは次に勝ってこそ意味があるものだ。
負けて勝って、そして勝ち続けろ。
そうすれば、奴とおまえは出会う』
俺と誰がどうなるっていうんだ…。
『その内わかるさ。その日の為に強くなれ。
俺はいつでもお前に力を分け与える。
だが、それは大きな犠牲を払うと頭に
入れておくといい。なに、犠牲を払うだけの
価値をお前に与えてやるさ。
嘲笑った連中に見せてやればいい。
「ドラゴン」って存在をな』
目を覚ましたイッセーと共に
リアス先輩の婚約パーティーに殴り込みに行くユウスケ。
今度はユウスケも共にライザーと勝負をすることに
イッセー対ライザー、ユウスケ対ユーベルーナ
「お前達を倒すのは俺たちだ!」
赤龍帝とクウガがタッグは勝つことが出来るのか。
次回 第23話「決闘」
見てくれよな!
外伝でやってほしいコラボは?
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仮面ライダークウガ(五代雄介)
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仮面ライダーディケイド
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忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
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その他(希望があれば感想へ)