突如現れた、黒コートの男。
開かれる婚約パーティー。
だが、俺は納得いってない。
皆が笑顔でいられるために、
俺達は立ち上がる。
婚約パーティーの当日。
遂にパーティー当日となったが、
イッセーは未だに目覚めてはいない。
あれから二日間眠りっぱなしだ。
もうすぐパーティーの時間であるが、
今は待つしかない。
両親も今回の事で不安になってはいるが、
事情を説明するわけにもいかないので、
倒れたこと、命に別状はないことは
伝えてある。
「ユウスケさん、イッセーさんは
目覚めますよね?」
アーシアも不安になっているようで、
毎日神器を使って回復してくれてはいるが、
神器は外傷にしか効果が無い為、
気休めにしかならない。
「神様、どうかイッセーさんが目覚めます、あぅっ」
アーシアは何度もイッセーが目覚めるように
祈っているがそのつど頭を痛めてる。
「大丈夫だよアーシア。すぐに目が覚めるさ、それと、
そろそろパーティーに行くと木場から連絡が来たけど、
アーシアはいかなくて良かったのか?」
「はい、皆さんは優しくて良い方たちなのは
よくわかっているんですが、やはりまだ、
悪魔は怖いのでユウスケさんと
一緒じゃないと式場にはいけそうにありません
ユウスケさんも行かないで、イッセーさんが
目覚めるのを待つんですよね?」
今回の件で悪魔の怖い部分を見たせいで、
悪魔への苦手意識はまだあるんだな。
「ああ、イッセーが目を覚ましたら
説明とかしないといけないしな
流石にほっとけないよ。
そうだ、起きたら二日間何も食べてないし
飯を用意しないとだよな」
「フフッ、そうですねでは、
下でおかゆでも作って来ますね」
そう言って、アーシアは部屋を出ていった。
「はぁ、さっさと起きろよイッセー、
リアス先輩を笑顔にするには
お前の力が必要なんだからさ」
カッ!
その時、部屋の床に魔方陣が出現した。
紋様はグレモリー家の紋様。
誰かが、迎えに来たのかな。
そして、光の中から現れたのは
グレイフィアさんだった。
「お久しぶりです。祐介様」
「どうして、グレイフィアさんが家に?」
「リアスお嬢様からイッセー様の容態の確認するように言われ。
主から、一誠様へのお届け物を渡しに来ました」
グレイフィアさんは懐から1枚の封筒を取り出した。
「すみません。イッセーはまだ目覚めていないんです」
「そのようですね、なら、目覚めるまで介護の
お手伝いさせていただきます」
「うぅ…」
グレイフィアさんと話していたとき、
イッセーの声が聞えた。
そちらを見てみると。
イッセーが目覚めて上半身を起こしていた。
「目が覚めたようですね」
イッセーは状況を理解できていないようで、
必死に何があったか思い出そうとしているようだ。
「グレイフィアさん!勝負は?
部長はどうなったんですか⁉」
「落ち着けイッセー!
勝負なら…」
「勝負はライザー様の勝利です。
リアスお嬢様が
イッセーは聞かされた内容に絶句し、
言葉も出ないようだ。
突然、イッセーは俺達の前で泣き出した。
試合の結果がよほど悔しかったのか、
そうだよな、あんだけ修行して、
能力も覚醒して、あと少しの所で、
大見得きった挙句、惚れた女の前で
倒れたんだ、男のプライドはボロボロだ。
「現在、お嬢様とライザー様の婚約パーティー
が行われています。グレモリー家が用意した
冥界の会場です」
俺がイッセーになんて声を掛けようか
考えていると、グレイフィアさんが
今の状況を説明してくれた。
「…木場達は?」
「先に会場に行ってる。ここに居るのは、
俺とお前とアーシアだけだ」
「俺もアーシアも心配だったからな
リアス先輩に無茶言って、ここにいるんだ。
リアス先輩も最初からそうする
つもりだったみたいだけどな
今は下におかゆを作りに行ってるよ」
イッセーは何かを悩んでいる様子だ。
「…納得されませんか?」
グレイフィアさんがそうイッセーに尋ねる。
「ええ。勝負がついたとしても、俺は納得できません」
「リアスお嬢様は、お家の決定に従ったのですよ?」
「わかってます!わかってはいるんです!それでも俺は」
お前ならそういうと思ったぜ。
誰かが悲しむ顔は見たくない。
俺はそう思っている。お前だってそうだろ。
惚れた女なら、なおさらな。
「俺だって諦めていないぜ、イッセー!
今回の俺は何もできていないからな
リベンジしないと気が済まない!」
「ふふふ」
突然、グレイフィアさんが小さく笑った。
この人が笑うのは初めて見たな。
いつも冷淡で淡々と話しているから…。
「貴方達は本当に面白い方達ですね。
長年、色々な悪魔を見てきましたが、
貴方達のように思った事を顔に出して、
思った通りに駆け抜ける方は初めてです。
私の主、サーゼクス様も貴方達の活躍
を報告や先日の試合で見ていて、
『面白い』とおっしゃっていたのですよ」
まじかよ。俺達魔王様にそんな評価
を受けていたのか。
喜んでいいのか分からないな。
グレイフィアさんは懐から1枚の紙きれを取り出した。
あれが、先ほど言っていた届け物か。
その紙切れには魔方陣が描かれている。
「この魔方陣は、グレモリー家とフェニックス家の
婚約パーティーの会場へ転移出来るものです」
っ。
なんで、そんなものを!
「サーゼクス様からのお言葉を貴方へお伝えします」
一泊あけ、グレイフィアさんは真剣な面持ちで言う。
「『妹を助けたいなら、会場に殴り込んで来なさい』、
だそうです。その紙の裏側にも魔方陣があります。
お嬢様を奪還した際にお使い下さい。
必ずお役に立つと思いますので」
……。
まじか魔王様公認で婚約パーティーに殴り込みか、
返答に困っている俺達。
グレイフィアさんは魔方陣が描かれた紙を
イッセーに手渡す。
「先ほど、一誠様の中から強大な力を感じ取りました。
ドラゴンは、神、悪魔、堕天使、そのどれとも手を
結ばなかった唯一の存在です。
忌々しきあの力ならば、あるいは…」
それだけ言うとグレイフィアさんは俺の方を見る。
「以前教えて頂いた、グロンギと呼ばれた存在ですが、
調べたところ。怪しい人物がおりました。
ライザー様の『女王』、ユーベルーナ様です。
祐介様の見た者と似た人物と接触した疑いがあります」
なら、奈美先輩をさらうように仕向けたのは
あの女か!
最初の爆破といい、良い印象は持っていなかったが、
あいつは絶対に許さない!
「ライザー様はそんなことはお許しにならないので、
『女王』の独断でしょうが、これで、結果が
変わる事はありません。
ですが、婚約パーティーの後に然るべき
処分は行います」
仕方ないか、関係があったからと言って
指示を出した証拠はないしな。
グレイフィアさんはそれだけ伝えると
魔方陣で帰ってしまった。
「どうするんだイッセー?」
「考える必要なんてないよな」
俺の質問にイッセーは立ち上がり答える。
「なら、さっさと着替えろ、服はそこに置いてある」
俺は机の上にある新品の制服を指差す。
「…戦闘であんなにボロボロだったのに」
「リアス先輩が新しく用意してくれたんだ」
「そうか…、感謝しないとな」
イッセーが制服に着替えたところで部屋の扉が開き、
アーシアが入ってくる。
「イッセーさん!目が…覚めたんですね…」
イッセーが起きていることに気が付いた
アーシアは突然泣き出してしまった。
「私、イッセーさんが二日間も眠ったままだから、
このまま目が覚めないんじゃないかって思って…」
「もう心配かけさせるなよ、イッセー」
「悪かったよ二人共、心配かけて」
イッセーはアーシアを泣かせてしまったことが
こたえたのか素直に頭を下げた。
「アーシア、俺とイッセーはこれから
リアス先輩の元へ向かう」
「っ!」
俺の言葉にアーシアは酷く驚いた様子だった。
俺達が何のために向かうのか分かっているからだろう。
「…お祝いの為じゃ、ありませんよね…」
「ああ、今回の件を終わらせるためだ、
リアス先輩を取り戻して、皆で戻ってくる。
大丈夫。会場までのルートは合法で手に入れたから」
「私も行きます!」
間髪入れずにアーシアが言う。
その顔は真剣そのものだ。
「ダメだ、アーシアはここに残るんだ」
「嫌です!私も二人と戦えます!
修行して魔力だって使えるようになりました。
もう!守られるだけは嫌なんです!」
アーシアは俺とイッセーの手を握る。
絶対に放さないという意志の表れだろう。
「大丈夫だよアーシア、俺とユウスケで部長を取り戻す。
ほら、ブーステッド・ギアはそういうの専門だと思うしさ。
大丈夫、軽くライザーをぶん殴って倒して 」
「大丈夫なんかじゃありません!」
アーシアは声を張り上げた。その声には涙も混じってる。
グリーンの瞳からボロボロと涙を流しながら、
哀しそうな表情を浮かべていた。
アーシアがここまで感情的になるのは初めてかもしれない。
「…また、血だらけで、ボロボロになって、
グシャグシャになって…。いっぱい痛い思いするんですか…?
私、もうそんなお二人を見たくありません…。
ユウスケさんだって、そうなるこっもしれないなんて…」
アーシアを堕天使とはぐれ悪魔祓いの集団から
奪い返した事件で俺達傷を負った。
ライザーとの顔合わせでも負傷して、
試合ではイッセーはボロボロになった。
アーシアの治療がなかったらヤバイ場面も何度もあった。
俺達の傷を一番近くで見てきたのはこの子だ、
この子が涙を流しながら俺達を治療してくれたのを
思い出す。きっとこれからもこの子を悲しませるかもしれない。
そんな未来を少しだけ想像してしまった。
それは俺が望む光景ではないな。
俺は満面の笑顔でアーシアの手を握り返す。
「俺は死なない。イッセーだって死なない。
絶対にだ。約束する。今までいっぱい心配かけた。
これからもかけるかもしれない。だけど、
生きて、アーシアと一緒にこれからも過ごすよ」
「俺もユウスケも死にに行くつもりはないぜ」
アーシアは涙を流しながら、小さくうなづいた。
「…それなら、もうひとつだけ約束してください」
「「約束?」」
「必ず部長さんと帰ってきてください」
笑顔で俺に言うアーシア。
「「もちろんだ」」
俺達がそう答えると、
アーシアは嬉しそうに微笑んでくれた。
「と、思い出した。アーシア実はな用意して
もらいたいものがあるんだ」
イッセーがアーシアに耳打ちすると
アーシアは了承して部屋を後にする。
「アーシアに何を頼んだんだ?」
「ライザーに勝つための秘密兵器だ、あとは…」
イッセーはそう言うと、目をつぶり集中している
ようだ、何をしているんだいったい?
ガチャッ!
「お待たせしました。イッセーさん」
しばらくするとアーシアが小包を持って
部屋に入ってきた。
「頼まれていたものはこの中に」
「よし!これで準備は出来た、パーティーに
乗り込もうぜユウスケ!」
「ああ、今度は俺も一緒だイッセー!」
―〇●〇―
シュゥゥゥゥゥン…。
グレイフィアさんからもらった魔方陣から、
俺達は見知らぬ場所へ転移した。
イッセーの魔力で大丈夫か不安だったが、
この魔方陣は特殊なのか無事に転移できた。
出現した辺りを見回すと、果てしなく広い廊下だった。
壁には蝋燭らしきものがずらりと奥まで掛けられている。
ふと、視界の端に巨大な肖像画が写り込む。
その絵は紅髪の男性が描かれている。
リアス先輩のお兄さんかな?
ってこんなことしている場合ではなかったな。
「向うに行こうイッセー、騒がしいってことは
会場はこっちだろう」
俺達はガヤガヤと声が聞こえる方向に歩き出す。
辿り着いた場所には、開かれた巨大な扉があった。
扉には大きな獣の彫り物がされている。
…これは何かの魔獣がモデルなのだろうか。
扉から中を窺うと、着飾った大勢の悪魔達が
広場で楽しそうに談笑していた。
こういうのは以前奈美先輩に連れられて行った
人間界の社交界と似ているな。
まあ、そこは人間も悪魔も変わりはないんだろう。
俺達は悪魔達をかき分けて見知った顔を探す。
しかし、この会場は校庭よりも広そうで、
人を探すのも一苦労だ、
天井も遥か上で見上げれば、
とんでもなく大きいシャンデリアが吊り下がっている。
そんな事を考えていると視界の端に紅が写り込んだ。
長い紅の髪をアップにした女性。
間違いなくリアス先輩だった。
「おい、イッセーあれ」
俺がイッセーに声を掛けたその時、
「部長ォォォォォォォッッ!」
会場全域に響き渡る大声でイッセーが部長を呼んでいた。
流石にこれは予想外だった。
周囲の悪魔達の視線が俺達に集まり、
リアス先輩もこちらを見ていた。
そして、リアス先輩が目を見開き、涙を一筋流していた。
イッセーが無事に起きて安堵したんだろう。
小さく「イッセー」と口を動かしたのがわかる。
横にいたライザーも俺達に気づく。
キザったらしいタキシードで更にホストぽく
見えてくる。
イッセーは続けて宣言した。
「ここにいる上級悪魔の皆さん!それに部長の
お兄さんの魔王様!俺達は駒王学園オカルト
研究部の兵藤一誠と兵藤祐介です!部長の
リアス・グレモリー様を取り戻しに来ました!」
正確にはオカ研には所属していないがな。
そんなことを思っていると、会場がいっそう
ガヤガヤとうるさくなった。
俺達は周りに構わず、リアス先輩の元へ
歩いて行く。
「おい、貴様ら!ここがどこだと 」
衛兵らしき者が俺達を止めようとする。
が、それを邪魔する者たちがいた。
「二人共!ここは僕たちに任せて!」
それは、白いタキシードを着た木場だった。
「…遅いです」
ドレスを着た小柄な女の子が
同じく衛兵を止める。
「あらあら、やっと来たんですね」
豪華な和服を着た朱乃さんも同様だった。
全員が俺達の邪魔をしそうな輩
の足を止めてくれる。
「「ありがとう」」
俺達は皆へ礼を言い、ライザーの元へ
堂々と向かう。
そして、俺達が向かい合うと
イッセーがライザーへ宣言する。
「部長、リアス・グレモリー様の
処女は俺のもんだ!!」
「……ッッ!」
形容しがたい表情でライザーは
目元を引きつらせる。
俺も同じような顔をしているだろう。
他にいう事あるだろうに、
さすがイッセーだな。
「どういうことだ、ライザー?」
「おい、リアス殿。これはいったい?」
身内、関係者達が困惑した
表情で落ち着かない様子だった。
上級悪魔ったって、人間みたいに
突然のことに対応できないんだな。
「私が用意した余興ですよ」
その時、一番奥にいた紅髪の男性が
歩み寄ってくる。
廊下の肖像画に描かれていた人だ。
リアス先輩に似た面影がある。
「お兄さま」
リアス先輩がその男性をそう呼ぶ。
ということは、この人が魔王!
木場達から聞いてはいたが、
この方が魔王サーゼクス・ルシファー様
「ドラゴンとクウガの力が見たくて、
ついグレイフィアに頼んでしまいましてね」
「サーゼクス様!そ、そのような勝手は!」
魔王様の言葉に、中年風の男性悪魔が
慌てふためいている。
「いいではないですか。この間の
『レーティングゲーム』、実に楽しかった。
しかしながら、リアスの眷属であるクウガ
が不在で戦いが見れなかった事、
ゲーム経験も無い妹が、
フェニックス家の才児であるライザー君と
戦うには少々分が悪かったかなと」
「…サーゼクス様は、
この間の戦いが解せないと?」
「いえいえ、そのようなことは。
魔王の私があれこれ言ってしまったら、
旧家の顔が立ちますまい。
上級悪魔同士の交流は大切な物ですからね」
食えないことを笑顔で喋る魔王様。
話からすると、リアス先輩側の味方だが、
立場的に介入は出来なかったのだろう。
「では、サーゼクス。
お主はどうしたいのかな?」
紅髪の中年男性が魔王様に問う。
もしかして、リアス先輩のお父さんか?
「父上。私は可愛い妹の婚約パーティーは
派手にやりたいと思うのですよ。
ドラゴン対フェニックス。
最高の催しだとは思いませんか?
伝説の生物同士で会場を盛り上げる。
これにまさる演出はないでしょう」
魔王様の一言に全員が黙り込んでしまった。
サーゼクス様が俺達へ視線を向けてくる。
「ドラゴン使い君、クウガ君。お許しが出たよ。
ライザー、リアスと私の前でその力を今一度
見せてくれるかな?」
魔王様の問いを聞き、ライザーが不敵に笑う。
「いいでしょう。サーゼクス様に頼まれたの
なら断れるわけもない。このライザー、
身を固める前の最後の炎をお見せしましょう!」
「さて、クウガ君。君の話も報告を受けている。
君にも、戦いたい相手が居るのだろう?」
「はい!俺は、ライザーの『女王』との
決闘を望みます」
「何故、試合にも出ていなかったお前が、
ユーベルーナと戦うんだ?
関係はないだろう?仲間の仇か?」
ライザーが俺に問う。
「仇もあるが、試合の為に俺の知人
を誘拐を指示したからな。
その借りを返すだけだ!」
「なんだと!」
俺の言葉にライザーは絶句していた。
やはり奴も知らされてはいなかったのだろう。
「本当か!ユーベルーナ!!」
ライザーがユーベルーナを怒鳴りつける。
「…はい、真実です」
「…ふぅ、いいだろうその申し出は受けよう
知らなかったとはいえ、貴様の知人を
誘拐した件は謝罪しよう。だが、
貴様が居たところで俺様の勝利は
揺るがなかった。
それだけは、覚えておけ!」
これで、俺達の勝負の舞台は整った。
よし!あとは勝利するだけだ!
気合を入れる俺達に魔王様が訊いてくる。
「二人共、君達が勝った場合の代価
は何がいい?」
「サーゼクス様⁉」
「なんということを⁉」
魔王様の申し出に身内の方々が
非難の声をあげる。だが。
「悪魔なのですから、何かをさせる
以上はこちらも相応のものを払わねば
ならないでしょう。さぁ、君達。
なんでもあげるよ。爵位かい?
それとも絶世の美女かな。
あるいは財宝かな?」
まさしく悪魔の囁きだ。
それは、誰もが求める物だろう。
だが、俺達の願いはもう決まっている。
「「リアス・グレモリー様を返してください」」
迷いのない俺達の一言に魔王様は
満足したような笑みを見せた。
「わかった。君達が勝ったら、
リアスを連れて行けばいい」
このやり取りによって、
俺達の決闘がこの会場で執り行われることとなった。
「「ありがとうございます!」」
会場の奥へ去っていく魔王様を、
俺達は頭を深く下げて見送った。
―〇●〇―
会場の中央に急遽作られた空間。
その周囲を会場にいる悪魔達が好奇の視線で
見守ってきている。
部員メンバーもリアス先輩と共に関係者席に
座っていた。リアス先輩の隣には魔王様もいらっしゃる。
逆にフェニックス家側の方には身内の方々と下僕悪魔、
ライザーの妹も列席していた。
そして、俺達はライザーとユーベルーナと
空間の中央で対峙していた。
これは悪魔式のリングみたいなものだろう。
「ライザー様はお下がりください。
先ずは前哨戦として、私が戦います」
「いいだろう。『女王』の力見せてこい」
俺とユーベルーナが前に出る
すると、ユーベルーナが俺にだけ声をかけてきた。
「私に勝てると思っているのでしょうが
私はザインみたいな雑魚では無いわよ」
「やっぱり仲間だったか、
お前もグロンギか?」
「それはどうかしらね、
この試合で確かめてみたら」
この女が放つプレッシャーはその言葉通り
ザインのものよりは上だ。だが、
勝てない事はない。
『試合開始!』
会場の男性悪魔が開始の合図を出す。
「さっさと変身しなさい。
その姿のままじゃ倒しても面白くないわ」
ユーベルーナが挑発してくる。
俺は腰に手をかざして構えを取る。
「変身!」
俺は掛け声とともにベルトのスイッチを押込む。
俺の体は一瞬の発光と共にクウガの姿へと変身する。
「いくぞ!」
ダッ!
俺はユーベルーナに向かい駆け出す。
対してユーベルーナはこちらに手を向け
魔力の塊を放ってくる。
ヒュンッ!
目の前に迫る魔力を躱し距離を詰める。
「そんな速度じゃ、私は捉えられませんよ?
『プロモーション』はしないの?
それとも、出来ないのかしら?」
「くぅッ」
そう、俺はクウガの姿の時には『プロモーション』
が出来ない。何度も試したが、
人の姿の時でないと出来ないようだ。
「『プロモーション』出来ない『兵士』
なんて怖くないわ!」
「それがどうした!」
ユーベルーナは引き続き魔力を放ってくる。
「当たらなければ、どうってことは無い」
魔力の塊をステップでかわす。
躱した弾は、地面に穴を穿つ威力があった。
威力はあるが、この弾速なら躱すことは容易だ。
「ちょこまかと、それなら、これならどう?」
ユーベルーナが手のひらを上に向けると、
先ほど地面に空いた穴から魔力の塊が浮き上がってくる。
「しまっ!」
既に周囲を囲まれ回避する術はなかった。
ドガガァァァッァァンッッ!!
包囲した魔力が爆発し、
ユウスケが立っていた場所は
黒煙に包まれる。
「無様だわ。クウガといえど、
この程度なんて、期待以下ね」
「『プロモーション』!『女王』!」
俺は黒煙から飛び出し、『女王』
の強化された速度でユーベルーナの眼前へ接近する。
飛び出したユウスケの姿は変身を解除していた。
「まさか⁉」
「変身!」
祐介は拳を振り上げながら、変身する。
その右手にはエネルギーが集まり真っ赤に燃えていた。
「おりゃぁぁぁぁッ!」
ドゴッ!
「ガハッ!」
俺はユーベルーナに渾身の一発を顔面に叩き込んだ。
爆破を食らった後に変身を解除し、
『女王』に『プロモーション』することで、
機動力と防御力を上げて接近した。
連続で攻撃を食らっていたら無事ではなかったので、
そこは運頼みだったが、
「どうだ!この方法なら
『プロモーション』出来るんだ!」
俺の渾身の一撃を食らったユーベルーナは
ふらふらと立上り顔を抑えながら。
此方を睨んでいる。
「ふふふ、流石はクウガね。
侮っていたわ。いいでしょう
今回は貴方に勝ちを譲ってあげるは」
そう言い、ユーベルーナが手をどかすと
顔にザインの時と同じように紋様が現れる。
そして、ユーベルーナの姿が蜂の怪物へと変わる。
「はぁ、こんな形で正体がばれるなんて」
ユーベルーナの顔の紋様が薄れていき
次第に消えてしまった。
「残念だけど私はプレイヤーでは無いの
私を倒すには実力不足のようね」
「ユーベルーナ!その姿はなんだ⁉」
ライザーはユーベルーナがグロンギであることは
知らなかったようで驚愕していた。
「私は『ラ・ザビネ・バ』グロンギ族の審判
であり、処刑人」
「なんだと…、ユーベルーナ!貴様は
俺の『女王』だろう!勝ちを譲るなど
勝手な真似をするな!」
ライザーはザビネの発言に怒りを露にする。
「所詮、フェニックスといえど半端者。
目的の為に貴方に取り入ったが、
貴方のような者の下につくのは
嫌だったので、ここが潮時だわ」
こいつは何の目的があって、
悪魔社会に潜り込んだんだ。
ブゥゥゥゥンッッ
ザビネの肩から複数の蜂が現れた。
「貴方がフェニックスの涙の製造の一部を
任せてくれたおかげで、『薬蜂』の養蜂
に成功したの感謝するわ」
現れた蜂の一匹がザビネの腕に針を
刺すと先ほどの顔の傷が消えていく。
ッ!
まさか、あの蜂はフェニックスの涙
と同じ効果があるのか⁉
「バカな⁉フェニックスの涙を複製するだと」
ザビネは不敵に笑うだけで、返答はしない。
「ふざけた真似を!」
ライザーは炎をザビネに向かい放つ。
それに対してザビネは先ほどとは、
別の蜂を放ち炎を相殺した。
「俺の炎を消しただと!」
俺には炎に当たった蜂が爆発し、
炎を打ち消したように見えた。
「ふふふ、この子たちは
『魔力蜂』、私の魔法を
その腹に蓄える特殊な蜂よ」
こいつは特殊な蜂を使って
戦うのか⁉
驚愕しているライザーには
目もくれずにザビネはこちらに
振り向き俺に言う
「貴方は私の期待に応えてくれたから
次は『ザザグド・ゲゲル』で会いましょう」
そう言うとザビネは水晶の玉を取り出す。
「クソッ!逃げる気か!」
「待て!ユーベルーナ!」
俺達は逃走を阻止しようと走り出すが、
時既に遅く、水晶の発光と共に
ザビネの姿は消えてしまった。
「とりあえず、試合は中止か」
俺がそう呟くと、ライザーが反論する。
「中止だと!ふざけるな!魔王様の前で
こんな無様な姿をさらしたんだぞ!
このまま、引き下がれるか!
前に出ろリアスの『兵士』
決着を付けよう!」
両家の身内たちは捜索隊をだし、
ザビネの討伐を命じ。話の結果、
試合は継続されることが決まった。
勝った気はしないが、ユーベルーナと
俺の試合は俺の勝利に決まった。
俺はイッセーに後を任せて客席に向かう。
「後は任せるぞイッセー!」
「ああ、任せろ!」
パァンッ!
俺達は片手でハイタッチし、交代する。
ライザーと戦うイッセーだが、
イッセーはライザーを十秒で倒すと宣言した。
その宣言通り勝利することは出来るのか?
「俺を止めたきゃ魔王様に頼み込め!何しろ、
『禁じられし忌々しい外法』らしいからな!」
イッセーはライザーに勝つために
禁手へと手を出す!
次回 第24話「不死鳥」
外伝でやってほしいコラボは?
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仮面ライダークウガ(五代雄介)
-
仮面ライダーディケイド
-
忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
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その他(希望があれば感想へ)