連れてこられた祐介と奈美。
そこはグロンギが人を襲う世界だった。
世界も時代も違う事に戸惑う二人だが、
無事に帰ることはできるのか。
俺達は今城南大学という場所に来ている。
五代さんが俺に合わせたい人がいるそうだ。
俺達は五代さんの案内で大学内を進む。
「俺、大学なんて始めて来ましたよ
始めての大学がまさか異世界とは
思いませんでしたけど」
俺はきょろきょろと周りを観察しながら、
五代さんの後をついていく
「祐介。気持ちは分かるけど、
そんなきょろきょろしてたら
誰かにぶつかるわよ」
俺の挙動に部長からおしかりを受ける。
「すいません。部長気を付けます」
俺が部長に謝った直後目の前の扉が
開き中から人が飛び出してくる。
ドカッ
俺にぶつかり相手の女性が
尻もちをついてしまう。
「すみません!大丈夫ですか?」
「イテテテ。大丈夫よ。
此方こそ不注意だったわ」
俺が女性に手をとしたら
俺より先に五代さんが駆け寄って
彼女の手を取り立たせてあげる。
「大丈夫桜子さん。凄い急いで
出てきたようだけど気を付けないと
ダメだよ」
「合わせたい人がいるって
急に連絡してきたのは五代君でしょ!
急いで用事を済ませてたのよ」
どうやら、五代さんが俺達に合わせたいのは
この女性のようだった。
最悪な初対面になってしまった。
そして俺達は女性と一緒にとある研究室
へとやってきた。
部屋の入口には『考古学研究室』と書かれている。
「さあ、入って入って。
散らかっているけど、ゆっくりしていってね」
「「お邪魔します」」
「さてと彼女は沢渡桜子さん。
クウガやグロンギについて調べてくれているんだ。」
五代さんが沢渡さんを俺達に紹介してくれる。
「この二人は、兵藤祐介君に大空奈美ちゃん
此処とは別の世界から来たようで、
祐介君は俺と同じでクウガなんだよ」
「ええ⁉クウガ⁉異世界⁉なんの話?」
沢渡さんは俺達が異世界から来た事、
俺がクウガである事に驚愕していた。
こんな簡単に説明する事では
無い筈なんだが、沢渡は落ち着くと
俺達の話を聞いてくれた。
五代さんが信頼できると言って
いたので隠し事なくすべてを説明した。
「へぇ、異世界の未来からねぇ。
しかも、悪魔だなんて驚きよ。
五代君もさらっと話す内容じゃないでしょ」
「ごめんごめん桜子さんなら
信じてくれると思って」
「まあ、いいけどそれで、
今日はどんな用事なの」
沢渡さんは呆れながらも
五代さんに今日来た理由を尋ねる。
「今日は二人にリントやグロンギについて
教えてあげてほしいんだ」
そして、沢渡さんによる古代文明の説明が始まった。
「まず、クウガについて説明するわね。
遥か昔に存在したリント族と呼ばれる部族
が存在してクウガはそのリント族の戦士なの。
彼らは戦いを好まないけれど、グロンギ族に狙われていた
らしいの。だから、クウガのベルトを作って。
戦士はグロンギ族からリント族を守っていたらしいの
彼らはグロンギ族を倒すのではなくて封印したのも
殺すという概念がなかったからだと思われるわ」
「優しい部族なんですね。自分たちが襲われている
っていうのに相手の事を恨んでもいないなんて」
俺はそのリント族の説明を聞き驚きを隠せなかった。
なぜ彼らは一方的に襲われているのに、
封印なんて手段を取ったのか。
それが、簡単に出来たのか?
ベルトだって俺達の時代でだって
作ることは不可能だろう。
大分謎の多い部族だな。
「次はグロンギ族ね彼らは九朗ヶ岳遺跡で封印
されていたんだけどここの発掘チームが
封印を解いてしまったのが始まり。
グロンギ族は残虐で発掘チームもその時殺されたわ。
彼らは独自の言語で喋って、
私達やリント族とは違う文化があるようなの
だから、一連の殺害も何か意味があるんじゃないかと
私は思っているの」
「うん、以前現れた蜂のグロンギも最初の事件現場から
渦巻き状に犯行を行っていたから
最近のグロンギは何かルールに
従っている節があったね」
沢渡さんの説明に五代さんが実際にあった
グロンギの行動を話してくれた。
「蜂ですか。俺の世界でもいましたが、
俺は目の前で逃げられてしまい
ました。参考程度にどうやって
倒したか教えてくれませんか?」
俺の質問に五代さんが真剣に答えてくれる。
「そうだね、あの時は、緑のクウガになって
腕から飛ばした針をキャッチして
一条さんから借りた銃で撃ち抜いたんだ」
「えっ!」
俺の知っている蜂のグロンギと違い
俺は驚いた。
「どうかしたの兵藤君?」
そんな俺に沢渡さんが質問してくる。
「いえ、俺が戦った奴とは戦い方が
違ったので、俺があったのは
爆発魔法を蜂に込めて飛ばしてきました」
「それは俺が倒した奴とは違うな。この世界には
魔法を使うグロンギは出ていないから」
確かに、奴らは古代から生きていたらしいが、
こちらの世界では封印されたからな
それだけ長い間生きていれば
生態も変わってくるか。
Prrrrrr!
突如部屋に置いてある携帯が鳴り出した。
「桜子さん鳴ってるよ」
「多分五代君によ」
そう言われ五代が携帯を手に取ると、
「あ、一条さん」
どうやら相手は警察の一条さんらしい
「良くここに居るって分かりますね」
「違うのよ。五代君携帯持ってないから
ここか、ポレポレしか五代君に
連絡する当てがないのよ」
「なるほど」
「ごめん、桜子さんグロンギが出たから
行ってくる!」
五代さんは携帯を切ると急いで部屋を後にする。
「俺も行ってきます」
俺もそれに続き部屋を出る。
後には沢渡さんと奈美だけが残る。
「沢渡さんは凄いですね
色々やることが多いのに」
「そうね、グロンギの調査に自分の
修士論文それにリント族の文字の解析
やることは山積みねだけど、
私にしか出来ない事だから
頑張らないと少しでも
分かることが増えれば
五代君の助けにもなるから」
沢渡さんが自身の出来ることを
必死に取り組む姿に奈美は感銘を受ける。
「羨ましいです。二人の関係が、
私は新聞部の部長ってだけで
彼に何もしてあげられないから
悔しいんです」
涙をこぼしながらの奈美の告白に
沢渡さんは真剣な面持ちで奈美に答える。
「そんなことないわよ。
彼が戦い終わった後帰る場所
があるってだけでうれしいと
思うわよ。戦ってばかりいたら
心がすり減ってしまうもの。
貴方は彼の日常を守ってあげて。
体は悪魔でも、心は人間なんだから。
それは、悪魔の彼を知る人間の
貴方にしかできないんじゃないかしら」
「はい!」
沢渡さんの答えに奈美は
涙を拭いながら答える。
「とりあえず、コーヒーでも
飲んで一息つきましょう」
「なら私がいれますよ」
二人にはやりたいことがある
片や友人の負担を減らすため。
片や友人の日常を守るため。
今後も努力するだろう。
―〇●〇―
現場の公園に急行した俺達が目にしたのは。
バラバラに切り裂かれた死体が散らばる
血の海だった。
「なんだよこれ…」
今までに嗅いだことが無い
濃い血の匂いに俺も五代さんも
気後れしてしまう。
「あれは!」
五代さんが指を差し叫んだ先には。
水の竜巻が広場の中央の噴水に鎮座していた。
「水が渦巻いている…」
俺はこみ上げてくる吐き気を
押えながら。
目を背けず、渦巻きを睨みつける。
「ようやく来たか。クウガ」
渦巻きが消えると中から鮫の特徴のグロンギが現れる。
「人間の言葉を喋った⁉」
五代さんがグロンギが人間の言葉を話驚愕している。
この世界のグロンギは独自の言葉をしゃべるはずだ
まさか…。
「お前!この世界のグロンギじゃないだろう!」
グロンギは頬をかきながら答える。
「よくわかったな。そうだ、俺はお前と同じ
世界から来た。こちらも驚きだよ
お前もこの世界に来るなんてな」
「なんでこんなことをするんだ!」
五代さんがグロンギにこの凄惨な犯行
の理由を尋ねる。
「憂さ晴らしさ。俺達の世界では長い間
ゲゲルが行えなかった。
もうメに上がるのも目前だったんだ。
くだらない理由でゲゲルが出来なくなった。
だが、俺は運がいい。別の世界のここでなら
いくら暴れようとルールには違反しないからな」
「そんな身勝手な理由で多くの人間の
命を奪ったのか!」
「ゆるせない。お前が俺の世界から来たのなら
俺がこの手で止めてやる!
もう人は殺させない」
俺達は腰に手をかざしベルトが出現する。
そして、二人で叫ぶ。
「「変身!」」
俺達のベルトが赤く光を放ち。
その身を赤いクウガに姿を変える。
「いこう!兵藤君!」
「はい!五代さん!」
ダッ!
俺達はグロンギに向けて走り出す。
「二人のクウガと戦うなんて俺はやはりついてるな
さあ、俺を楽しませてくれよ!」
そう言うとグロンギは腕を横に振るう。
すると噴水の水が水刃となって
俺達を襲う。
前転し、攻撃を交わす。
五代さんを見ればトライチェイサーのハンドルを
持っていた。
「超変身!」
五代さんが叫び紫のクウガに姿を変える。
そして、もっていたハンドルも剣に変わる。
そうか、紫のクウガの防御力なら、
あの水刃でもダメージは無い。
「ほお、その姿なら知っている。
もちろんその弱点もな」
そういってグロンギが拳を合わせて握り
その手を前に突き出す。
すると噴水の水が、
全て五代さんへと襲い掛かる。
「うわっ!」
「五代さん!」
それは、まるで水で出来たハンマーだった。
五代さんは耐え切れずに吹き飛ばされてしまう。
「その鈍足で俺の攻撃は避けられないだろう」
五代さんを吹き飛ばした水がグロンギの元へ戻る。
―今だ!
グロンギが五代さんの方へ注意を向けてるうちに
奴へ近づくため走り出す。
「見てないと思ったか?」
グロンギはこちらに向かって手のひらを向ける。
すると、水が散弾のように俺に襲い掛かる。
「ぐはッ!」
俺はとっさの出来事に避けることが出来ず
攻撃を食らってしまう。
「五代!兵藤君!」
吹き飛ばされた俺の傍に一条さんがやってくる。
警察の応援がやってきたようだ。
「うてぇ!」
年配の刑事さんの掛け声で皆が一斉に射撃を開始する。
だが、グロンギは手を前にかざすと水が盾となる。
水を貫通すると思われた弾丸は水に受け止められ、
空中で制止する。
「そんなバカな、水で弾丸を止めるなんて…」
よく見れば水はゼリー状に固まっていた。
とてつもない魔力操作だった。
五代さんも傍まで戻ってきていた。
「兵藤君、アレは魔法かい?」
「ええ、ですがあそこまで精密な
魔力操作は初めて見ました」
応援の警察も初めて見る魔法に
驚き攻撃の手が止まっている。
「ちぃ水が減ってきたか、なら」
グロンギは俺の方へ向いた。
「俺の名は『ズ・スクア・ギ』いずれ貴様らは
俺が倒す。それまで首を洗って待っていろ!」
「逃がすわけないだろう!」
俺と五代さんが奴へ向かい駆け出すのと同時に
奴の周りの水が霧へと変わり、
俺達の視界が霧に覆われる。
そして、霧が晴れたころには
スクアの姿はどこにもなかった。
そして、俺達はここで奴を倒せなかったことを
後悔することになる。
―〇●〇―
新たな未確認生命体であるスクアとの戦闘から翌日
俺は一条さんに呼ばれて
未確認対策本部へ呼ばれていた。
そして、会議室で俺は多くの警察官に囲まれていた。
「では新たな未確認の対策会議を行います」
一条さんが会議の開始を告げる。
「まず、今回の打ち合わせに同席していただく
兵藤君の説明から、彼はこことは違う世界の未来
から来た存在です。詳細は資料の通りです。
裏付けとしまして、彼の戸籍は存在せず、
所持していた身分証明書の日付が未来の日付で
あったこと、さらに彼の所持していた携帯が
現在の技術では作成が不可能であるで判断しました。
携帯に関しては榎田さんに確認を取ったので
間違いないです」
「ええ、このスマホという携帯に使われている
技術はまだないものです。
再現しようにも分解して元に戻せる
保証はないので止めておきましょう」
一条さんの説明に榎田さんと呼ばれた
女性が補足する。
「この種族が悪魔というのは
どういうことかね。見た目は人間と変わりがないが」
上座に座っていたいかにも偉いと
思わせる高齢の男性が質問する。
「はい、これは実際に見てもらった方が早いでしょう
兵藤君お願いする」
「はい」
俺は立ち上がり背中から羽根を生やす。
すると驚きの声を上げる。
「自分は純粋な悪魔ではなく
一度死に悪魔に転生しましたので
肉体以外は人間と変わりなく
日中は唯の学生と変わりません」
「ふぅ、実際に見ても信じられないな
悪魔が存在してそれも俺達より
若い学生なんてな。
一つ聞きたいんだが、君達は
何を食べて生きているんだい」
一条さんと一緒にいた中年の男性が
食事について質問する。
「人間と変わりません
純血の悪魔は見たことありますが、
基本食べ物は同じものを食べます
皆さんが想像しているのは
悪魔の中でも力に溺れた
はぐれ者です。ただ、
この世界にも悪魔が居るかは
すみませんが分かりません」
俺の答えに全員考え込んでしまう。
「まずは彼の事より、新たに現れた未確認についてだ。
まず昨日現れた未確認は噴水の水を操り
攻撃を行っていた。兵藤君あれは魔法で
間違いないかね?」
「正確には魔力で水を操っています。
魔法は魔力を水や雷に変換させて放つ力です。
恐らくですが、奴は魔法を使えません。
なぜなら、使えるのであれば水がなくなり
逃げる必要は無い筈なので」
俺が質問に答えると皆、動揺していた。
それもそうだ、手に負えない狂的な力が
その実、不完全な力なのだから。
「動揺するのは分かりますが、
逆を言えば水辺で戦わなければいいだけ。
既に川や海、プールなどには近づかないように
手配しております。未確認を陸地で迎え撃ち
水を消費させて。とどめを刺すのはどうでしょうか」
「作戦としてはいいが、
その水を消費させる方法をどうするかだな」
「それなんですが、なにも全ての水を
無くす必要はないと思います。
魔力操作を行うには集中する必要があるので
集中を乱すことが出来れば、
あの水も操れないと思います」
「なるほど、なら手はいくらでもあります。
では、強烈な光や音で怯ませてはどうでしょうか?」
一条さんの提案に全員が賛成しこの会議は終了した。
俺が一条さんに連れられて帰る途中で声をかけられた。
「よお兵藤君。挨拶が遅れたが、
俺は杉田だ、よろしくな」
先ほどの会議でも俺に質問していた
中年の刑事さんだ。
「どうも、よろしくお願いします」
「君も大変だな突如異世界に連れてこられるなんてな
何か困ったことがあれば俺達を頼れよ
それじゃあな、一条あとは頼むぞ」
杉田さんは挨拶も早々去ってしまった。
「せわしないですね」
「装備の手配などやることは
多いからな。多分、自分のお子さん
と君が重なって放ってはおけなかったんだろう。
杉田さんも言ってたが、何かあれば連絡してくれ
此方も未確認の事で協力してもらっているのだから」
俺達が玄関まで来ると、後ろから杉田さんが走ってくる。
「一条!未確認が現れた。俺は装備を取りに行く
からお前は先に行け!」
「分かりました」
杉田さんの報告を聞き俺と一条は現場に急行する。
―〇●〇―
現場に到着すると、既に五代さんがスクアと戦っていた。
だが、やはり攻撃を避けるので精一杯で
防戦一方だった。
「五代さん!」
俺は走り出す。
「変身!」
俺はクウガに変身し、五代さんの隣に立つ。
「五代さん。警察で奴の隙を作るように
作戦がたてられています。
合図はあると思いますが、気をつけてください」
「大丈夫、一条さんから聞いているから」
五代さんの声がじゃっかん嬉しそうに感じた。
「どうしたんですか、五代さん?」
「いや、こうやって誰かと並んで戦う事なんてなかったから
今までみんなの協力があって戦ってきたけど
横に誰かが居るだけでこんなに頼もしいなんてね」
五代さんはグロンギと一人だけで戦ってきたわけではないのだ、
警察の方、主に一条さんの協力があって戦ってこれたからだろう。
俺はこの世界に来て五代さん達の関係が羨ましく思えた。
俺はオカ研の皆と一緒に戦う機会がなかった。
大抵、一人で戦っていた。
それが不満ってわけじゃあない。
皆で修行して、俺だけ貢献出来なかった。
それが歯がゆかった。だけど、
この世界に来て分かったことがある。
共に肩を並べて戦えなくても、
―一緒に戦う方法はあるんだってな!
「話は終わったか?」
スクアが俺達に語りかけてくる。
「待たせてすまなかったな!
お前とはここで決着をつける!」
「昨日は手も足も出なかったくせに
貴様らに何が出来る!」
スクアが頭上に大きな水の塊を作り出す。
あれを、俺達にぶつけようってか。
俺達は水塊を確認した時既に走り出していた。
カンッ!
俺達とスクアの間にグレネードが落ちてくる
「五代さん耳を!」
ギィィィィィインッ!
俺が五代さんに忠告した直後、
甲高い音が周りに鳴り響く。
耳を押さえていたが、
大分応える。だが、戦えない程じゃない。
「グゥゥウウ!耳がぁぁ!」
スクアは音をもろに受けて耳を押さえて。
苦しんでいる。
バシャァッ!
空中に浮かんでいた水が地面に落ちる。
制御の為の集中が切れたからだろう。
―今だ!
ドゴッ!ドカッ!
俺と五代さんがすかさず殴りつける。
スクアの体は以前戦ったザインより柔らかく、
唯のパンチも大分聞いている様子。
だから、俺達を近づかせたくなかったのか。
「ナメるなぁ!」
スクアが水刃を飛ばしてくる。
俺達は難なく避けたが、
そのすきに距離を離されてしまう。
「ネタが分かればもう食らわねぇ」
自身の血を見たことで獰猛になった様で
歯をむき出しにこちらに叫ぶ。
そして、先ほどと同じように
グレネードが飛んでくるが、
スクアは即座にグレネードを水で包み込む。
「残念だったな、空気ごと包めば、
中で反響して意味なくなるだろう」
奴はしてやったりと笑っていたがそれも長く続かなかった。
カッ!
突如激しい光が辺りを包み込む。
「グァア!目がァァァァァァッ!」
奴が音攻撃を封じ込めようと
凝視するのを逆手に取った作戦だ。
ダッ!
「俺達は一人で戦ってるんじゃない!
皆に支えられて戦っているんだ!」
俺はスクアを殴り叫んだ。
感情の高ぶりに呼応するように、
体が燃えるように熱くなるのを感じる。
「さらに、赤くなった…」
立ち上がったスクアが俺を見て呟く。
そこで俺は自身の鎧の色が変わっていることに気が付く。
その姿は更に赤くなり紅色となっていた。
「変った…?」
「たかが色が濃くなった程度で!」
立ち上がったスクアは立っているのもやっとという様子だった。
「五代さん!」
「うん、決めよう!」
俺達は横に並び構えを取り腰を落とす。
ダッ!
右足に熱がこもるのを感じる。
地面を燃やしながら駆け出し
宙へ飛び一回転し跳び蹴りを放つ!
「「オリャァァァァッッ!!」」
ドゴッ!
二人の蹴りはスクアの胴体に命中し吹き飛ばす。
ドガガァァァッァァン!
そして、蹴りを食らったスクアはそのまま爆発してしまう。
グッ!
俺と五代さんはお互いにサムズアップするのであった。
―〇●〇―
事件解決後俺達はまた城南大学へと来ていた。
俺達が戦ったグロンギについて沢渡さんへ報告するためだ、
「今後も魔法を使うグロンギが
現れるのかしら?」
沢渡さんが不安そうに聞いてくる。
「うーん、分からないけど、
今回みたいに皆で戦えば大丈夫だよ」
五代さんが沢渡さんに答える。
「そうですね、多分あいつは俺達が探していた
奴だと思うので、又銀色のオーロラが現れない限り
は大丈夫かと」
「あっ、『市民プールに現れた半魚人』!
正体はグロンギだったのね」
そう俺達が当初探していた半魚人は
恐らくあいつだろう。
「おそらく市民プールでトレーニング
しているところを目撃されたのでしょう」
俺達の探していたスクープが思わぬ正体だった。
「でも、あの銀色のオーロラはなんで現れたのか
分からないんでしょう?」
「ええ、一条さんから目撃情報あったら
連絡してくれるって話でしたが、
音沙汰無しですね」
沢渡さんの疑問に俺は答えたが、
この世界に転移された時、感じたがあれは
魔法とも違う別の何かかもしれない。
「でも、早く帰りたいでしょ。
家族だって心配しているだろうし」
「まあ、こればっかりは待つしかないですからね
五代さんと協力してグロンギ倒しながら
気長に待ちますよ」
俺を心配する二人には言えないが、
俺も早く帰りたい。というより
部長を返してあげたいという思いが強い。
あの人は心配かけないように俺には弱音を言わなかった。
俺がそんなことを思っていると。
「君にこの世界に居座られると困るんだけどね」
突如男の声が聞えてくる。
「誰だ⁉」
俺達が声の方に振り返ると、
そこには銀色のオーロラが現れた。
「銀色のオーロラ…」
俺達が突然の事に驚いていると。
オーロラの中から黒ローブの男が現れた。
「ハロー、祐介君また会ったね。迎えに来たよ」
―〇●〇―
以前にも会った『メモリー』と名乗った男だ
確かに以前も銀色のオーロラを使って消えたな。
「今回の事はお前が犯人なのか?」
俺はメモリーに向かって叫ぶ。
それが本当なら俺はこいつを許せないからな。
「おいおい、勘違いするなよ。
俺は迷子になった君を迎えに来ただけさ
あれは事故だよ」
メモリーは飄々とした態度で応える。
…此処はこいつを信じよう。
元の世界に帰る為の手がかりだからな。
「何故俺達がこの世界にいるって分かったんだ?」
「答えは簡単俺は君を観察していたっからさ。
今『悪魔』と『仮面ライダー』の組み合わせは
激アツだからね。俺の研究の為にも
君の力はちょうどいい研究対象それだけさ」
「俺をモルモットとでも思ってるのか?」
「いや、俺が何かしようとは思ってないさ
僕は君の今後の可能性に興味があるのさ
いずれ君には手を貸してもいたいからね
これは、先行投資だよ」
へらへらしてるが嘘はついてなさそうだ。
「よかったじゃないか。二人共
無事に帰ることが出来て、なら皆でお別れ会
でもやろうか!」
五代さんが場の空気を換えようと提案する
「いや、そんな時間は無いだろうね
余り別の世界の住人が長いすることは
この世界の秩序を乱すことになるからさ
出来れば今すぐ帰れれば、この世界への影響はそんな
大きくないだろうし」
急な事に俺達は困惑していた。
確かに帰れるのは嬉しいがお世話になった人達に
お礼も出来ないなんて思わなかったからな。
「そうか…、なら仕方ないね。
そうだ、桜子さん、紙とペン借りるね」
五代さんはメモ帳に何かを記入している。
「はい、これポレポレカレーのレシピ
俺とおやっさんで考えた秘蔵のレシピ
なんだけどね。異世界の君達なら
教えてもいいかなって」
「ありがとうございます
他の皆さんにはよろしく
言っといてください」
レシピを受け取ると沢渡さんがポラロイドカメラを持って来る。
「これで、会うのが最後なら記念写真取りましょう」
「まあ、それぐらいならいいけどね」
「ならカメラはメモリーあんたが撮ってよ
タイマー機能なんてないし」
俺はカメラをメモリーに渡す。
「ハイハイ、並んで並んで、ハイチーズ!」
カシャッ!
こうして俺達の異世界旅行は終わりを告げた。
―〇●〇―
シュウゥゥゥゥン!
俺達は銀色のオーロラを抜け元の場所に戻って来ていた。
「戻ってきたのね」
「ええ」
俺はトライチェイサーを押しながら
部長に応える。
たった数日の出来事だったが、
それでも俺にはもっと長く感じた。
「じゃあ、俺の仕事はこれにて完了!
ではお二人さんまたね~」
メモリーは俺達に手を振りながら
銀色のオーロラで消えていった。
「何者なのかしらあの男?」
「分かりません。ですが、敵ではなさそうですね」
いまいち正体が分からない男だが、
今は無事に帰ってきたそれだけで良しとしよう。
「じゃあ、帰りましょうか。
来た時と同じ時間に帰ってきたけど
目的の半魚人はもういないんですし」
「そうね、なら次のネタどうしするの?」
「もう決めてますよ。『この町のどこかに現れる
人を攫う銀色のオーロラ』なんてどうですか?」
俺の答えに部長は微笑む。
「そうね、ならそれで行きましょう
さあ、レッツゴー!」
そして、俺達はバイクで走り出す。
一時の夢のような体験だったが、
確かにあった出来事だと
一枚の写真が証明する。
悪魔になっての初の行事。
それは部活別球技大会!
いつものメンバーとは敵同士。
そして、新聞部の部員集合!
だが、駒王町に集まる剣を携えた者たち!
新たな戦いの火蓋がいま落とされる!
「今こそ僕の想いに応えてくれッ!魔剣創造ッッ‼︎」
「想いを力に!プロモーション!ナイト!」
今、二人の騎士が覚醒する。
第三章「月光校庭のエクスカリバー」
見てくれよな
外伝でやってほしいコラボは?
-
仮面ライダークウガ(五代雄介)
-
仮面ライダーディケイド
-
忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
-
その他(希望があれば感想へ)