躓かずに章の完結まで走り抜けたいぜ
では意気込みもこの辺で
本編をどうぞ!
第27話「新聞部」
「…ピピ!…ピピ!…ピピ!」
カチャ。
「んうぅぅん~」
俺は固まった体を伸ばす。
「はぁあ」
まだ頭が起きて無い様でぼおっと虚空を見つめる。
「さて、起きるか」
ようやく目が覚めたようなので布団から出る。
俺、兵藤祐介は悪魔になってから朝が弱くなり
朝目覚めるまでに時間が掛かるようになってしまった。
コンコンッ!
「ユウスケさん、入って大丈夫ですか?」
「着替えは終わってるから大丈夫だよ」
ガチャッ。
扉を開けてアーシアが部屋に入ってくる。
「おはようございます。ユウスケさん」
「おはようアーシア」
毎朝恒例の挨拶を済ませると
「では洗濯物は持っていきますね」
アーシアは俺の寝間着を手に取り
そそくさと部屋を出ていこうとする。
「いや、洗濯物持っていくぐらい自分でやるからね」
「いえ、私がやりたいんです。やらせてください!」
珍しく強気なアーシアに何も言い返せずにそのまま見送る。
「仕方ない、説得は失敗か、ならイッセーでも起こしてくるか」
俺は隣のイッセーの部屋まで来る。
ドンドンッ!
「ヘイ!イッセートレーニングの時間だぜぇ
とっとと起きろー!」
ガチャッ!
ふざけた掛け声とともに扉を開けると。
「ユウスケ、もう少し待っていなさい。
私もイッセーも準備しなくてはいけないから」
部屋のベッドには上半身だけ起こしてる寝間着のイッセーと
全裸のリアス先輩がいた。
「おっと、ごゆっくり~」
そういって扉を閉める俺。
リアス先輩はここ最近イッセーを抱き枕に寝ているようで、
まだ慣れないがこれも朝の日常へとなっていた。
「なんつう朝だよ」
―〇●〇―
「いただきます」
朝食の時間。俺の隣にはアーシア。
イッセーの隣にはリアス先輩が座っている。
大して広くないリビングが大所帯になったもんだ。
突如同居するようになったリアス先輩も
今では普通に俺の両親と談笑しながら食事を摂っている。
「いやー、リアスさんは和食まで作るのが上手なんだねー」
「ありがとうございます、お父様。日本で暮らすのも
長いものですから、一通りの調理は覚えましたわ」
そう、今日の朝食のメニューのうち何品かはリアス先輩が作っていた。
イッセーもリアス先輩が作った玉子焼きをマジ美味いと言いながら
バクバクと食っている。
「イッセー、おかわりはたくさんあるから落ち着いて食べなさい」
「は、はい、部長…」
注意される様がまるで子供だな。
同居するようになって分かったが、リアス先輩は料理上手だ。
和洋中、レパートリーは広く、大概のものを極上の一品として出していた。
家が家だから箱入り娘で、てっきりこの手の作業は苦手だと思ったが、
一人日本で生活しているのは伊達ではなく、
料理洗濯掃除はそつなくこなす様は。
驚きの光景だった。
本人はお嬢様だからという偏見が嫌だから出来る事はやりたいとのこと。
実家暮らしの俺達は頭が上がらないわ。
同じく同居人のアーシアも家事を頑張ってくれているが、
リアス先輩との差を見せつけられてがっかりしていた。
頑張れアーシア!
そんなアーシアも短期間で日本語の文字を覚えてきており、
ひらがなカタカナはマスターし、
漢字の読み書きに踏み込んでいた。
小学生低学年レベルの漢字は読めてきている。
多くは彼女の努力の賜物だと思うが、生来、彼女は
勉強の才能があったのだろう。
学校に通うのが初めてにも拘わらず、
理数系、語学系、共に分け隔てなく苦にしていない。
何よりも勉強が楽しいと言っていたので、
その辺も相まって吞み込みが早いのかもしれん。
以前まではイッセーと共に勉強を教えてもらっていたのに
いつの間にか一緒になってイッセーへ教える立場へとなった。
俺がみそ汁を飲みながら感傷に浸っていると。
ぎゅっ。
アーシアがふくれっ面で、テーブルの下で俺の服をぎゅっと掴んでいた。
アーシアが俺にだけ見せる行為だ。
何か機嫌が悪くなるとこうやって訴えてくる。
その行為は可愛いんだけど、何をしたんだ俺は?
―っは!アーシアが何か作ったのか⁉それを俺が一切口につけてないんだ。
俺はアーシアの機嫌がよくなるまで、
おかずを手当たり次第に口に詰めていると。
「そういえば二人共、今日は部員達がここへ来るの」
とリアス先輩が言う。
「え?小猫ちゃん達がですか?家で何かするんですか?」
「えぇ、今日は放課後のオカルト研究部会議をここで行おうと思っているの」
「この家で、ですか」
「前にも言ったでしょう?そろそろ旧校舎の中を全体的に掃除する時期なのよ。
業者さんに頼んでお掃除するらしいわ」
というのも半分嘘。本当は使役している使い魔に言いつけ、
旧校舎を掃除させている。両親の手前、旧校舎の事情はそういう事にしていた。
で、家でオカ研をするのね。まあ、今日は新聞部もお休みだから。
偶には俺も出席するか。
リアス先輩が俺のリアス先輩が両親に頭を下げる。
「申し訳ございません、お父様、お母様」
「いいのよ、リアスさん。聞けばイッセーとユウスケの二人が
大変お世話になっているって。私もうれしいわ、
イッセーにも女の子のお友達が増えて」
母さんの言葉に父さんもうんうんと頷く。
「そうだなぁ。父さんは、松田君や元浜君も好きだが、やはり、
健全なお付き合いの出来る仲間も大事だと思うぞ。
部屋に集まってエッチなことばかり語り合っているだけじゃ
青春は謳歌できん。祐介だって友達を家に呼んだっていいんだぞ」
「その通りよ、お父さん。松田君も元浜君はいい子だけど、
目つきがいやらしいのよね。基本的にエッチな学生だし、
イッセーにも悪影響だわ。それに
アーシアちゃんとリアスさんが同居する以上、
あの子たちにはこの家に上がってもらいたくないわね。
年頃の娘さんが汚れてしまうと思うの」
言いたい放題だが、フォローのしようもないが、
イッセーは同類だから今更だと思うぞ。
「そういうわけで、今日の会議はこのお家で行うわ。
よろしくね、二人共」
さたさて、どうなるやら。
―〇●〇―
「で、こっちが小学生の時の二人なのよー」
「あらあら、全裸で海に」
「ちょっとストップ朱乃さん!って母さんも見せんなよ!」
「そうですよ、会議しましょう」
会議なんてなんのその。
家で行うはずだった放課後のオカ研会議は、
母さんが持ってきたアルバムで崩壊した。
「…お二人の赤裸々な過去」
「小猫ちゃんも見ないでぇぇ!」
「そうそう、そんなの見てもつまらないから
お茶菓子持ってきたからこれでも食べなよ」
「いただきます」
とりあえず一人は釣れたが、事態は最悪だ、
まさか、アルバムなんて存在するとは、
過去の事とはいえ見られるのは非常に気まずい。
イッセーなんて破天荒な行動ばっかだからな
余計に恥ずかしいだろう。
そういや、母さんは昔から言ってたな。
「いつか、女の子のお友達がたくさん家に来たら、
二人のアルバムを見せてみたいわぁ」
その夢はまずあり得ないと思っていたから、
気にしてなかったが、まさかこんな事態になるとは。
「…小さいイッセー」
リアス先輩は幼年期のイッセーの写真をまじまじと見つめて
その頬を真っ赤に染めている。
「…幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー…」
と、何やら呟いてる。
まあ、満足そうで良かった。
「私もなんとなく、部長さんの気持ちがわかります!」
俺のアルバムを見ていたアーシアがリアス先輩の手を取る。
その瞳は爛々と輝いている。
「そう、あなたにもわかるのね。嬉しいわ」
おっと、二人だけの世界に入ってるよ…。
この流れはまずい、誰か助けは。
部屋の中を見回すと、木場もニコニコ顔でアルバムを見ている。
「お、おい!木場!お前は見なくてもいいだろ!」
このままでは、幼年期の映像まで引っ張って来そうだ。
俺は木場の手からアルバムを取ろうとするが、
ひょいっと軽快な動きでかわしやがる。
「ハハハ、いいじゃないか。もう少し二人の
アルバムを楽しませてよ」
いや、それは勘弁てくれ!
さらに俺はイッセーとふたりがかりで取り戻そうとするが、
木場はものともせずにひょいひょい避ける!
騎士の力をこんな所で使うなよ!
流石に取り上げるのは無理か。
イッセーは諦めずに取り上げようとしている。
イッセーは木場をライバル視しているからな
いつか越える壁と見ているが、ここはそんな場面でも
ないだろうに…。
すると木場の足が止まり、とあるページをまじまじと見ている。
楽しむと言うより、何かあり得ないものでも見たかのような。
イッセーもその変化に気が付き、
木場に近づきそのページへ視線を落とす。
「イッセー君これに見覚えは?」
「いや、これは俺じゃなくてユウスケだよ、
この時は似てるからわからないだろうけど」
俺も近づきそのページを見てみるとそこには園児時代の
俺の姿があった。
写真には俺だけでなく、同い年の園児とその親御さん、
お父さんらしき人が写り込んでいた。
「この男の子って確かよくヒーローごっことか
して遊んでた近所に住んでた子だよな。
もしかしてこれお前だったとか?」
イッセーが予測を立てているが、
一つ重大な間違いがある。そもそも…
「イッセー、この子女の子だから、
木場じゃないだろ」
「嘘だろ、え、女の子だったの
だっていつも短パンだったし」
「お前な、本人いたら怒られるぞ」
確か小学校上がる前に、親の転勤で外国に行って
それっきり会ってはないけど手紙やメールは
今でもやりとりしている。
「今では親父さんの仕事を継いだみたいだな
近々こっちに戻ってくるらしい」
すると、木場が写真に写る親御さんを指差す。
というよりも、親御さんの持っている物の
方を指差している様だ。
剣。
模造品だとはおもうが、女の子のお父さんは
古ぼけた西洋剣を携えていた。
「これ、見覚えは?」
真剣に問う木場。おいおい、ちょっと声のトーンがいつもと違うぞ。
「う~ん、いや、何せ昔の事だからな覚えてないけどな…」
「こんなことがあるんだね。思いもかけない場所で見かけるなんて…」
一人ごちて、木場は苦笑する。だが、
その目は寒気がするほどの憎悪に満ちていた。
その一枚の写真が、今回の出来事の始まりだった。
「これは聖剣だよ」
―〇●〇―
カキーンッ!
グラウンドから甲高い金属音が聞えてくる。
「さて、来週は駒王学園球技大会よ。部活対抗戦では、
他の文系部には負けられないわよ!」
奈美部長が力強く宣言する。
「でも、部長。さすがに、オカ研には勝てないっすよ」
相手は全員悪魔だ、俺以外人間の新聞部では勝ち目は無いだろう。
「流石に、全ての競技で勝とうとは思っていないわ
種目によっては勝ち目だってあるはずよ
そこを狙うわ。私たちの強みは情報収集能力よそうでしょ!」
行う球技は当日知らされるので、
今は主に他の部活の出場選手について調べるしかないだろう。
「じゃあ、報告を聞きましょう。スイッチ!」
奈美部長に呼ばれてメガネをかけた黒髪の男子生徒が説明する。
『今年、最も注目される部活はオカルト研究部だろう。
二年生が二名加入して、最近ではグラウンドで球技の練習をしている。
その力は、運動部顔負けの実力だろう
2年生木場祐斗、足が速くそのタイムは陸上部のエースと引けを取らず
野球などの、競技でその力は脅威となるだろう。
もう一人脅威となるのは1年生塔城小猫、その小柄なからだからは予想のつかない
怪力で、ドッヂボールなどの相手に当てる球技では危険な相手だ
加えて、全員身体能力は高いので他の部活に比べても運動部を押さえて優勝候補だ』
今、説明したいかにも普通な見た目の男は、スイッチこと
新聞部では主に学校内での情報収集を担当しており。
主に学校内のニュースを担当している。
とある事情で声を出すことをせず、
手元のパソコンで合成音声ソフトを使い会話する。
「今回の対抗戦で俺は戦力にはならないからな
裏側でのサポートに回ろう」
そうスイッチは運動音痴の為、今回は競技によっては
出場しない。
「流石にどの種目になるかは調べることは出来なかった」
「まあ、そこはフェアに戦おうぜ」
―今回の球技大会で戦力になるとしたら。
俺は視線を机に頬杖付いている男子生徒に向ける。
「もしかして、俺を当てにしてますか、
だるいんで、出来ればパスしたいんすけど」
「ちょっとシカマル!あんたやる気出しなさいよ!
あんたも新聞部の一員でしょ。
ほら、チョウジもなんかいってやんなさい!」
「ポリッ。 うーん、でも僕も運動は得意じゃないし
出来れば応援していたいな~」
「二人共先輩に失礼よ!やる気を出しなさい!」
この三人は新聞部の一年生でだるそうに話していた
黒髪をちょんまげのように一つ縛りにした三白眼の男子生徒が、
そのめんどくさがりな性格上テストをサボる事がある為、
成績は中間ぐらいを常にキープしている。
本人が言うには「卒業出来れば、問題ないでしょ」とのこと。
そして、この打合せの中呑気にポテチを食べている小太りで
ハリネズミのような逆立った茶髪で糸目が特徴の男子生徒は
普段はのほほんと温厚だが、デブと呼ばれることを嫌い、言った相手には
その体でタックルしてくるという二面性を持っている。
俺もその現場にいたことがあったが、気のせいかチョウジが少し膨らんでいた気がした。
次にそんな二人を叱った、金髪の長いポニーテールが特徴の女子生徒は。
新聞部以外でもよく三人で行動している。
三人は幼馴染で小学校の時から同じ学校、クラスと続いているそうだ、
言わば腐れ縁というやつだ、新聞部にも嫌がる二人をむりや連れてきて
所属させていた。最初は面倒に思っていた二人も
今では、町の美味しいお店の特集を組むほどだ。
チョウジが味の感想を言い。いのがインタビューし、
シカマルが文章にまとめる。いい連携を取っており。
今では、中々人気があり、ファンまでついている。
「なあに、ユウスケ。ここは俺に任せろよ!
この忍者の末裔、服部様が見事に活躍してやるよ」
俺に声を掛けてきたのは、三年生の男子生徒
いつも亜麻色の前髪で目が隠れていて、常にマフラーを巻いている変人だ。
「ですけど、服部先輩は去年の大会の時に痔が悪化したって言ってトイレから
戻ってこなかったじゃないですか。まったく役に立たなかったし」
「今回は大丈夫だボラギノールは買ってきたから!」
この人は自称忍者を語っており、いうだけあって身体能力は高いのだが、
いかんせん大事な時になると、腹を壊してトイレに立てこもるので、
活躍した覚えがない気がする。
「そんな体たらくだから自称忍者なんて呼ばれるのよ
幼馴染としてこっちが恥ずかしいわ」
服部先輩に悪態付くのは三年生の
淡い紫色のロングヘアーにメガネをかけた女性だ。
この人も忍者を語っているが、実力は本物で、
今ではとある生徒のストーカーにその実力を発揮している。
「猿飛先輩もストーカー行為もいい加減にしないと警察呼ばれますよ」
「ストーカーじゃないわ!私は銀さんを見守っているだけよ!」
ーそれをストーカーというんだよ。
「まったく、あの男のどこがいいんだか?」
「ちょっと全蔵!私の銀さんを悪く言うつもり!」
「いや、あの男トイレで紙をくれって言ったら。
紙やすりよこしたんだぞ、殺す気か!」
「服部先輩。俺も持っていたら紙やすり渡してましたよ」
出来れば、両面紙やすりの奴を渡してやりたいところだな。
「ねえ、もうちょっと先輩を敬えよ!俺これでも一応先輩だぞ!」
「だって、毎度紙が無いって指定のトイレットペーパー
持って行かされる身にもなってくださいよ
そもそも、紙の有無位確認してくださいよ」
他に友人もおらんのかこの先輩は。
「いやぁ、悪いと思うけどさ、切羽詰まった時は
そんな余裕ねえよ」
ー常にピンチじゃねぇかこの人。
「言い合いもその辺にせい、とりあえず、この部に所属している者は皆武道経験者だったり、
忍者の末裔だったりしておる。最近では兵藤も鍛えておるようじゃし、
頑張れば上位には食い込めるじゃろうな」
俺と全蔵先輩の言い合いを止めたのは二年生の
金髪を後ろでまとめ前髪を簪で留めている。
顔の左側には過去の事故のせいで縦横二本の大きな傷がある。
それでも、学園の上位に入る美人だ。
彼女は何故か古いこと使いで喋るが、
理由を聞けば「婆様の喋り方が写ったのじゃ」という。
よく忍者コンビの暴走を止める役割で一緒にいることが多い。
そんな二人の影響なのか何故か制服の裏に苦無を隠し持っていて手荷物検査の度に、
見つかっているのをよく見る。
ちなみに忍者コンビは手荷物検査に引っかかる事が無く。
全蔵先輩に至ってはよくジャンプを読んでいるところを見かけるのに
どうやって通過したか不明なのだ、
本人に聞いても「忍者だから」としか言わないしな。
この三人は部活動の活躍などを主に特集を組んでいる。
そして俺と部長で都市伝説のオカルト特集を組んでおり、
総勢9人で新聞部を回している。
なんやかんや言ったが、全員頼りになるメンバーだ。
「じゃあ、今日もらった記事で新聞はしばらくお休みよ。
練習なんだけど今日は各自予定があるから明日からビシバシやるわよ」
「「「おー!」」」
部長の掛け声に何人かが返事する。
―〇●〇―
翌日の昼休み。
俺は弁当をスイッチと月詠の二人と取っていた。
「そういえば、オカルト研究部について、一つ噂が出回っているんだが、
ユウスケにも関係のある話なんだが」
噂…? 悪魔に関連する物だろうか流石に正体がばれたなんてことは無いだろうが。
「何でも、兵藤がオカルト研究部の女性陣の弱みを握り、良からぬことをしているとな」
…?なんだその噂は、この場合の兵藤はイッセーの事だろうが、完全に風評被害だな。
「それ、情報源どこなんだ?」
「兵藤一誠の友人である。元浜と松田の二人が言いふらしている
まあ、あの二人の事だから嫉妬から妄想を吹聴しているだけだがな」
なるほど、これは叱っておかないとな。
「サンキュー、スイッチあの二人には俺からもお灸をすえとくよ」
「なら、その時はわっちも手を貸そう。あの二人には覗きやら
被害の相談が絶えないからな。最近は無くなったがぬしの弟についても
相談が来ておるからの」
―まったくもってもうしわけない。
「これからオカ研に行ってくるから、イッセーには
俺から言っとくよ」
「最近ぬしはオカルト研究部によく言って居る様じゃの
掛け持ちでもするのか?」
月詠が俺に尋ねてくる。
「いや、イッセーとアーシアが所属しているからな。
アーシアは留学で家にあずかっているからな何かと心配だし。
イッセーは被害報告あるから何か迷惑かけてないか心配なんだよ」
「なるほど、相変わらずその世話焼の性格は変わっていないようだな」
「まあ、わっちらもそんなお前は嫌いではないがな」
「人の性格なんて簡単には変わらないさ、じゃあまた後でな!」
俺は空になった弁当箱をしまい、席を立つ。
そして、教室を見回す。
―アーシアはどこだ?
あっと、クラスの端っこで他のクラスメイトと昼食を摂っている。
「おーい、アーシア。ご飯食べたかー?」
俺はアーシアの方へ声を掛ける。
「アーシア、彼氏が呼んでるよ」
アーシアと一緒に食事していたメガネをかけた女子
「かっ、かかかかかかか彼氏ぃぃっ!?」
桐生の言葉にアーシアはかつてないほどに動揺していた。
アーシアがそんな風に慌てふためくところ、初めて見た気がする。
そりゃ、仲良くしている男子をいきなり「彼氏」だなんて言われれば
誰しも動揺するだろうが、何もそこまで驚かなくても…。
「え?違うの?あんたらよく二人でいるから、
てっきり付き合っているのかと思っちゃった」
「そ、そそそそそ、そんなこと…あぅぅぅぅぁ…」
お顔が真っ赤になってしまったアーシア。
教室でそんなこと言うと俺にまで視線が集まってくる。
流石に恥ずかしいんだが!
「その条件で言うと俺は何人彼女がいることになるんだよ
流石に話が飛躍しすぎだろ」
「ふーん。そうなんだ。でもさ、傍から見てたら、
あんたたち毎晩合体しているカップルにしか見えないよ?
いっつも二人でいるし、仲睦まじいじゃん?
一応親公認で同居してるんでしょ?
若い男女が若い男女のが一つ屋根の下で夜にすることと
言ったら、そりゃねぇ。むふふふ。ちなみに『裸の付き合い』
を教えたのも私さ!どう?堪能した?」
マジか、こいついかれてやがる。
こいつの頭の中での俺はどんな印象なんだよ。
「ほう、面白そうな話をしているな俺も混ぜてくれないかな」
話を聞きつけてスイッチまできやがったか、
失言すればゴシップ特集に乗ってしまう。
前は当たり障りのない記事にしたから逃れられたが、
今回は、そうもいかなそうだ。
「あれは、桐生の仕業だったのか、!そもそも、
お前は俺を何だと思ってるんだ、
ロボットじゃないんだから合体なんかしません」
「ええ、だってあのイッセーの兄だし
意外とムッツリだと思ったんだけど」
そんな理由かよ!この話はそうそうに切り上げないとな。
「それで?『裸の付き合い』って何の事かなユウスケ君?」
畜生スイッチの奴は終わらせる気がなさそうだ、
「でも、おかしいなぁ。アーシアってあんたの事―むがっ!」
何かを言いかけた桐生の口元をアーシアが両手を使って全力で塞ぐ。
「あーあーあーーっ!桐生さぁぁん、やめてくださいぃぃぃ!」
アーシア…? かつてないほど、お顔が紅潮しているんだが…。
しかも涙目だしな。
何か俺に知られたくない秘密でも握られているのだろうか?
うーむ、女の子同士の話だろうし、俺も介入しにくいぞ。
「止めぬか二人共、桐生もアーシアが困っておるじゃろう。
スイッチもそういう話はあまり詮索をするものじゃなかろう」
俺がどうやってこの場を切り抜けようか悩んでいると、
そこへ 原やってきて救いの手を差し伸べてくれた。
ーありがとう 原!
いつもは傷のせいか怖い見た目だが、
今は女神に見えてくるよ。
「ありがとう。 原!よし行こうアーシア」
「は、はいぃぃ!」
そうして、俺とアーシアは途中でイッセーを拾って
旧校舎へ向かうのだった。
―〇●〇―
部室に入ると、既に他のメンバーは集まっていたが、
部員じゃない方もいらっしゃっていた。
―なっ!
ソファーに座る部員以外の人物に俺は驚愕した。
「生徒会長!?」
そう、ソファーにているのはこの駒王学園の生徒会長様だ。
冷たく厳しいオーラを発している知的でスレンダーな美人だ。
日本人離れした美貌の持ち主で、名前は
三年の上級生だ。学内では、四番に人気がある。
ちなみに一番はリアス先輩で二番は奈美先輩で三番は朱乃さんだ。
怖そうな雰囲気が邪魔して、他者を近づけさせなかった。
キツそうな目つきも関係しているとは思うが、この人も相当な美人だ。
その隣を見れば、会長だけでなく生徒会の関係者らしき男子が一人付き添っていた。
「なんだ、リアス先輩、もしかして俺達の事を兵藤達に話していないんですか?
同じ悪魔なのに気づかない方もおかしいけどさ」
随分上から目線だなこいつ、最近生徒会の書記として追加メンバーで入った男子生徒だっけ?
その書記の男子に生徒会長が静かに言う。
「サジ、基本的に私たちは『表』の生活以外ではお互いに干渉しないことになっているの
だから仕方ないのよ。それに彼らは悪魔になって日が浅いわ、当然の反応をしているだけ」
―なるほどね。
今の話の通りなら、生徒会メンバーは全員悪魔なのかな?
横で驚愕しているイッセーを見て朱乃さんが説明してくれる。
「この学園の生徒会長、支取蒼那様の本当の名前はソーナ・シトリー。
上級悪魔シトリー家の次期当主さまですわ」
上級悪魔!?しかもシトリー家といえば、七十二柱の一つじゃないか。
この学園にリアス先輩以外の上級悪魔が居たなんてな。
朱乃さんがさらに説明してくれる。
「シトリー家もグレモリーやフェニックス同様、
大昔の戦争で生き残った七十二柱の一つ。
この学校は実質グレモリー家が実権を握っていますが、
『表』の生活では生徒会―
つまり、シトリー家に支配を一任しております。
昼と夜で学園での分担を分けたのです」
書記の男が再び口を開く。
「会長と俺達シトリー眷属の悪魔が日中動き回っているからこそ、
平和な学園生活を送れているんだ。
それだけ覚えてくれてもバチは当たらないぜ?
ちなみに俺の名前は
「おおっ、同学年で同じ『兵士』か!」
イッセーが嬉しそうに反応する。
「同じ『兵士』同士これからよろしく頼むな」
そんな俺達を見て書記の匙は溜め息をつく。
「俺としては変態三人組の一人だったり、学校新聞を使って妄想を書いてる
おまえらと同じなんて酷くプライドが傷つくんだけどな…」
「「な、なんだと!」」
イッセーの事は仕方ない今まで行ってきた事は反論できないからな。
だが、俺達の学校新聞が妄想だと言ったか!
「喧嘩売りに来たのかてめぇ!何が妄想だ、全て真実しか、かいとらんわ!
それ以上侮辱するなら気なら表出ろ!白黒つけてやる」
「おっ?やるか?銀色のオーロラなんて出まかせ書きやがって
何が真実だ!こう見えても俺は駒を四つ消費の『兵士』だぜ?
最近悪魔になったばかりだが、お前らなんぞに負けるかよ」
挑戦的な物言いをする匙だが、会長が鋭く睨む。
「サジ。お止めなさい」
「し、しかし、会長!」
「今日ここに来たのは、この学園を根城にする上級悪魔同士、
最近下僕にした悪魔を紹介し合う為です。
つまり、あんたとリアスの所の兵藤兄弟とアルジェントさんを
合わせる為の会合です。私の眷属なら、私に恥をかかせない事。それに―」
会長の視線が俺達へ向けられる。
「サジ、今の貴方では二人には勝てません。
フェニックスの三男を倒したのは一誠君なのだから。
―『兵士』の駒を七つ消費したのは伊達ではないという事です。
祐介君の方も異世界の話は真実です。私にも報告は来ています。
それに彼は駒こそ『兵士』一つの消費ですが、
命を掛けた実戦を多く経験していますよ」
「駒七つ!?ていうか、フェニックスをこいつが!?
あのライザーを倒したのがこいつだなんて…。
俺はてっきり木場か姫島先輩がリアス先輩を助けたものだと…
それに、異世界なんてやっぱり信じられないというか…」
匙は俺達を目元を引きつらせながら見てくる。
すると、会長が俺達へ頭を下げる。
「ごめんなさい、兵藤祐介君、兵藤一誠君、アーシア・アルジェントさん
家の眷属は貴方達よりも実績がないので、失礼な部分が多いのです。
よろしければ同じ新人の悪魔同士、仲良くしてあげて下さい」
薄く微笑みながら会長はそう言ってきた。
氷の微笑というのかな。悪魔的なものを感じないし、
元来こういう笑い方しかできないのかも。
「サジ」
「え、は、はい!…よろしく」
渋々ながらも匙は俺達へ頭を下げてきた。不満たらたらっぽいけど。
「はい、よろしくお願いします」
アーシアが屈託なくニッコリしながら挨拶を返す。
この子はいつもいい子だなぁ。
「アーシアさんなら大歓迎だよ!」
匙がアーシアの手を取り、俺達の時とは正反対の行動をとる。
この野郎!
俺とイッセーは匙の手をアーシアから引き離し
それぞれの手を思いっきり力を込めて握手してやった。
「ハハハハ!匙君!俺の事もよろしくね!
内の純粋なアーシアに気安く触れるなよ!」
「そうそう、同じ『兵士』なんだよろしく頼むよ
つーか、アーシアに手を出したらマジ殺すからね、匙君!」
無理に作った笑顔で言ってやった。
するとあっちも半笑いしながら握る手に力を込めてきやがった。
「うんうん!よろしくね、二人共!男の嫉妬なんて醜いぞ!
やー、天罰でも起きない物かな!下校途中、
落雷でも当たって死んでしまえ!」
暴言を暴言で返す俺達。異様な光景だろうな。
でもこいつだけは許さん!
何故かこっちを下に見ているこの態度が気に入らない。
つーか、こいつマジで殴りたい!
アーシアに手を出したらただじゃ置かないよ!
お互いのご主人である先輩達は「大変ね」「そちらも」
なんて会話を溜息をつきながらしていた。
「ちっ。俺んところの生徒会メンバーはお前の所よりも強いんだからな」
匙は吐き捨てながら、握手の手を離す。
会長は出されていたお茶を一口飲むと、静かに語りだす。
「私はこの学園を愛しています。生徒会の仕事もやりがいのあるものだと
思っています。ですから、学園の平和を乱すものは人間であろうと
悪魔であろうと許しません。それは貴方でもこの場に居る者たちでも、
リアスでも同様の事です」
その言葉は俺とイッセーとアーシア、匙、新人悪魔に向けられた
ものだとすぐに理解できた。
要するに学園生活を妨害する者は誰であっても許さない――と。
この人はそれだけ駒王学園を愛しているのだと思う。
流石会長の座に座っている方だ。
「お互いのルーキー紹介はこれで十分でしょうね。では、
私たちはこれで失礼します。お昼休みに片付けたい書類がありますから」
会長は立ち上がり、この場を後にしようとする。
「ソーナ・シトリー様。これからもよろしくお願いします。」
「「よ、よろしくお願いします」」
俺が改めて会長へ頭を下げて挨拶をし、イッセーとアーシアもそれに続いた。
いち新人悪魔としての挨拶だ。相手は上級悪魔でリアス先輩の知人。
相手の下僕があんなのでも。礼を欠くわけにはいかない。
俺達グレモリー眷属の悪魔が頭を下げるのは当然のことだ。
―ライザー?なんのことだか?
会長は微笑み、「ええ、よろしくお願いします」と返してくれた。
部室を出る時、微笑んだまま会長がリアス先輩に言う。
「リアス、球技大会が楽しみね」
「えぇ、本当に」
リアス先輩も笑顔で返していた。
ああ、この二人、基本的に仲がいいんだなってすぐに理解できた。
会長はそれだけ言うと、足早に部室を後にした。
「イッセー、ユウスケ、アーシア。匙君と仲良くね。
他の生徒会メンバーともいずれ改めて悪魔として
出会うでしょうけど、同じ学び舎で過ごす物同士、喧嘩はダメよ?」
ニッコリとリアス先輩が言う。
「「はい!」」
先輩にそこまで言われたら従うさ。
野郎がどんなにムカついても喧嘩はしません!
しかし、この学園にこんな秘密があったとは…。
この学園にはまだまだ俺の知らない事はありそうだな。
遂に始まった球技大会。
部活動対抗の競技で決まったのは
ドッヂボール!
相手はまさかのオカルト研究部!?
俺達は無事に勝つことは出来るのか
それと、最近木場の様子がおかしい
あいつに何かあったのか
次回 第28話「球技大会」
見てくれよな!
外伝でやってほしいコラボは?
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仮面ライダークウガ(五代雄介)
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仮面ライダーディケイド
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忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
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その他(希望があれば感想へ)