アーシアを断罪しようとするゼノヴィアに
反抗し彼女達の神を否定する。
空気が険悪なものへなった時、
木場が戦いの火蓋を切る。
やってしまったな。
アーシアを侮辱されて、頭に来たとはいえ。
ここまで大事にしたのは失敗だった。
俺達は旧校舎近くの広場に来ていた。
俺とイッセー、そして、少し離れた所に木場。
さらに俺達と対峙するかのようにイリナとゼノヴィアがいる。
さらに俺達の周辺事囲むように紅い魔力の結界が発生していた。
結界の外には他の皆が俺達を見守っている。
「では始めようか」
イリナとゼノヴィアは白いローブを脱ぎ、
黒い戦闘服の姿となっていた。
さらにゼノヴィアは得物の布を取り払い、
エクスカリバーを解き放つ。
イリナの持つ変化するエクスカリバーも日本刀の形になっていた。
なんでこうなったか説明しよう。
先ほど俺とイッセーが聖剣所持者二人と口論している中、
木場が飛び込んで来て、一触即発の空気となった。
リアス先輩としても立場的に下僕が喧嘩を売り始めたので、
対応に苦慮していた。そこへゼノヴィアが提案を申し込んできたんだ。
「リアス・グレモリーの眷属の力、試してみるのも面白い。
それに『先輩』とやらの力も気になる」
俺と木場の喧嘩をゼノヴィアが買った。
しかも教会には一切知らせない私的な決闘だと、付け加えてきた。
あちらもこちらの立場を多少察してくれたようで、
殺し合いに発展しなければ問題無いとした。
場所は旧校舎近くの練習場。
余計な破壊と気配を周囲に与えないため、
朱乃さんが結界をはってくれていた。
これで多少の無茶も出来るらしい。
で、何故かイッセーも参加している。
確かに、口論にはなったが流石に決闘までは
やりすぎてしまったか。
あの時のリアス先輩の制止で止めていれば。
木場の介入でヒートアップしてこうなってしまった。
でも、冷静に考えれば聖剣を憎んでいる木場にとっては、
絶好の機会だしな。
「イッセー、ユウスケ、ただの手合いとはいえ、
聖剣には十分気をつけなさい!」
「はい!」
「は、はい!」
返事をする俺達だが、イッセーは
バトル前に見せられた『聖剣の恐怖特集!』
という題名のビデオを思い出しているようで身震いしている。
聖剣を持った者と上級悪魔の一戦を録画したものらしいが、
聖剣に斬られた悪魔は傷口から煙を立てていた。
しかも体の傷口部分が消滅していた。
聖剣で斬られると悪魔は滅せられる。
体を消失させられてしまうのだ。
木場の方は既に神器を発動して、
自らの周囲に魔剣を数本出現させている。
「…笑っているのか?」
ゼノヴィアが木場に訊く。
木場は不気味な笑みを浮かべている。
薄ら寒くなるほどの笑顔だ。
爽やかフェイスの面影なんてひとつもない。
お前はそこまで聖剣が憎いんだな木場…。
「うん。倒したくて、壊したくて仕方なかった
物が目の前に現れたんだ。嬉しくてさ。
ふふふ、悪魔やドラゴンの傍に居れば
力が集まると聞いていたけど、こんなにも早く
巡り合えるだなんてね」
以前イッセーもそんなことをドラゴンから教わったと
言っていたな。
ドラゴンの力に惹かれて、いろんなものが集まってくると。
今回もイッセーが、いや神器に宿ったドラゴンが関係しているのか?
横のイッセーを見れば同じことを考えたのか自身の左腕を
じっと見ていた。
「…『
思い描いた魔剣を創り出すことが可能。
魔剣系神器の中でも特異な物。…『聖剣計画』の
被験者で処分を免れた者がいるかもしれないと聞いていたが、
それはキミか?」
ゼノヴィアの問いに木場は答えない。
殺気を向けているだけだ。
おいおい、殺し合いは禁止なんだぞ。
木場の事は俺が気を付けないとダメか。
リアス先輩からも勝つのは当然として、
木場がゼノヴィア達を殺さないように見張っていて欲しいと
言われているしな。
試合以上の戦いは悪魔と神様の関係に介入する事になる。
それは魔王サーゼクス様にも迷惑を掛ける事になってしまう。
「兵藤祐介君、兵藤一誠君」
イッセーの前に立つのはイリナだ。
栗毛の女の子でイッセーは男の子だと思っていたみたいだが、
今では立派な女性へ成長していた。
「再会したら、幼馴染は悪魔になっていた…。ショックだったわ」
心底残念そうな表情だ。
いや、悪魔になろうとしてなったわけじゃあないんだけどな。
まあ、悪魔の人生?悪魔正も悪くないんだがな。
「えーと、紫藤イリナ…イリナでいいのかな?やっぱり、
戦わなくちゃダメか?アーシアの悪口に対しては、
俺もそちらへ言いたいことを言ったしさ。
バトルしなくてもいいような気もするんだけど」
イッセーの提案だ。
確かに、アーシアに関して教会関係者へ言ってやりたいことがあった。
今回、その機会に恵まれてやっと言えたから
俺達的には、もうスッキリしている。
木場は止まらないだろうから戦うとして、
これは、俺と木場、そしてゼノヴィアが始めたことだ。
別にイリナとイッセーまで戦う必要は無い筈だが、
しかし、イリナは哀れむ表情をイッセーに向ける。
ていうか、頬を涙が一筋伝っている。
泣いてるのか!?
「かわいそうな兵藤祐介君に兵藤一誠君。ううん、昔のよしみで
ユウスケくんとイッセーくんって呼ばせてもらうわね。
そして、なんて運命のイタズラ!聖剣の適正があって、
イギリスに渡り、晴れて主のお役に立てる代行者
となれたと思ったのに!ああ、これも主の試練なんだわ!
久しぶりに帰ってきた故郷の地!懐かしのお友達が悪魔になっていた
過酷な運命!時間の流れって残酷だわ!でも、
それを乗り越えることで私は一歩また一歩と真の信仰に
進めるはずなのよ!さあ、ユウスケくん!イッセーくん!私がこの
エクスカリバーであなたの罪を裁いてあげるわ!アーメン!」
イリナは涙を浮かべつつも張り切った様子で聖剣の切っ先をこちらへ
向けてくる。
おっと、この子話が通じないタイプだったかぁ…。
瞳が星のようにキラキラと輝いてやがる。
自分の信仰心に酔っているのか?
今の状況を楽しんでいる節があるな。
うん、これは関わってはいけないタイプの女性だったかな。
「仕方ない、とりあえずイッセーはイリナの相手を
俺は木場のサポートをする」
俺が腰に手をかざすと銀色のベルト『アークル』が出現する。
「変身!!」
俺の掛け声と共にベルトのボタンを押しこむと、
ベルトの中央が赤く光り
俺の体は紅い鎧の戦士クウガへと姿を変える。
「よし、ブーステッド・ギア発動!」
『Boost!』
赤い閃光を放ち、イッセーの左腕に籠手が現れる。
同時に音声を発して、イッセーの力を倍にした。
イッセーの神器は十秒毎に宿主の力を倍にしていく能力を持つ。
さらに倍増した力を他者や物に譲渡することも可能だ。
俺の変身した姿とイッセーの神器を見て、
イリナとゼノヴィアがビックリした様子を見せる。
「…『
「それって、『
戦争を止めた『古代の戦士』?
こんな極東の地で
力を宿した者と伝説の戦士に出会うなんて…」
どちらも顔をしかめていた。
「二人に気を取られていると、怪我では済まなくなるよ!」
ギィン!
ゼノヴィアに木場が斬りかかる。
木場の一撃を受け止めたゼノヴィアは不敵な笑みを見せた。
「『
さらにアーシア・アルジェントが持つ『
我々にとって異端視されている
神器ばかりだ。悪魔になったのも必然と言えるのかもしれないな」
「僕の力は無念の中で殺されていった同志の恨みが
生み出したものでもある!この力で、エクスカリバーを
持つ者を打倒し、そのエクスカリバーを叩き折る!」
木場は計画で殺された被験者達の復讐も誓っているのか。
「こちらもいくよ、イッセーくん!」
ヒュッ!
イリナがイッセーに勢いよく斬りかかる。
それに対して、イッセーは必死に避ける。
まあ、直撃したら死ぬからな。
焦って当然だ。
「まだまだ!」
イッセーはイリナの刀を躱しながら、
籠手の力を上げていった。
『Boost!』
イッセーも聖剣と戦うのは初めてだから
どう攻めればいいか迷っている様だ、
「さてこっちもやりますか」
俺は木場とゼノヴィアが斬り合っている中に介入する。
「悪いけど、俺を忘れてもらっては困るぜぇ!」
ガキィィィンッ!
俺の拳をゼノヴィアは聖剣の腹で受け止めた。
「神器とは違う力か、興味深いな」
ゼノヴィアは自身の知らない力に興味がある様だ。
「あっちの赤龍帝の方も興味はあるが…」
ゼノヴィアがイッセーの方へ視線を向けてかたまってしまった
その反応が気になり俺もそちらに視線を向けると、
そこにはいやらしい表情のイッセーがいた。
「…いやらしい顔つきだわ。何を考えているのかしら?」
イッセーの表情に怪訝な顔つきのイリナ。
そのイリナの反応に涎まで垂らすイッセー
「…気をつけてください。イッセー先輩は
手に触れた女性の服を消し飛ばす力を持っています」
小猫ちゃんが敵にイッセーの
『
それに対して、抗議の視線を向けるイッセーに
小猫ちゃんはズバリと言う。
「…女性の敵。最低です」
「あぅ!痛烈なツッコミだよ、小猫ちゃん!」
「なんて最低な技なの!イッセーくん!
悪魔に落ちただけではなく、その心までも邪悪に
染まって!ああ、主よ。この罪深き変態をお許しに
ならないでください!」
イリナがお祈りをあげながら、悲哀に満ちた表情を浮かべていた。
「そんなかわいそうな奴を見る目で見るな!」
「最低です」
ゴメンな、小猫ちゃん。
こいつはここで、煩悩だけ斬ってもらう事は出来んものか。
「なるほど。性欲の塊か。欲望の強い悪魔らしい行動だと私は思うよ」
ゼノヴィアはため息を吐きながら言う。
その視線は軽蔑の物だったがな。
「ゴメン」
なぜか、木場が謝っていた。
「うちの愚弟が申し訳ない…」
俺がイッセーについて謝っていると。
突然、木場が自身の足元から新たに魔剣を一本生み出すと、
それを振るい、二刀流の構えでゼノヴィアに迫る。
「気を取り直して!燃え尽きろ!そして
凍り付け!『
『
片方の魔剣からは業火が渦巻き、
もう片方の魔剣からは冷気とともに霧氷が発生した。
木場は『騎士』だ。『騎士』の特性はスピード。
神速の動きでゼノヴィアに攻撃をくわえている。
だが、ゼノヴィアは四方八方から斬りかかってくる
木場の攻撃を最小の動きだけで受け流していた。
「『騎士』の軽やかな動き、そして炎と氷の魔剣か。だが甘い!」
ギィィィィン!
ゼノヴィアの一振りが、木場の魔剣二刀を粉々にする!
「ッ!」
一撃で自分の剣を破壊され、木場は絶句する。
あれが聖剣の威力なのか!
「我が剣は破壊の権化。砕けぬ物はない」
ゼノヴィアは長剣を器用にくるくる回したかと思うと、
天にかざし、地面へ振り下ろした。
ドォォォォォォオオオオオオンッッ!
突然、足元が激しく揺れて、地響きが発生する!
体勢が崩され、その場に膝をつく。
そして、周囲に巻き起こる土埃!
しばらくして、土煙が収まった。
ッ!
俺は練習場の変化に俺は目を疑った。
ゼノヴィアが聖剣を振り下ろした場所が大きく抉れ、
クレーターが生み出されていた。
「これが私のエクスカリバーだ。有象無象の全てを破壊する。
『
の名は伊達じゃない」
威力がけた違いだな。あれをまともに食らったら
木場の魔剣じゃなくても粉々になるだろうさ。
木場はその光景を見て、苦虫を嚙み潰したよう
表情を浮かべていた。
「…真のエクスカリバーでなくてもこの破壊力。
七本全部消滅させるのは修羅の道か」
その瞳に映る憎悪の影は未だに消えて無いようだ。
木場は全部にエクスカリバーを壊す気の様だ。
一本であの威力だ、木場とはいえ七本全部は
流石にむりだと思うがな。
『boost!』
イッセーの神器から三度目の倍化の音声が響く。
「もう!ゼノヴィアったら、突然地面を壊すのだもの!
土だらけだわ!」
イリナが毒づきながら、服についた土を払っていた。
「でも、そろそろ決めちゃいましょうか!」
再度イッセーへ刀を向けて走り出す。
速い!イッセーとの距離を一気に詰めてきた、
木場ほどじゃないが、俺達よりは確実に速い!
速度のイリナと破壊力のゼノヴィアかコンビネーションは
抜群のようだな。
こちらも木場とコンビネーションを発揮しないとな!
「木場!俺が前に出るから!お前は隙をついてくれ!」
俺が木場に話しかけると。
「ここは僕一人でやる!君は引っ込んでいてくれ!」
木場は俺と協力する気はないようだ。
『boost!』
イッセーの四度目の強化。
「行くぜ、ブーステッド・ギアァッ!」
『Explosion!!』
イッセーの倍化が完了する。
イッセーはこっから攻勢に出るみたいだ。
「ユウスケくん。手を出すな!」
「何言ってるんだ木場!今のお前は冷静じゃない!
一人では無理だ!協力して戦うんだ!」
「うるさい!これは僕の復讐だ!
キミには関係ないだろう!」
「何を言ってんだよ…俺達仲間だろ」
「ふっ、悪魔とはいえ、心配してくれるいい
仲間がいるじゃないか先輩」
ゼノヴィアは関心したように言うがその目は真剣そのものだ
「私は別に二人掛かりでも構わないさ」
ゼノヴィアがそう言うが、木場に強力の意志はなさそうだ。
「いや!」
「アーシア!?」
アーシアの悲鳴が聞こえ、そちらに振り向くと
イッセーの『
アーシアと小猫ちゃんが裸にされており、
アーシアは恥ずかしさから身を屈めており、
小猫ちゃんの方は無表情のまま殺気を全身から放ちながら、
震える拳を上げていた。
「こ、小猫ちゃん!これは違うんだ!不発だよ!
い、いや、成功しているけどさ!
でも、紫藤イリナが避けるもんだから…決して、
アーシアと小猫ちゃんを狙ったわけじゃない!
で、でも、ありがとうございます!
い、いちおうお礼は言って」
どうやら、イリナに『洋服崩壊』を当てようとして
誤って二人に当ててしまったようだ。
「…この、ドスケベ!」
ドゴン!
「ぐっふぅぅぅぅ!」
イッセーは腹に重い一撃を食らい吹っ飛ぶ。
そして地面を何度もバウンドし転がる。
あまりもの痛さに起き上がれないようだ。
俺もイッセーに怒りを覚えたが、
この光景を見てスッキリした。
「イッセーくん、生きてる?あのね、卑猥な技を開発
した天罰だと思うの。これにこりたら、
あんなエッチな技を封印すること。いいわね?」
「…い、嫌だ。…魔力の才能をほぼ全部使い込んで開発
した技だぞ…。もっともっと女の子の服を弾け飛ばすんだ…。
これでも女子の服を透過させるどちらにするべきか
真剣に悩んだんだ…」
イッセーはのろのろと力なく立上り、イリナと再び対峙する。
「いつか、見ただけで服を壊す技に昇華するまで俺は戦い続ける!」
イッセーは自身の煩悩を叫び、イリナに突っ込んでいた。
「性欲だけでここまで戦えるなんて!どうかしているわ!」
「紫藤イリナ!性欲は力だ!正義なんだよぉぉぉぉ!」
「アーメン!主よ、このエロ悪魔を断じる力をお貸しください!」
イリナも聖剣を改めて握りしめ。イッセーへ向かっていく。
イッセーはそれに対して体制を低くし、下段からの蹴りで
イリナを足払いしようとするが、
イリナも狙いに気づきジャンプで躱す。
躱されたイッセーだが、地面を蹴り込んで、
アッパーカットをしながら立ち上がる。
まるで、どこぞの配管工のように。
『イヤッフゥ~』という声が聞えそうだ。
ブゥン!
イッセーのアッパーがイリナの顎すれすれで空を切る。
イリナは目元を引きつらせていた。
イリナが刀を横薙ぎに振るうが、
イッセーは後方へステップし回避する。
その様子をイリナは驚いた様子で見ていた。
「…ゴメンなさい。あなたを少し
見くびっていたようね。いい動きだわ」
真顔になるイリナ。
すると、突然イッセーが地面に崩れ落ちてしまった。
イッセーの腹部を見れば、小さく煙が上がっている。
さっきの横薙ぎの攻撃の際に剣先を変形させて伸ばしていたのか!?
「聖剣のダメージよ。悪魔、堕天使は聖剣の攻撃を
その身に受ければ、力と存在を消されてしまう。
たったそれだけの傷でもこれだけの事になるわ。
もう少し深く食らっていれば、致命傷だったかもね」
あの程度のかすり傷で動けなくなるのか…。
『Reset!』
ブーステッド・ギアの能力も解除されてしまった。
イッセーはもう戦えないか…。
「あと一度パワーアップすればその攻撃を確実に
避けられたでしょうね。いい勝負もできたはずよ。
貴方の敗因は、相手との力量差が分からずに神器を使っている事。
読み間違いは真剣勝負の場では致命傷よ」
「あっちは終了した、こっちもそろそろ終わりにしよう」
ゼノヴィアが長剣を構え直す。
俺は即座にゼノヴィアに向かい駆け出す。
「その長剣の大きさなら懐に入れば、
振り回すこともできないだろう!」
俺は拳を握り殴りかかるが、全てを躱されてしまう。
くぅッ!隙が無い、やはり実力は俺以上か!
「はぁぁぁぁぁああああっ!」
木場が気合を発し、手元に何かを創り出していく。
それは剣のカタチとなるが…。
「その聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力!
どちらが上か勝負だ!」
木場の手に現れたのは巨大な一本の剣だった。
禍々しいオーラを放ちながら、木場は両手で構える。
その剣は巨大で、木場の身長をはるかに超えている。
その大きさは二メートル以上は確実にある。
木場はそれを勢いよく振るい始める!
俺は即座にゼノヴィアから離れる。
俺と入れ違いに木場の一撃がゼノヴィアに伸びるが、
彼女は心底落胆したように溜息を吐いた。
「残念だ。選択を間違えたな」
ガギィィィィィン!
激しい金属音!巨大な刀身が宙を舞う。
折れたのは木場の魔剣だった。
ゼノヴィアのエクスカリバーは一切欠けることなく、
難なく木場の魔剣を破壊した。
「君の武器は多彩な魔剣とその俊足だ。
巨大な剣を持つには筋力不足であり、
自慢の動きを封じることにもなる。
破壊力を求める?キミの特性上、それは不要なものだろう?
そんなこともわからないのか?」
ドンッ!
木場の腹部に聖剣の柄頭が深く抉り込む。
たったそれだけの攻撃なのに衝撃波が発生していた。
柄頭の一発でも破壊力が大きいってことだ。
「ガハッ」
口から吐しゃ物を吐き、木場はその場で崩れ落ちた。
「刀身での一撃でなくとも、いまの打ち込みで
とうぶんは立ち上がれないよ」
ゼノヴィアは木場を一瞥すると、踵を返した。
「…ま、待て!」
木場が手を伸ばすが、勝負が決着したのは誰が見ても明らかだった。
「そちらも、まだ戦うか?」
ゼノヴィアが俺に訊いてくる。
「いや、俺は木場がやりすぎないように出てきたが、
俺達の考えすぎだったようだ、俺もまた、君達を甘く見ていたようだ」
俺は変身を解除し、ゼノヴィアに返答する。
そして、朱乃さんが結界を解き、
辺りを支配していた紅いオーラが消えた。
戦いは終わったんだな。
「『先輩』、次はもう少し冷静になって立ち向かってくるといい。
リアス・グレモリー、先程の話、よろしく頼むよ。それと、
下僕はもう少し鍛えた方がいい。センスだけ磨いても限界がある」
木場は憎々し気にゼノヴィアを睨んでいた。
ゼノヴィアの視線がイッセーに移る。
「ひとつだけ言おう。
『
その名は、前に聞いたイッセーと対をなす存在か。
「いずれ出会うだろうが、その調子では絶対に勝てないだろうね」
ゼノヴィアはそれだけ言い残し、
持ち物を手に取るとその場を後にした。
「ちょっと待ってよ、ゼノヴィア。じゃあ、
そういうことでユウスケくん、イッセーくん。
裁いて欲しくなったら、いつでも言ってね。アーメン♪」
胸で十字を切りながらウインクすると、
イリナも早足にこの場を立ち去る。
瞑目するリアス先輩。その心中は察するに余りあるだろう。
俺達は彼女達に完敗した。
―〇●〇―
「大丈夫ですか?」
アーシアがイッセーの腹部に手を当てて、
神器で回復してくれる。アーシアは旧校舎に用意してあった
予備の制服に着替えていた。
彼女の手から生まれた緑色のオーラがイッセーを包み、傷を癒す。
「格好悪い所を見せたな、アーシア」
イッセーは苦笑いしながらアーシアに言う。
だが、アーシアは首を横に振る。
「聖剣を相手にこれぐらいで済んで良かったです。
イッセーさんが消滅させられてしまうのではないかと
気が気じゃ無かったんですよ?」
「今回は相手に殺す気が無かったから良かったが、
イッセー、お前勝利よりも、自分の欲望を優先したな?」
「ぎくぅ」
イリナの服を消し飛ばす事のみに集中していたようだからな、
「そのせいで、アーシアは裸になったんだぞ!」
ゴンッ!
俺はイッセーの頭に拳骨を落とす。
「イテテ、アーシア、服を消し飛ばしてゴメン」
イッセーが頭をさすりながら、素直に謝る」
「いえ、誰にでも失敗はあります、
イッセーさんとユウスケさんが無事でよかったです」
アーシアは笑顔で返す。その笑顔、眩しすぎる。
「…あと一段階神器の倍加を上げていれば、勝てたかも」
イッセーの肩を力いっぱいにマッサージしながら小猫ちゃんが言う。
揉むたびに、イッセーの顔がゆがむので相当痛いんだろうな…。
小猫ちゃんも同じく予備の制服を着ていた。
聖剣と戦い、負傷したイッセーへの労いか、
全裸にされた報復なのか分からない。
でも、小猫ちゃんがそんな風に言うのは始めてじゃないか?
「…それが分からないのは修行不足と実戦不足。
あとエロすぎです。ドスケベ先輩」
おっと、精神の方も痛い所ついていくのか、
この後は、俺にもやってくれるらしいが、
イッセーの様子見ていると、断りたいところだな。
「待ちなさい!祐斗!」
リアス先輩の制止する声が聞えてくる。
そちらへ顔を向けると、その場を立ち去ろうとしている様子の
木場と激昂しているリアス先輩の姿があった。
木場がどうかしたのか?
「私の元を離れるなんてこと許さないわ!
貴方はグレモリー眷属の『騎士』なのよ。
『はぐれ』になってもらっては困るわ。
留まりなさい!」
「…僕は、同志たちのおかげであそこから逃げ出せた。
だからこそ、かれらの恨みを魔剣に込めないといけないんだ…」
それだけ言うと、木場はその場から消えた。
「祐斗…どうして…」
リアス先輩の悲しそうな顔をしていた。
―〇●〇―
「あー。で?俺を呼び出した理由は?」
次の休日。俺とイッセーは会長眷属の
『兵士』である匙と駅前で合っていた。
気だるそうな匙。リアス先輩を介し、
イッセーがなんとか匙と連絡を取っていた。
「…そうです。三人で何をするつもりだったんですか?」
イッセーの服を掴んで離さない小猫ちゃんだ。
匙との待ち合わせ予定の駅前に向かう途中で
偶然鉢合わせとなり、イッセーが咄嗟に逃げ出したが、
呆気なく捕まってしまった。
どうやら、小猫ちゃんの顔を見るなり逃げ出したイッセーを
不審に思い。監視の意味でイッセーを拘束している。
恐らく、先日の全裸事件を根に持っての犯行だろう。
すると、イッセーがコホンとひとつ咳払いすると俺達に計画を告げる。
「聖剣エクスカリバーの破壊許可を紫藤イリナとゼノヴィアから
貰うんだ」
イッセーの告白は今回のイリナ達からの注文を否定する内容だった。
イッセーの提案でイリナとゼノヴィアに協力を取り付ける事に
リアス先輩には内緒で教会関係者と接触を図る為に二人を探すユウスケ達
無事にイリナ達と共同戦線を取ることはできるのか?
次回、第32話「共同戦線」
見てくれよな
外伝でやってほしいコラボは?
-
仮面ライダークウガ(五代雄介)
-
仮面ライダーディケイド
-
忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
-
その他(希望があれば感想へ)