ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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コカビエルとの決戦

ユウスケ達は駒王学園へ集まった

コカビエルよの実力差に

勝ち目の無いユウスケ達、

だが、魔王様の応援が

一時間後に到着するので

時間稼ぎに尽力するユウスケ達だったが、

そこで、エクスカリバーが融合し、

新たな聖剣が生み出された

ユウスケ達はコカビエルを倒す事は出来るのか!

木場はエクスカリバーを超える事が出来るのか!


第36話「覚醒」

校庭の中央に白いオーラを放つ

 

一本の聖剣が出現した。

 

「エクスカリバーが一本になった光で、

下の術式も完成した。あと二十分も

しないうちにこの町は破壊するだろう。

解除するにはコカビエルを倒すしかない」

 

衝撃な事をトオドが口にした。

 

なっ…。

 

俺達は絶句する。

 

当然だ。

 

あと、二十分で俺達が住む町が壊れるだと!?

 

校庭全域に展開していた魔法陣に光が走りだし、

 

力を帯び始めた。

 

これは、術式が発動したのか!?

 

クソッ!

 

サーゼクス様達が来るまで持ちこたえるなんて

 

悠長なこと言ってられないじゃないか!

 

魔王様の加勢が到着する頃には、

 

この町が消し飛んでしまう!

 

「フリード!」

 

コカビエルがクソ神父の名を呼ぶ。

 

「はいな、ボス」

 

暗闇の向こうから、白髪の少年神父が歩いてきた。

 

「陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ。

四本の力を得たエクスカリバーで戦ってみせろ」

 

「ヘイヘイ。まーったく、俺のボスは人使いが

荒くてさぁ。でもでも!チョー素敵仕様になった

エクスなカリバーちゃんを使えるなんて光栄の

極み、みたいな?ウヘヘ!ちょっくら、

悪魔でもチョッパーしますかね!」

 

イカレた笑みを見せながら、

 

フリードが校庭のエクスカリバーを握った。

 

やっぱり使えるのか。

 

因子をトオドに貰ったと言っていたしな。

 

木場にゼノヴィアが話しかける。

 

「リアス・グレモリーの『騎士』、

共同戦線が生きているのならば、

あのエクスカリバーを共に

破壊しようじゃないか」

 

「いいのかい?」

 

木場の問いにゼノヴィアは不敵に笑う。

 

「最悪、私はあのエクスカリバーの核

になっている『かけら』を回収

できれば問題ない。フリードが

使っている以上、あれは聖剣であって、

聖剣ではない。聖剣とて、

普通の武器と同じだ。

使う者によって、場合も変わる。

あれは、異形の剣だ」

 

「ククク…」

 

二人のやり取りを笑う者がいた。

 

トオドだ。

 

「バルパー、いや、ズ・トオド・レ。

僕は『聖剣計画』の生き残りだ。

いや、正確には貴方に殺された身だ。

悪魔に転生した事で生き永らえている」

 

至って冷静にトオドに告げる木場だが、

 

その瞳には憎悪の炎が宿っていた。

 

トオドの答え次第では一触即発だ。

 

「ほう、あの計画の生き残りか。

これは数奇なものだ。

こんな極東の国で会う事になろうとは。

縁を感じるな。ふふふ」

 

嫌な笑い方だ。

 

木場を小バカにしたかのような口調だ。

 

「私はな。かつて、

グロンギ族のゲゲルから追放された。

牙もツメも無く、決定打に欠けている。

そんな私では何度挑戦しても

ゲゲルを達成出来なかった!

だから、エクスカリバーの伝記を見た時、

これだと思った。これさえあれば、

私を追放した奴らに復讐が出来る!

グロンギ族の頂点に立てると!

だからこそ、グロンギ族には聖剣使いの適正

が無いと知った時の絶望といったらなかった」

 

突然、バルパーは語りだす。

 

奴の昔話か。

 

「自分には使えないからこそ、

使える者に憧れを抱いた。

その思いは高まり、聖剣を使える者を人工的に

創り出す研究に没頭するようになったのだよ。

そして完成した。君達のおかげだ」

 

「なに?完成?僕たちを失敗作だと

断じて処分したじゃないか」

 

眉を吊り上げ、怪訝な様子の木場。

 

木場やリアス先輩、ゼノヴィアの話では、

 

木場達の研究は失敗だと聞いていた。

 

だからこそ、用済みだとして

 

処分したんじゃないのか?

 

だが、俺達の思いとは裏腹に

 

トオドは首を横に振った。

 

「聖剣に使うのに必要な因子があることに

気付いた私は、その因子の数値で適性を調べた。

被験者の少年少女、ほぼ全員に因子はあるものの、

それもこれもエクスカリバーを扱える。

数値に満たなかったのだ。

そこで私は一つの結論に至った。

ならば『因子だけを抽出し、

集める事は出来ないか?』とな」

 

「なるほど。読めたぞ。

聖剣使いが祝福を受けるとき、

体に入れられるのは」

 

ゼノヴィアが事の真相に気付いたようで、

 

忌々しそうに歯噛みしていた。

 

何の話だ?

 

疑問に思う俺達を置いてトオドはさらに続ける。

 

「そうだ、聖剣使いの少女よ。

持っている者達から、聖なる因子を抜き取り、

結晶を作ったのだ。こんな風に」

 

トオドが懐から光り輝く球体を取り出した。

 

眩い光だ。聖なるオーラってのが迸っている。

 

「これにより、

聖剣使いの研究は飛躍的に向上した。

それなのに教会の人間共は私だけを

異端として排除したのだ。

研究資料だけを奪ってな。貴殿を見るに、

私の研究は誰かに引き継がれているようだ。

ミカエルめ。あれだけ私を断罪しておいて、

その結果がこれか。まあ、あの天使の事だ。

被験者から因子を抜き出すにしても

殺すまではしていないか。くくくくく」

 

愉快そうにトオドは笑う。

 

なるほどな、ようやく理解した。

 

現時点で聖剣使いを人工的に生み出すのは

 

犠牲を払わないといけないって事か。

 

木場もゼノヴィアもトオドの研究から

 

始まる因果に巻き込まれていたんだな。

 

「同志達を殺して、

聖剣適正の因子を抜いたのか?」

 

木場が殺気のこもった口ぶりでトオドに訊く。

 

「そうだ。この球体はその時の物だぞ?

三つほどフリード達に使ったがね。

これは最後の一つだ」

 

「ヒャハハハハ!俺以外の人形ちゃんは

負けたから爆弾にしちゃったけどな」

 

チッ!あの時の屍人形か!

 

なら、因子を爆弾代わりにしたのか!

 

「…トオド、あなたは。自分の研究、

自分の野望の為に、

どれだけの命をもてあそんだんだ…」

 

木場の手が震え、怒りから生み出される

 

魔力のオーラが奴の全身を覆った。

 

凄まじいほどの迫力だ。

 

「くくく、人間がいくら死のうと、

私の糧になれれば本望だろう、

それだけ言うのならば、この因子の結晶を

貴様にくれてやる。環境が整えばあとで

量産できる段階まで研究はきている。

まずはこの町をコカビエルと共に破壊し、

クウガを殺そう!

あとは世界の各地で保管されている伝説の

聖剣をかき集めようか。

そして聖剣使いを量産し、

統合されたエクスカリバーを用いて、

ミカエルとヴァチカンに戦争を仕掛けよう。

そして、最後には私を追放した愚かなグロンギ族に

私の研究を見せ付けてやるのだよ」

 

それがトオドとコカビエルが手を組んだ理由か。

 

どちらも戦争を求めている。

 

トオドは興味を無くしたのかのように

 

持っていた因子の結晶を放り投げた。

 

ころころと地面を転がり、

 

木場の足元に行き着く。

 

木場は静かに屈み込んで、それを手に取った。

 

哀しそうに、愛しそうに、懐かしそうに、

 

その結晶を撫でていた。

 

「…皆…」

 

木場の頬を涙が伝っていく。

 

その表情は悲哀に満ち、

 

そして憤怒の表情も作り出していた。

 

その時だった。

 

木場の持つ、結晶が淡い光を発し始める。

 

光は徐々に広がっていき、

 

校庭を包み込むまでに拡大していった。

 

校庭の地面、その各所から光がポツポツと

 

浮いてきて、形を成していく。

 

それはハッキリとしたものに成形されていき、

 

人の形となった。

 

木場を現れたように現れたのは、

 

青白く淡い光を放つ少年少女達だった。

 

もしかして、彼らは。

 

「この戦場に漂う様々な力が因子の球体から魂を

解き放ったのですね」

 

と、朱乃さんが教えてくれる。

 

そんなことが起きるのか。

 

魔剣、聖剣、悪魔、堕天使、グロンギ

 

幾つもの力が集った状況だ、

 

そんな事が起きてもおかしくないのか。

 

木場は彼らを見つめ、懐かしそうで

 

哀しそうな表情を浮かべた。

 

「皆!僕は…僕は!」

 

彼らは木場と同じ聖剣計画に

 

身を投じられた者達。

 

処分された者達だ。

 

「…ずっと…ずっと、思っていたんだ。

僕が、僕だけが生きていていいのかって…。

僕よりも夢を持った子がいた。

僕よりも生きたかった子がいた。

僕だけが平和な暮らしを

過ごしていていいのかって…」

 

霊魂の少年の一人が微笑みながら、

 

木場に何かを訴える。

 

口をパクパクしているが、

 

何をしゃべっているかはわからない。

 

すると、朱乃さんが代わりに話してくれる。

 

「…『自分達のことはもういい。

君だけでも生きてくれ』。

彼らはそう言ったのです」

 

それが伝わったのか、

 

木場の双眸から涙が溢れ続ける。

 

魂の少年少女達が口をパクパクと

 

リズミカルに同調させていた。

 

歌を歌っているのか?

 

「聖歌」

 

アーシアがそう呟いた。

 

彼らは聖歌を歌っている…。

 

木場も涙を流しながら、聖歌を口ずさみだした。

 

それは、彼らが辛い人体実験の中で唯一希望と

 

夢を保つために手に入れたもの。

 

それは、過酷な生活で唯一知った生きる糧。

 

それを歌う彼らと木場は、

 

まるで幼い子供のように

 

無垢な笑顔に包まれていた。

 

ッ!

 

彼らの魂が青白い輝きを放ちだした。

 

その光が木場を中心に眩しくなっていく。

 

『僕らは一人ではダメだった』

 

『私達は聖剣を扱える因子が足りなかった。けど』

 

『皆が集まれば、きっとだいじょうぶ』

 

彼らの声が俺達にも聞こえる。

 

本来、聖歌を聴けば悪魔の俺達は

 

苦しむと聞いた事がある。

 

現在この校庭が様々な力が入り乱れている特殊な

 

力場のせいだろうか、

 

俺は聖歌の苦しみを感じない。むしろ、

 

温かさを感じる。友を、同志を想う、

 

温かなものを。

 

俺の目からもいつの間にか、

 

自然に涙が流れていた。

 

『聖剣を受け入れるんだ』

 

『怖くなんてない』

 

『たとえ、神がいなくても』

 

『神が見てなくても』

 

『僕達の心はいつだって』

 

「ひとつだ」

 

彼らの魂が天にのぼり、

 

一つの大きな光となって木場の元へ降りてくる。

 

やさしく神々しい光が木場を包み込んだ。

 

闇夜の天を裂く光が木場を

 

祝福しているかのように見えた。

 

 

―〇●〇―

 

 

木場side

 

ただ、生きたかった。

 

研究施設から一人逃げ出し、

 

森の中で血反吐吐きながら走った僕は

 

それだけを考えていた。

 

森を抜け、とある上級悪魔の少女

 

と出会った時、命の灯火は消えかかっていた。

 

「あなたは何を望むの?」

 

死に逝く間際の僕を抱きかかえ、

 

紅髪の少女は問う。

 

かすれていく視界の中で僕は一言だけ呟いた。

 

助けて。

 

僕の命を。僕の仲間を。僕の人生を。

 

僕の願いを。僕の力を。僕の才能を。僕を…。

 

ただただ、それらを籠めて願った。

 

それが人間としての最後の言葉だった。

 

「悪魔として生きる。それが我が主の願いであり、

僕の願いでもあった。それでいいと思った。

けれど。エクスカリバーへの憎悪と

同志の無念だけは忘れられなかった。

…いや、忘れても良かった。僕には」

 

いま、最高の仲間がいるんだ。

 

ユウスケ君、イッセー君、小猫ちゃん。

 

復讐にかられていた僕を助けてくれた。

 

共に聖剣使いを探し回っていた時、

 

思ってしまったんだ。

 

僕を助けてくれる仲間がいる。

 

「それだけで十分じゃないのか?」と。

 

だけど、同志達の魂が復讐を願っているとしたら、

 

僕は憎悪の魔剣を降ろすわけにもいかない。

 

でも、その考えがまた仲間を失う所だった、

 

僕の勝手でユウスケ君を危険にさらした。

 

川に落ちた彼を見た時深く後悔した。

 

僕はまた失うのかと、

 

だから、僕は復讐を果たすべくか、

 

諦めるべきか悩んでいた。

 

だが、その想いも先程、解き放たれた。

 

自分達の事はもういい。君だけでも生きてくれ。

 

同志達は僕に復讐を願っていなかった。

 

願ってはいなかったんだ!

 

「でも、全てが終わったわけじゃない」

 

そう、終わりではない。

 

目の前の邪悪を打倒さないと

 

僕達の悲劇は繰り返される。

 

「ズ・トオド・レ。貴方を滅ぼさない限り、

第二、第三の僕達が生を無視される」

 

「ふん。研究に犠牲はつきものだと

昔から言う出ないか。

ただそれだけのことだぞ!」

 

やはり、あなたは邪悪すぎる!

 

「木場ァァァァァッッ!フリードの野郎と

エクスカリバーをぶっ叩けェェェェェ!」

 

イッセー君。

 

「お前は、リアス・グレモリー眷属の『騎士』で、

俺の仲間だ!俺のダチなんだよ!

戦え木場ァァァァッッ!

彼奴らの想いと魂を無駄にすんなァァァッ!」

 

君は僕を助けてくれた。

 

何も徳が無かったのに、

 

主に罰を受けるかもしれなかったのに。

 

「祐斗!やりなさい!自分で決着をつけるの!

エクスカリバーを超えなさい!

貴方はこのリアス・グレモリーの眷属なのだから!

私の『騎士』はエクスカリバー如きに

負けはしないわ!」

 

「祐斗くん!信じてますわよ!」

 

リアス部長、朱乃さん。

 

「…祐斗先輩!ファイトです!」

 

小猫ちゃん。

 

「祐斗さん、頑張ってください!」

 

アーシアさん。

 

「木場!俺達の想いも持っていけ!

今のお前なら、勝てるはずだ!」

 

ユウスケ君。

 

僕の無謀のせいで怪我をしたっていうのに。

 

こんな僕を信じてくれた。

 

ありがとう皆。

 

「ハハハ!何泣いてんだよ?

幽霊ちゃんたちと戦場のど真ん中で

楽しく歌っちゃってさ。

ウザいったらありゃしない。もう最悪。

俺的にあの歌が大嫌いなんスよ。

聞くだけで玉のお肌がガサついちゃう!

もう嫌。もう限界!てめぇを切り刻んで

気分を落ち着かせてもらいますよ!

この四本統合させた無敵の聖剣ちゃんで!」

 

フリード・セルゼン。

 

その身に宿る僕の同志の魂。

 

これ以上悪用させるわけにはいかない!

 

この涙は決意の涙だ!

 

「僕は剣になる」

 

同志達よ。僕の魂と融合した同志達よ。

 

一緒に超えよう。

 

あのとき、達せなかった想いを、

 

願いを、いまこそッッ!

 

「部長、仲間達の剣となる!

今こそ僕の想いに応えてくれッ!

魔剣創造(ソード・バース)ッッ!!」

 

僕の神器と同志の魂が混ざり合う。

 

同調し、カタチをなくしていく。

 

魔なる力と聖なる力が融合していった。

 

そう、この感覚。僕の神器が、

 

僕の同志たちが教えてくれる。

 

これは昇華だと。

 

神々しい輝きと禍々しいオーラを放ちながら、

 

僕の手元に現れたのは一本の剣。

 

完成したよ、皆。

 

禁手(バランス・ブレイカー)、『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』。

聖と魔を有する剣の力、

その身で受け止めるといい」

 

僕はフリード目掛けて走り出した。

 

『騎士』の特性はスピード!

 

フリードが目で僕の動きを追うが、

 

フェイントを何度も入れて彼の視界から脱する。

 

ギィィィン!

 

それでも僕の一撃をフリードは受け止めた。

 

本当、大した「はぐれ悪魔祓い」だよ。

 

しかし、彼のエクスカリバーを覆うオーラが

 

僕の剣によってかき消されていく。

 

「ッ!本家本元の聖剣を凌駕すんのか、

その駄剣が!?」

 

驚愕の声を出す彼。

 

「それが真のエクスカリバーならば、

勝てなかっただろうね。

でも、そのエクスカリバーでは、

僕と、同志達の想いは絶てない!」

 

「チィ!」

 

舌打ちしたフリードは僕を押し返し、

 

後方へ下がった。

 

「伸びろォォォォ!」

 

彼のエクスカリバーが意思を持ったように

 

うねり始め、宙を無軌道に激しく

 

動きながらこちらへ迫ってきた!

 

擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』の能力!

 

そうか、四本分の能力を有しているんだね。

 

さらに剣は先端から枝分かれし、

 

神速で降り注いでくる。

 

こちらは『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』か。

 

速度が武器だったねあれは。四方八方、

 

上からも下からも縦横無尽に

 

鋭い突きを放ってくるが、

 

僕は全て防ぐ。

 

キミの殺気は分かりやすい。

 

殺気の来る方向がわかれば、

 

防ぐのも容易なことだよ。

 

「なんでさ!なんで当たらねぇぇぇぇぇッッ!

無敵の聖剣さまなんだろぉぉ!

昔から最強伝説を語り

継がれてきたじゃないのかよぉぉぉ!」

 

フリードが叫ぶ。

 

その姿には明らかに

 

楽しみと共に焦りの影も見えた。

 

「なら!なら、こいつも追加で

いってみようかねぇぇっぇ!」

 

聖剣の先端がふいに消える。

 

透過現象?

 

これは『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』の力だ。

 

刀身を透明にさせる能力。

 

だけど、殺気の飛ばし方を変えなければ、

 

いくら刀身が見えなくても。

 

ギィン!ギン!ギン!ギィィィィン!

 

透明な刀身と僕の剣が火花を散らす。

 

僕は彼の攻撃を全ていなした。

 

「ッ!」

 

フリードは目元を引きつらせ、

 

驚愕の表情になる。

 

「そうだ。そのままにしておけよ」

 

横殴りにゼノヴィアが介入してくる。

 

左手に聖剣を持ち、右手を宙に広げた。

 

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、

そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」

 

何かの言霊を発し始めている。

 

彼女は何をするつもりだ?

 

疑問に感じていた僕の視界で空間が歪む。

 

歪みの中心にゼノヴィアが手を入れた。

 

無造作に探り、何かを掴むと

 

次元の狭間一気に引き出してくる。

 

そこにあったのは一本の聖なるオーラを放つ剣。

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、

我は解放する。 デュランダル!」

 

デュランダル!?

 

エクスカリバーに並ぶほど有名な伝説の聖剣だ。

 

しかも斬れ味だけなら、最強だと聞いている。

 

それをなぜ彼女が?

 

「デュランダルだと!」

 

「貴様、エクスカリバーの

使い手ではなかったのか!」

 

トオドばかりか、コカビエルもさすがに

 

驚きを隠しきれない様子だった。

 

「残念。私は元々聖剣デュランダルの使い手だ。

エクスカリバーの使い手も兼任

していたにすぎない」

 

ゼノヴィアがデュランダルを構えた。

 

エクスカリバーとの二刀流。

 

「バカな!私の研究ではデュランダルを扱える

領域に達していないぞ!?」

 

「それはそうだろう。ヴァチカンでも

人工的なデュランダル使いは創れていない」

 

「では、なぜだ!」

 

「イリナ達現存する人工聖剣使いと違って

私は数少ない天然ものだ」

 

ゼノヴィアの言葉にトオドは絶句していた。

 

ゼノヴィアは僕達と違い、

 

元から聖剣に祝福された者だったようだ。

 

「デュランダルは想像を遥かに超える暴君でね。

触れたものは何でもかんでも斬り刻む。

私のいう事もろくに聞かない。

ゆえに異空間へ閉じ込めておかないと

危険極まりないのさ。

使い手の私ですら手に余る剣だ。

さて、フリード・セルゼン。

お前のお陰でエクスカリバーと

デュランダルの頂上決戦ができる。

私は今歓喜に打ち震えているぞ。

一太刀で死んでくれるなよ?

せいぜいエクスカリバーの

力を存分に揮うことだ!」

 

デュランダルの刀身がフリードの持つ

エクスカリバー以上に聖なるオーラを放ち始めた。

あのオーラ、僕の聖魔剣以上の力を発揮している!

 

「そんなのアリですかぁぁぁ!?

ここにきてのチョー展開!

クソッタレのクソビッチが!

そんな設定いらねぇんだよォォォォ!」

 

フリードが叫び、殺気をゼノヴィアへ向けた。

 

目には見えないが、枝分かれした透明の剣を

 

彼女に放ったのであろう。

 

ガギィィィィン!

 

たった一度の横薙ぎで、

 

枝分かれした聖剣エクスカリバーが

 

砕かれて姿を現した。

 

デュランダルからの剣風の余波で、

 

校庭の地面が大きく抉れる。

 

「所詮は、折れた聖剣か。

このデュランダルの相手にもならない」

 

ゼノヴィアはつまらなそうにため息を吐く。

 

凄まじい威力だ。

 

彼女の持つ『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)

 

など比べ物にならない。

 

「マジかよマジかよマジですかよ!

伝説のエクスカリバーちゃんが木っ端微塵の

四散霧散かよっ!酷い!これは酷すぎる!

かぁーっ!折れたものを再利用しようなんて

思うのがいけなかったのでしょうか?

人間の浅はかさ、教会の愚かさ、

いろんなものを垣間見て

俺様は成長していきたい!」

 

殺気の弱まった彼に僕は一気に詰め寄った!

 

彼も対応できていない!チェックメイトだ!

 

僕の聖魔剣をエクスカリバーで

 

受け止めようとするが。

 

バギィィィン。

 

儚い金属音が鳴り響く。

 

聖剣エクスカリバーが砕け散る音だ。

 

「見ていてくれたかい?僕の力は、

エクスカリバーを超えたよ」

 

聖剣を砕いた勢いで、僕はフリードを斬り払った。

 

 

―〇●〇―

 

 

ユウスケside

 

フリードが倒れ込み、

 

肩口から横腹までの木場がつけた傷から、

 

鮮血を滴らせる。

 

木場が勝った!

 

木場がエクスカリバーを超えた。

 

木場は天を仰ぎ、聖魔剣を強く握り締めていた。

 

「やったな!木場。」

 

俺は木場に駆け寄り、肩を叩く。

 

「ありがとうユウスケ君、

エクスカリバーを超えられたのは

皆んなのおかげだよ」

 

「せ、聖魔剣だと…?あり得ない…。

反発しあうふたつの要素が混じり合うなんて

事はあるはずがないのだ…」

 

トオドが表情をこわばらせている。

 

そうだ、木場の悲願はまだ達成されてない。

 

奴を倒さない限り、同じ悲劇は続くだろう。

 

木場達のようない被害者を

 

生み出してはいけないんだ。

 

「ズ・トオド・レ。覚悟を決めてもらう」

 

木場は聖魔剣をトオドへ向ける。

 

「…よくも、私の研究成果をよくも!

これは使いなくなかったが!」

 

怒りに震えるトオドが注射器を取り出すと、

 

自身の腕に突き刺した。

 

「ぐぁあああああッ!」

 

トオドの体から魔力が溢れ出してきた。

 

どうやら、ドーピングして魔力を上げたようだ。

 

「今の儂ならクウガをも殺せるだろう!

ぬぅうう!」

 

トオドが地面に手を付くと、

 

地面から泥状の物体が生み出されていく。

 

そして、形が変わっていき、トオドの姿に変化し、

 

数十体の泥人形が校庭を埋め尽くした。

 

「凄い数だな」

 

「ユウスケ君、共に戦ってくれるかい?」

 

木場がこちらを向きそうたずねる。

 

「やっと言ってくれたな

待ってたぜ、その言葉」

 

「共に奴を倒そう!」

 

「ああ、一緒に行こうぜ!」

 

すると木場の胸に青い淡い光が灯り。

 

その光は俺のベルトへと吸い込まれていく。

 

ドクンッ!

 

これは、『騎士』に昇格(プロモーション)したのか!?

 

クウガの変身もなぜか解除されてしまった。

 

「なんだい、今のは?」

 

木場は困惑して俺に訊ねる。

 

「分からないけど、もしかしたら…」

 

俺は腰に手をかざすと、

 

いつも通りベルトが現れる。

 

だが、ベルトの宝玉はいつもの紅色ではなく、

 

瑠璃色に輝いていた。

 

ベルトに手をかざし、右手を前に突き出す。 

 

右腕を右前方へ動かしきったあと、

 

勢いよく左腰の拳を落とす。

 

そして、ベルトの起動スイッチを押し込む。

 

「変身!」

 

俺の体がクウガの姿へと変化していく、

 

だが、鎧の色は紅色ではなく、

 

蒼よりも深い群青色へと変化しており、

 

腕、肩、脚には西洋の騎士の様な

 

白銀の鎧が装着された。

 

『クウガが青くなった!』

 

皆が俺の変化に驚愕していた。

 

今の俺はクウガの力と『騎士』の力が使えていた。

 

これは、五代さんとも違うクウガだ…。

 

「さしずめ、クウガ、ナイトフォームって所か」

 

「ぬうう、あんだあの姿は、あんなものは、

知らんぞ、いや、姿が変わった所で

この数相手に勝てはしない!」

 

トオドもクウガの新たな姿に驚いていたが、

 

すぐに強気な態度に戻る。

 

それだけあの薬に自身があるのだろう。

 

「木場、剣を二本貰えるか?」

 

「?ああ、わかったよ」

 

木場は疑問に思いながらも、

 

神器で剣を作り渡してくれる。

 

「ふう、よし!」

 

俺が剣を強く握ると、

 

シュュゥゥゥウン!!

 

剣の形状が見る見るうちに変わっていき、

 

蒼い直剣に姿を変える。

 

「剣の形状が変わった!?」

 

「ああ、このフォームだと、

剣を持てば、自身の武器に変わるみたいだ」

 

驚く木場に俺は答える。

 

俺は剣を構える。

 

「さあ、決着をつけようぜ木場!」

 

「ああ、ユウスケ君」

 

ダッ!

 

俺達はトオドに向かって同時に駆け出す。

 

大勢のトオド達もこちらに向かってくる。

 

俺達は『騎士』の特性である。

 

速度を生かし、相手の攻撃をかわして

 

すれ違いざまにトオドを斬りつける。

 

一撃斬りつけると、

 

形が崩れて元の泥に戻っていく。

 

偽物は耐久力は無いようだ。

 

そして、俺と木場は次々と泥人形を倒していく。

 

そして、残りは一体。

 

コイツが本体だろう。

 

「ぬうう、儂の分身をこうも簡単に!?

だが、こうすれば!」

 

トオドの体に倒した泥人形が集まり、

 

鎧へと姿を変える。

 

「儂の魔力で限界まで硬度を高めた

この鎧なら、貴様らの剣とて

斬れまい!儂の手で貴様らを

殺してくれるわ!」

 

トオドが腕を広げ突進してくる。

 

「ハ、今の俺達に斬れないものは無い、

そうだよな木場!」

 

「ああ、やろうユウスケ君!」

 

俺達は走り出し、剣にオーラを集める

 

そのまま並んでトオドに並んで剣を。

 

「「はああああぁぁぁぁぁッッ!」」

 

トオドに放ち、俺達はトオドとすれ違う。

 

「ククク、やはりこの鎧なら」

 

傷の無い鎧を見て、トオドは笑っているが、

 

ピシッ!

 

「何!?」

 

ピシッ!ビシッ!バキィィィィンッッ!

 

「ぐわぁぁぁああ!バカなぁ!」

 

トオドの鎧は胸にX字に砕け

 

下の体も切り裂いていた。

 

そして胸の傷にクウガの文様が現れる。

 

ビキッ、ビキッ!

 

文様がトオドの腰のベルトへと伸びる。

 

「バカな儂の頭脳が失われるというのか!」

 

「さらばだ、バルパーガリレイ」

 

「闇に抱かれて眠れ」

 

ドカアァァァァァァンッッ!

 

トオドは倒れ、爆発する。




トオドを倒したユウスケ達だったが、

まだ戦いは終わっていない。

俺達の前にコカビエルが降り立つ

イッセーの譲渡を利用し、

戦う俺達だったが、

戦いの最中、コカビエルの口から

驚きの真実を知らされる。

次回、第37話「真実」

見てくれよな!

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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