この章でクウガの
秘密が明かされることになる。
第41話「魔王来訪」
とある雪山、吹雪の中二人の男性が佇んでいた。
「こんな寄り道はさせたくなかった」
「え?」
「君には冒険だけしていて欲しかった
ここまで君を付き合わせてしまって」
「ありがとうございました」
謝罪をする男に向かいお礼を言う青年。
「俺、良かったと思っています。
だって、一条さんと会えたから」
「五代…」
グッッ!
五代さんのサムズアップに
一条さんもサムズアップで答える。
『五代さんに一条さん?
これはなんだ…、夢、なのか?』
俺は吹雪のなか二人の様子を見下ろすように見ていた。
「じゃあ、見てて下さい。俺の変身」
五代さんが腰に手をかざすと、
ベルトが現れる。
だが、以前見たときとは違い、
中央の宝玉は漆黒に染まっていた。
五代さんが変身の構えを取り
ベルトのボタンを押し込む。
すると、ベルトに金色の装飾が現れて
五代さんの体に金色のラインが走る。
すると、五代さんの体が
黒い刺々しい姿へと変わってしまった。
『あれは…究極の闇!?』
だが、以前俺が夢で見たときとは違い
目が赤くなっていた。
そして、五代さんは吹雪の中へと走り去ってしまった。
そして吹雪の中一人の男性が五代さんを待ち受けていた。
「なれたんだね究極の力を持つものに」
すると、青年は五代さんと良くにた姿へと変化した。
五代さんとは違い白い体に金色の装飾を纏った姿に、
『あれは以前夢で見た!?』
二人は近づきながら互いに手をかざして
相手を発火させ、燃やしていた。
『超能力のパイロキネシスか?』
クウガにこんな力があるなんて!?
そして二人は同時に走り出し、
殴り会いを始める。
殴られた箇所からは鮮血が舞い。
真っ白な雪を赤く染めていく。
そんな殴り会いの中、
五代さんの放った一撃が相手のベルトに直撃する。
だが、相手も破損したベルトに構わず
五代さんに殴りかかり、
ベルトに一撃を貰う。
ベルトはひび割れ、
いまにも割れてしまいそうだった。
『五代さん!!』
それでも殴り会いを止めない二人。
そして、遂に両者とも変身が解けてしまい、
人間の姿のまま、
殴り会いを続ける。
五代さんは相手を殴るのも辛いようで
苦しそうな表情を浮かべる。
それに対して相手は
楽しそうに笑いながら殴っていた。
互いに体力も限界のようだ、
お互いの一撃が両者の頬に当たり、
二人とも鮮血を吐き、倒れてしまった。
「五代!!!!!」
遠くから一条さんの声が聞こえた気がした。
突如、吹雪が全てを包みこむと、
目の前の景色が変わっていた。
そこはどこかの村のようだ。
人も多く生活しており
結構栄えていた。
村人の衣装はどこかの民族衣裳のようだった。
すると、村の外から黒い煙が流れてきた、
村人はすぐに逃げ出すが、
皆、煙に捕まってしまう。
「ぐああぁぁぁ!」
煙の中で村人が苦しんだかと思うと、
体が異形の怪物へとへん化してしまった。
「うわぁぁぁぁっ!」
その光景を見た他の村人は恐怖し、
動けないものもいた。
『グルルルルルッッ』
異形の怪物へと変化した村人達が
残った村人を襲い出した。
『これはグロンギ!?』
その見た目は確かにグロンギに似ていたが、
彼らとは違い知性を感じられなかった。
まるで、ゾンビかのように
目の前の人間を襲っているようだった。
その景色はまさに地獄絵図だ。
すると、霧が濃くなっていき、
周りを包み込んで何も見えなくなってしまった。
人の悲鳴だけが絶えず聴こえてくる。
『もう、やめてくれ、なんなんだよこれは』
俺に何を見せたいんだ、これは夢なのか…?
『アオオォォォォォンッッ!!』
遠くから狼の遠吠えのようなものが聞こえて、
俺の意識は遠ざかっていった。
『ピピッ ピピッ』
「ううん、朝か…」
俺は起き上がると下半身に違和感を覚えた。
「俺、いつの間にベルトを?」
目覚めた俺の腰にはクウガのベルトが出現していた。
「悪夢を見て、無意識に出していたのか?」
ユウスケはベルトを消して、トレーニングに向かった。
だが、ベルトを消す瞬間、中央の宝玉に不自然な
影が映り込んでいたことに
ユウスケは気が付いてはいなかった。
―〇●〇ー
その日の深夜、俺は何故かバイクの後ろにイッセーを乗せ
イッセーの依頼者の元へ向かっていた。
「たっく、なんでお前を後ろ
に乗せないといかないんだよ」
「仕方ないだろ、自転車じゃ
バイクに追いつけないんだから」
「そこは根性で追いつけよ」
「いや、無理だろ!」
イッセーの依頼者が双子の兄がいると聞き次回は一緒に
来てほしいとお願いし、
このバカは脳死で了承したようだった。
「まったく俺にだって予定あるんだぞ」
「悪かったよ。でも奈美先輩からの依頼だろ
理由を知れば分かってくれるだろ」
「分かってはくれるさだけど、あの人に借りは
作りたくないんだよ。後で面倒ごとになるからな」
そんな風にイッセーと会話をしていると
依頼者の家へと到着した。
「よー、悪魔くん。今日も悪いな」
イッセーが呼び出した相手を見て、
ため息を吐いていた。
相手が女性じゃないからって態度が露骨すぎるぞ、
相手は黒髪の悪そうな風貌の男。
見た目から二十代ぐらいだろうか。
この人は外国人だから実年齢が分からんが、
外国人だが日本の文化にどっぷり嵌っているようで、
今も浴衣を着ていた。
しかも顔を良く木場よりも上じゃないか?
それがイッセーには気にいらないようだ。
それで、イッセーはこの人に連日召喚されていた。
今は、とあるマンションの彼の自室にお邪魔している。
彼の指名は決まってイッセーだ。
どうやらイッセーを気に入ったらしい。
まあ、イッセーを気に入る依頼者は大抵癖が強いからな。
連日イッセーを呼び出しては
大したことでもない依頼をするらしい。
聞いた話では夜中にパンを買いに行かされたり、
釣りに付き合ったりしたらしい。
悪魔を呼び出すより知り合い呼んだ方がいいだろうに、
代価がもらえれば、文句は言えないからな。
「悪魔くん達、今日はゲームでもやらないか?
昼間にレースゲーム買ったんだ。
相手がいなくて寂しくてな」
そんな願いか、もしかしてこの人友達のいない
可愛そうな人なのか?
「は、はい、喜んで」
「一緒に遊びますか」
この人は契約面ではいい客らしい。
こちらが要求する以上の物をくれるらしい。
高級そうな絵画を始め、宝石、金塊を
代価によこしているらしい。
あのリアス先輩も相当驚いていた。
ゲームをセットする依頼者。
そういえば、名前聞いていなかったな。
「おい、イッセーこの依頼人の名前は何て言うんだ?」
「そういや、俺も聞いてなかった」
「おいおい、お得意様の名前ぐらい聞いておけよ」
俺達が小声で話をしていると。
「よし、ゲームもセットできた。
日本って国は時間潰しのアイテム
が多くていいな。悪くない所だ、ほら、コントローラー」
「あ、どうも。俺、この手のゲームに強いですよ?」
「勝ち負けまでは依頼の内容ではないですからね
本気で相手しますよ」
「へぇ、そりゃ、楽しみだ。
こっちは初心者だから軽く頼む」
言う通り、イッセーはこの手のゲームは得意だ、
家ではあまり勝った事がない
だが、俺だって負けっぱなしじゃいられない
シカマル達に頼み込んで練習したんだ、
練習の成果見せてやる。
『GO!』
と、スタートしたものの、依頼者を置き去りに
俺とイッセーでの一騎打ちを数戦した辺りから
依頼者の様子が変わった。
「一通り覚えたぜ。そろそろ、追い抜くか」
なんて、彼がほざいたと思ったら。
「うおおおお、マジかよ!」
「高等テクニックをこうも簡単に!?」
俺達の動きを見て覚えたのか、
俺達の車を軽々と抜かしていく。
あんなに練習したのに!
初心者に速攻で負かされるなんて!
『WIN!』
この短時間でマスターしたのか!
「どうやら俺の勝ちだな悪魔達」
「まだまだ!」
「たった一勝で強者気取りとは」
「おー、気合入りまくりだねぇ。じゃあ、
もうひとレースするか、なあ、悪魔
いや、赤龍帝とクウガ」
なッ!
男の口にした言葉。
俺はそれを聞くなり、全身に冷たい物が走った。
直ぐにベルトを出して、戦いに備える。
どうしてその事を知っている?
こいつは、人間じゃないのか?
突然雰囲気が変わった男にイッセーが恐る恐る訊ねる。
「…あんた、誰だ?」
男は口の端を少しだけ吊り上げ、
画面を見たまま漏らす。
「アザゼル。堕天使共の頭をやってる。
よろしくな、赤龍帝の兵藤一誠、クウガの兵藤祐介」
『WIN!』
ゴールの遥か手前で走行を止めた
俺達の車を追い抜き、
彼の車がゴールしていく。
その瞬間、男の背中から十二枚もの漆黒の翼が展開した。
―〇●〇―
「冗談じゃないわ」
紅髪の美少女が眉を吊り上げて、
怒りを露わにしていた。
リアス・グレモリー。
俺達のご主人様で上級悪魔。
学園では、オカルト研究部の部長もしている。
とても厳しく、どうじにとてもやさしい人だ。
と、そんな彼女は今イッセーを膝枕している、
ちなみに俺達の制服は既に夏服だ。
イッセーも皆が薄着だと喜んでいた。
「確かに悪魔、天使、堕天使の三すくみの
トップ会談がこの町で執り行われるとはいえ、
突然堕天使の総督が私の縄張りに侵入し、
営業妨害していたなんて…」
リアス先輩はぶるぶると全身を怒りで震わせていた。
先日、この町で起きた事件が悪魔、天使、
堕天使の三すくみの関係に多少なりとも影響を及ぼした。
その結果、一度トップ同士が集まって今後の
三すくみ関係について話し合うことになった。
俺達はその事件の当事者だった。
だからその会談に同席して、
事件の内容を報告しなければならないらしい。
そんななか、突然アザゼルが会談前に接触してきた。
そう、イッセーの契約相手としてだ。
あちらは素性と気配を隠して、
俺達に接してきた。営業妨害ってのは正しいかもな
しかもそれが堕天使の総督となると、
話は別になる。
お茶目じゃすまない。
しかし、リアス先輩の眷属ってのは、
イベントに困らないな。
まあ、赤龍帝の力が引き寄せているみたいだがな。
「しかも私のかわいいイッセーにまで手を
出そうなんて、万死に値するわ!
アザゼルは神器に強い興味を持つと聞くわ。
きっと、私のイッセーがブーステッド・ギアを
持っているから接触してきたのね…。大丈夫よ、
イッセー。私がイッセーを絶対に守ってあげるわ」
イッセーの頭をなでなでしながらリアス先輩が言う。
リアス先輩は下僕の眷属悪魔を
大切にするタイプの上級悪魔だ。
自分の所有物を他人に触れられたり、
傷つけられたりするのを酷く嫌う。
特にお気に入りのイッセーにちょっかい出されて
今は過敏になっているようだ。
「…やっぱ、俺の神器をアザゼルは狙っているのかな。
堕天使の総督なんだろう?」
イッセーは不安を口に出していた。
アザゼルは俺にも興味を持っているようだが、
クウガについて知りたかったのだろうか?
イッセーの不安を聞き、
同じ男子部員のイケメン王子木場が口を開く。
「確かアザゼルは神器に造詣が深いと聞くね。
そして、有能な神器所有者を
集めているとも聞く。でも大丈夫だよ」
木場が熱い視線をイッセーに向け続ける。
「僕がイッセーくんを守るからね」
…木場、きもいぞ、
あいつ、この間のカラオケの時から、
イッセーに対する態度が明らかに変わったな。
「…いや、あの、う、嬉しいけどさ…。
なんていうか、真顔でそんなことを
男に言われると反応に困るぞ…」
「真顔で言うに決まっているじゃないか。
君達は僕を助けてくれた。僕の大事な仲間だ。
仲間の危機を救わないでグレモリー眷属の
『騎士』を名乗れないさ」
それはわかるが、そのセリフは普通
ヒロインに向けて言うセリフだろうに。
「問題ないよ。『禁手』となった僕の神器と
イッセーくんのブーステッド・ギア、
ユウスケくんのクウガの変身能力が
合わさればどんな危機でも乗り越えられる
ような気がするんだ。
…ふふ、少し前まではこんな暑苦しいことを口に
するタイプではなかったんだけどね。
君達と付き合ってると心構えも変わってしまう。
けれど、それが嫌じゃないのはなぜだろう…。
胸のあたりが熱いんだ」
「…キ、キモいぞ、おまえ…。
ち、近寄るな!ふ、触れるな!」
この二人はただでさえいかがわしい噂がたえないのに
こんな会話。猿飛先輩あたりに聞かれたら
明日の一面になりかねないな。
俺も学園生活では木場との接し方に気をつけないとな。
「そ、そんな、イッセーくん…」
しゅんと気落ちする木場、
これが女子ならな、男がしてもきもいだけだぞ、
「しかし、どうしたものかしら…。
あちらの動きが分からない以上、
こちらも動きづらいわ。相手は堕天使の総督。
下手に接することも出来ないわね」
考え込むリアス先輩。
悪魔と堕天使の関係をこれ以上勝手に
崩すわけにもいかないからな。
リアス先輩はその辺りかなり厳しいからな。
あちらから大きな行動を取ってこなければ、
こちらから動くこともない。
「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」
突然、この場の誰でもない声が聞こえる。
全員が声のした方向へ視線を移してみると
そこには紅髪の男性がにこやかに微笑んでいた。
俺もよく知る顔だ。
って、朱乃さんたちがその場で跪き、
俺とイッセーとアーシアだけが対応に困っていた。
新顔のゼノヴィアも「?」と疑問符をあげていた。
ゴトッ!イッセーの頭を落として、
リアス先輩が立ち上がる。
「お、お、お、お兄様」
驚愕の声を出していた。
そう、相手はリアス先輩のお兄さんで悪魔業界の
現魔王『サーゼクス・ルシファー』様その方だった!
こんなところで魔王様に再開とは!
「先日のコカビエルのようなことはしないよ、
アザゼルは。今回みたいな悪戯はするだろうけどね。
しかし、総督殿は予定よりも早い来日だな」
と魔王様がおっしゃられる。
その魔王様の後方には銀髪のメイドさん、
グレイフィアさんもいた。
魔王様の『女王』だから当然か。
惚けていた俺も急いで朱乃さん達同様に跪いた。
俺の行動を見て、
イッセーとアーシアも真似をする。
「くつろいでくれたまえ。
今日はプライベートで来ている」
手をあげて、俺達にかしこまらなくていいと促して下さる。
全員がそれに従い、立ち上がった。
「やあ、我が妹よ。しかし、この部屋は殺風景だ。
年頃の娘たちが集まるにしても魔方陣だらけという
のはどうだろうか」
部屋を見渡しながら、魔王様が苦笑いを浮かべている。
まあ、確かに俺達は慣れているが、
他の人から見ればおかしな部屋だよな。
「お兄様、ど、どうして、ここへ?」
怪訝そうにリアス先輩が訊く。
そりゃそうだ。悪魔業界を背負う魔王様が
人間界のいち学び舎の部室に顔を出すなんて
おかしいだろう。
すると、魔王様は一枚のプリント用紙を取り出した。
「何を言ってるんだ。授業参観が近いのだろう?
私も参加しようと思っていてね。
ぜひとも妹が勉学に励む姿を間近で見たいものだ」
そういえばもうすぐこの学園の授業参観があったな。
俺達の所も父さんが仕事を有給取ってまで乗り込んで
くると張り切っていた。
まあ、目的は俺達じゃなくて、
アーシアの授業風景が見たいらしい。
娘同然の女の子が出来て俺達の両親は
何かあるたび、お祭り騒ぎだ。
「グ、グレイフィアね?お兄様に伝えたのは」
少々困った様子のリアス先輩の
問いにグレイフィアさんが頷く。
「はい。学園からの報告はグレモリー眷属の
スケジュールを任されている私の元へ届きます。
むろん、サーゼクス様の『女王』でもありますので
主へ報告も致しました」
それを聞き、リアス先輩はため息を吐く。
リアス先輩は授業参観に乗り気じゃない?
ご家族が来るのが嫌なのか?
「報告を受けた私は魔王職が激務であろうと、
休暇を入れてでも妹の授業参観に参加したかったのだよ。
安心しなさい。父上もちゃんとお越しになられる」
えっ、リアス先輩のお父さんも来るのか!?
例の婚約パーティに飛び込んだ時に
一度お顔を拝見したが、ダンディな悪魔男性だったな。
「そ、そうではありません!お兄様は魔王なのですよ?
仕事をほっぽり出してくるなんて!
魔王がいち魔王を特別視されてはいけませんわ」
なるほど、リアス先輩はお兄さんが魔王だから、
いくら肉親とはいえ、
特別にしてもらうのを良しとできないのか。
しかし、魔王様は首を横に振る。
「いやいや、これは仕事でもあるんだよ、
実は三すくみの会談をこの学園で
執り行おうと思っていてね。
会場の下見に来たんだよ」
な、な、なにぃぃぃぃ!?
マジか!?俺は驚きを隠せないでいた。
いや、俺だけじゃない、
部員の皆がビックリしている様子だ。
この学園で悪魔、天使、
堕天使の大事な会議を行うのか!?
「っ!ここで?本当に?」
リアス先輩も目を見開いている。
そりゃ驚いて再度聞いてしまうよな。
「ああ。この学園とはどうやら
何かしらの縁があるようだ。
私の妹でもあるお前と、伝説の赤龍帝、
究極の闇、聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、
魔王セラフォール・レヴィアタンの妹が所属し、
コカビエルと白龍皇が襲来してきた。
これは偶然で片付けられない事象だ。
様々な力が入り混じり、うねりとなっているのだろう。
そのうねりを加速度的に増しているのが
兵藤一誠くん 赤龍帝だとは思うのだが」
サーゼクス様がイッセーへ視線を送る。
「貴方が魔王か。初めまして、ゼノヴィアという者だ」
会話に介入してきたのは、緑色のメッシュを
髪の毛に入れている新人悪魔のゼノヴィアだ。
一見、只の美少女だが、こう見えても
伝説の聖剣デュランダルの使い手であり、
リアス先輩の新たな眷属でもう一人の『騎士』でもある。
「ごきげんよう。ゼノヴィア。
私はサーゼクス・ルシファー。
リアスから報告を受けている。
聖剣デュランダルの使い手が
悪魔に転生し、
しかも我が妹の眷属となるとは…正直、
最初に聞いた時は耳を疑ったよ」
「私も悪魔になるとは思っていなかったよ。いままで
葬ってきた側に転生するなんて、我ながら大胆な事を
したとたまに後悔している。
…うん、そうだ。なんで私は悪魔に
なったんだろうか?やけくそ?
いや、だが、あのときは正直、どうでもよくて…。
でも、悪魔で本当に良かったのだろうか?」
また頭を抱えて考えこんじゃったよ。
この子は大胆不敵なことを口にするけど、
その後たいがい後悔してるんだよな。
相変わらずおかしな子だな。
「ほら、ゼノヴィア、魔王様の前だぞ、
落ち込むのはあとにしような」
俺はゼノヴィアを落ち着かせる。
「ハハハ、妹の眷属は楽しい者が多くていい、
ゼノヴィア、転生したばかりで勝手が
分からないかもしれないが、リアスの眷属として
グレモリーを支えて欲しい。よろしく頼むよ」
「聖書にも記されている伝説の魔王ルシファーに
そこまで言われては私もあとに引けない。
どこまでやれるか分からないが、
やれるところまではやらせてもらう」
ゼノヴィアの言葉を聞き、魔王様は微笑む。
その微笑みはリアス先輩にそっくりだった。
「ありがとう」
魔王様のお礼を聞いて、
ゼノヴィアも頬を少しだけ赤く染めていた。
「さて、これ以上難しい話をここでしても仕方がない。
うーむ、しかし、人間界に来たとはいえ、夜中だ。
こんな時間に宿泊施設は空いているのだろうか?」
そこは無計画に来たのかよ…。
まあ、探せばどこかあるだろうけど、
魔王様の満足する場所を探すとなると…。
と、考え事をしていると、
イッセーが手をあげながら発言する。
「あ、それなら」
―〇●〇―
「なるほど、妹が迷惑をおかけしてなくて安心しました」
「そんなお兄さん!リアスさんはとてもいい子ですわよ」
「ええ、リアスさんはイッセーにはもったいない
ぐらい素敵なお嬢さんです」
我が家のリビングで、伝説の魔王様と俺達の両親が
挨拶を交わしていた。
魔王様の隣にはリアス先輩。
その後方にグレイフィアさんが待機している。
あのあと、イッセーが提案した。
『それなら、俺の家に泊まりますか?』と。
最初、魔王様は目を丸くしていた。
当たり前だ、一庶民の家に呼ぶとは俺も驚いた。
だが、リアス先輩が我が家に
住んでいる事を思い出してか、
「それはいい。ぜひとも下宿先のご夫婦に
あいさつしたいと思っていたのだよ」と、
イッセーの意見を快諾した。
リアス先輩は「ダメ!ダメよ!」と抵抗していたけどな。
魔王様とグレイフィアさんの
二人を止められるはずもなく、
悪魔稼業終了後、こうして兵藤家に着いてしまった。
俺とイッセーとアーシアは少し離れた所から、
その様子を窺っていた。
リアス先輩は顔を真っ赤にしていた。
兄である魔王様が何を言うか怖くて仕方ないんだろうな。
いちおう、サーゼクス様の
身の上はリアス先輩のお兄さんで、
リアス先輩のお父様が経営している会社の跡継ぎ
ということになっている。
サーゼクス・グレモリーだ。
随分前に捨てた名前を再び使えて、
サーゼクス様も楽し気だった。
「そちらのメイドさんは」
「ええ、グレイフィアです」
父さんの問いに魔王様が答える。
「実は私の妻です」
『えええええええええええええええええッッ!?』
リアス先輩以外の全員が驚きの声を出すが、
グレイフィアさんは無表情のまま、
魔王様のほっぺたをつねった。
「メイドのグレイフィアです。
我が主がつまらない冗談を口にして
申し訳ございません」
「いたひ、いたひいひょ、ぐれいふぃあ」
静かに怒っているグレイフィアさんと、
涙目で朗らかに笑っている魔王様。
隣でリアス先輩が恥ずかしそうに両手で顔を覆っていた。
まさか、魔王様がこんな冗談をいう方とはね。
グレイフィアさんも手馴れている様子だから、
魔王様は度々お茶目をするのかな。
「それでは、グレモリーさんも授業参観を?」
母さんが魔王様に話しかける。
「ええ、仕事が一段落しているので、
この機会に一度妹の学び舎を見つつ、
授業の風景も拝見できたらと思いましてね。
当日は父も顔を出す予定です」
「まあ、リアスさんのお父さんも」
「父は駒王学園の建設などにも携わっておりまして、
私同様、良い機会だからと顔を出すようです。
本当はリアスの顔を見たいだけだと思いますが」
「グレモリーさん!お酒はいけますかね?
日本の美味しいお酒があるんですがね」
父さんがキッチンから秘蔵の
お酒らしきものを取り出してきた。
父さん!いきなり酒かよ!
魔王様相手に失礼じゃないか!
知らないってのは恐ろしいな、
相手が魔王様と知ったらどうなるのやら
だが、俺の心配はよそに魔王様は笑みを浮かべる。
「それは素晴らしい!ぜひともいただきましょう!
日本の酒はいける口なのでね!」
想像以上にフレンドリーな魔王様は楽しそうに
父さん達と酒を飲み、
夜は過ぎて行ったのだった。
突如やって来た、魔王様!
三すくみの会談も行うってのに
俺達は夏の大イベント
オカ研限定のプール開きだ!
俺は部員ではないが、
眷属だからOK!
夏のイベントを楽しむぞ!
次回、第42話「プール開き」
外伝でやってほしいコラボは?
-
仮面ライダークウガ(五代雄介)
-
仮面ライダーディケイド
-
忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
-
その他(希望があれば感想へ)