ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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無事に行われた授業参観

その後我が家に訪れた。

サーゼクス様から

もう一人の『僧侶』に

ついて話があった。

今まで秘匿されていた

人物がようやく姿をあらわにする



第44話「僧侶」

「あら!アーシアちゃん、

よく映ってるわ」

 

テレビに映し出されたアーシアを見て、

 

うっとりする母さん。

 

「ハハハハ!やはり娘の晴れ姿を

視聴するのは親のつとめです!」

 

日本酒を飲みながら、

 

豪快に笑うリアス先輩のお父さん。

 

この方は酒を飲んだら人が変わった

 

ように陽気になった…。

 

普段はあんなにダンディだったのにな。

 

兵藤家の夕食後、リビングでは今日の

 

授業参観鑑賞会が行われていた。

 

参加者は家の父母、リアス先輩の

 

お父さんとサーゼクス様。

 

酒をあおりながら、

 

ビデオで撮影したものを交互に見比べていた。

 

当事者であるイッセーとリアス先輩は

 

リビングの端っこで顔を赤くしながら、

 

「早く終われ!」と念じていた。

 

俺とアーシアは気恥ずかしいものは

 

あるがおかしなことをしてるわけじゃないからな

 

イッセーはクラスの違う自分も

 

撮影していたのが意外だったのか、

 

紙粘土の作成風景を映されており

 

作っている物が物だけに

 

恥ずかしいようだ。

 

家の両親とリアス先輩のお父さんが

 

学校で何を話していたのかは、

 

知らないが、かなり意気投合して

 

仲良くなったのは確かだ。

 

本当に何があったのか?

 

「これは…かつてないほどの地獄だわ…」

 

顔をすごく真っ赤にさせた

 

リアス先輩がぶるぶると全身を震わせていた。

 

「見てください!うちのリーアたんが

先生にさされて答えるのです!」

 

サーゼクス様がハイテンションで妹の

 

晴れ姿を解説を始める。

 

リアス先輩の場合は家族の

 

反応の方が恥ずかしいようだ。

 

ついに、顔を手で覆ってしまった!

 

「耐えられないわ!

お兄様のおたんこなす!」

 

おおっと、リアス先輩が

 

この状況に耐えられずに

 

この場を走り出してしまった。

 

スパーン!

 

グレイフィアさんにハリセンで

 

張り倒されるサーゼクス様。

 

「部長!」

 

イッセーがリアス先輩を追っていった。

 

 

―〇●〇―

 

 

イッセーside

 

俺の部屋の扉の前で座り込む部長がいた。

 

不機嫌そうに頬を膨らませている。

 

どうしたものか。

 

「ぶ、部長、俺の部屋、入りますか?」

 

部長は無言で頷いた。なんだか、

 

普通の女の子になっちゃったな。

 

部屋に入るなり、部長はベッドへ飛び込み、

 

うつ伏せのまま黙ってしまった。

 

なんとも声のかけづらい状況だな。

 

俺は床に座り、気の利いた言葉を

 

脳内で探していた。

 

「俺の父さん母さんと部長の親御さんが

なかよくなっちゃいましたね」

 

「…………」

 

うっ、無言だ。いや、

 

静寂な部屋の方が不健康だと思うので、

 

俺はかまわず続けよう。

 

「この出会いは…俺的には

良かったと思います。

父さんたちも楽しそうだし、

部長のお父さんたちも…

ちょっと盛り上がりすぎな

ところもありますけど…」

 

「……わかっているわ。

私も父と、

イッセーのお父様が楽しそうに

話していて嬉しいのよ」

 

あ、返事が返ってきた。良かった。

 

「ねぇ、イッセー」

 

「はい」

 

「イッセーは私と出会えて幸せ?」

 

っ。

 

その質問は予想してなかった。

 

部長は続ける。

 

「私はイッセーと出会えて幸せよ。

もう、貴方抜きの生活は無理ね。

光栄に思いなさい。

私の心中は貴方で結構占められているのよ?」

 

そ、そこまで俺のことを

 

かわいがってくれていたのか…。

 

下僕冥利につきます!

 

「光栄です!俺も部長と出会えて幸せです!

これは断言できます!…でも、

いつか部長にも彼氏ができるのかなと思うと、

俺、切ないです…。

遠くに行っちゃうんじゃないかって」

 

部長は顔をあげて、俺に言う。

 

「あら、私、彼氏なんて作らないわよ?

というよりもそういうことを

貴方が口にするなんてちょっとショックだわ」

 

「え?で、でも、旦那さんを

迎え入れないといけないんですよね?」

 

「そうね。御家存続のためにも

婿養子は必要だわ」

 

?うーん、いまいち見えてこない。

 

「自分の婿は自分で育てることにしたの。

どうせなら、自分の理想は自分で

育成するわ。その方が早いのよ。

ね、イッセー」

 

「はあ、なるほど」

 

よくわからんが、部長の婿育成か。

 

願わくば、俺がそこに入りたいけど、

 

それはそれでハードなんだろうな。

 

招来の部長の旦那…。

 

育成の末にどんな旦那が誕生するんだ?

 

いやいや、やっぱり俺がそこに入りたい!

 

…けど、無理なのかな。

 

「結婚式ももう考えているのよ?

和式が良いわ。披露宴は日本の

どこかがいいわね、

風景の綺麗な場所というと」

 

部長はすでにそこまでビジョンがあるのか。

 

うーん、部長と結婚してぇ!

 

「ッ」

 

俺の口が塞がれる。

 

首に腕を回され、

 

ぶちゅーっと…

 

部長のキスを受けていたッッ!?

 

うおおおおおっ!

 

お、俺、また部長とキスしてるぅぅぅぅ!

 

部長とのセカンドキス!

 

やった!部長のセカンドキス

 

ももらいました!

 

えーと、これは何のご褒美?

 

い、いや、細かい事は無しだ!

 

お、俺は今この感触を堪能していたいぃぃぃッ!

 

そこへ銀髪のメイドさんが介入してくる。

 

「お楽しみの所申し訳ございません」

 

突然現れたグレイフィアさんに驚く俺達。

 

「失礼するよ二人とも」

 

さらにサーゼクス様まで

 

俺の部屋に入ってくる。

 

鑑賞会は終わりですか?

 

「ちょっと抜け出してきたのだよ。

改めて話があるからね。

リアス、昼間の話の続きだ」

 

話?なんだろうか?あー、

 

部長と朱乃さんがサーゼクス様に

 

呼び出されていたな。

 

疑問に思う俺へ、

 

サーゼクス様は予想外の一言を口に出す。

 

「もう一人の『僧侶(ビショップ)』に

ついての話をしよう」

 

っ。

 

それは、俺やユウスケやアーシアが転生する前に

 

すでにいたという、

 

謎の部員『僧侶(ビショップ)』のことだった。

 

 

ー◯●◯ー

 

 

ユウスケside

 

次の日の放課後。

 

俺達は旧校舎一階の「空かずの教室」

 

とされていた部屋のの前の前に立っていた。

 

今は部員全員が集まっていた。

 

この部屋は外からも厳重に

 

閉められており、中を見ることはできなかった。

 

何に使われているのか、

 

今まで説明が無かったのだが…。

 

話ではここにもう一人の『僧侶』がいるらしい。

 

もう一人の『僧侶』。

 

俺達が悪魔になる前から眷属だった存在で。

 

ずっと謎にされていた存在だ。

 

諸事情があって先日のフェニックスとの

 

レーティングゲームやコカビエルとの

 

戦いでも姿を現さなかった。

 

話では、その能力が危険視されて、

 

リアス先輩の能力では扱い切れないと判断され、

 

上から封印するように言われていたらしい。

 

能力だけなら神をも殺せる力がある。

 

イッセー以上にヤバイ能力か、

 

どんなやつなんだ。

 

昨夜イッセーの部屋に呼ばれて

 

説明を受けたが、

 

リアス先輩が四大魔王、

 

大王バアル家、大公アガレス家、

 

悪魔のお偉い皆さんから

 

フェニックス家との一戦と

 

コカビエルとの一戦で

 

高評価を得たらしい。

 

封印されたもう一人の『僧侶(ビショップ)

 

を今なら扱えるだろうと判断され、

 

解禁となった。

 

で、「開かずの教室」の扉だけど…。

 

『KEEP OUT!』のテープが幾重にも

 

貼られており、呪術的な刻印も刻まれている。

 

「ここにいるの。一日中、ここに住んでいるのよ。

いちおう深夜には術が解けて旧校舎内だけなら

部屋から出てもいいのだけれど、

中に居る子自身がそれを拒否しているの」

 

と、リアス先輩。

 

何やら扉に向けて手を突き出して

 

魔法陣を展開していた。

 

解錠の魔法陣だろうか?

 

しかし、こんな狭苦しい所に

 

ずっといるなんてな、

 

夜だけなら外に出れるのに

 

それも嫌がるなんてな。

 

「ひ、引きこもりなんですか?」

 

イッセーの質問にリアス先輩は

 

ため息を吐きながらうなずく。

 

やはり、引きこもりなのか。

 

木場がテープを取り払い、

 

朱乃さんもリアス先輩と一緒に

 

術式の解除を手伝っていた。

 

「中に居る子は眷属の中でも一番の

稼ぎ頭だったりするのですよ」

 

朱乃さんが言う。

 

「パソコンを介して、特殊な契約を人間と

執り行っているのです。直接私達と

会いたくない人間というのもいるのですよ。

その手のタイプの人間とは別の形で交渉をして、

関係を持つのです。それを、

パソコンを介して解決しているのよ。

パソコンでの取引率は新鋭悪魔の

眷属の中で上位に入る程の数字を

出しているのです」

 

すごいな、パソコンだけで、

 

そんなこともできるのか。

 

「さて、扉を開けるわ」

 

扉に刻まれていた呪術的な刻印も消え去り、

 

ただの扉となっていた。

 

リアス先輩が扉を開く。

 

「イヤァァァァァァアアアアッッ!」

 

ッ!

 

とんでもない声量の絶叫が

 

なかから発せられてくる!

 

な、なんだ?

 

リアス先輩は驚く事もなく、

 

ため息をつくと朱乃さんと共に中へ入っていった。

 

「ごきげんよう。元気そうで良かったわ」

 

「な、な、何事なんですかぁぁぁぁ?」

 

なかでのやり取りが聞こえてくる。

 

声からして、中性的だが…女の子か?

 

それとも年下の男か?

 

分からないが、酷く狼狽しているのは分かる。

 

「あらあら。封印が解けたのですよ?

もうお外に出られるのです。さあ、

私達と一緒に出ましょう?」

 

朱乃さんが優しく声を掛けている。

 

しかし。

 

「やですぅぅぅぅ!ここがいいですぅぅぅぅ!

外に行きたくない!人に会いたくないぃぃぃぃっ!」

 

これは引きこもりとして重症なのでは…?

 

俺とアーシアは顔を見比べ、首を傾げる。

 

ゼノヴィアも「?」と疑問符を浮かべている様子だ。

 

木場と小猫ちゃんだけ、事情を知っているのか、

 

木場は苦笑し、小猫ちゃんはため息をついていた。

 

そしてイッセーが恐る恐る部屋を覗いていた。

 

俺も中が気になり、少しだけ中を覗いてみると、

 

カーテンが全て閉められた部屋で薄暗い。

 

部屋の中は以外にもかわいらしく装飾されていて、

 

女の子の部屋らしい、ぬいぐるみも置いてある。

 

だが、何故か部屋の一角には

 

葬儀に使われる棺桶が一つ置かれていた。

 

リアス先輩と朱乃さんが奥にいる。

 

その先に『僧侶(ビショップ)』がいるのか?

 

俺達はそちらに近づくと、そこにいたのは、

 

金髪と赤い双眸をした人形みたいに

 

端正な顔立ちをした美少女だった。

 

床にへたりと力なく座り込み、

 

リアス先輩と朱乃さんから逃げようとしているようだ。

 

すごい震えてるな。

 

服装も駒王学園の女子の制服に身を包んでる。

 

可愛いと思うけどなんか違和感を感じる子だな…。

 

「おおっ!女の子!しかも外国の!」

 

相手が女の子だと知り喜ぶイッセーだが、

 

リアス先輩が首を横に振る。

 

「見た目女の子だけれど、

この子は紛れもない男の子よ」

 

えー。

 

マジかよ違和感の正体はそれか。

 

「いやいやいや、どう見ても女の子ですよ。

部長!…え?マジで?」

 

「女装趣味があるのですよ?」

 

横から朱乃さんが平然と言ってくる。

 

まあ、身内にも変態がいるからな。

 

つうか隣にいるし、人の趣味趣向にケチはつけないが、

 

「えええええええええええええええええええっ!?」

 

イッセーがあまりの衝撃に大声を張り上げてしまう。

 

「ヒィィィィィイッッ!ゴメンなさぁぁぁい!」

 

金髪っこはイッセーの声に

 

ビックリして悲鳴をあげていた。

 

その姿を見る限りは女の子に見えてしまう。

 

所作や声は完全に女の子だ。

 

「うわぁぁぁぁぁあああああああッッ!」

 

イッセーは頭を抱えて、

 

その場にしゃがみこんだ。

 

まあ、好みの子が現れたと思ったら

 

男だったわけだからな。

 

「こんな残酷な話があっていいものか…。

完全に美少女な姿で…男だなんて…

イチモツが付いているなんて…」

 

「…下品な単語禁止」

 

いつの間にか入ってきていた

 

小猫ちゃんがイッセーに声を掛ける。

 

「諦めて目の前の現実を受け入れろよ

イッセーどんなに文句言ったって

目の前のこいつが女になることはないぞ」

 

俺はいつまでも俯いているイッセーに

 

声を掛ける。

 

「女装趣味ってのがさらに残酷だ!

似合っている分、余計に真実を

知った時のショックがデカい!

引きこもりなのに女装癖かよ!

誰に見せる為の女装ですか!?」

 

イッセーの一言に女装少年が反論する。

 

「だ、だ、だって、女の子の服の

ほうがかわいいもん」

 

「かわいいもん、とか言うなァァァ!

クソッ!野郎のクセにぃぃぃ!

俺の夢を一瞬で散らしやがってぇぇぇっ!

お、俺は、アーシアとお前のダブル

金髪美少女『僧侶(ビショップ)』を瞬間的にとはいえ、

夢見たんだぞ!?返せよぅ!

俺の夢を返せよぅ!」

 

勝手に自分の夢を他人に押し付けるなよ。

 

「…人の夢と書いて、儚い」

 

小猫ちゃぁぁぁぁん!洒落にならんから!」

 

「と、と、と、ところで、この方は誰ですか?」

 

女装少年がリアス先輩に訊く。

 

リアス先輩は俺とイッセー、アーシア、ゼノヴィア

 

を指して言う。

 

「貴方がここにいる間に増えた眷属よ。

兵士(ポーン)』の兵藤一誠、兵藤佑介、

騎士(ナイト)』のゼノヴィア、

貴方と同じ『僧侶(ビショップ)』のアーシア」

 

紹介されたので、『よろしく』と四人で挨拶するが、

 

女装少年は「ヒィィィ、人がいっぱい増えてる!」

 

と怖がっている。

 

これは対人恐怖症か?

 

また面倒なタイプだな…。

 

「お願いだから、外に出ましょう?ね?

もう貴方は封印されなくてもいいのよ?」

 

リアス先輩が優しく声を掛けるが、

 

「嫌ですぅぅぅ!僕に外の世界なんて

無理なんだぁぁぁぁっ!怖い!お外怖い!

どうせ、僕が出てっても迷惑を掛けるだけ

だよぉぉぉぉぉっ!」

 

すると、彼の言動に腹が立ったのか、

 

イッセーが彼に近づき、腕を引く。

 

「ほら、部長が外に出ろって」

 

イッセーは彼を外に引っ張ろうとする。

 

「待て、イッセー!この手の奴を無理に出そうとすると」

 

俺はすぐにイッセーを止めようとする。

 

「ヒィィィィ!」

 

女装少年の絶叫と共に目の前が真っ白に。

 

…。

 

…あれ、目の前にいた女装少年が居なくなっている。

 

周りを見渡せば部屋の片隅でぶるぶると震えている。

 

なんだ、何が起きた?

 

なんで一瞬で移動してるんだ?

 

催眠術だとか超スピードだとか、

 

チャチなものじゃ断じてねぇ。

 

「おかしいです。なにか今一瞬…」

 

「なにかされたのは確かだね」

 

「一体何をしたんだ?」

 

謎の現象に俺達は驚いていたが、

 

他のメンバーはため息を付くだけだった。

 

木場達はこの現象がなんなのか知ってるのか。

 

「怒らないで!怒らないで!

ぶたないでくださぁぁぁぁぁいッ!」

 

彼は相変わらず叫んでいるだけだが、

 

彼が何かしたのは確かだな。

 

疑問に感じていた俺達に

 

朱乃さんが説明してくれる。

 

「その子は興奮すると、視界に写した

全ての物体の時間を一定の時間停止

することができる神器を持っているのです」

 

時間停止!?

 

そんな能力を持っているのか!

 

あの時、時間を止めて逃げたのか。

 

逃げた先が部屋の隅なのはやっぱり引きこもり

 

として重症だな。

 

「彼は神器を制御できない為、

大公及び魔王サーゼクス様の

命でここに封じられていたのです」

 

朱乃さんの説明で俺達は理解する。

 

時間を停止する。

 

それは凶悪な能力だ。

 

それを制御できないとなると、

 

その被害は味方にもおよぶ可能性があるからな。

 

リアス先輩は女装少年を後ろから

 

優しく抱きしめ、俺達に言う。

 

「この子はギャスパー・ヴラディ。

私の眷属『僧侶(ビショップ)』。いちおう、

駒王学園の一年生なの。

そして、転生前は人間と吸血鬼のハーフよ」

 

 

―〇●〇―

 

 

「「『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』?」」

 

俺達の問いにリアス先輩が頷く。

 

「そう。それがギャスパーの持っている

神器の名前。とっても強力なの」

 

「時間を停めるって、それ、

反則に近い力じゃないですか?」

 

「危険視されるのも当然か…」

 

俺達の言葉にリアス先輩も応じる。

 

「ええ、そうね。でもイッセーの

倍加の力も、白龍皇の半減の力も

反則級なのよ?」

 

それもそうか、それを考えると

 

リアス先輩の眷属はヤバい力が

 

集まってるんだな。

 

「問題は、それを扱えないところ。

それゆえギャスパーは今まで封じられてきたのよ。

無意識に神器が発動してしまうのが問題視

されていたところなの」

 

俺の思った通りか。

 

「しかし、そんな強力な神器を持った奴を

よく部長は下僕に出来ましたね。

しかも駒ひとつ消費だけで済むなんて」

 

「たしかにな、これだけ強力なんだから

複数の駒が必要な気がするが…」

 

俺達の言葉にリアス先輩は手元に

 

一冊の本を宙に出現させ、

 

ペラペラとページをめくり、

 

開いたままこちらへ差し出す。

 

俺達が覗き込むと、

 

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)

 

についての説明ページだった。

 

「 『変異の駒(ミューテーション・ピース)』よ」

 

「…ミューテーション・ピース?」

 

イッセーの問いに木場が答える。

 

「通常の『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』とは違い、

明らかに駒を複数使う出あろう転生体が、

ひとつで済んでしまったりする特異な現象を

起こす駒のことだよ」

 

「部長はその駒を有していたのです」

 

と、朱乃さん。木場が更に続ける。

 

「だいたい上位悪魔の十人に1人は

ひとつぐらい持っているよ『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)

のシステムを作り出した時に生まれたイレギュラー、

バグの類らしいんだけど、

それも一興としてそのままにしたらしいんだ。

ギャスパーくんはその駒を使ったひとりなんだよ」

 

なるほど、そんな貴重な駒を持っていたのか。

 

「問題はギャスパーの才能よ」

 

「どういうことですか?リアス先輩」

 

「彼は類稀な才能の持ち主で、無意識の内に神器の

力が強まっていくみたいなの。そのせいか、

日々力が増していってるの。上の話では

将来的に『禁手(バランス・ブレイカー)』へ

至る可能性もあるという話よ」

 

ッ!

 

イッセーや木場が足を踏み入れた領域だ、

 

目の前でその力は見たが、

 

あれは危険な力だ、

 

それを力を制御できない奴が

 

あの領域に至ったらどうなるんだ!

 

俺達の驚いた様子を見て分かったのか、

 

リアス先輩も困り顔で額に手を当てている。

 

「そう。危うい状態なの。けれど、

私の評価が認められたため、

今ならギャスパーを制御できるかもしれないと

判断されたそうよ。

私がイッセーと祐斗を『禁手(バランス・ブレイカー)

に至らせたと上の人達は評価したのでしょうね」

 

木場は分かるが、イッセーに関して言えば

 

限定条件があって更に未完成だぞ、

 

まあ、それでも上級悪魔を倒したのが

 

評価されたのか。

 

白い龍(バニシング・ドラゴン)」の介入があったとはいえ、

 

コカビエルの一件で大きな被害もなく

 

未然に防いだからこそ、

 

今のギャスパーを扱えると判断したのか。

 

「…うぅ、ぼ、ぼ、僕の話なんてして欲しくないのに…」

 

俺達の傍に大きな段ボールが置かれている。

 

声はそこからしていた。

 

イッセーが無言で蹴る。

 

「ひぃぃぃぃぃぃっ!」

 

中から悲鳴が聞こえてくる。

 

もちろん、ギャスパーの声だ。

 

あまりに外の世界が怖いので、

 

大きな段ボールに入り込んでいるみたいだ。

 

こいつは…。

 

そこまで嫌か、あの部屋以外の場所が、

 

「能力的には朱乃についで二番目なんじゃないかしら。

ハーフとはいえ、由緒正しい吸血鬼の家柄だし、

強力な神器も人間としての部分で手に入れている。

吸血鬼の能力も有しているし、

人間の魔法使いが扱える魔術にも秀でているわ。

とてもじゃないけど、本来『僧侶(ビショップ)

の駒一つで済みそうにないわね」

 

とリアス先輩が言う。

 

この引きこもりはそんなに凄いのか…。

 

「部長、吸血鬼って太陽に

弱いんですよね?

こいつ大丈夫なんですか?」

 

それもそうか、失念してたが、

 

太陽光は悪魔以上に弱いはずだ、

 

だから段ボールに入っていたのか。

 

イッセーの問いにリアス先輩は頷く。

 

「彼はデイウォーカーと呼ばれる

日中活動できる特殊な吸血鬼の血を引いてるから

問題ないわ。ただ、苦手ではあるでしょうけど」

 

なら段ボールは関係ないのかい!

 

「日の光嫌いですぅぅぅぅ!

太陽なんてなくなっちゃえばいいんだぁぁぁっ!」

 

まあ、悪魔にとっても太陽は天敵だしな。

 

だが、俺達は学生だ日中は学園生活をしないとな。

 

「おまえ、授業でてないだろう?

力を克服してクラスと打ち解けなきゃダメだぞ?」

 

イッセーもなじめているとは思えないがな

 

特に女子生徒からの苦情の数と言ったら。

 

イッセーの説得にギャスパーはわめきだした。

 

「嫌です!僕はこの段ボールの中で十分です!

外界の」空気と光は僕にとって外敵なんですぅぅぅッ!

箱入り息子ってことで許してくださぁぁぁぁいッ!」

 

物理的に箱に入ってるじゃねぇか!

 

これはひどいな。

 

「リアス先輩、こいつは血を吸わないんですか?

吸血鬼でしょう?」

 

俺の質問にリアス先輩が答える。

 

「ハーフだから、そこまで血に飢えている

わけではないわ。十日に一度、

輸血用の血液を補給すれば問題ないの。

もともと血を飲むのは苦手みたいだけれど」

 

「血、嫌いですぅぅぅぅ!

生臭いのダメェェェェェ!

レバーも嫌いですぅぅぅ!」

 

血が嫌いな吸血鬼とかどうすればいいんだか。

 

「…へたれバンパイア」

 

小猫ちゃんの吐き捨てるような痛恨の一言。

 

さすが小猫ちゃんは容赦ない。

 

「うわぁぁぁぁん!

小猫ちゃんがいじめるぅぅぅぅ1」

 

上級生相手でも容赦ないからな、

 

一年生の同級生同士でも容赦ないよな。

 

「とりあえず、私が戻ってくるまでの間だけでも、

イッセー、ユウスケ、アーシア、小猫、

ゼノヴィア、貴方達にギャスパーの教育を頼むわ。

私と朱乃は三すくみトップ会談の会場打合せを

してくるから。それと祐斗、

お兄様が貴方の禁手(バランス・ブレイカー)

ついて詳しく知りたいらしいから、

ついてきてちょうだい」

 

「はい、部長」

 

リアス先輩もやること多くて大変だな

 

木場も魔王様に呼び出しか、

 

あの聖魔剣についてかな?

 

確か、あれは本来有り得ない現象で出現して

 

神器の形態としてはイレギュラーなんだよな…。

 

そりゃ、調べたいよな。

 

「イッセーくん、悪いけど、

ギャスパー君のこと、お願いするね」

 

「ああ、任せろ木場。まあ、

皆がいるし、なんとかなると

思うぞ。たぶんな」

 

まあ、引きこもりのバンパイア。

 

先行き不安だけどな。

 

「ギャスパー君、そろそろお外に

なれないといけませんわよ?」

 

段ボール越しに朱乃さんが話しかける。

 

「朱乃お姉さまぁぁぁ!

そんな事言わないでくださいぃぃぃ!」

 

「あらあら。困ったわねイッセーくん、

ユウスケくんお願いね」

 

「はい、朱乃さんにお願いされたら、

俺も頑張っちゃいます!」

 

「できる限りの事はしてみます」

 

「うん。では、ユウスケ、イッセー、

こいつを鍛えようか。軟弱な男はダメだぞ。

それに私は小さい頃から吸血鬼と相対してきた。

扱いは任せてほしいね」

 

と、ゼノヴィアはギャスパーイン段ボール

 

に括りつけてある紐をひっぱりだした。

 

でも君の経験って滅した経験だよな。

 

「ヒィィィィッ!せ、せ、せ、聖剣デュランダルの

使い手だなんて嫌ですぅぅぅぅ!

滅ぼされるぅぅぅぅ!」

 

「悲鳴上げるな、ヴァンパイア。

なんなら、十字架と聖水を用いて、

さらにニンニクもぶつけてあげようか?」

 

「ヒィィィィィッ!ガーリック、

らめぇぇぇぇぇ!」

 

まあ、ゼノヴィアとの出会いが

 

コイツにとって不運だったな。

 

つうか、ゼノヴィア。

 

悪魔が悪魔祓い行為をしたら

 

君もダメージ受けるんだぞ。

 

はあ、先行き不安だ…。




封印を解かれた

ギャスパーの教育を任された

ユウスケ達はギャスパーの

特訓を始めることに、

だが、そこに予想外の人物が

訪れる。

次回、第45話「邪眼」

また、見てくれよな!

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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