ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

49 / 132
突如出会った女性

ニコ・ロビン。

彼女はリント族について

調べる考古学者だった。

彼女から知らされた。

自身の正体!

ギャスパーも引きこもりに戻って

しまい今後どうなってしまうのか。




第46話「心の扉」

「ギャスパー、出てきてちょうだい。

イッセーに連れて行かせた私が

悪かったわ」

 

ギャスパーの部屋の扉前で

 

リアス先輩が謝っていた。

 

「イッセーと仕事をすれば、

もしかしたらあなたの

ためになると思って…」

 

『ふぇえええぇぇぇぇええんっっ!』

 

旧校舎の自室に閉じこもった

 

ギャスパーは外にまで聞こえる

 

声量で泣いている。

 

人嫌いで神器を使いこなせず

 

迷惑を掛けていること、

 

こいつは抱えていることが

 

ややこしくなっている。

 

自信をつけようと行った

 

依頼者が変態で怖かったらしい。

 

これは、気がつかなかった

 

俺達が悪かったな。

 

リアス先輩から聞いたが、

 

ギャスパーは名門の吸血鬼を父に持つが、

 

母が人間で妾だったため、

 

純血ではなかった。

 

悪魔以上に純血ではない者を軽視、

 

侮蔑する吸血鬼たちは、

 

たとえ親兄弟であっても扱い方は

 

差別的だという。

 

ギャスパーは腹違いの兄弟達に

 

子供の頃からいじめられ、

 

人間界に行ってもバケモノとして

 

扱われて居場所がなかったという。

 

しかし、ギャスパーは類稀なる

 

吸血鬼の才能と、人間としての才能

 

特殊な神器を両方兼ね備えて

 

生まれてきてしまった為。

 

望まなくてもその力は歳を取ると共に

 

大きくなっていったらしい。

 

仲良くしようとしても、

 

ちょっとした拍子に時間停止

 

の神器が発動してしまい、

 

相手を停めてしまう.

 

「ねぇ、二人共、

もし時を停められたら、

どんな気分?」

 

そうリアス先輩に訊かれる。

 

「…少し、怖いですね」

 

イッセーが正直に答えた。

 

「俺も同じですね、

時を停めらえた間の記憶がないので

余計にそう思います」

 

ギャスパーにその気が無くても

 

停められている間に何されたかと

 

考えてしまう。

 

今までギャスパーに停めらえた連中も

 

そう思ってしまったのだろう。

 

一度生まれた不信感はなかなか消えない。

 

そうなれば付き合うのは不可能になり、

 

次第にギャスパーを恐怖するようになったのだろう。

 

ギャスパーはそれを何度も体験したのだろう。

 

だから引きこもりになってしまったんだろうな。

 

神器を得た人間は普通の人生は送れない。

 

アーシアも同じだった。

 

聖女から魔女と呼ばれて。

 

神器は神からのありがたい贈り物らしいが、

 

強すぎる力はただの呪いでしかない。

 

そもそも、もう神はいない、

 

神の遺した神器プログラムとやらは

 

居今でも生きていて稼働している為、

 

神器は無くならないそうだ。

 

『ぼ、僕は…こんな、神器いらないっ!

だ、だって、皆停まっちゃうんだ!

怖がる!嫌がる!僕だって嫌だ!

と、友達を、な、仲間を停めたくないよ…。

大切な人の停まった顔を見るのは…、

も、もう嫌だ…』

 

部屋の中ですすり泣くギャスパー。

 

家からも追い出され、

 

どちらの世界でも生きられないギャスパーは

 

路頭に迷った。

 

その時ヴァンパイアハンターに狙われ、

 

一度命を落とした。

 

そこをリアス先輩に拾われたらしい。

 

けど、強力な力を有するギャスパーを

 

当時のリアス先輩では使いこなすこともできず、

 

上から封印を命じられていた。

 

そして、解禁されて現在に至ると。

 

「困ったわ…。この子をまた引きこもらせて

しまうなんて…。『王』失格ね、私」

 

落ち込むリアス先輩。

 

実際、リアス先輩もギャスパーも悪くは無いがな。

 

「部長、サーゼクス様達との打ち合わせが

これからあるんでしょう?」

 

「ええ、でももう少しだけ時間を延ばしてもらうわ。

先にギャスパーを…」

 

「リアス先輩。後は俺達に任せてください。

何とかしてみせますので」

 

俺の申し出にリアス先輩も強く

 

異を唱える事はできなかった。

 

打合せも大事だからだ。

 

三大勢力のボスたちが会合するんだ。

 

それの準備は大切だろう。

 

何か当日に不都合が起きてしまえば、

 

それだけで三者の間の溝がより

 

一層深まるかもしれないからだ。

 

「大丈夫です。せっかく出来た男子の後輩です!

俺とユウスケでなんとかします!」

 

と、イッセーが胸を張って宣言した。

 

まあ、強がりだな本当は自身が無いだろう。

 

イッセーはこの手の繊細なタイプは苦手だし、

 

そういう俺もギャスパーの事情を

 

聞いてどのように接すればいいか

 

悩んでいた。

 

「…イッセー、ユウスケ。

わかったわ。お願いできる?」

 

「「はい!」」

 

俺達の勢いある返事を聞いて、

 

リアルは微笑んで頷いた。

 

リアス先輩は名残惜しそうに心配そうに

 

ギャスパーの部屋の扉を一瞥し、

 

この場を後にした。

 

リアス先輩を見送った後、

 

イッセーは深呼吸して座り込んだ。

 

「お前が出てくるまで、俺達はここを

一歩も動かないからな!」

 

 

……。

 

 

 

座り込み十分が経過した。

 

どうやらイッセーは持久戦を開始するようだ。

 

付き合ってもいいがこの場合変化は出ないだろう。

 

そう思い俺は語り掛ける事にした。

 

「…怖いか?神器や…俺達が」

 

『…』

 

俺は扉越しに話し続ける。

 

「俺も古代の戦士の力を得た。

イッセーなんて最強のドラゴンが宿った

神器を持っている。でも、

お前みたいにヴァンパイアとか、

木場やアーシアみたいな

凄い人生を送ってきたわけじゃない。

何処にでもいる普通の男子高校生だよ」

 

俺の話が何処まで聞いてもらえるか

 

分からないが、正直な自分の想いを話そう。

 

「俺は…正直、怖い。この力を使うたびに

身体が変化していく気がしてならない。

悪魔の事だってよくわかってない。

だけど、俺は前に進み続けようと思ってる」

 

『…どうしてですか?も、もしかしたら、

大切な何かを失うかもしれないんですよ?

せ、先輩はどうして、そこまで真っすぐに

生きていられるんですか…?』

 

お、反応があったか。

 

話を聞いてくれるのはありがたいが

 

この質問はどう返すか。

 

「…そうだな。あまり難しく考えた事はないが、

やっぱり皆の悲しそうな顔を見たくないからかな

以前、俺はリアス先輩のレーティングゲームの時に

知り合いがグロンギって奴等に攫われてな

今思えば俺を出させないための罠だったんだろうけど

俺が知り合いを救った後戻ってきたら

全てが終わってた。

俺は肝心な時に皆の役に立てなかった。

終わった後の皆の表情や、

イッセーを抱えて泣き続ける

リアス先輩は見ていられなかった」

 

ギィ…。

 

鈍い音を立てながら、

 

扉が少しだけ開かれた。

 

「…ぼ、僕もそのとき、いませんでした…」

 

扉の奥から姿を現したギャスパーは

 

涙を懸命に堪えている様子だった。

 

そんなギャスパーに俺は

 

優しく語り掛けた。

 

「ああ、分かってる。

俺達はそれを責めやしないさ。

でも、これからは違うだろう?」

 

「…ぼ、僕じゃ、ご、ご迷惑をかけるだけです…。

引きこもりだし、人見知り激しいし…。

神器はまともに使えないし…」

 

俺はギャスパーの顔を押えると、

 

両眼を覗き込む。

 

ここに神器が宿っているのか。

 

時間を停止する能力。

 

「俺達はお前の事を嫌わないぞ。

先輩としてずっと面倒見てやる。

悪魔としてはお前の方が先輩だけどさ。

でも、人生の先輩は俺達だからな

任せろ」

 

「 っ」

 

ギャスパーは目をパチクリさせているが、

 

構わず続ける。

 

「力を貸してくれ。俺一人じゃ足りないからさ

俺達と一緒にリアス先輩を支えようぜ。

お前が何かを怖がるのなら、俺達が一緒に

吹っ飛ばしてやるさ。

俺達はなんたって伝説の力を継承してるんだからな」

 

ニカッと笑って見せるが、

 

ギャスパーは何を話していいか困っているようだ。

 

するとイッセーがそんなギャスパーに提案する。

 

「なあ、俺の血、飲むか?アザゼルの野郎の

言ったことが真実なら、俺の血を飲めば

神器を扱えるかもそれない」

 

たしかにあの時、アザゼルはそう言っていた。

 

しかし、ギャスパーは首を横に振る。

 

「怖いんです。生きた者から直接血を吸うのが。

ただでさえ、自分の力が怖いのに…。

これ以上何かが高まったりしたら…僕は…僕は…」

 

「大丈夫だ!俺やイッセーだって他の皆に

迷惑かけた事あるし、リアス先輩に

逆らった事だってある。

知ってるか?

あの真面目な木場だってリアス先輩に

逆らった事があるんだぜ。

お前はもう一人じゃないんだ!

迷惑かけたっていいじゃないか

お前の神器が制御できるように

なれば、俺達は強力な味方が増える。

制御出来たその時、迷惑かけたと思った分

俺達に力を貸してくれよ」

 

俺はギャスパーに素直な自分の気持ちをぶつけた。

 

彼は嬉しそうに微笑んでいた。

 

「…ユウスケ先輩って、優しいんですね」

 

極上の笑みでそうイッセーに言う。

 

「そんな風に言われたのは初めてです。

今まで迷惑かけていたのが申し訳なくて

怖かったですが、そう言ってもらえて

ぼ、僕もなんだか少しだけ勇気が

湧いて来たような気がします。

本当に少しだけだけど…」

 

「よしよし、いい子だ。ほら、

俺の腰を見てみろ。

ベルトがあるだろ

これは古代の戦士が使っていた

物なんだが、実際は

暴走する危険性があったようなんだ

だけど、今はそんな心配もなくなった

それも皆のお陰で俺の心が強くなったからだ

お前だって強くなれるさ。

一緒に頑張ろうぜ」

 

「あ、ありがとうございます。

こ、今後も迷惑か、掛けると思いますけど

て、手伝ってもらっていいですか」

 

「「任せろ!」」

 

俺とイッセーはギャスパーに向けて

 

サムズアップをする。

 

 

―〇●〇―

 

 

気が付くと、いつの間にか俺達は

 

彼の部屋に入り、ギャスパーと話し込んでいた。

 

「さすがだね二人共。ギャスパー君と

すぐに談笑できるなんてね」

 

俺達がギャスパーと打ち解け合いつつある所へ

 

現れたのは木場だった。

 

部屋を覗き込むように登場した。

 

木場も心配していたのかな?

 

相変わらずいい奴だな。

 

「いや、俺は何もしてないさ。

殆どユウスケが説得してたよ。

そうだ。ちょうど男子眷属が全員集まった

所で話があるんだ」

 

「何だい、イッセー君」

 

「俺達は男だ」

 

「そうだな。そんな事確認してどうした?」

 

俺がイッセーに訊ねると奴は興奮気味に答えた。

 

「俺はグレモリー眷属の男子チームで

行える連携を考えた」

 

「それは…興味がそそられるね。

どういうのかな?」

 

珍しく木場が食いついてきたな。

 

まあ、俺もその連携は気になるな」

 

「まず、俺がパワーを溜める。そして、

それをギャスパーに譲渡して周囲の時を停める。

その間、俺は停止した女子を触り放題だ」

 

…またこいつは。

 

「っ。…また、エッチな妄想をしていたんだね。

それはそうと、それだけなら僕やユウスケ君

の役目は無いんじゃないの?」

 

イッセーのプランに木場は軽く言葉を失っていたが…。

 

冷静に突っ込んでいた。

 

「いや、ある。お前は禁手化(バランス・ブレイカー)して、

ユウスケは変身して、俺を守れ。

もしかしたら、エッチなことをしている間も

敵が襲来してくるかもしれない。

これは大事な連携だ。俺が溜めて、

ギャスパーが停めて、俺が相手を触り、

二人が俺を守る。完璧な陣形だ」

 

「そんな危険な時にエロを優先するなよ」

 

「イッセー君、僕はイッセー君の為なら

何でもするけど…一度、

真剣に今後の事を話そうよ。

力の使い方がエッチすぎるよ。

ドライグ泣くよ」

 

まったくだな。

 

まさか龍の力をこんな事に使われようとは、

 

思うまい。

 

「木場、てめぇ!そんな眼差しで俺を見るな!

イケメンめ!お前はいいさ!

女の子を食い放題だろうけどな!

俺は食べる事すらままならないんだよ!」

 

「…君のことだから、気付いたら気付いたで

そっちに嵌り込みそうだし、

部長達も甘やかしそうだから言うのはやめておくよ…。

覚えたては怖いというからね」

 

「よし。男同士、肚を割って話そう。

第一回『女子のこんな所が好きだ選手権』!

まずは俺からだな!俺は女子のおっぱいと

足をみるね!」

 

イッセーの発言に木場とギャスパーは苦笑しているが、

 

嫌がってはいなかった。

 

でも、ギャスパーが終始手を震わせていたのを

 

俺は見逃さなかった。

 

多分怖いのだろう。

 

俺達を停めてしまうんじゃないかと。

 

「すみません、段ボールの中でもいいですか?

…蓋は閉めないで。ただ、人と話すとき、

段ボールの中が落ち着くんです」

 

と、ギャスパーは申し訳なさそうに言う。

 

無理強いしても仕方ないので、

 

皆了承した。徐々に慣れさせて

 

段ボールの中から出していこう。

 

「あー、落ち着きますぅ。これですよぉ。

段ボールの中だけが僕の心の

オアシスなんです…」

 

そんなに段ボールが癒し空間なのかよ!

 

あれかな、狭い所が落ち着くのかな。

 

しかし、こいつ、段ボールが似合うな…。

 

入り慣れてるというか。

 

段ボール吸血鬼か。

 

反応に困るな。

 

その内外ではダンボーのかっこしないと

 

生活できないんじゃ…。

 

「そんなに人と目を合わせるのが

嫌なら、これとか」

 

イッセーが部屋にあった紙袋に穴を二つ空けて、

 

ギャスパーの頭に被せた。

 

「こ、これは」

 

薄暗い部屋に紙袋を頭に被った女装少年。

 

穴の空いた部分から赤い眼光がギラリと!

 

「ど、どうですか~?似合いますか~?」

 

ゾンビのようにのろのろと歩いて近づいてくる!

 

なんて迫力だ!どこからどう見ても異常者だ!

 

マジで怖い!

 

「あ、でも、これ…。

いいですねぇ。僕には似合うかも…」

 

「ギャスパー、お前を初めて凄いって感じたよ」

 

「ほ、本当ですか…?これを被れば僕も

吸血鬼としてのハクが付くかも…」

 

いや、吸血鬼ってよりも。

 

サイコホラーよりの迫力がするかな…。

 

こうして、男子だけの夜通し猥談が

 

始まってしまったのだった。

 

 

―〇●〇―

 

 

次の休日、俺とイッセーはとある場所へ向かっていた。

 

朱乃さんに呼び出されたんだが、

 

本来はイッセーだけの用事だったが、

 

先方の要望で俺も付いていくことになった。

 

町の外れへと向かう俺達。

 

この先にあるめぼしい建物は一つの筈だが、

 

そして目的地に着いた俺達の目に映るのは、

 

石で出来た階段とそ伸びた先に立った赤い鳥居だった。

 

そう、目的地は神社だった。

 

悪魔になってからは、神聖な場所は

 

近づけなくなっているからな。

 

と、考え事をしていると階段を下りてくる人がいた。

 

そちらを見れば、その顔は見知った顔であった。

 

「いらっしゃい、イッセー君、ユウスケ君」

 

「あ、朱乃さん!?」

 

そこには巫女衣装を身に纏った朱乃さんの姿があった。

 

石段を上る俺達。

 

先を行く朱乃さんは歩みを止めないまま言う。

 

「ゴメンなさいね、イッセー君、ユウスケ君。

急に呼び出してしまって」

 

「あ、いえ。俺もやる仕事がなくてヒマだったんで」

 

「そうそう。イッセーの言う通り暇で家でゲームする

ぐらいしかやる事ないですし」

 

「でも、何の用でしょうか?それと、

部長はあとから来るそうですけど…」

 

「ええ、知ってますわ。リアスは会談の件で

サーゼクス様と最終的な打ち合わせをしな

ければいけませんから」

 

しかし、朱乃さんは巫女姿が似合うな。

 

「雷の巫女」の二つ名もこの格好から来てるのか?

 

だが、悪魔が神社に居ていいのだろうか?

 

「朱乃さんはリアス先輩と打ち合わせに

行かなくていいんですか?

『女王』の力が必要なんじゃ?」

 

「あちらはグレイフィア様がフォロー

してくださるでしょうし、

ある程度進行していれば私が抜けても

大丈夫ですわ。

それよりも私はこの上でお待ちしておられる

方をお迎えしなければならなかったものですから」

 

と、朱乃さんは石段の遥か先へ顔を向ける。

 

鳥居が目の前に迫っている。

 

これを超えると悪魔はダメージを受けるので、

 

神社へ近づけないというが、

 

「ここは大丈夫ですわ。

裏で特別な約定が執り行われていて、

悪魔でも入ることができます」

 

言うや否や朱乃さんは何事もなく鳥居をくぐった。

 

それに続き俺達も鳥居をくぐる。

 

鳥居の先には立派な神社の本殿が建っている。

 

古さを感じられるが、壊れている様子は一切無かった。

 

「朱乃さんはここに住んでいるんですか?」

 

イッセーが朱乃さんに訊ねる。

 

「ええ、先代の神主が亡くなり、

無人になったこの神社をリアスが

私のために確保してくれたのです」

 

「彼等が赤龍帝と新たなクウガですか?」

 

第三者の声に気付き、

 

そちらへ振り向くと、そこには。

 

輝くまでに金色の羽が俺の前で舞う。

 

端整な顔立ちの青年が俺達が視線を送っていた。

 

豪華な白ローブに身を包み。

 

頭の上に金色の輪っかが漂う。

 

青年が優し気な笑みを浮かべ、握手を求めてくる。

 

「初めまして新たなクウガ、兵藤祐介君、

そして赤龍帝、兵藤一誠君」

 

誰だこの人?

 

疑問に感じる俺の目の前で青年の背中から

 

金色の十二枚の翼が出現した。

 

「私はミカエル。天使の長をしております」

 

目の前の青年の正体は天使のトップだった。

 

朱乃さん先導の元、俺達とミカエルさんは神社の本殿へ。

 

白い羽と輪っかは天使の証だと

 

以前リアス先輩から聞いていた。

 

ミカエルさんは金の羽で大物感が漂ってたがな。

 

かなり広い本殿内はデカい柱が何本も立っている。

 

中央から、言い知れない力の波動を感じ、

 

俺の肌をピリピリと刺激していた。

 

「実は赤龍帝にこれを授けようと思いましてね」

 

ミカエルさんが指さす方へ視線を向けると、

 

そこには腰にレイピアを携えた。

 

黒髪の女性が立っており、

 

そのそばに、聖なるオーラが滲み出ている

 

一本の剣が宙に浮いていた。

 

これは聖剣か?

 

エクスカリバーやデュランダルに近しい力を感じる。

 

「これはゲオルギウス。聖ジョージと言えば

伝わりやすいでしょうか?

彼の持っていた龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖剣『アスカロン』です

そして彼女はこの聖剣の所有者であった

聖騎士のギーラです」

 

そうミカエルさんが紹介すると

 

ギーラさんはこちらに頭を下げる。

 

「どうも、聖騎士のギーラです。

今回は新たなクウガにお会いしたく

無理を言ってユウスケさんもお呼びしました」

 

「俺をですか?」

 

この間のロビンさんみたいな人なのかな?

 

「ええ、話に訊くクウガがどのような

人物かこの目で見たかったので

可能であれば一戦交えたかったですが」

 

怖いなこの人。

 

細目の美人だが結構バトルジャンキーなのかな?

 

「話がそれましたが、この剣は特殊儀礼を

施しているので悪魔の赤龍帝でも

ドラゴンの力があれば扱えるはずです。

貴方が持つというよりは、

ブーステッド・ギアに同化させるといった

感じでしょうか」

 

と、ミカエルさんは言っている。

 

「なぜ、これをイッセーに?

元々はギーラさんの物なのでしょう」

 

聖騎士ってことは戦うのがメインの人だろうし、

 

大切な武器を渡して大丈夫なのか?

 

それも宿敵の悪魔に渡すなんて。

 

ミカエルさんは微笑みながら答える。

 

「私は今度の会談、三大勢力が手を取り合う

大きな機会だと思っているのですよ。

すでに知っているそうですから話しますが、

我らが創造主。

神は先の戦争でお亡くなりになりました。

敵対していた旧魔王達も戦死。

堕天使の幹部たちは沈黙。

アザゼルも戦争を起こしたくないと

建前上は口にしてます。

これは好機なのですよ。無駄な争いを

無くすためのチャンスなのです。

このまま小規模な争いが断続的に続けば、

いずれ三大勢力は滅ぶ。そうでなくても、

横合いから他の勢力が攻め込んでくる

かもしれません。それはクウガもご存じでは?

その聖剣は私から悪魔サイドへのプレゼントです。

ギーラに関してはお構いなく、

この聖剣は使える者がおらず、

仮の所有者としてギーラが選ばれていただけなので、

もちろん、堕天使側にも贈り物をしました。

悪魔側からも噂の聖魔剣を数本いただきましたし、

こちらとしても有難い限りなのですよ」

 

他の勢力ってグロンギ族のことか。

 

つまり、ミカエルさんは悪魔と堕天使と

 

和平をしたいってことか。

 

「過去、我々と敵対した『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)

と『究極の闇』が悪魔になったことを知りましてね。

ごあいさつと共に悪魔側へ私達からのプレゼントの

一つとして赤龍帝にその剣をお渡しするのです。

貴方はこれから龍王クラスや『白い龍(バニシング・ドラゴン)

に狙われるでしょう。

『歴代の中でも最も宿主が弱い』と噂の貴方にとって

補助武器となるのではないかと思いましてね」

 

まあ、まだ悪魔になり立てで

 

今まで戦闘なんてした事なかったからな。

 

「俺でいいんですか?てか、何故俺に?」

 

「一度だけ三大勢力が手を取り合ったのです。

それは赤と白の龍と戦った時です。

我々の戦争に乱入してきた二匹のドラゴンは

戦場を乱してくれましたからね

その後に、『究極の闇』に全員倒されましたが」

 

前代のクウガが暴れた時の話しか。

 

前に聞いた事はあったが、

 

それはどっちのクウガだったのだろう?

 

「あの時のように再び手を取り合う事を願って、

あなたに、赤龍帝に願をかけたのですよ。

日本的でしょう?」

 

皮肉に聞こえるが、

 

天使のトップが満面の笑みで言うのだから、

 

信じるしかないだろう。

 

イッセーが聖剣に身体を向ける。

 

だが、まだ迷いがあるようで、

 

なかなか手を出さない。

 

そんなイッセーに朱乃さんが言う。

 

「その剣は神社で最終調整をしました。

魔王様、アザゼル様、ミカエル様の各陣営の

術式を施していますので、

悪魔でもドラゴンの力を宿していれば触れますわ」

 

朱乃さんのその話で勇気が出たのか。

 

イッセーが宙に漂う聖剣を恐る恐る左手に取った。

 

すると、イッセーの左手に赤い籠手が出現する。

 

そして聖剣のオーラが籠手に流れ込んでいく、

 

カッ!

 

赤い閃光を走らせると、

 

イッセーの左腕に甲の先端から刃を生やした

 

籠手が存在していた。

 

「…マジで合体しやがった」

 

それを確認するとミカエルさんが手をポンと叩く。

 

「と、時間です。そろそろ私は行かねばなりません」

 

もう帰るのか?だが、天使に会ったら言いたいことがあったんだが、

 

「あの、貴方に聞きたいことがあるのですが」

 

「会談の席か、会談後に聞きましょう。

必ず聞きます。ご安心を」

 

そう言うと、ミカエルさんの全身を光が包み込み、

 

一瞬の閃光のあと、この場から消え去った。

 

「では、私も戻ります。ユウスケさん、

会談の前にお会いできて良かったです。

それでは会談で」

 

ギーラさんはそう言ってこの場を去ったのだった。

 

 

―〇●〇―

 

 

深夜、本来人のいない廃墟に

 

二人の男女の姿があった。

 

「そろそろ行動に移す時か?」

 

白いニット帽をかぶった男ドルドが訊ねる。

 

「ええ、彼らの協力の元、

今度の三すくみの会談時に

行動に移すわ」

 

その問いに答えるのは

 

以前ライザーの眷属であるザビネだった。

 

「なら『ザザグド・ゲゲル』のプレイヤーは

誰にするんだ?」

 

「私よ」

 

ドドルが振り向くと黒髪の女性が立っていた。

 

「ほう、ボダウか」

 

「彼女ならこのゲゲルも任せられるわ。

今回協力を要請した奴等をうまく利用して

クウガを殺しなさい!」

 

女性は黙ってうなずくとその場を後にした。

 

「さあ、これであの方の復活にまた近づくは」

 

「ああ、ようやく我らの悲願も達成される時がくる」

 

二人のグロンギは目の前の壁に彫られた物を見て呟いた。

 

そこにはクウガのマークに似た文様と狼の文様が

 

刻まれていた。

 

 




新たな力を得たイッセー。

三すくみの会談に向け準備する面々

だが、その裏では暗躍する影があった。

次回、第47話「会談」

また見てくれよな

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。