ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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ギャスパーの心を開くことに成功した

ユウスケ達。

大天使ミカエルや聖騎士ギーラと出会い

アスカロンを手に入れたイッセーだったが、

会談の裏ではグロンギ達が暗躍する

無事に会談は行われるのか?


第47話「会談」

早朝。

 

俺とイッセーはギャスパーの修行の為、

 

旧校舎周囲にある森の開けた場所に来ている。

 

「ぐふぅぅぅ…。ユウスケ先輩…、

イッセー先輩…つ」、疲れましたよぉぉぉ」

 

両目をこするギャスパー。

 

「弱音を吐くな!制御出来れば、

俺達の連携が完成するんだ!」

 

一生完成する必要のない連携だよ。

 

俺は弱音を吐くギャスパーに構わず

 

ボールを投げつける。

 

「ユウスケさん、ボールです!」

 

早朝から俺達に付き合ってくれているアーシアが、

 

俺にボールを手渡してくれる。

 

修行内容は変わらず投げたボールを停めている。

 

だが、ギャスパーも成長しており、

 

今では、二十回に一回は成功するようになってきた。

 

最初の頃に比べれば大した進歩だよ。

 

そう思っていると、腕に違和感があった。

 

腕だけ動かなくなっており、

 

どうやら、ギャスパーが間違えて俺の

 

腕を停止させてしまったようだ。

 

「ひ、ひぃ、ゴ、ゴメンなさいぃぃぃ!」

 

ギャスパーは地面に屈んで縮こまった。

 

そんなギャスパーに俺は苦笑しながら言う。

 

「だから、気にするなって、今は修行中だ、

お前は未熟なんだから仕方ないだろ!

まあ、全身停められたら困るが、

その回数だって減ってるんだから

この調子だ!」

 

俺はギャスパーを叱らずにフォローした。

 

しかし、ギャスパーは複雑そうな表情で言う。

 

「…ぼ、僕は神器を持つ人間としても、

ヴァンパイアとしても半端者だから、

皆に迷惑ばかり…。も、もっと自分の力を

使いこなせれば…な、なんて中途半端な

存在なんでしょうか…、グスッ」

 

あー、また泣いちまったか。

 

その力を使いこなすための修行なのに

 

失敗するたびにこうなってしまう。

 

まあ、回数が減ってきたのが救いだがな。

 

「ギャスパー!俺はお前が好きだぞ!

気にすんな!くよくよする前にまずは

俺達にぶつかってこい!考えたらまけだ!

俺もそっちのほうがわかりやすくていい!」

 

イッセーがギャスパーに本音をぶつける。

 

「同じリアス先輩の眷属で仲間だ!

ドン!と来い!」

 

俺も胸を張って堂々と構える。

 

俺まで不安がっていたら、

 

コイツはダメになる。

 

俺達はコイツの先輩だ。

 

導く者としてしっかりしないとな。

 

ギャスパーはそれを見て

 

涙を拭い立ち上がる。

 

「ユウスケ先輩、イッセー先輩、

ぼ、僕、がんばります…っ!」

 

「おう!学校が始まるまで、ビシビシ行くぞ!」

 

「そうだあと百球いくからな!」

 

「わかりました!じゃ、じゃあ、

この紙袋を被ってパワーアップを」

 

「やめとけって、視線が塞がったらどうする

それに、うちのアーシアはそういうの見たら泣くから!」

 

「?」と疑問符を浮かばせているアーシア。

 

前に殺人鬼の出るサイコホラーを一緒に見て

 

ちょっと泣いてたからな。

 

見せない方がいいだろう。

 

「頑張ってください!ユウスケさん!

イッセーさん!、ギャスパーくん!」

 

「は、はいぃぃぃ!ありがとうございます!

アーシア先輩ぃぃぃ!」

 

こうして、修行は再開された。

 

だが、俺はふと思う。

 

俺達に師匠、先生となるものが必要だと。

 

神器に精通していて、ドラゴン等の種族特有の力にも

 

詳しい人物。

 

ふと、黒い翼の男が脳裏によぎる。

 

だが、すぐに頭を横に振って思い直す。

 

その考えはあり得ない。

 

彼は仇敵の堕天使その総督だ。

 

だが、その知識は本物なんだよな。

 

指導者が居れば俺達はさらに強くなれる筈なんだ。

 

 

ー◯●◯ー

 

「さて、行くわよ」

 

部室に集まるグレモリー眷属の面々。

 

リアス先輩の言葉に頷いた。

 

そう、今日は三大勢力の会談の日だ。

 

ついにこの日が来た。

 

会場となるのは、駒王学園の新校舎にある職員会議室だ。

 

今日は休日。時間も深夜で人は誰もいない。

 

すでに各陣営のトップ達は新校舎の休憩室で待機している。

 

そして、学園全体が強力な結界に囲まれ、

 

現在誰も中へ入れなくなっていた。

 

もちろん、会談が終わるまで外にも出られない。

 

結界の外には、天使、堕天使、悪魔の

 

軍勢がぐるりと囲んでいる。

 

一触即発の空気だと様子を見てきた木場が言っていた。

 

もし、会談で問題が起こったり、協議が決裂したら、

 

この場で過去の戦争が繰り返されることになる。

 

大事な日だ今日の為に今まで準備してきたんだからな。

 

俺達はリアス先輩の後に続いて部室を後にしようとする。

 

『ぶ、部長!み、皆さぁぁぁぁん!』

 

部屋に置かれた段ボールから声を掛けられる。

 

もちろん、、中身は引きこもりヴァンパイアだ。

 

「ギャスパー、今日の会談は大事なものだから、

時間停止の神器を使いこなしていない

貴方は参加できないのよ?」

 

と、リアス先輩はやさしく告げていた。

 

確かに神器の制御が出来ないギャスパーが

 

 

何かのショックで会談中の皆さんの邪魔したら、

 

大変なことになる、それにそんな事になったら

 

一番傷つくのはギャスパーだ。

 

また自分のせいでと引きこもりが悪化しかねない。

 

そんなわけでギャスパーは留守番だ。

 

「ギャスパー、おとなしくしていろよ?」

 

「は、はい、イッセー先輩…」

 

「ここに俺とイッセーが持ってきたゲーム機

置いていくから、それで遊んでもいいし、

菓子や飲み物も沢山買って

きたから食べてもいい、残っても小猫ちゃんの

おやつになるだけだしな。

リラックス効果のあるアロマも炊いてる

鼻の利く俺達でも大丈夫な奴をな、

紙袋もあるから、寂しくなったら存分にかぶれ」

 

「は、はいぃぃぃ!ユウスケ先輩!」

 

俺はギャスパーに紙袋を渡して

 

部屋を出て行ったリアス先輩に続く。

 

そんな俺へ木場が微笑みながらつぶやく。

 

「二人ってやっぱり面倒見いいよね」

 

「任せろって、新聞部でも後輩はいるし、

眷属で男の後輩一人ぐらい何とかなるさ」

 

とは言うが、

 

一人で黙々できるゲームはシカマルに聞いたり、

 

美味しいお菓子はチョウジに聞き、

 

リラックス効果のあるアロアをイノに教えてもらい。

 

俺も後輩に助けてもらったけどな。

 

あいつも大事な後輩だ何とかしてやりたいじゃないか。

 

 

―〇●〇―

 

 

コンコン、リアス先輩が会議室の扉をノックする。

 

「失礼します」

 

リアス先輩が扉を開くと、そこには。

 

特別に用意させたという豪華絢爛なテーブル。

 

それを囲むように見知った人たちが座っていた。

 

空気は静寂に包まれており、全員真剣な面持ちだった。

 

この雰囲気は俺も緊張してしまう。

 

アーシアが不安そうに俺の服の端をつかむ。

 

俺も安心させる為に彼女の手を軽く握ってやった。

 

悪魔側。

 

サーゼクス様、レヴィアタン様。

 

そして給仕係としてグレイフィアさんがお茶用台車の

 

脇で待機している。

 

天使側。

 

金色の羽のミカエルさんと知らない女性の天使さん。

 

堕天使側。

 

黒い翼を十二枚も生やしたアザゼルと

 

白い龍(バニシング・ドラゴン)」ヴァーリ、

 

そしてもう一人のクウガである東城。

 

アザゼルは俺達を視線に捉えると、

 

口の端を愉快そうにあげていた。

 

トップの皆さんは装飾の施された衣装を着ていた。

 

「私の妹と、その眷属だ」

 

サーゼクス様が他の陣営にリアス先輩を紹介する。

 

リアス先輩も会釈していた。

 

「先日のコカビエル襲撃で彼女たちが活躍してくれた」

 

「報告は受けています。改めてお礼を申し上げます」

 

ミカエルさんがリアス先輩へ礼を言う。

 

それに対してリアス先輩は冷静に振る舞い、

 

再度会釈するだけだ。

 

「悪かったな、俺の所のコカビエルが迷惑かけた」

 

あまり悪びれた様子もなく、アザゼルが言う。

 

一種族の長とは思えない軽さだな。

 

リアス先輩も口元をひくつかせていた。

 

「そこの席に座りなさい」

 

サーゼクス様の指示を受け、

 

グレイフィアさんが俺達を壁側に設置された

 

椅子に促してくれる。

 

その席にはソーナ会長が既に座っていた。

 

会長の隣にリアス先輩が座る。その横にリアス先輩が

 

イッセーを座らせ、その後に朱乃さん、木場、

 

俺、アーシア、ゼノヴィア、小猫ちゃんと続いて座った。

 

それを確認したサーゼクス様が言う。

 

「全員がそろったところで、会談の前提条件をひとつ。

ここにいる者たちは、最重要禁則事項である

『神の不在』を認知している」

 

なら、ソーナ会長、グレイフィアさん、も知ってたのか、

 

周りを見れば、先程と変わりのない面々をみて

 

俺はそう思う。

 

「では、それを認知しているとして、話を進める」

 

こうして、サーゼクス様のその一言で

 

三大勢力の会談が始まった。

 

 

 

会談は順調に進んでいた。

 

「というように我々天使は…」

 

ミカエルさんが喋り。

 

「そうだな、そのほうが良いのかもしれない。

このままでは確実に三勢力とも滅びの道を…」

 

サーゼクス様も発言されている。

 

「ま、俺らは特にこだわる必要もないけどな」

 

たまに喋るアザゼルの一言で

 

この場が凍り付くこともあったが、

 

堕天使の総督はわざとその空気を作って

 

楽しんでいるように思えた。

 

会談は続き、ついにリアス先輩の出番となる。

 

「さて、リアス。そろそろ、

先日の事件について話してもらおうかな」

 

「はい、ルシファー様」

 

サーゼクス様に促され、リアス先輩と会長、

 

朱乃さんが立ち上がり、この間の

 

コカビエル戦での一部始終を話し始めた。

 

それに聞き入る三大勢力の面々。

 

リアス先輩は冷静に淡々と自分が体験した

 

事件の概要を話していた。

 

奉告を受けた各陣営のトップはため息をつく者、

 

顔をしかめる者、笑う者と反応は個々に違った。

 

「以上が、私、リアス・グレモリーと、

その眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

全てを言い終えたリアス先輩は

 

サーゼクス様の「ご苦労、座ってくれたまえ」

 

という一言で着席する。

 

「ありがとう、リアスちゃん☆」

 

レヴィアタン様もウインクを

 

リアス先輩に送っていた。

 

「さて、アザゼル。この報告を受けて、

堕天使総督の意見を聞きたい」

 

サーゼクス様の問いに全員の視線が黒髪の

 

総督へ集中する。

 

アザゼルは不敵な笑みを浮かべて話始めた。

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織

神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部コカビエルが、

他の幹部及び総督の俺に黙って、単独で起こしたものだ。

奴の処理は『白龍皇』がおこなった。その後、

組織の軍法会議でコカビエルの刑は執行された。

地獄の最下層(コキュートス)』で永久冷凍の刑だ。

もう出てこれねぇよ。その辺の説明はこの間転送した

資料に全て書いてあっただろうそれが全部だ」

 

ミカエルさんがため息を吐きながら言う。

 

「説明としては最低の部類ですが、

貴方個人が我々と大きな事を起こしたくないという

話しは知っています。それに関しては

本当なのでしょう?」

 

「ああ、俺は戦争に興味なんてない。

コカビエルも俺の事をこき下ろしていたと、

そちらの報告でもあったじゃないか」

 

たしかに、アザゼルの言うように、

 

コカビエルはあの時自分達のボスの事を

 

かなり悪く言っていた。

 

戦争に消極的で神器にしか興味のない者だと。

 

今度はサーゼクス様がアザゼルに訊く。

 

「アザゼル、一つ訊きたいのだが、どうしてここ

数十年神器の所有者をかき集めている?

最初は人間たちを集めて戦力増強を

図っているのかと思っていた。

天界か我々に戦争をけしかけるのでは

ないかとも予想していたのだが…」

 

「そう、いつまで経ってもあなたは戦争を

仕掛けてこなかった。『白い龍(バニシング・ドラゴン)

を手に入れたと聞いた時には、強い警戒心を

抱いたものです。更に最近ではもう一人のクウガ

までいると聞いていますし」

 

ミカエルさんの意見もサーゼクス様と

 

同様の様子だった。

 

二人の意見を聞いて、アザゼルは苦笑する。

 

「神器研究の為さ。なんなら、一部研究資料も

お前達に送ろうか?って研究していたとしても、

それで戦争なんざ仕掛けねぇよ。

戦に今更興味なんてないからな。

俺は今の世界に十分満足している。

部下に『人間界の政治にまで手を出すな』

と強く言い渡しているぐらいだぜ?

宗教にも介入するつもりはねぇし、

悪魔の業界にも影響を及ぼせるつもりもねぇ。

ったく、俺の信用は三すくみの中でも最低かよ」

 

「それはそうだ」

 

「そうですね」

 

「その通りね☆」

 

サーゼクス様とレヴィアタン様、ミカエルさんの

 

意見が一致していた。

 

やはり、堕天使の総督は信用されてないようだ。

 

アザゼルはそれを聞き、面白くなさそうに

 

耳をほじっていた。

 

「チッ。神や先代ルシファーよりもマシかと思ったが、

お前らもお前らで面倒くさい奴等だ。

こそこそ研究するのもこれ以上性に合わねぇか。

あー、わかったよ。

なら、和平を結ぼうぜ。もともとそのつもりも

あったんだろう?天使も悪魔もよ?」

 

っ和平って⁈

 

アザゼルの一言に各陣営は少しの間、

 

驚きに包まれていた。

 

リアス先輩や会長まで相当驚愕している。

 

アザゼルの和平発言はかなり驚くべきものだったようだ。

 

たしかに、アザゼルから提示されるとは思わなかったな。

 

そう思うと俺達は歴史的瞬間に立ち会っているんだな。

 

アザゼルの一言に驚いていたミカエルさんが微笑む。

 

「ええ、私も悪魔側とグリゴリに和平を

持ちかける予定でした。このままこれ以上

三すくみの関係を続けていても、今の世界の害となる。

天使の長である私が言うのも何ですが

戦争の大体である神と魔王は消滅したのですから」

 

ミカエルさんが和平をしたいというのは

 

この間聞いていたことだが。

 

アザゼルがミカエルさんの言葉に噴き出して笑う。

 

「ハッ!あの堅物ミカエル様が言うようになったね。

あれほど神、神、神様だったのにな」

 

「…失ったものは大きい。けれど、

居ないものをいつまでも求めても仕方がありません。

人間たちを導くのが、我らの使命。

神の子らをこれからも見守り、

先導していくのが一番大事なことだと

私達セラフのメンバーの意見も一致しています」

 

「おいおい、今の発言は『堕ちる』ぜ?

と思ったが、『システム』はお前が

受け継いだんだったな。

良い世界になったもんだ。

俺らが『堕ちた』頃とはまるで違う」

 

サーゼクス様もミカエルさんと同意見を口にしだす。

 

「我らも同じだ。魔王がなくとも種を存続するため、

悪魔も先に進まねばならない。

戦争は我らも望むべきものではない。

次の戦争をすれば、悪魔は滅ぶ」

 

サーゼクス様の言葉にアザゼルも頷いた。

 

「そう。次の戦争をすれば、三すくみは今度こそ

共倒れだ。そして、人間界にも影響を大きく及ぼし、

世界は終わる。俺らは戦争をもう起こせない」

 

先程までふざけた調子だったアザゼルが

 

一転して真剣な面持ちとなる。

 

「神がいない世界は間違いだと思うか?

神がいない世界は衰退すると思うか?

残念ながらそうじゃなかった。

俺もお前達も今こうやって元気に生きている」

 

アザゼルは腕を広げながら、言った。

 

「神がいなくても世界は回るのさ」

 

確かに神の手から離れても人は生きていけるからな。

 

その後、会談は今後の戦力の話に移っていった。

 

何やら、現在の兵力と、各陣営との対応、

 

これからの勢力図を話している。

 

先程よりも緊張感が若干だが弱まった感じだ。

 

どの勢力も戦争を望まず和平を望んでいるからか。

 

「と、こんな所だろうか?」

 

サーゼクス様の一言で、お偉い方々が大きく

 

息を吐いていた。どうやら、

 

一通りの重要な話が終わったようだ。

 

大体会談が始まって一時間くらいかな

 

グレイフィアさんがお茶の給仕をしている中、

 

ミカエルさんが俺の方に視線を向ける。

 

「さて、話し合いも大分良い方向へ片付いていましたし、

そろそろ兵藤祐介殿のお話を聞いてもよろしいかな」

 

全員の視線が今度は俺に集中する。

 

この間の神社でのこと、ちゃんと覚えてくれていたのか。

 

俺がミカエルさんに訊きたかったこと。

 

俺はアーシアの方に顔を向けて、覚悟を決めた。

 

ここに来る前に、家でアーシアに確認を事前に取った。

 

「アーシア。アーシアのことを

ミカエルさんに訊いてもいいかな?」

 

アーシアは驚いていたが承知してくくれた」

 

「ユウスケさんがお聞きしたいのでしたら、

構いません。私はイッセーさんを信じていますから」

 

ニッコリ微笑んでアーシアは許してくれた。

 

だからこそ、聞かなきゃならない。

 

「アーシアをどうして追放したんですか?」

 

俺のミカエルさんへの質問に全員が

 

「何で今その話を?」って驚きの顔をしていた。

 

悪いが、俺はどうしても一度天使側の者に訊きたかった。

 

あれほど神を信じていたアーシアを、

 

なぜ教会から追放したのか?

 

俺はイッセーとアーシアを殺した堕天使よりも、

 

天使側を許せなかった。

 

この答えを聞かなければ和平と聞いても

 

仲良くやっていけそうになかった。

 

俺なりにケリをつけておきたかったんだ。

 

ミカエルさんは真摯な態度で答えだした。

 

「それに関しては申し訳ないとしか言えません。

…神が消滅した後、加護と慈悲と奇跡を

司る『システム』だけが残りました。

この『システム』とは、簡単に説明すると、

神がおこなっていた奇跡などを起こす為のもの。

神は『システム』を作り、これを用いて地上に

奇跡をもたらしていました。

悪魔祓い、十字架などの聖具へもたらす効果、

これらも『システム』の力です」

 

なるほど、悪魔が十字架に触れるとダメージを

 

受けるのも『システム』の影響なのか。

 

と、ミカエルさんへ思った事を聞いてみた。

 

「神がいなくなって、『システム』に

不具合が起こったんですか?」

 

俺の質問にミカエルさんが頷く。

 

「正直、『システム』を神以外が扱うのは

困難を極めます。私を中心に『熾天使(セラフ)

全員で『システム』をどうにか起動させていますが…

神がご健在だった頃に比べると、神を信じる者

達への加護も慈悲も行き届きません。

残念なことですが、救済できる者は

限られてしまうのです」

 

そう言えばコカビエルも似たようなことを言っていた。

 

神がいないから、救えるものに限界があると。

 

「その為、『システム』に影響を及ぼす可能性の

あるものを教会に関するところから遠ざける

必要があったのです。影響を及ぼす者の例としては、

一部の神器これはアーシア・アルジェントの持つ

聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』も含まれます。

そして、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』、『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』なども」

 

「アーシアの神器がダメなのは悪魔や堕天使も

回復できるからですか?」

 

俺の問いにミカエルさんは再び頷く。

 

「はい。信徒の中に『悪魔と堕天使を回復できる神器』

を持つ者がいれば、周囲の信仰に影響が出ます。

信者の信仰は我らが天界に住む者の源。

その為、『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)

は『システム』に影響を及ぼす禁止神器としています。

それと、影響を及ぼす例に…」

 

ミカエルさんの言葉を遮って、ゼノヴィアが続ける。

 

「神の不在を知る者ですね?」

 

「ええ、そうです、ゼノヴィア。

貴方を失うのはこちらとしても痛手ですが、

我々『熾天使(セラフ)』と一部の上位天使以外で

神の不在を知ったものが本部に直結した場所に

近づくと『システム』に大きな影響が出るのです。

申し訳ありません。貴方とアーシア・アルジェントを

異端とするしかなかった」

 

ミカエルさんがアーシアとゼノヴィアへ頭を下げる。

 

まさか、天使のトップがアーシアとゼノヴィアに

 

頭を下げるなんて、当の二人も目を丸くしていた。

 

反応に困る事態だな。

 

しかし、ゼノヴィアは直ぐに首を横に振り、微笑む。

 

「いえ、ミカエル様、謝らないでください。

これでもこの歳になるまで教会に育てられてた身です。

いささか理不尽を感じてはいましたが、

理由を知ればどうということもありません」

 

 

「貴方が悪魔に転生した事。

それはこちらの罪でもあります」

 

「いいのです。…多少、後悔も致しましたが、

教会に仕えていた頃にはできなかったこと、

封じていた事が現在私の日常を華やかに

彩ってくれています。そんなことを言ったら、

他の信徒に怒られるかもしれませんが…。

それでも今の私はこの生活に満足しているのです」

 

ゼノヴィアは俺達との生活を

 

そんな風に感じてくれていたのか。

 

ちょっと浮世離れしすぎている所もあるが、

 

やっぱり悪い娘じゃないよね。

 

アーシアも手を組みながら言う。

 

「ミカエル様、私も今幸せだと感じております。

大切な人がたくさんできましたから。

それに憧れのミカエル様にお会いして

お話もできたのですから光栄です!」

 

ミカエルさんはアーシアとゼノヴィアの

 

言葉に安堵の表情を見せていた。

 

「すみません。貴方達の寛大な心に感謝します。

デュランダルはゼノヴィアにお任せします。

サーゼクスの妹君の眷属ならば下手な輩に

使われるよりも安全でしょう」

 

アザゼルがアーシアを見ている。

 

アーシアも気付き、体をビクっとさせていた。

 

「俺の所の部下が、そこの娘を騙して殺したらしいな。

その報告はうけている」

 

俺はハッキリとアザゼルに言った。

 

「そう、アーシアは一度死んだ。

イッセーや俺も堕天使に殺されたけど、

それ以上にアーシアだ!

あんたの知らない所で起きた事かもしれないが、

あんたに憧れていた堕天使の女性がアンタの為に、

アーシアを一度殺したんだそれを忘れるなよ」

 

この会談において俺に発言の権利はない。

 

さっきのはミカエルさんからの特別な措置だ。

 

今の発言は完全に俺の私怨からの一言だった。

 

リアス先輩も「落ち着きなさい、ユウスケ」

 

といさめてくれている。

 

「俺達堕天使は、害悪になるかもしれない

神器所有者を始末しているのは確かだ。

組織としては当然だろう?

招来、外敵になるかもしれない者を事前に

察知できれば始末したくなる。

それでお前達は死んだ。

理由はなんの才能もない人間のそいつでは

赤龍帝の力を使いこなす事が出来ずに

暴走させて俺達や世界へ悪影響を与えかねないからだ

お前さんに関しては巻き添えだから

申し訳ないがな」

 

「おかげで俺達は悪魔だ」

 

「嫌か?少なくとも周囲の者たちは

お前達が悪魔になったことを喜んでいると思うぜ」

 

確かに仲間たちは俺達の悪魔入りを喜んでいる。

 

俺もイッセーも悪魔になっても

 

それぞれの力を使いこなせていない。

 

生前のままではどうなっていたか分からない。

 

もしかしたら、暴走した俺とイッセーが

 

戦う事になっていたかもしれない。

 

「嫌じゃないさ!皆が良い奴らで、

優遇もしてもらってるのも理解してる。だが!」

 

「今更俺が謝っても後の祭りだ。

だから、俺は俺にしか出来ない事で

お前達を満足させようと思う」

 

アザゼルは何を言ってるんだ?

 

「さて、そろそろ俺達意外に、世界に影響を及ぼし

そうな奴等へ意見を聴こうか。無数のドラゴン様と

究極の闇になまずはヴァーリ、お前は世界をどうしたい?」

 

アザゼルの問いかけに白龍皇ヴァーリは笑う。

 

「俺は強い奴と戦えればいいさ」

 

こいつ、マジで戦闘が好きなんだな。

 

アザゼルの視線が東城に向く。

 

「お前はどうだ?」

 

「俺は強くなること以外に興味はない」

 

コイツも戦いしか興味がないのか?

 

そしてつぎにアザゼルの視線が来る。

 

「そっちのユウスケはどうだ?」

 

「世界とか大きなことは言えないが、

俺は自分の手が届く範囲の人達の

笑顔を守りたいそれだけだな」

 

「じゃあ、赤龍帝、お前はどうだ?」

 

「正直分からないです。なんか、

小難しい事ばかりで頭が混乱してます。

世界がどうこう言われてもなんというか、

実感わきません」

 

それは、イッセーの正直な感想だった。

 

「だが、お前は世界を動かすだけの力を

秘めた者の一人だ。選択を決めないと

俺をはじめ、各勢力の上に立っている奴らが

動きづらくなるんだよ」

 

と、アザゼルに言われて困っているイッセー。

 

「兵藤一誠、では恐ろしいほどにかみ砕いて

説明してやろう。俺らが戦争したら、お前も

表舞台に立つ必要が出てくる。

そうなればリアス・グレモリーを抱けないぞ」

 

「ッ!」

 

なるほど、そう説明するのか。

 

「和平を結べば戦争する必要もなくなる。

そしたら、後に大事なのは種の存続と繁栄だ。

毎日、リアス・グレモリーと子作りに

励むことが出来るかもしれない。どうだ?

分かりやすいだろう?戦争なら子作りは無しだ。

和平ならやりまくりだ。お前はどっちを選ぶ?」

 

三すくみの会談の筈がなんとも頭の悪い話だ事。

 

「和平で一つお願いします!ええ、!平和ですよね!

平和が一番です!部長とエッチがしたいです!」

 

俺は手で顔を覆う。

 

お前の本心は最後の一言だろうに。

 

この場がどんな場か忘れたのかよ!

 

「イッセー君、サーゼクス様がおられるんだよ?」

 

そう、リアス先輩のお兄さんである魔王様がいるんだぞ!

 

サーゼクス様は小さく笑っていた。

 

「えっと…。俺、バカなんでこの会談の内容も

九割ぐらい意味不明です。でも、俺が言えるのは、

俺に宿る力が強力なら仲間の為に使います。

部長、朱乃さん、ユウスケ、アーシア、それに

他のメンバーも、もし危険に晒されたら俺が守ります!

…て、俺、まだまだ弱いんですけどね。

けど、俺が出来るのはそれぐらいですから。

体張って仲間と共にいきてこうかなって」

 

イッセーが精一杯発言している中、

 

最近よく味わうあの感覚が襲ってくる。

 

体の機能が一瞬停止する。

 

そう、これはギャスパーの

 

時間停止を食らった時の感覚だった。

 

 

 




会談が進み、和平が結ばれようとした

そんな中で、

突如起こった時間停止。

この場にはギャスパーはいない

この会談に何が起こったのだろうか。

次回、第48話「襲撃」

また見てくれよな!

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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