ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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列車により冥界にやってきた
俺達は異文化の違いや
スケールの大きさに
俺達は驚くのだが。
グレモリー家の本邸は
俺達の思っていたものとは
想像を超えていた。


第57話「実家」

列車はそれからも十数分間、

冥界を進んでいく。

 

結局、俺は自分の敷地に山岳地帯を選んだ。

そこは調査もされていないが、

鉱山などもあるかもしれないらしい、

一部には渓谷もあり俺は気に入ったが、

今は何かすることは出来ないからただ

選んだだけだがな。

 

そこへアナウンスが再び流れる。

 

『まもなくグレモリー本邸前。皆さま、

ご乗車ありがとうございました』

 

ついに到着か!

俺は窓から前方を見て見ると、

駅と思われる場所には凄い人混みが!

何かのイベントか!?

だが、よく見ればそれが

兵装の一団である事が分かる。

もしかして、グレモリー家の兵隊か?

 

「イッセー、ユウスケ、もうすぐ着くわ。

窓を閉めるわよ」

 

「は、はい、部長」

 

「了解しました」

 

リアス先輩に促され、

俺達は降りる準備をしだす。

しだいに列車の速度は緩やかになり、

徐々に停止させていく。

 

ガクン。

 

静かな停止のあと、リアス先輩先導の元

俺達は空いたドアから降車していく。

けど、アザゼル先生とロビン先生は

降りる様子を見せなかった。

 

「あれ、先生達は降りないんですか」

 

「ああ、俺はこのままグレモリー領を抜けて、

魔王領の方へ行く予定だ。

サーゼクス達と会談があるからな。

いわゆる『お呼ばれ』だ。

終わったらグレモリーの本邸に向かうから

先に行って挨拶済ませて来い」

 

「私は総督さんに付いていくわ。

一応彼の部下だからね」

 

アザゼル先生は手を振って、

ロビン先生は微笑みながら説明してくれる。

そういやアザゼル先生も組織のトップだしな、

ロビン先生も側近だからな、

付いていかないとだめだろうな。

 

「じゃあ、先生あとで」

 

「お兄様に宜しくね、アザゼル」

 

イッセーとリアス先輩に

手を振って応えるアザゼル。

 

「じゃあ、ロビン先生、またあとで」

 

「待ってますからね」

 

「ええ、終わったら直ぐ向かうわ」

 

俺と奈美先輩に対してロビン先生は笑顔で応える。

改めて先生達を抜かしたメンバーで

駅のホームに降りた瞬間。

 

『リアスお嬢様、おかえりなさいませっ!』

 

パンパンパンパン!

 

花火が上がり、兵隊達が銃を空に向けて放ち、

楽隊らしき人たちが一斉に音を奏で始める!

空を謎の生物に騎乗した兵士達が飛び、旗を振っていた。

 

俺とアーシアは突然の

出来事にどうしていいか分からず

ただただ身を寄せ合っていた。

木場達は慣れた者の様だが、

所見の俺達にしてみれば驚きの状況だぞ、

イッセーは突然の事に放心しており、

ゼノヴィアは目をパチパチさせているだけだった。

 

「ヒィィィィ…。人がいっぱい…」

 

ギャスパーに至っては

あまりの人の多さにビビッて、

イッセーの背中に隠れていた。

よく見れば執事やメイドの姿も多い。

リアス先輩がそちらに近づくと一斉に頭を下げて、

 

『リアスお嬢様、お帰りなさいませ』

 

迎え入れてくれる。

 

「ありがとう、皆。ただいま。帰ってきたわ」

 

リアス先輩も笑顔でそれに返していた。

それを見て、執事や

メイドさんたちも笑顔を浮かべる。

そこへ見知った顔の女性が一歩出てきた。

 

銀髪のメイドさん、グレイフィアさんだ!

 

「お嬢様、お帰りなさいませ。

お早いお着きでしたね。道中、

ご無事で何よりです。

さあ、眷属の皆さまも馬車へ

お乗りください。

本邸までこれで移動しますので」

 

グレイフィアさんに誘導されて、

豪華絢爛な馬車の元へ。

馬も普通の馬ではなく

普通の馬より大きく眼光も鋭かった。

これが冥界の馬か!まるで魔物だな。

 

そういや、俺達の荷物はまだ列車だが、

と、列車の方へ視線を向けると、

メイドさん達が俺達の荷物を列車から

運び出した所だった。

さすが本場のメイドさんだな。

 

「私は下僕たちと行くわ。

イッセー達は初めてで不安そうだから」

 

「わかりました。何台かご用意しましたので、

ご自由にお乗りください」

 

グレイフィアさんはリアス先輩の

意見を快諾してくれた。

一番前の馬車にリアス先輩とイッセー、

俺、アーシア、奈美先輩、グレイフィアさんが

乗り込んだ。次の馬車に残ったメンバーが乗った。

 

俺達が乗り込むと馬車は蹄の音を鳴らしながら

進みだした。

 

おお、初めて馬車に乗ったが、

意外と快適なんだな。

 

風景を見れば、綺麗に整備された道と

キレイに選定された木々が

真っ直ぐ伸びていた。

 

その道の先にある物に俺は目を疑った。

 

「ぶ、ぶ、ぶ、ぶ、部長

…あ、あの巨大なお城は…?」

 

イッセーっは驚きながらも巨大な城らしきものに

窓から指を指している。

 

「私の御家の一つで本邸なの」

 

ニッコリ微笑むリアス先輩は何気に

「御家のひとつ」と言っていた。

俺達は凄い人の眷属になったのではなかろうか?

 

外を見れば美しい花が咲き誇り、

見事な造形の噴水から水が噴きあがり、

色とりどりの鳥が飛び回っている。

グレモリー艇の庭を馬車が進んでいた。

 

「着いたようね」

 

リアス先輩がそうつぶやくと、

馬車のドアが開かれた。

執事らしき方が会釈をしてくれる。

リアス先輩が先に降りて、後から俺達も続く。

二台目の馬車も到着して、

木場達も降りてきていた。

 

両脇にメイドと執事が整列して、道を作っていた。

赤いカーペットが巨大な城の方に伸びており、

大きい城門が音を立てて開かれていく。

 

「お嬢様、そして眷属の皆さま。

どうぞ、お進み下さい」

 

グレイフィアさんが会釈をして、

俺達を促してくれる。

 

「さあ、行くわよ」

 

リアス先輩がカーペットの上を

歩き出そうとした時だった。

メイドの列から小さな人影が飛び出し、

リアス先輩の方へ駈け込んでいく。

 

「リアスお姉さま!お帰りなさい!」

 

紅髪の可愛らしい少年が

リアス先輩に抱き着いていた。

同じ紅髪だし、リアス先輩の弟かな?

 

「ミリキャス!ただいま。大きくなったわね」

 

リアス先輩もその少年を

愛おしそうに抱きしめていた。

 

「あ、あの、部長。この子は?」

 

イッセーが聴くと、リアス先輩はその

少年を改めて紹介してくれる。

 

「この子はミリキャス・グレモリー。お兄様

サーゼクス・ルシファー様の子供なの。

私の甥ということになるわね」

 

サーゼクス様のお子様!

 

つまりは魔王の息子か!

 

正真正銘の王子様じゃないか。

 

「ほら、ミリキャス。あいさつをして。

この子達は私の新しい眷属なのよ」

 

「はい。ミリキャス・グレモリーです。

初めまして」

 

「こ、これは丁寧なごあいさつをいただきまして!

お。俺…いや、僕は兵藤一誠です!」

 

「自分は兵藤祐介です」

 

緊張してテンパっているイッセーを横目に

俺はミリキャス様に挨拶をする。

イッセーの様子にリアス先輩もおかしそうに

小さく笑いながら言う。

 

「魔王の名は継承した本人のみしか

名乗れないから、この子はお兄様の

子でもグレモリー家なの。

私の次の当主候補でもあるのよ」

 

なるほど、確かに長男の実子だもんな。

サーゼクス様は家を出ているが、

ミリキャス様は大切な

グレモリー家の跡取りだもんな。

 

ミリキャス様がいるなら、

サーゼクス様の奥様にも会えるのかな?

どんな人なのだろうかね。

 

「さあ、屋敷へ入りましょう」

 

リアス先輩はミリキャス様と手を繋いで

門の方へ進みだす。

ズンズン進んでいく二人に俺達は

置いていかれないようについ

ていくだけで必死だった。

俺達は巨大な門を潜り、中を進む。

次々と城の中の門も開門されていく。

ようやく玄関ホールに到着した。

そこは、玄関と言うには広すぎた、

二階に通じる階段があり、高い天井に

巨大なシャンデリアが吊り下がっていた。

学校のグランドかと思える広さに

俺達は言葉が出なかった。

 

「お嬢様、さっそく皆さまをお部屋へ

お通ししたいと思うのですが」

 

グレイフィアさんが手を挙げると

何人かのメイドさんが集まってきた。

 

「そうね、私もお父様とお母様に

帰国のあいさつをしないといけないし」

 

リアス先輩はこの後の予定を考え中のようだ。

 

「旦那様は現在外出中です。

夕刻までにおかえりになる予定です。

夕餉の席で皆さまと会食をしながら、

御顔合わせをされたいと

おっしゃられておりました」

 

「そう、わかったわ、グレイフィア。

それでは、一度皆はそれぞれの部屋で

休んでもらおうかしら。

荷物はすでに運んでいるわね?」

 

「はい。お部屋の方は今すぐお使いに

なられても問題ございません」

 

ふう、やっと休めるのか、

ずっと移動続きで正直疲れたな。

自分の家も豪邸になったと思ったが、

冥界にやってきてからスケールの

大きさに驚いてばかりだったからな。

俺だけでなくイッセーやアーシア、

奈美先輩までも疲れている様子だ。

 

「あら、リアス。帰ってきたのね」

 

その時、上から女性の声が聞こえてきた。

階段の上から降りてきたのはドレスを着た

俺達と同い年ぐらいの美少女だった。

 

…あれ、リアス先輩に雰囲気が似ているな。

髪の色が亜麻色なのと、

リアス先輩に比べて目つきが鋭いぐらい

でほぼ似ているな。

リアス先輩のお姉さんだろうか?

だけど、グレモリー家って紅髪が

特徴だったような…。

 

リアス先輩はその女性を確認するなり微笑んだ。

 

「お母様。ただいま帰りましたわ」

 

………はぁ!お母様!?

 

「お、お、お母さまぁぁぁぁぁああああ!?

だって、どう見ても部長とあまり歳の

変わらない女の子じゃないですか!」

 

イッセーが驚き過ぎて大声を出している。

だが、気持ちは分かる二人が並ぶと

どお見ても姉妹にしか見えない!

 

「あら、女の子なんてうれしいことを

おっしゃいますのね」

 

リアス先輩のお母様は頬に手を当てて微笑む。

 

「悪魔は歳をとれば魔力で

見た目を自由に出来るのよ。

お母様はいつも今の私ぐらいの年恰好な

お姿で過ごされているの」

 

なるほど、悪魔でも女性は

若い姿であろうというのは変わらないのか。

横を見るとイッセーが

マジマジとお母様を見つめており、

その様子にリアス先輩が

拗ねてイッセーの頬をつねっていた。

 

「…私のお母様に熱い視線を送っても

何も出ないわよ?」

 

「あら、リアス。その方が兵藤一誠君ね?」

 

「お、俺、僕のことをご存じなんですか?」

 

イッセーの問いにお母様は頷く。

 

「ええ、娘の婚約パーティに顔ぐらい

覗かせますわ、母親ですもの」

 

確かに、その通りだ。

あの時思いっきり名乗った上に

全部ぶち壊してリアス先輩を連れ去ったからな。

 

これはお叱り受けるのかな…?

 

あの場で暴れた俺も同罪だしな。

ビビる俺達に、リアス先輩のお母様

はクスッと笑う。

 

「初めまして、私はリアスの母、

ヴェネラナ・グレモリーですわ。

よろしくね」

 

 

―〇●〇―

 

 

玄関ホールでの出会いから数時間後、

俺達はダイニングルームにいた。

絶対に食いきれないで

あろう量の食事が並んでおり、

冥界でのマナーが分からず

何処から手を付けたもんか

悩むところだ、どれもすごいおいしそうだな。

席に座るのは主であるリアス先輩

と眷属悪魔に奈美先輩。

そして、リアス先輩のお父様とお母様、

あとミリキャス様。

 

太陽も月のない冥界にも『夜』があるらしい。

空も暗くなっており、

見上げれば疑似的な月が浮かんでいる。

本物ではなく魔力で再現しているだけらしい。

冥界の夜の闇も同じく再現という話だ。

以前来たときは夜に来たと

思っていたが実際には昼で、

冥界の時間の概念は人間界に合わせてあるようだ。

冥界には独自の時間の流れがあったようだが、

転生悪魔や人間界で暮らす悪魔の為に

魔王様が特殊な術法で調整しているようだ。

 

「遠慮なく楽しんでくれたまえ」

 

リアス先輩のお父様の一言で会食は始まった。

アニメでしか見た事ないような

デカい横長のテーブル。

天井には豪華なシャンデリア。

座っている椅子も装飾が施された物。

周りの全てが見慣れないものばかりだった。

早くも自宅が恋しく思える。

 

先ほど通された部屋も俺一人が止まるには

大きすぎる部屋で、生活の為の必需品が

全てそろっていた。

風呂、トイレ、冷蔵庫、テレビ、キッチン、

寝室とリビングにクローゼットがあり、

もはや一人暮らしの家のようだった。

 

部屋に通されてすぐにアーシアとゼノヴィア、

奈美先輩が同時に俺の所に来たのが印象的だった。

 

「あまりにも豪華すぎて一人じゃ落ち着かないわ!

ユウスケの所にお邪魔するわよ」

 

「はぅぅぅひ、1人じゃ、

あんなに広い御部屋は無理ですぅぅ!」

 

「…落ち着かないんだ。悪いけれど、

ユウスケの部屋でもいいかな?

アーシアも来ていると思うしね」

 

俺と同じく庶民の奈美先輩と

教会で質素な生活をしていた二人には

あの部屋の広さは衝撃的だったようで、

落ち着かないという理由で荷物を持って

俺の部屋に引っ越してきた。

その後、グレイフィアさんの計らいで

俺達は四人で部屋を使う事になった。

実際、一人暮らしでも手に余る広さだ

ルームシェアになれば丁度いいだろう。

 

話しは夕餉の席に戻る。

 

マナーに関しては人間界と同じだったようで、

ある程度は問題なかったが、

緊張であまり味が分からなかった。

もったいない事をしているなと感じるな。

 

周りを見ればイッセーは

緊張で料理に手を付けられておらずいた。

いや、あれはマナーが分からないから

手を付けられていないだけか、

あれだけマナーは勉強しとけと言ったのに…。

 

木場や朱乃さんは優雅に食べているな。

こういう場も慣れてるんだろうな。

奈美先輩も問題ないようだ。

流石としか言えないな。

アーシアとゼノヴィアも苦戦はしているが、

様にはなっているな。

ギャスパーに至っては

縮こまって涙目で食べている。

これだけ人が多いと引きこもりにはキツイか。

 

そんな中、小猫ちゃんは

食事に手を付けてなかった。

いつもなら人一倍食欲に忠実で

モリモリ食べてるってのに。

そんな彼女がこのごちそうを前に

手を付けないなんて…。

この間から様子が変だな。

 

ふと、目が合ったがすぐにそらされてしまう。

 

そういえば、アザゼル先生とロビン先生は

食事に間に合わなかった。

どうやら会談が長引いているようだな。

 

「うむ、リアスの眷属諸君、

ここを我が家と思ってくれるといい。

冥界に来たばかりで勝手がわからないだろう。

欲しい物があったら、遠慮なくメイドに

言ってくれたまえ。直ぐに用意しよう」

 

朗らかにおっしゃるリアス先輩のお父様。

 

いや、これ以上欲しい物なんてないだろう

全てそろってるじゃん。

 

「ところで一誠君、祐介君」

 

リアス先輩のお父様が俺達に顔を向ける。

突然のことで驚く俺達

何を聞かれるんだ?

 

「は、はい!」

 

「どうしましたか?」

 

「ご両親はお変わりないかな?」

 

「は、はい!二人とも元気です!

ぶ、部長…リアス様の故郷に

行くと言ったらお土産を期待するほどです!

あ、あんなに立派な家にリフォームしていただいた

上でそんなこと言ってくるなんて、

本当、わがままな顔で…アハハ」

 

イッセーは冗談交じりに言うが、

 

「おい、イッセー!余計なことまで

話すなよ!」

 

「ふむ。お土産か。なるほど」

 

リアス先輩のお父様は手元の鈴を

チリンチリンと鳴らす。

するとすぐに執事らしい人が

近づいていく。

 

「旦那様、御用でしょうか?」

 

「うむ。二人のご両親宛に城を一つ用意しろ」

 

はあッ!城ぉぉぉ!お土産の範疇から

逸脱してるだろ!

それとも、富豪なりのジョークなのか!?

 

「はっ。西洋式でしょうか?

それとも和式でしょうか?」

 

執事さんも普通に答えている。

ってことは冥界では土産で

城をポンポン渡してるのか!?

 

「悩むところだな」

 

「ちょっ、ちょっと待ってください!

そ、そこまでのお土産はちょ、ちょっと

スケール違いというか!」

 

「そ、そう、家の両親への

お土産にお、お城なんて!

もったいないですよ!」

 

俺達は急いでリアス先輩のお父様

を止めようとした。

これが異文化かよ!

ついて行けないな。

 

「あなた、日本は領土が狭いのですから、

平民が城を持つなんて不可能ですわ」

 

リアス先輩のお母様の一声。

助け舟だ、ありがたい!

そう家は平民です!

 

「なんと。確かに日本は狭かったな。

ふーむ、城がダメならば

何が良いのだろうか…」

 

「お父様。あまりそういう気遣いは

逆にあちらへ迷惑を掛けますわ。

二人のご両親は物欲の強い方々

ではありませんし」

 

リアス先輩は家の両親の事を

良く知っているからな。

 

リアス先輩のお父様も「なるほど」と

深く頷いていた。良かった。

城なんて貰っても目立つだけだからな。

 

「兵藤一誠君」

 

「は、はい!」

 

リアス先輩のお父様やけに

イッセーに興味あるんだな

赤龍帝に興味でもあるのかな?

 

「今日から、私の事を

お義父さんと呼んでくれても

かまわない」

 

予想外の言葉だな。

 

「お、お父さんですか…?

そ、そんな、恐れ多いですよ!」

 

イッセーっが両手を振って、

遠慮の意志を見せた。

 

「あなた、性急ですわ。

まずは順序というものがあるでしょう?」

 

リアス先輩のお母様が

夫をたしなめる。

 

「う、うむ。しかしだな。

紅と赤なのだ。めでたいではないか」

 

「貴方、浮かれるのはまだ早い、

ということですわ」

 

「そうだな。どうも私は

急ぎ過ぎるきらいがあるようだ」

 

リアス先輩のお父様は深く息を吐かれる。

どうやら、奥さんの尻に敷かれているようだな

発言的にリアス先輩のお母様の方が

家では強いようだな。

 

当のリアス先輩は恥ずかしそうにしていて、

食も進んでいないようだ。

 

「兵藤一誠さん。

一誠さんと呼んでもよろしいかしら?」

 

リアス先輩のお母様がそう訊いている。

 

「は、はい!もちろんんです!」

 

「しばらくはこちらに滞在するのでしょう?」

 

「はい。部長…リアス様がこちらに居る間はいます

…けど、それが何か?」

 

「そう。ちょうどいいわ。貴方には

紳士的な振る舞いも身につけて

もらわないといけませんから。

少しこちらでマナーのお勉強を

してもらいます」

 

おお、それは良い、

あいつには一番必要な教育だ!

 

バン!

 

テーブルを叩く音が響く!

見ればリアス先輩がその場で

立ち上がっていた。

 

「お父様!お母様!先程から

黙って聞いていれば、

私を置いて話を進めるなんて

どういうことなのでしょうか!?」

 

その一言にリアス先輩のお母様は

目を細める。

そこには先程快く俺達を迎えて

くれていた笑顔は無かった。

 

「お黙りなさい、リアス。

貴方は一度ライザーとの

婚約を解消しているのよ?

それを私達が許しただけでも

破格の待遇だと思いなさい。

お父様とサーゼクスがどれだけ

他の上級悪魔の方々へ根回し

したと思っているの?一部の貴族には

『わがまま娘が伝説のドラゴンと戦士を使って

婚約を解消した』と言われているのですよ?

いくら魔王の妹とはいえ、限度があります」

 

わがまま娘が伝説のドラゴンと戦士を使った。

 

リアス先輩のお母様の言葉から察するに、

俺達が乱入したあのパーティは

そんな風に思われていたのか。

 

「私はお兄様とは」

 

リアス先輩が顔を怒りに歪ませて言おうとするが、

リアス先輩のお母様はそれを許さない。

 

「サーゼクスが関係ないとでも?

表向きはそういうことになっています。

けれど、誰だってあなたを魔王の妹として見るわ。

三大勢力が協力体制になった今、

貴方の立場は他の勢力の下々まで

知られたことでしょう。

以前の様に勝手な振る舞いはできないのです。

そして何よりも今度の

貴方を誰もが注目するでしょう。

リアス、貴方はそういう

立場に立っているのですよ?

二度目のわがままはありません。

甘えた考えは大概にしなさい。いいですね?」

 

その言葉にリアス先輩は悔しそうにしながらも

言い返せない様子だ。

納得できないまま、椅子へ勢いよく腰を下ろした。

 

リアス先輩のお母様は息を一度吐いた後、

笑みを俺達へ向ける。

 

「リアスの眷属さん達にお見苦しい所を

見せてしまいましたわね。

話しは戻しますが、ここへ滞在中、

一誠さんには特別な訓練をしてもらいます。

少しでも上流階級、貴族の世界に

触れてもらわないといけませんから」

 

なるほど、イッセーにはそこまでの

教育を行われるのか。

ギャスパーや俺にその話が無いのは

家の両親にお願いでもされたのか?

 

「あ、あの、どうして俺なのでしょうか?」

 

すると、リアス先輩のお母様は笑みを止め、

真面目な表情で真っ直ぐにおっしゃった。

 

「貴方は次期当主たる

娘の最後のわがままですもの。

親としては最後まで責任を持ちますわ」

 

な、もしかしてそういう事なのか?




冥界の本邸にて始める勉強会
そして若手悪魔があつまる行事が行われる。
俺達は新たなライバル達と出会う

次回、第58話「若手悪魔」

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