リアス先輩の実家にて
悪魔社会について学ぶユウスケ
そんななか若手悪魔が集まる
行事を行う事に
未来のライバルとはどんなものなのか
まだ見ぬライバルや以前からのライバル
今後戦うであろう者達と俺達は会いに行くんだ!
「つまり、上級悪魔にとって社交界とは」
冥界に到着した次の日。
俺とイッセーは朝から教育係の
悪魔から上級悪魔、上流階級、貴族とは
何か教えられている。
そう、イッセーに施すと言っていた。
マナー勉強だ何故俺も一緒に受けている
かと言うと、俺がお願いして
同席させてもらった。
自分が転生した悪魔について
もっと知りたいと思ったからだ。
俺達の他にもミリキャス様が
一緒に勉強している。
こんなに小さいのに勤勉な子だよ。
俺もイッセーも一生懸命
ノートに板書の内容を書き込んでいる。
ちなみに他の皆はリアス先輩と
一緒にグレモリーの敷地を観光している。
奈美先輩には一緒に観光に行く筈でしょと
怒られてしまったがな。
「若様、ユウスケ様は悪魔の
文字はご存知でしょうか?」
「い、いえ、ほとんどわかりません」
「同じくです」
「よろしい。では、そこから一つ一つ
覚えていきましょう」
教育係の悪魔は俺達に
新設丁寧に教えてくれる。
「若様にはグレモリー家の全てを
お教えしなければならないもの
ですから、。お覚悟を」
「あ、あの『若様』って
のは何なのでしょうか?」
「……。さあ、次はグレモリー家の
歴史についてお話ししましょう」
はぐらかされたな。
まあ、恐らくイッセーが
リアス先輩の婿として
考えられてるんだろうな。
ガチャ。
ドアを開けられ、
入ってきたのはリアス先輩のお母様だった。
「おばあ様!」
そういや、ミリキャス様にとっては
御祖母さんになるのか
見た目からは叔母にしか見えんがな。
「一誠さん、祐介さん、ミリキャス。
お勉強ははかどっているのかしら?」
優しい笑みを浮かべながら
俺達と教育係の間に入る。
リアス先輩のお母様は俺達の
ノートを見て微笑んでくれた。
「サーゼクスやグレイフィアの報告通りね。
何事も一生懸命のようだわ。二人とも、
懸命に覚えようとする姿勢は見て取れます」
リアス先輩のお母様はメイドさんを入れて、
お茶を出してくれた。
「もうすぐリアスが帰ってきます。
今日は若手悪魔達が魔王領に
集まる恒例のしきたり行事
があるものですから」
そういや、そんなスケジュールが入ってたな。
リアス先輩や生徒会長と同い年ぐらいの若手悪魔
達が一堂に会するという。
全員が公式なレーティングゲームの
デビュー前の悪魔達だ。名門、旧家と
由緒ある上級悪魔の跡取りが
お偉いさんの元に集結し、
挨拶の後お互いを意識しあうという話だ。
その集まりにリアス先輩や生徒会長は
出席しないといけない。
同様に眷属の俺達も付き添う必要がある。
さて、どうなることやら?
―〇●〇―
リアス先輩や奈美先輩達がグレモリー城の
観光ツアーから帰ってきてすぐに俺達は
行きと同じ列車で魔王様がいらっしゃる
領土へ移動した。
奈美先輩だけは今回は留守番となったが、
途中、宙に展開する巨大な
長距離ジャンプ用魔方陣を
何度か潜り抜けて、列車は進んだ。
列車に揺られて三時間。
到着したのは都市部だった。
駅もホームも近代的で自販機まで置いてあった。
先程までいたグレモリー領が
完全にファンタジーの世界だったから。
別の世界に来たかのようだ。
「ここは魔王領の都市ルシファード。
旧魔王ルシファー様がおられたと
言われている冥界の旧首都なんだ」
と木場が説明してくれる。
ちなみに俺達の格好は
駒王学園の夏の制服。
既にユニフォームのようなもんだ。
「このまま地下鉄に乗り換えるよ。
表から行くと騒ぎになるからね」
ここには地下鉄もあるのか!?
でも騒ぎになるってどういうことだ?
「キャーッ!リアス姫さまぁぁぁぁっ!」
突然、黄色い歓声が聞こえてくる。
見ればホームにいた悪魔の方々が俺達、
いやリアス先輩を見て憧れの眼差しを向けていた。
おおっ。リアス先輩は人気者なのか?
「部長は魔王の妹。しかも美しいものですから、
下級、中級悪魔から憧れの的なのですよ?」
朱乃さんがそう説明してくれた。
なるほど、魔王の妹だし、見た目も
いいからな人気が出るのも頷けるな」
「ヒィィィィィ…。悪魔がいっぱい…」
イッセーの背中でギャスパーが
悪魔の多さに反応して
慌てふためいている引きこもり
にはきついだろうな。
「困ったわね。騒ぎになる前に
急いで地下の列車に乗りましょう。
専用の列車は用意してあるのよね?」
リアス先輩は連れ添いの黒服男性の一人に訊く。
俺達のボディガードらしく、
グレモリーの城から何人もついてきてくれていた。
この人達、かなり強いらしい。確かに、
リアス先輩や眷属の俺達を守るわけだから、
それなりの実力は必要だからな。
「はい。ついてきてください」
こうして俺達はボディガードさんの
後に続いて、地下鉄の列車へと
移動したのだった。
「リアスさまぁぁぁぁっ!」
リアス先輩は男性からも大人気だ。
リアス先輩は苦笑しながらも
男性達に手を振っていた。
地下鉄から乗り換え、
更に揺られること五分ほど。
着いたのは都市で一番大きい
建物の地下にあるホームだった。
若手悪魔、旧家、上級悪魔の
お偉いさんが集まる会場が
この建物にあるのだ。
先程のボディガードの人達は
エレベーター前までしか
随行出来ないようで、そこで待機となった。
俺達はリアス先輩を先頭に地下から
エレベーターに乗り込む。
「皆、もう一度確認するわ。
何が起こっても平常心でいること。
何を言われても手を出さない事。
上にいるのは将来の私達の
ライバル達よ。無様な姿は見せられない」
リアス先輩の言葉はいつも以上に
気合が入っていて、凄みがあった。
誰にも負けるつもりはないって
声音だった。
俺もアーシアも一旦気持ちを落ち着かせる。
緊張はするが、この先には
俺達と同じ『兵士』だっているんだ。
無様な姿は見せられないからな。
エレベーターが停止し、扉が開く。
外に出るとそこは広いホールだった。
そこには使用人らしき人がおり、
リアス先輩や俺達に会釈してきた。
「ようこそ、グレモリー様。
こちらへどうぞ」
使用人の後に続く俺達。
通路を進んでいくと、
一角に複数の人影が。
「サイラオーグ!」
リアス先輩はその人影の
一人を知っている様子だった。
あちらもリアス先輩を確認すると、
近づいてくる。男性だ。
見た目、俺達と同い年ぐらい。
黒髪の短髪で野生的なイケメンだった。
活動的な格好をしていて、
凄く体格が良くて筋肉質だな。
プロレスラーのようだな。
武闘家系の悪魔さんの瞳は珍しい紫色で、
どことなく、顔の面影が
リアス先輩、いや、
サーゼクス様に似ている気がする。
「久しぶりだな、リアス」
リアス先輩とにこやかに握手を交わしていた。
この若手悪魔からは迫力のある
魔力の波動は感じ取れる。
その人の眷属悪魔達はこちらに
視線を送っていた。
強そうな悪魔ばかりだな…。
「ええ、懐かしいわ。
変わりないようで何よりよ。
初めての者もいるわね。
彼はサイラオーグ。
私の母方の従兄弟でもあるの」
リアス先輩はその悪魔さんを
俺達に紹介してくれる。
「俺はサイラオーグ・バアル。
バアル家の次期当主だ」
確か、バアルって魔王の次に偉い
『大王』だったはずだな。
という事はリアス先輩のお母様は
バアル家の出身だったのか。
「それで、こんな通路
で何をしていたの?」
「ああ、くだらんから
出てきただけだ」
「…くだらない?
他のメンバーも来ているの?」
「アガレスもアスタロトも既に来ている。
あげく、ゼファードルだ。
着いた早々ゼファードルと
アガレスがやり合い始めてな」
心底嫌そうなサイラオーグさん。
やり始めたって喧嘩でも始めたのか?
ドオオオオオオオオオオオオオッ!
建物が大きく揺れ、巨大な破砕音が聞こえてくる!
何事だ!近くから聞こえてきたんだが、
リアス先輩はそれが気になったのか、
躊躇いもなく音のした方大きな扉へ向かった。
「まったく、だから開始前の
会合などいらないと進言したんだ」
サイラオーグさんはため息しながらも
自分の眷属らしき者達とリアス先輩の後に続く。
俺達は疑問はあったが主である
リアス先輩を追って行った。
開かれた大きな扉の向こうには
破壊され尽くした大広間があった!
テーブルも椅子も破壊尽くされている。
中央には両陣営に分かれた
悪魔方が睨み合っていた!
武器を取り出していて、
一触即発の様相だった。
一方は邪悪そうな格好の魔物やら悪魔達。
もう一方は比較的普通な悪魔の一行。
ただ、両チームとも恐ろしいほどに
冷たく殺意に満ちたオーラを放っていた。
なんてオーラの量と質だよ!
眷属も俺らよりも上に感じるな。
広間では隅でテーブルを無事に保ったまま、
優雅にしている悪魔眷属の者達もいた
優し気な表情の少年悪魔を中心に…
不気味そうなフードを被った者達。
「ゼファードル、こんなところで
戦いを始めても仕方なくて?
死ぬの?死にたいの?
殺しても上に咎められないかしら」
睨み合う二チームの片方。
女の悪魔がクールに言う。
「殺す」とか普通に言ってるな。
俺達と同い年ぐらいか?
眼鏡をしており、
冷たく鋭い視線が特徴的で、
オーラから伝わる魔力の波も凄く冷たい。
「ハッ!言ってろよ、クソアマッ!
俺がせっかくそっちの個室で相手してやろうって
言ってやってんのによ!アガレスのお姉さんは
ガードが堅くて嫌だね!へっ、だから未だに
男も寄ってこずに処女やってんだろう!?
ったく、魔王眷属の女共はどいつもこいつも
処女臭くて敵わないぜ!
だからこそ俺が相手してやろうと
言ってんのによ!」
何だ、この下品な兄ちゃんは?
頭に魔術的なタトゥーを入れてて、
緑色の髪の毛も逆立っている。
格好も上半身裸に近くて、
やっぱり体にも魔術的なタトゥーばかり。
ズボンに装飾品をジャラジャラ付けていた。
どう見てもヤンキーだな。
…で、両者の間に起こったのは。
ヤンキーの兄ちゃんに
眼鏡の姉ちゃんがセクハラされたってことか?
まだ状況の分かってない俺達へ
後方からサイラオーグさんが来て説明してくれる。
「ここは時間がくるまで待機する
広間だったんだがな。
もっと言うなら、若手が集まって
軽い挨拶を交わすところでもあった。
ところが、若手同士で挨拶したらこれだ。
血の気の多い連中を集めるんだ。
問題の一つも出てくる。
それも良しとする旧家や上級悪魔の
古き悪魔達はどうしようもない。
無駄なものに関わりたくなかったのだが、
仕方ない」
首をコキコキ鳴らすと、
サイラオーグさんは睨み合う
二チームの方へ歩みを進める。
あの騒動を止めるつもりか!?
イッセーがサイラオーグさんを止めようと
したが、リアス先輩がそれを止める。
「イッセー、ユウスケ、彼
サイラオーグをよく見ておきなさい」
「え?は、はい。でもどうしてですか?
従兄弟だから?」
「彼に何かあるんですか?」
「彼が若手悪魔のナンバー1よ」
強いとは思っていたが、最強とはな。
喧嘩を今にも始めそうな二チームの間に
サイラオーグさんは入っていく。
「アガレス家の姫シーグヴァイラ。
ぐらしゃらグラシャラボラス家の
凶児ゼファードル。
これ以上やるなら、俺が相手する。
いいか、いきなりだが、これは最後通告だ。
次の言動次第で俺は拳を容赦なく放つ」
サイラオーグさんの迫力のある一言!
凄い凄みだ。ここまで、ピリピリと
プレッシャーを肌に感じたな。
その一言にヤンキー悪魔は
青筋を立てて、怒りの色を濃くする。
「バアル家の無能が」
ドゴンッ!
激しい打撃音!
ヤンキーは言葉を全部言い切る前に
サイラオーグさんの一撃で広間の壁に
叩き潰されていたっ!
ガラッ…。
壁からヤンキーが落ちる。
彼は既に気を失ったようで、
床に突っ伏していた!
一撃!
あれだけ強い魔力を放っていた
ヤンキーをたった拳の一撃で倒しただと!?
「言ったハズだ。最後通告だと」
迫力あるサイラオーグさんの言動だ。
「おのれ!」
「バアル家め!」
ヤンキーの眷属が主をやられた
勢いで飛び出しそうになるが。
「主を介抱しろ。まずはそれがおまえらの
やるべきことだ。俺に剣を向けても
お前達に一つも得はない。
これから大事な行事が始まるんだ、
主をまずは回復させろ」
『ッ!』
その一言にヤンキーの眷属達は
動きを止めて、倒れる主の元へ
駆け寄っていった。
次にサイラオーグさんは眼鏡の悪魔に
視線を送る。眼鏡の悪魔が表情を
強張らせるのがわかった。
「まだ時間はある。
化粧し直してこい。
邪悪なものを纏ったままでは
行事もままならんからな」
「っ。わ、わかっています」
眼鏡の悪魔は踵を返して、
眷属と共に広間を後にした。
それを確認したあと、
サイラオーグさんは自分の眷属に言う。
「スタッフを呼んで来い。広間が
滅茶苦茶すぎて、これでじゃ
リアスと茶も出来ん」
俺はサイラオーグさんの挙動一つ一つに
見入ってしまっていた。
強い!これが若手ナンバー1か!
「あ、兵藤兄弟!」
とそこに聞き覚えのある声が。
振り返れば、見知った
駒王学園の制服に身を包んだ人達。
「匙じゃん。あ、会長も」
「お久しぶりです。ソーナ会長」
「ごきげんよう、リアス、
一誠君、祐介君」
匙とソーナ会長も広間に到着したようだった。
―〇●〇―
「私はシーグヴァイラ・アガレス。
大公、アガレス家の次期当主です」
先程の眼鏡の悪魔。
アガレス家のお嬢様に俺達
グレモリー眷属は挨拶を貰う。
大広間はあのあと、
駆けつけたスタッフの魔力によって
修復され、ほぼ元に戻った。
改めて若手が集まり、挨拶も交わしていた。
さっきのヤンキーとその眷属を抜かした
者達でテーブルを囲んでいる。
リアス先輩、グレモリー眷属、
ソーナ会長、シトリー眷属、
サイラオーグさんのバアル眷属。
そして、先程のヤンキーがグラシャラボラス眷属、
しかしこの姉さんは大公の次期当主か。
俺達悪魔に命を下す魔王様の代理人。
魔王が社長なら、大王は副社長、
大公は専務だと教えられた。
社長が四人はおかしいがそれが悪魔社会何だろうな。
「ごきげんよう、私はリアス・グレモリー。
グレモリー家の次期当主です」
「私はソーナ・シトリー。
シトリー家の次期当主です」
リアス先輩とソーナ会長が
続けて挨拶する。
主達が席に着き、眷属は主の後方で
待機している。
「俺はサイラオーグ・バアル。
大王、バアル家の次期当主だ」
堂々と自己紹介するサイラオーグさん。
そして次に先程、騒ぎの中優雅に
お茶を飲んでいた優し気な雰囲気の少年も口を開く。
「僕はディオドラ・アスタロト。
アスタロト家の次期当主です。
皆さん、よろしく」
虫も殺せないような優男だが、
彼も悪魔だ裏があるんだろうな。
だが、アスタロト。
確か、現ベルゼブブ様が出た名家だ。
あのヤンキー悪魔がグラシャラボラスだから、
現アスモデウス様が出た家だ。
あれが次期当主とか世も末だと
思うけどな。
「グラシャラボラス家は先日、
御家騒動があったらしくてな。
次期当主とされていた者が
不慮の事故死をとげたばかりだ。
先程のゼファードルは新たな
次期当主の候補ということになる」
サイラオーグさんがそう説明してくれた。
グラシャラボラス家は大変そうだが、
他の御家のことだからどうでもいいけどな。
こうして若手悪魔六名が揃った。
グレモリーがルシファー、
シトリーがレヴィアタン、
アスタロトがベルゼブブ、
グラシャラボラスがアスモデウス、
そして大王と大公。この六家が揃ったのか。
皆有望で将来を背負って立つメンバーか。
約一人は不安しかないが、
皆、上級の世界にいるせいか
立ち振る舞いやオーラから違っていた。
今回このメンバーを集めて
お偉いさんは何を考えてるのやら。
「おい、一誠、間抜けな顔を見せるなよ」
匙がため息を吐きながらイッセーに
注意をしていた。
どうやら若手悪魔相手に変な顔でも
していたんだろう。
「だってよ、上級悪魔の会合だぜ?
緊張するじゃないかよ。皆、強そうだ」
「何言ってるんだよ。お前は
赤龍帝だぞ?お前も祐介みたいに
もう少し堂々とすればいいじゃないか」
「俺を巻き込むなよ匙」
「そんなこと言ってもよ…。
って、なんで匙がキレてんだよ?」
「眷属悪魔はこの場で堂々と振舞わないと
いけないんだ。相手の悪魔達は主を見て、
下僕も見るんだからな。だから、
お前がそんなんじゃ、先輩にも失礼だ。
ちったぁ自覚しろ、
お前はグレモリー眷属で、赤龍帝なんだぞ」
匙からの意見にイッセーは困惑している。
「お前達は先輩自慢の眷属だからな。
…俺だって、会長の自慢になってみたいさ」
匙は苦笑してるがその目は笑っていなかった。
匙にも何か思うところがあるんだろうな…。
そこへ扉が開かれ、使用人が入ってくる。
「皆さま、大変長らくお待ちいただきました。
皆さまがお待ちでございます」
ついに行事が開始となった。
ついに出会った
六家の若手悪魔達
癖のある彼等と
今回の行事では何を行うのか!
次回、第59話「目標」
是非見てくれよな
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