ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

63 / 132
ついに集結した若手悪魔達
全員が魔王や大王に縁のある者達、
新たなライバルたちは癖も強く
油断ならない強者ばかりだ
どうなる!グレモリー眷属!


第59話「目標」

俺達若手悪魔の面々が案内されたのは、

異様な雰囲気が漂う場所だった。

かなり高い。見上げた先に席が用意されていた、

そこにお偉いさんと思われる方々が座っており

その更に上の段にもお偉いさんが座る。

また一つ上の段には俺達もよく知る方がいた。

 

魔王サーゼクス様、その隣には

セラフォルー様が座る。

他にも二人見知らぬ人がいるが、

あの席が位を現しているなら。

あの二人は同じ魔王の

ベルゼブブ様とアスモデウス様だろう。

 

ただ座っているだけなのに、

強大な魔力を感じる。

 

俺達はお偉いさんに高い所から

見下ろされている状態だ、

いい気分じゃあないな。

俺達はリアス先輩の後ろに並んで待機していた。

 

特に何かやるわけではないが、

これだけの悪魔に見られていたら、

緊張するぜ。

 

そんな中、リアス先輩を含めた

若手六人が一歩前に出る。

さっきのヤンキーも復活して

同様に一歩前へ出ていた。

 

頬の腫れは未だに引かないようで

生々しい痕を残していた。

まあ、あれだけのパンチだ。

アーシアのような回復神器

でもない限りは直ぐには

消えないだろうさ。

まあ、アーシアには

絶対近づけさせないけどな。

 

「よく集まってくれた。

次世代を担う貴殿らの顔を

改めて確認する為、

集まってもらった。これは

一定周期ごとに行う。

若き悪魔を見定める会合である」

 

初老の男性悪魔が手を組みながら言う。

 

「さっそく、やってくれたようだが…」

 

今度は髭面の男性悪魔が皮肉気に言う。

先程の争いの事だろう。

 

「君達六名は家柄、実力共に

申し分ない次世代の悪魔だ。

だからこそ、デビュー前に

お互い競い合い、

力を高めてもらおうと思う」

 

一番上の段のサーゼクス様が

そうおっしゃられる。

 

競うってことはこのメンバーで

レーティングゲームでも行うのか?

そういや、アザゼル先生が

冥界での合宿中に

レーティングゲームをセッティングしたと

言ってたが、もしかしてこれの事か?

 

「我々もいずれ『禍の団』との

戦に投入されるのですね?」

 

サイラオーグさんが

サーゼクス様の訊ねる。

 

「それはまだわからない。だが、

できるだけ若い悪魔達は

投入したくはないと思っている」

 

サーゼクス様の答えに

サイラオーグさんは納得できない様子だった。

 

「なぜですか?若いとはいえ、我等とて

悪魔の一端を担います。

この歳になるまで先人の方々から

厚意を受け、なお何も出来ないとなれば」

 

「サイラオーグ、その勇気は認めよう。

しかし、無謀だ。何よりも成長途中の

君達を戦場に送るのは避けたい。

それに次世代の悪魔を失うのは

あまりに大きいのだよ。

理解して欲しい。君達は君達が思う以上に

我々にとって、宝なのだよ。

だからこそ、大事に、階段を踏んで

成長して欲しいと思っている」

 

サーゼクス様のお言葉に

サイラオーグさんも一応納得はしたようだ、

まあ、不満がありそうな表情ではあるが、

 

そのあとお偉いさんのありがたい話が続き、

今後のレーティングゲームに

ついての説明もあった。

 

「さて、長い話に付き合わせてしまって

申し訳なかった。なに、私達は若い君達に

私たちなりの夢や希望を見ているのだよ。

されだけは理解して欲しい。

君達は冥界の宝なのだ」

 

サーゼクス様の言葉に皆聞き入っていた。

聴いていてその言葉に嘘偽りが無い

事が分かる。

 

「最後にそれぞれの今後の

目標を聞かせてもらえないだろうか?」

 

サーゼクス様の問いかけに

最初に答えたのはサイラオーグさんだった。

 

「俺は魔王になるのが夢です」

 

この人は、いきなり言い切ったな。

 

『ほう…』

 

お偉いさんたちも正面から

迷いもなく言い切った

サイラオーグさんの目標に

感嘆の息を漏らしていた。

 

「大王家から魔王が出る

としたら前代未聞だな」

 

お偉い男性悪魔がそういう。

 

「俺が魔王になるしかないと

冥界の民が感じれば、

そうなるでしょう」

 

また言い切ったな。

凄い目標だな。

 

驚く間もなく、次はリアス先輩が言う。

 

「私はグレモリーの次期当主として生き、

そしてレーティングゲームの各大会で

優勝することが近い将来の目標ですわ」

 

それが、リアス先輩の目標か

始めて聴いた。

だが、それは俺達の頑張り次第か、

頑張るしかないな。

 

自分の目標か…。

 

そのあとも若手の人達が夢、

目標を口にし、

最後に残ったのはソーナ会長だった。

 

そして、ソーナ会長が夢を語る。

 

「冥界にレーティングゲームの

学校を建てることです」

 

学校か、ソーナ会長は

先生になるのが夢なのかな?

と、俺がそう思ってると、

お偉いさん達は眉根を寄せていた。

 

「レーティングゲームを学ぶ所ならば、

既にあるはずだが?」

 

確認するかのようにお偉いさんは会長に訊く。

会長は淡々と答える。

 

「それは上級悪魔と一部の特権階級の

悪魔のみしか行くことが許されない

学校のことです。

私が建てたいのは下級悪魔、

転生悪魔も通える分け隔てない学舎です」

 

差別のない学校か、

会長らしい良い夢だな。

これからの変わっていこうって

冥界にっとては良い話ではないか。

匙も誇らしげに会長の夢を聞き入っていた。

 

しかし。

 

『ハハハハハハハハハハハハッ!』

 

お偉いさんの笑い声がこの会場に響き渡る。

俺は悪魔の本性をこの場で見た気がした。

リアス先輩の方を見れば、

目を細めて難しい顔になっていた。

イッセーも匙も突然の笑い声に驚いていた。

そして、お偉いさん達は嘲笑

を浮かべながら口々に言う。

 

「それは無理だ!」

 

「これは傑作だ!」

 

「なるほど!夢見る乙女というわけですな!」

 

「若いというのはいい!しかし、

シトリー家の次期当主ともあろう者が

そのような夢を語るとは。

ここがデビュー前の顔合わせの場で

良かったというものだ」

 

三すくみの和平が叶って

冥界が変わっても変われない者もあるのか?

 

「…今の冥界がいくら変わりつつ

あるとしても、上級と下級、転生悪魔、

それらの間の差別はまだ存在する。

それが当たり前だと未だに

信じている者達も多いんだ」

 

隣で木場が淡々とイッセーに説明していた。

 

「なんだ、それ?だって、部長

の御家は俺達を普通に向かい

入れてくれたじゃないか」

 

「イッセー君。グレモリーは情愛が深い

悪魔の一族だ。あまり人間にも

下級悪魔にも差別的な目を向けない。

だから奈美先輩だってあの家では

来客として対応してもらえる。

…だけど、フェニックスを思い出してくれ」

 

確かにリアス先輩達を見ていて

俺の思っていた悪魔像とかけ離れていると

思っていたが、リアス先輩達がおかしいだけで

これが悪魔本来の価値観か。

 

そんな中でもソーナ会長はまっすぐに言う。

 

「私は本気です」

 

その言葉によく言ったと言わんばかりに

セラフォルー様はうんうんと力強く頷いていた。

 

魔王という立場上、妹を応援出来ないからな。

それでも心配ではあるんだろうな。

 

しかし、冷徹な言葉をお偉いさんは口にする。

 

ソーナ・シトリー殿。下級悪魔、転生悪魔は

上級悪魔たる主に仕え、才能を見出されるのが常。

そのような養成施設を作っては伝統と誇りを

重んじる旧家の顔を潰すこととなりますぞ?

いくら悪魔の世界が変革の時期に入っていると

言っても変えていいものと悪いものがあります。

まったく関係のない、たかが

下級悪魔に教えるなどと…」

 

その一言に黙っていられなくなったのは

 

匙だった。

 

「黙って聞いていれば、なんでそんなに会長の

ソーナ様の夢をバカにするんスか!?

こんなのおかしいっスよ!叶えられないなんて

決まった事じゃないじゃないですか!

俺達は本気なんスよ!」

 

「口を慎め、転生悪魔の若者よ。ソーナ殿、

下僕の躾がなってませんな」

 

お偉いさんの一人が言う。

匙は叶わないと決めるなと言うが

そういう話ではないのだろう

叶えてはい行けないって話なのだろう。

 

もし俺も奈美先輩を否定されたら

同じように反発してるだろうな。

 

「…申し訳ございません。

あとで言ってきかせます」

 

会長は一切表情を変えずに言う。

匙はその反応が納得できないようだ。

 

「会長!どうしてですか!この人達、

会長の、俺達の夢をバカにしたんスよ!

どうして黙っているんですか!?」

 

「サジ、お黙りなさい。この場は

そういう態度を取る場所ではないのです。

私は将来の目標を語っただけ。

それだけのことなのです」

 

「ッ!」

 

会長が目を細め、匙をたしなめる。

匙も何か言いたげだったが、口を閉ざした。

 

「なんなら!うちのソーナちゃんが

ゲームで見事に勝っていけば文句も

ないでしょう!?ゲームで

好成績を残せば叶えられるものも

多いのだから!」

 

突然のセラフォルー様の提案に皆が驚いていた。

当のセラフォルー様はご立腹の様子だ。

 

「もう!おじさま達はうちのソーナちゃんを

寄ってたかっていじめるんだもの!

私だって我慢の限界があるのよ!

あんまりいじめると私がおじさま達を

いじめちゃうんだから!」

 

セラフォルー様が涙目で悪魔の

お偉いさん達に物申していた。

当のお偉いさん達はそんな

魔王様の態度に反応に困っていた。

 

会長はそんな姉が恥ずかしいようで、

顔を両手で覆っていた。

 

だが、今のセラフォルー様の一言は

気持ちがスカッとした。

冥界が変わっていこうって時に

頭の固い上層部がいては

変わるものも変わらないだろう。

 

「ちょうどいい。では、

ゲームをしよう。若者同士のだ」

 

サーゼクス様の一言に皆が注目する。

 

「リアス、ソーナ、戦ってみないか?」

 

っ!

 

予想外の事に俺っ体は驚愕した!

 

「………」

 

「………」

 

リアス先輩とソーナ会長も顔を見合わせ、

目をパチクリさえて驚いていた。

そんな二人にかまわずにサーゼクス様は続ける

 

「元々、近日中にリアスのゲームをする予定だった。

アザゼルが各勢力のレーティングゲームファンを

集めてデビュー前の若手の試合を観戦させる

名目もあったものだからね、だからこそ、

ちょうどいい。リアスとソーナで

1ゲーム執り行ってみようではないか」

 

合宿修行の総仕上げの試合の相手は

ソーナ会長達、生徒会か!

いきなり、駒王学園の生徒同士での戦いか!

リアス先輩は一度息を吐くと、

挑戦的な笑みを会長に見せる。

それに対してソーナ会長も冷笑を浮かべていた。

どちらもやる気満々だな。

 

「公式ではないとはいえ、

私にとって初レーティングゲームの相手が

貴方だなんて運命を感じてしまうわね、リアス」

 

「競う以上は負けないわ、ソーナ」

 

さっそく火花を散らせているな。

 

「リアスちゃんとソーナちゃんの試合!

うーん☆燃えてきたかも!」

 

セラフォルー様も楽しげだ!

 

「対戦の日取りは、人間界の時間で八月二十日。

それまで各自好きに時間を割り振って

くれて構わない。詳細は改めて後日送信する」

 

サーゼクス様の決定により、

こうしてリアス先輩とソーナ会長の

レーティングゲームが開始されることとなった!

 

 

―〇●〇―

 

 

「そうか、シトリー家と対決とはな」

 

グレモリー家の本邸に帰ってきた俺達。

そこで迎え入れてくれたのはアザゼル先生だった。

広いリビングに集合し、

先生に先程の会合の顛末を話した。

 

「人間界の時間では現在七月二十八日。

対戦日まで約二十日間か」

 

「しゅ、修行ですか?」

 

イッセーが訊くと先生はうなずく。

 

「当然だ。明日から開始予定。

すでに各自のトレーニングメニューは考えてある」

 

「でも、俺達だけ堕天使総督のアドバイス

受けてていいのかな?

反則じゃないんですか?」

 

イッセーがそう言うが反則ではないだろう

俺達にある強みは生かすべきだろうな。

 

「別に。俺はいろいろと悪魔側に

データを渡したつもりだぜ?

それに天使側のバックアップ体制

をしているって話だ。

あとは若手悪魔連中の己のプライド次第。

強くなりたい、種の存続を高めたい、

って心の底から思っているのなら

脇目も振らずだろうよ」

 

「うちの副総督も各家にアドバイス

与えてるぐらいだ。ハハハ!

俺よりシェムハザのアドバイス

の方が役立つかもな!」

 

んな不安にある事言うなよ。

 

「まあいい。明日の朝、庭に集合。

そこで各自の修行方法を教える。

覚悟しろよ」

 

『はい!』

 

先生の言葉に全員が重ねて返事をした。

っと、そこへグレイフィアさんが現れる。

 

「皆さま、温泉のご用意が出来ました」

 

 

―〇●〇―

 

 

俺は温泉に入る前に部屋に一度戻ってきていた。

 

「…目標か」

 

俺には夢が無い。今日皆の目標を聞いて

改めて思った。

皆大層な目標を持っていた。

あのイッセーだってハーレムという夢がある。

だからこそ俺には何も無いのは気にしていた。

 

「何か悩みユウスケ?」

 

ベッドに腰掛けていると

いつの間にか入ってきていた

奈美先輩が声を掛けてくる。

 

「奈美先輩、どうして?」

 

「なにか思いつめた顔してたからね

今回の会合で何かあったんでしょう?」

 

奈美先輩には何もかもお見通しか、

 

「ええ、少し思うところがあって、

俺には夢がないんです。

やりたいことも無くて、

只周りに流されている

そんな自分を変えたくて

駒王学園に入ったのに

何も変わってないのが悔しくて」

 

奈美先輩が俺の隣に腰掛ける。

 

「夢ね…貴方に夢がないなんて言うけれど

私はそうは思わないわ。

そう言えば、貴方に私の夢話したこと

無かったわね」

 

「先輩の夢ってビッグニュースを

取る事じゃないんですか?」

 

「それは新聞部での目標よ

私の夢はね気象予報士の資格を取って

お天気お姉さんをするのが夢なのよ」

 

それが奈美先輩の夢?

 

「始めて聴きましたよ」

 

「ええ、言ってないからね

子供の時に見たお天気お姉さん

に憧れて目指そうと思ったの」

 

「でも、俺に夢が無いとは思わないのは?」

 

そう、奈美先輩はそう言っていた

それはどういう意味だ?

 

「だってあなた夢が無いって言うけれど、

自分の夢を見つけるって夢があるじゃない

夢は人の原動力よ貴方にはそれが十分あるじゃない

夢を見つける為に駒王学園入ったんでしょう

あなたの夢は必ず見つかるわよ」

 

奈美先輩が優しく微笑みそう言ってくれる。

 

俺は流れた涙を見せないように

顔を逸らす。

 

「ふふふ、私は先に温泉行ってるわね

またあとでねユウスケ」

 

奈美先輩が部屋を出ていくのを

確認して俺は涙を拭う。

 

「やっぱり、敵わねぇな

だけど、夢を見つけるのが夢か!

立派な夢も出来た!皆に負けてらんねえな!」

 

俺は新たに覚悟を決めて

気分転換に温泉へと向かうと

 

女子風呂でのぼせたイッセーが

運び出されるところだった。

 

「はあ、何この状況?」

 

「イッセーの奴にはまだ刺激が強すぎたようだな」

 

驚く俺に風呂上がりのアザゼル先生が答える。

 

「あいつ煩悩全快ですけど、

耐性無いからそりゃそうなるでしょうね」

 

「ま、良い経験だろう

おれは風呂上りに一杯やるさ

お前もいい顔になったみたいだし

明日からはビシビシいくから

覚悟しろよ!」

 

「はい!」

 

アザゼル先生はそういい

手を振って通路を進んでいく。

 

「流石組織のトップか

あちらもお見通しか」

 

俺は気持ちを切り替えるべく

温泉へと向かうのだった。

 




自身の夢を見つけたユウスケ
そして来るシトリー家との
ゲームに向けて修行を開始する一同
今回はどのような修行を行うのか!

次回、第60話「指導」

是非見てくれよな。

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。