小猫ちゃんを追うユウスケ達。
追いかけた先では
予期せぬ来客が皆を迎えるのだった。
エレベーターは一階まで降りた。
外に出て、近くにいた悪魔に
小猫ちゃんの特徴を伝えて、
此処を通ったか尋ねてみる。
何人目かで、外に出た事が判明した。
リアス先輩は急いで使い魔のコウモリを
呼び出して空へ放った。
コウモリが返ってくるまで、
俺達は公園の外にある噴水前で待機した。
「やはり小猫の様子はおかしいわね」
「ずっと落ち込んでいたのに
彼女に何かあったんですかね」
「でも、小猫ちゃんが
あそこまで追う者って何でしょうか?」
イッセーの問いにリアス先輩は
深く考え込むが、何も答えてくれない。
少ししてリアス先輩のコウモリが帰ってくる。
「見つけたようね。森?
ホテル周辺の森にあの子は行ったのね?」
俺達はコウモリの後を追って走り出す。
明るい場所を抜け出て、
闇夜の森を俺達は走り抜く。
なんとか、人の手が入っているようで、
走れない程ではない。
森を進むこと数分。
リアス先輩が俺達の腕を引き、
木の陰に隠れさせる。
木から顔を少し覗かせると、
小猫ちゃんの姿が!
小猫ちゃんは何かを探し求める
ように森の真ん中でキョロキョロと
首を動かしていた。そして、
何かに気付いて視線をそこへ。
俺達も小猫ちゃんの視線の先に
目を向けた。
「久しぶりじゃない?」
聞き覚えのない声が聞こえた。
音も立てずに現れたのは
黒い着物に身を包んだ女性だった。
どことなく、小猫ちゃんに似ている。
…って、よく見れば頭部に猫耳が!?
彼女の正体に気が付いた俺達に、
リアス先輩は「しーっ」と
様子を静観するように指示してくる。
「っ!……あなたは」
小猫ちゃんは酷く
驚いた様で全身を震わせていた。
「ハロー、白音。お姉ちゃんよ」
白音?
それが、小猫ちゃんの
本名なのか。
確か小猫って名前はリアス先輩
が与えたと言ってたな。
「黒歌姉さま……!」
絞りだすような声の小猫ちゃん。
っ!
小猫ちゃんのお姉さん!
確かにどことなく似ている気がする。
ってことはあいつは
主殺しの危険な「はぐれ悪魔」
ってことじゃねぇか!
黒歌の足元に黒い猫がすり寄る。
「会場に紛れ込ませたこの黒猫一匹で
ここまで来てくれるなんて
お姉ちゃん感動しちゃうにゃ!」
なるほど、小猫ちゃんは
あの黒猫を会場で見かけてここまで
来たのか。
「…姉さま。これはどういうことですか?」
小猫ちゃんの声には怒気が含まれていた。
しかし、相手は笑うだけだ。
「怖い顔しないで。ちょっと野暮用なの。
悪魔さん達がここで大きな催ししているって
いうじゃない?だからぁ、
ちょっと気になっちゃって。にゃん♪」
手を猫みたいにしてかわいくウインクする
黒歌。
「ハハハハ、こいつ、もしかして
グレモリー眷属かい?」
「こいつが、前に話していたお前の妹か?」
今度は聞き覚えのある声が。
さらに姿を現したのは
古代中国の鎧みたいなのを
着た男。孫悟空の美猴ッ!
それにもう一人は、
ラフな服装の茶髪の男
間違いない!東城雄輔ッ!
こいつらは『禍の団』だったはず!
このパーティーを狙ったテロ行為か!
ふいに美猴の視線が俺達の方へ向けられる。
気づかれたか!?
「気配を消しても無駄無駄。
俺っちや黒歌みたいに仙術知ってると、
気の流れの少しの変化だけで
だいたいわかるんだよねぃ」
バレたか、
流石にここで戦闘は避けたかったんだがな。
俺達は意を決して、
木陰から姿を現した。
俺達を確認して、
小猫ちゃんは驚いていた。
「…イッセー先輩、ユウスケ先輩、部長」
「よう、クソ猿さん。
ヴァーリは元気かよ?」
「久しぶりだな。東城、
まさか冥界で再会とはな」
「ハハハハ、まあねぃ。
そっちは…へぇ、
多少は強くなったのかねぃ」
「そうか、美猴がそう言うなら
楽しめそうだな」
俺達の体を見ただけで
そこまで分かるのか?
「言ったろ?俺っちは仙術も
嗜んでいるんでねぃ、
気の流れとかである程度わかるのさ。
お前さんらを覆うオーラの量
が以前よりも上がっていたんでねぃ」
ゲームや漫画でよく見る
仙術がまさか本当にあるとはな
しかも敵対するとは思わなかったぞ!
「なんでここにいるんだ?テロか?」
イッセーが三人に直球で訊ねるが、
三人共笑うだけだった。
「いんや、そういうのは俺っちらに
降りてきてないねぃ。ただ、
冥界で待機命令が出ていてねぃ。
俺達は非番なのさ。したら、
黒歌が悪魔のパーティ会場を
見学してくるって言いだしてねぃ。
なかなか帰って来ないから、
こうして迎えに来たって訳。OK?」
「おい、美猴あまりベラベラ
余計な事喋るじゃない」
「まあまあ、良いじゃねぃかい。
堅い事いうなよ」
東城が言う通り、
この猿結構重要なこと
喋っていたな。
相手の話が本当なら
偶然が重なっての遭遇って訳か。
「美猴、誰、この子達?」
黒歌が俺達を指差して美猴に訊く。
「赤龍帝とプロトクウガ」
それを聞いて、黒歌は目を丸くしていた。
「本当にゃん?へぇ~。
こっちがヴァーリを退けた
おっぱい好きの現赤龍帝と
ユウスケが気に入った
もう一人のクウガなのね」
…マジかよ、
イッセーは敵にもそんな
認識なのかよ。
美猴はあくびしながら言う。
「黒歌~、帰ろうや。
どうせ俺っちらはあのパーティに
参加できないんだし、無駄さね」
「既に時間を無駄にしてるんだ
美猴の言う通り帰るぞ黒歌」
「そうね。帰ろうかしら。
ただ、白音はいただくにゃん。
あのとき連れて行って
あげられなかったからね♪」
「あらら、勝手に連れ帰ったら
ヴァーリも怒るかもだぜ?」
「その妹は使えるんだろうな
黒歌?」
「ええ、この子にも私と同じ力が
流れていると知れば、オーフィスも
ヴァーリも納得するでしょ?」
「そりゃそうかもしれんけどさ」
「今は只の雑魚だろ。
即戦力にはなりそうにないが?」
「そこは私が手取り足取り、
鍛えてあげるにゃん」
黒歌が目を細める。
小猫ちゃんはそれを見て
小さな体をビクつかせた!
怖がっているのか。
そこへイッセーが両者の間に入り、
真正面から宣言する。
「この子は俺達リアス・グレモリー眷属
の大事な仲間だ。連れて行かせる
わけにはいかない」
「ああ、数は三対三だ、この子は
絶対奪わせやしない!」
俺もイッセーの隣に立ち、
三人に向けて吼える。
俺達の行動を見て、
美猴も黒歌も東城も笑う。
「いやいや、勇ましいと思うけどねぃ。
流石に俺達相手にできんでしょ?
今回はその娘もらえればソッコーで
立ち去るんで、それで良しとしようやな?」
そんなことを美猴は言う。
完全に舐めてやがるな。
このクソ猿が!
リアス先輩が憤怒の表情で前に出る。
「この子は私の眷属よ。
指一本でも触れさせないわ」
「あらあらあらあら、何を言っているのかにゃ?
それは私の妹。私にはかわいがる権利があるわ。
上級悪魔様にはあげないわよ」
ピリッ。
この空間の空気が様変わりしたのはわかる。
リアス先輩とお姉さんが睨み合って、
一触即発の様相を帯びてきた!
先に睨みを止めたのは黒歌だった。
ニッコリ笑うと言う。
「めんどいから殺すにゃん♪」
っ。
その瞬間、言い知れない感覚が俺達を襲う!
なんだ、別の場所に飛ばされた感じがしたぞ!
風景は変わらないのに、
空気と雰囲気だけが変わったようだ。
「…黒歌、あなた、仙術、妖術、魔力だけじゃなく、
空間を操る術まで覚えたのね?」
リアス先輩が苦虫を噛んだ表情で言う。
「時間を操る術までは覚えられないけどねん。
空間はそこそこ覚えたわ。
結界術の要領があれば割かし楽だったり。
この森一帯の空間を結界で覆って外界から
遮断したにゃん。だから、
ここでド派手なことをしても外には漏れないし、
外から悪魔が入ってくることもない。
貴方達は私達にここで殺されてグッバイにゃ♪」
黒歌の話しが本当なら増援は望めない。
俺達だけでこの場を何とかしないといけないのか。
こいつら相手に逃げられそうにもないからな。
その時だった。空中高くから、声が聞こえてくる。
「リアス嬢と兵藤兄弟がこの森に行ったと
報告を受けて急いで来てみれば、
結界で封じられるとはな…」
この声!見上げるとそこには。
「タンニーンのおっさん!」
元龍王のタンニーン!
まさかここで心強い援軍が現れるとは!
「ドス黒いオーラだ。
このパーティには相応しくない来客だな」
美猴が空のドラゴンを見て歓喜する。
「おうおうおう!ありゃ、
元龍王の『
まいったね!こりゃ、もう大問題だぜ、
ユウスケ!黒歌!やるしかねぇって!」
「うれしそうね、お猿さん。いいわ。
龍王クラス以上の首を二つ持っていけば、
オーフィスも黙るでしょうね」
「いいね。こうでないと、
あのクウガの首を持っていけば
奴等も俺が真のクウガと認めるだろうしな」
黒歌とユウスケも殺気を放って
こっちを見つめている。
前と違って今度は
俺達を殺す気でくるな。
「筋斗雲ッッ!」
叫ぶ美猴の足元に金色の雲が出現し、
そのままタンニーンのいる空へ飛び出しいく!
「如意棒ッ!」
美猴の手元に長い棒が現れ、
タンニーン目がけて解き放つ!
「伸びろォォォォッ!
如意棒ッッ!」
ギュゥゥゥゥゥゥンッ!
棍が伸びてタンニーンを襲おうとするが、
その巨体に似つかわしくない速度で
回避する!速いッ!体はあんなに大きいのに、
動きは俊敏なものだ!
「もう一丁!」
美猴はそのまま長く伸びた棍を横薙ぎに振るい、
回避したタンニーンに追撃する!
しかし、タンニーンは翼をうまく使って
宙で回転し、さらに回避した!
回転した状態のままタンニーンが
口を大きく開くッ!
ゴバァアアアアアアアアアンッ!
大質量の火炎が空一面を覆い尽くした!
これが龍王クラスのブレスかッ!
以前アザゼル先生がタンニーンの火の息は
隕石の衝撃と同じぐらいだと言っていた。
ならこれほどの炎でも全力じゃあないって事か。
俺達を気にして力を抑えているのか!
大質量の炎が消え去った後
空中には全身から煙を立てる美猴の姿が。
「アハハ!やるねぃ!元龍王!」
笑っている。
鎧や衣服は焦げているだけで、
身体の方は無事だった。
あの威力の炎を食らって
生きているなんて、
さすが孫悟空ってことか!
「ふん!何者かと思えば孫悟空か!
このタンニーンの一撃を
受けきるとはなんとも
楽しませてくれるわ!」
「美猴ってんだ!
よろしくな、ドラゴンの大将!」
「クククク。猿如きが言ってくれる。
お前ら、いったい何を相手に
しているのかわかっているのか?」
「俺っちも伝説の妖怪の血を
引いてるんでねぃ。
そうそうやられるわけにもいかないさ」
「何にせよ、この猿は俺が相手してやろう。
リアス嬢と兵藤兄弟はその間にその猫と男
を倒して見せろ。
赤龍帝の主と赤龍帝、クウガだろう?
それぐらい乗り越えてみるんだな」
俺達でこの二人の相手か。
人数としたら四対二だがな。
「ハハハハッ!大きく出たねぃ!
俺っちと一人でいいだなんてさ!」
「鳴くな、猿。たかが猿一匹だ。
造作もない!それで豚と妖仙はどうした?
仲違いか?」
「八戒と悟浄の末裔のこかぃ?
ハハハハ!俺っちの一族の奴等も含めて、
皆保守派さね!だからこそ、『
の誘いも喜んで受けて白龍皇ヴァーリ
と行動共にしてたりしてんだよねぃ!」
「フン!初代に一番近しい気性は
貴様かもしれんが、
白龍皇と何を企んでいる?
噂では貴様達の部隊だけ別行動
を許されているというではないか!
オーフィスの『蛇』も与えられていない
唯一のチームとも聞いた!」
「聞きたきゃ俺っちに
勝ってみなよ!」
「言うか、猿めッッッ!ここは『あの世』
と呼ばれし地獄こと冥界だ!
貴様ら雑魚が後悔するには最高の場所だと知れッ!」
ドンッ!ドゴンッ!
タンニーンと猿が空中で激闘を
繰り広げ始めた。
元龍王ならあの孫悟空を
倒してくれるだろう。
問題は…。
「にゃん♪」「フフフ」
黒歌と東城だ!
二人共笑っているが、
ドス黒いオーラを全身から
滲みだしている!
二人からは俺達への
強い悪意と殺意を感じる!
「…姉さま。私はそちらへ行きます。
だから、二人は見逃してあげてください」
ッ!?
突然小猫ちゃんがそんなことを口走る!
「何を言うん」
俺が言い掛けようとするが、
「何を言っているの!?小猫!
貴方は私の下僕で眷属なのよ!
勝手は許さないわ!」
リアス先輩が間髪入れずに
小猫ちゃんを抱きしめる!
しかし、小猫ちゃんは
首を横に振る。
「…駄目です。姉さまの力を
私が一番よく知っています。
姉さまの力は最上級悪魔に
匹敵する者。
部長とイッセー先輩、
ユウスケ先輩では…。
元龍王の力があっても幻術と
仙術に長けている姉さまを
捉えきれるとは思えません…」
「いえ、それでも絶対に貴方は
あちら側に渡すわけにはいかないわ!
あんなに泣いていた小猫を目の前の
猫又は助けようともしなかった!」
リアス先輩の激昂に黒歌は笑う。
「だって、妖怪が他の妖怪を助ける
わけないじゃない。ただ、
今回は手駒が欲しいから
白音が欲しくなっただけ。
そんな紅い髪のお姉さんより
私の方が白音の力を
理解してあげられるわよ?」
黒歌の言葉に小猫ちゃんは首を横に振る。
「…イヤ…あんな力いらない…
黒い力なんていらない…
人を不幸にする力なんていらない…」
ふるふると震え、
涙をポロポロこぼし始めた。
リアス先輩はいっそう強く抱きしめる。
「黒歌…。力におぼれたあなたはこの子に
一生消えない心の傷を残したわ。
貴方が主を殺して去ったあと、
この子は地獄を見た。私が出会った時、
この子に感情なんてものはなかったわ。
小猫にとって唯一の肉親であった
貴方に裏切られ、頼る先を無くし、
他の悪魔に蔑まれ、罵られ、
処分までされかけて…。
この子は辛い物を沢山見てきたわ。
だから、私はたくさん楽しい物を
見せてあげるの!
この子はリアス・グレモリー眷属の
『戦車』塔城小猫!
私の大切な眷属悪魔よっ!
貴方に指一本だって
触れさせやしないわっ!」
それを聞いて、小猫ちゃんは
涙を溢れさせていた。
「…行きたくない…。私は塔城小猫。
黒歌姉さま、貴方と一緒に行きたくない!
私はリアス部長と一緒に生きる!生きるの!」
小猫ちゃんの叫び!
それは姉との絶縁とも言える宣言だった。
よし!小猫ちゃんの本音を
聞いたんだ!俺達もやる気が出てきたぜ!
「よーし、もういいか?
殺ろうぜ!祐介!」
東城が赤のクウガに変身する。
「お前の相手は俺がする。
いいだろ?黒歌!」
「別にいいにゃん♪
私はそこの二人を相手にするにゃん♪」
「ハハ、いくぞ!」
東城は俺に突然殴りかかってくる。
俺は即座に変身し、ガードするが、
耐えられず吹き飛ばされてしまう。
「おいおい、簡単にはやられてくれるなよ!」
吹っ飛ばされた先で体制を立て直した俺に
東城が肩を回しながら声を掛けてくる。
皆と分断された。だが、コイツの相手は
俺がやるべきだな。
修行の成果見せてやる!
「超変身!」
俺は『
近くの枝を折りレイピアに変化させる。
「またその姿かそいつの攻撃はタイタンで防いだし、
それにな」
東城は話の最中、『
跳躍で俺との距離を詰めてくる!
「こうやって、距離を詰めれば狙う暇もねぇだろ!」
俺は慌てず呪文を呟く。
「炎よ!」
『Fire!』
ボォウッ!
呪文の後、俺の周りを炎のサークルが展開される!
「クッ!」
東城は炎に気が付くと即座に距離を取った。
「そりゃ避けるよな。
紫と違ってその姿は
防御力は下がってるもんな?」
俺の質問に東城は舌打ちしこちらを警戒する。
「チッ!炎を自身の周りに展開したのか
確かにそれなら狙う必要もないし、
相手から当たってくれるってか」
そう俺は修行中にこの魔法の使い方を
思いついた。
それは騎士のチェス兵と戦っていた際、
アザゼル先生から『僧侶の姿でそいつと
戦えるように戦い方を考えろ』と言われて
俺は狙うんではなく相手から当たるように
魔法を放つことを思いついたんだ!
「やっぱり、強くなったんだな」
「修行の成果さ!
もっと見せてやるよ!」
「雷よ!」
『Thunder!』
俺が剣を天に掲げると、
東城の頭上から一本の雷が落ちてくる。
「クッ!マジかよ!」
東城は雷に即座に気が付き
横に飛び避けられてしまう。
そう、俺は奈美先輩との修行で
新たに雷の魔法を覚えた。
「新たな魔法か!
やっぱりお前は面白いな!」
「新たな魔法はこれだけじゃないぜ!
水よ!」
『Water!』
俺が登場に向けた剣先から水球が放たれる!
「たかが水で!
っいや!これは」
東城は水を手で払おうとし、
即座に回避して水球を避けた。
バキィッ!
水球は後ろの木に当たり
木をへし折る。
「只の水でこの威力か。
だが目的は雷への布石か」
そこに気が付くかよ。
そう水の魔法は当たれば相手を濡らして
周りに水が飛び散る。
そうすれば雷を水に当てるだけで感電させられる
攻撃の範囲も広がるって寸法だった。
まさか所見で気が付くとはな。
俺はその後、東城に雷を放ち
変身の隙を与えなかった。
「ったく、発動速度がいやに早いなこの雷、
時たま水も混ぜて、自身に有利な
状況にしようってか、
前よりも魔力が増えたようだし
持久戦はこっちに不利そうだな」
確かにスタミナが増えたおかげで
持久戦も出来るようになったが、
俺の方も決定打にかけている。
せめて一発でも当たれば、
こっちに有利に進むというのに!
そんな時、空からタンニーンの
驚愕の声が聞こえてくる。
「お、おい!戦場の最中、何をしている!」
そちらへ視線を向けてみるとイッセー達が居た
辺りが霧に包まれていた。
あれは黒歌の能力か!?
「おっさん!俺が部長の乳をつつく間、
保ってくれよ!」
俺は霧から聞こえて来た
イッセーの叫びに我が耳を疑った。
タンニーンも目玉が飛び出る勢いの
驚き顔となっていた。
「乳をつつく!?乳をつくだと!?
何を言っている!?
お前は戦場のど真ん中で
何をしようとしているのだ!?」
「つついたら
可能性が高い!」
「俺との修行は無駄か!?
お前がそこまでバカだったとは!」
戦場で突然起きたイッセーの奇行に
東城も動揺を隠せないでいた。
「これは何かの作戦か
戦いの最中でこんなこと
意味が分からないだろ!」
残念ながらイッセーは本気なんだろう。
「おっさん!大変だ!」
「どうした!何かあったのか!」
イッセーの慌てたような叫びに
タンニーンが確認する。
「右のおっぱいと左のおっぱい!
どっちをつついたらいい!?」
「イッセーのバカ野郎ォォォォッ!
今は戦闘中なんだぞ!
右も左も変わんねぇだろ!
さっさと突いて至れェェェェッ!」
「ふざけんなユウスケ!
右と左が同じわけねぇだろォォォォッ!
大切なんだよ!俺のファーストブザー
なんだぞ!人生かかってんだ!」
あまりにふざけたイッセーの問いに
俺も頭にきてイッセーと口論する。
「はあ、戦いの最中にこの茶番
付き合い切れないな、
もう真面目に戦うのも馬鹿らしく
なってきた」
東城から先程まであった
殺気が薄れていく。
完全に戦うやる気が無くなってしまったようだ。
「やめた、戦いはもっと神聖なものだ
こんな気持ちで戦っても楽しくない
お前との決着はまた今度だ」
東城はそう言って、黒歌たちの方へ跳んで行ってしまう。
まさか、こんな方法で戦いを止めるとはな。
後はイッセーの方の戦いか。
そちらの方へ視線を向ければ
カッ!
霧の中から紅い閃光がオーラと共に
放たれた瞬間だった。
修行の成果を発揮し
戦う祐介。
戦いの最中に起きた
イッセーの奇行は
何を意味するのか?
イッセー覚醒の時!?
次回、第64話「赤龍帝」
是非見てくれよな。
外伝でやってほしいコラボは?
-
仮面ライダークウガ(五代雄介)
-
仮面ライダーディケイド
-
忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
-
その他(希望があれば感想へ)