ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

68 / 132
突如現れた
黒歌、美猴、雄輔。
ユウスケ達は
この窮地を突破する事が
出来るのか!

鍵はイッセーが握っている!



第64話「赤龍帝」

霧の中より赤い閃光と共に

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の音声が

響き渡る。

 

Welsh Dragon(ウェルシュ・ドラゴン)Balance Breaker(・バランス・ブレイカー)!!!!!!!』

 

霧の中から魔力弾が飛び出し、、

森の遥か先に消えていく。

刹那。赤い閃光が走る。

 

ドッドッォオオオオオオオオオンッッ!

 

森の先から爆音が鳴り響き、

爆風がこちらにまで届いてくる!

 

その一撃の爆風で霧が吹き飛ばされて霧散する。

そして、霧の中から紅い鎧を身に纏った。

イッセーの姿が現れる。

 

今の一撃はイッセーが放ったのか!

なんて威力だよ!

これが真の禁手(バランス・ブレイカー)の力か!

 

「ハハハハ!久しいな、

この赤い一撃ッ兵藤一誠!

遥か先にある山が丸ごと消え去ったぞ!

ついでにこの周辺を覆っていた

結界も吹き飛んだ!」

 

上空のタンニーンがそう言った。

 

「フハハハハハッ!

遂に至ったか!

なるほどなるほど!

大した力の波動だ!

いいオーラの塩梅だぞッ!」

 

空中のタンニーンが大笑いしていた。

だが、いまので結界が消えたなら

外の人達にもここが知られたはずだ、

 

「アハハハハ!」

 

他にも笑う者がいた。黒歌だ!

 

「ハッ!面白いじゃないの!

なら、妖術仙術ミックスの

一発お見舞いしようかしら!」

 

黒歌の両手がそれぞれ違う力

を纏い始める。

 

ドゥッ!

 

そのまま両手から二種類の

波動を撃ちだした!

 

 

イッセーはそれを真正面から受け止める!

 

ドドンッ!

 

「こんなもんか?」

 

真正面から攻撃を受けた筈の

イッセーは無傷で立っていた。

その姿に黒歌は表情を一変させ、

驚いていた。

 

「効かない!?嘘でしょ。

かなりの妖力を練り込んだのよ!」

 

ドッ!

 

イッセーはその場を勢いよく飛び出し、

黒歌との距離を一気に詰めた!

 

「調子に乗らないでよッ!」

 

黒歌が先程の波動を幾重にも撃ちだしてくるが、

 

イッセーはそれらを打ち返し、

時には弾き飛ばして黒歌の眼前まで迫った!

 

ブゥゥゥゥンッ!

 

イッセーは拳を繰り出すが、

黒歌の鼻先で静止させた。

止めた余波で周囲の空気が振動し、

草木が大きく揺れる。

拳の一撃に畏怖する黒歌に

イッセーが言う。

 

「俺の可愛い後輩、泣かすんじゃねぇよッ」

 

「ッ」

 

「次に小猫ちゃんを狙ったら、

この一撃を止めない。

あんたが女だろうが、

小猫ちゃんのお姉さんだろうが、

俺の敵だッ!」

 

イッセーが拳を引くと、

黒歌はすぐさま後方へ

飛び退き距離を取った。

 

「…クソガキがっ!」

 

毒づく黒歌だが、

その瞳には怯えが見える。

イッセーの纏う鎧は

俺から見ても尋常じゃない

プレッシャーを放っていた。

 

それを見ていた美猴が哄笑を上げる。

 

「ヒャハハハハ!こりゃ面白いや!

ドラゴンの親玉が二匹も!

これを楽しまなきゃ嘘ってもんだぜぃ!

なあ、ユウスケ!」

 

「まあ、あの強さには興味あるがな

俺はもうやる気はないよ」

 

如意棒をくるくる回して、

美猴は戦闘継続の意思を見せる。

 

それに比べて、東城は

既に戦う意思は持ってなかった。

 

今ならここでこいつらを倒せるか!?

五対三だが、直ぐに応援も到着するだろう!

 

と、俺達が覚悟を決めたとき、

目の前の空間に裂け目が生まれる!

 

裂け目から姿を現す者がいる、男性だった。

背広を着た若い男性。

手に極大なまでに聖なる

オーラを放つ剣が握られている。

あ、あれは聖剣か?

 

「そこまでです、雄輔、美猴、黒歌。

悪魔が気付きましたよ」

 

メガネをした男性は三人にそう言う。

新手!?『禍の団(カオス・ブリゲード)』のメンバーか!

 

シュタッ。

 

空中から降りてきた美猴。

「お前、ヴァーリの付き添い

じゃなかったかい?」

 

男性は眼鏡をくいっと上げて言う。

「黒歌が遅いのでね、

見に来たのですよ。

そしたら雄輔と美猴までいる。

まったく、何をしているのやら」

 

ため息をつく男性。

 

「全員、そいつに近づくな!

手に持っている物が厄介だぞ!」

 

タンニーンが俺達にそう叫ぶ。

 

「聖王剣コールブランド。

またの名をカリバーン。

地上最強の聖剣と呼ばれる

コールブランドが白龍皇の元に…」

 

苦笑するタンニーン。

 

「しかし、二刀?

鞘に納めている方も聖剣だな?」

 

タンニーンの問いに男性は

腰の帯剣を指差す。

 

「こっちは最近発見された最後の

エクスカリバーにして、

七本中最強のエクスカリバー。

支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』ですよ」

 

エクスカリバー!?

行方不明の一本が見つかったのか!

 

「そんなに話して平気なの?」

 

黒歌の言葉に男性は頷く。

 

「ええ、実は私もそちらのお仲間さんに

大変興味がありましてね。

赤龍帝殿、兵藤祐介殿、

聖魔剣の使い手さんと

聖剣デュランダルの使い手さんに

よろしく言っておいてくださいますか?

いつかお互いいち剣士として相まみえたいと」

 

大胆不敵だな。

二人がこの話を聞いたら、

どう思うかね。

 

「さて、逃げ帰りましょう」

 

男性がコールブランドとかいう剣で

空を斬ると空間の裂け目が更に広がり、

人が数人潜れるだけのものになる。

 

「さようなら、赤龍帝、兵藤祐介」

 

男性がそれだけ言い残すと、

ヴァーリの仲間達は空間の

裂け目に消えていった。

その後、騒ぎを嗅ぎつけた

悪魔の皆さんに俺達は保護され、

魔王主催のパーティは

禍の団(カオス・ブリゲード)』襲来により

急遽中止になったのだった。

 

 

ー〇●〇ー

 

 

アザゼルside

 

「失態ですね」

 

魔王領にある会談ルームで

うちの副総督シェムハザが、

開口一番にそれを言った。

俺は隣で「ほどほどにな」と

心中で思いながら、茶を飲んでいた。

魔王主催のパーティの日、

悪魔達は『禍の団(カオス・ブリゲード)』の襲来を受けた。

正確に言うなら、「結果的にそうなった」

と言うべか。

冥界指名手配中のSS級はぐれ悪魔

『黒歌』がパーティを使い魔使って

見に来ていたなどと、

誰も予想だにしなかっただろう。

その後、リアス・グレモリー眷属と

最上級悪魔のタンニーンが接触。

これを撃退。

事態は最小限に収まったが、

パーティ会場の隙を突かれたのは、

他の勢力にとって、

悪魔の警戒心の有無を

問う者だろうさ。

見ての通り、堕天使側の

シェムハザくんと天使側の

セラフさん達はお怒り中だ。

まあ、俺も人のこと言えないんだけどな。

総督の俺がハメを外して

カジノに夢中だったなんて

口が裂けても言えない。

即協定違反とされて、

大変なことになる。難しいもんだな。

シェムハザがさらに報告する。

 

「相手は『禍の団(カオス・ブリゲード)』独立部隊

『ヴァーリチーム』の孫悟空『美猴』と

クウガ『東城雄輔』と猫魈『黒歌』、

さらに聖王剣コールブランド使いも関与。

一人一人が絶大な力を有する

チームの四名も来るとは…。

だいたい悪魔の管理能力は」

 

あーあ、

こいつの小言が始まると長ぇんだ。

まいったね。

事件的には収集がついている。

リアスと小猫が黒歌の毒に当てられたが、

幸いにも軽症ですぐに解毒は済んだ。

ユウスケも修行の成果が出たようだし、

むしろ、全員無事の状況で

イッセーが禁手(バランス・ブレイカー)

に至ったってのは嬉しい誤算だ。

その辺、皆は心中で分かってはいるんだよな。

魔王の妹リアス姫は無事。

赤龍帝は最初の一歩を踏み出した。

パーティは中止されたが、

大局を見れば大きな収穫だ。

 

遠くでは、チビドラゴン化して

出席しているタンニーンと

上役達がもうすぐ開かれる

リアスとソーナ・シトリーの

戦いを予想していた。

 

「俺はリアス嬢を応援させてもらおうか。

何せ、俺が直々鍛え込んだ赤龍帝が

いるのでな。ククク、

おもしろいい小僧だぞ」

 

「アザゼルのもたらした知識は

レーティングゲームに革命を

起こしそうだよ。

下手すれば半年以内に

上位陣に変動があるかもしれない」

 

「そりゃ良かった。

ここ十数年もトップの十名に

変化が無かったものですから。

これで面白いゲームが

拝めそうですな」

 

ハハハハ、協定してから緊張感ねぇなぁ。

大丈夫かね、三大勢力。

 

そのとき。部屋の扉が開かれる。

そこに姿を現す人物に誰もが

度肝を抜かした。

 

「ふん。若造共は老体の出迎えも出来んのか」

 

古ぼけた帽子を被った隻眼の爺さん。

白い髭を生やしており、

床につきそうなぐらい長い。

服装も豪華絢爛というよりは

質素なローブだ。

杖をしているが、

腰を痛めているわけでもないだろうさ。

 

「オーディン」

 

そう、正体は北欧の神々の主神オーディン!

鎧を着た戦乙女のヴァルキリーを

引き連れてのご来場だった。

 

「おーおー、久しぶりじゃねぇか、

北の田舎クソジジイ」

 

俺が悪態つくと、

オーディンはヒゲをさすった。

 

「久しいの、悪ガキ堕天使。

長年敵対していた者と

仲睦まじいようじゃが…

まだ小賢しい事でも

考えているのかの?」

 

「ハッ!しきたりやら何やらで

古臭い縛りを重んじる

田舎神族と違って、

俺等若輩者は思考が柔軟でね。

煩わしい敵対意識よりも

己らの発展向上だ」

 

「弱者どもらしい負け犬の精神じゃて。

所詮は親となる神と魔王を失った

小童の集まり」

 

このクソジジイは…。

口数だけは相変わらず減らねぇ。

 

「独り立ち、とは言えないものかね、

クソジジイ」

 

「悪ガキどものお遊戯会にしか

見えなくての、笑いしか出ぬわ」

 

チッ。このままじゃ埒が明かねぇや。

そこへサーゼクスが席を立って招く。

 

「お久しゅうございます、

北の主神オーディン殿」

 

「サーゼクスか。ゲーム観戦の招待、

来てやったぞい。しかし、

お主も難儀よな。本来の血筋である

ルシファー眷属が白龍皇とは。

しかもテロリストとなっている。

悪魔の未来は容易ではないのぉ」

 

オーディンが皮肉を言うが、

サーゼクスは笑みを浮かべたままだ。

ジジイの視線がサーゼクスの

隣のセラフォルーに移る。

 

「時にセラフォルー。

その恰好はなんじゃな?」

 

セラフォルーの格好は日本の

テレビアニメの魔女っ子だ。

こいつもコスプレ好きだね。

 

「あら、オーディン様!

ご存じないのですか?

これは魔法少女ですわよ☆」

 

ピースサインを横向きに

チェキしやがったよ。

相手は北の神だぞ?

 

「ふむぅ。最近の若い者には

こういうのが流行っておるのかいの。

なかなか、悪くないのぅ。

ふむふむ、これはこれは」

 

スケベジジイめ。

顎に手をやりながら

セラフォルーのパンツやら

脚やら見てやがる。

そこへ介入する人影がひとつ。

例の戦乙女ヴァルキリーだ。

「オーディン様、卑猥な事はいけません!

ヴァルハラの名が泣きます!」

 

「まったく、お前は堅いのぉ。

そんなだから勇者(エインヘリヤル)

一人や二人、ものに出来んのじゃ」

 

オーディンの一言にヴァルキリーは

たちまち泣き出す。おいおい、

なんだ、こいつは。

 

「ど、どうせ、私は彼氏いない

歴=年齢の戦乙女ですよ!

私だって、か、彼氏欲しいのにぃ!

ぅぅぅ!」

 

オーディンも嘆息していた。

 

「すまんの。こやつは

儂の現お付きじゃ。

器量は良いんじゃが、堅くての。

男のひとつもできん」

 

ジジイの人選はわからん。

それであんたを守れるのかね?

まあ他の業界への

ツッコミはいいか。

オーディンはサーゼクスに訊く。

 

「聞いとるぞ。サーゼクス、

セラフォルー、おぬしらの

身内が戦うそうじゃな?

まったく、大事な妹達が

親友同士というのにぶつけおって

からに。タチが悪いのぉ。

さすがは悪魔じゃて」

 

「このぐらい突破してもらわねば、

悪魔の未来に希望が生まれません」

 

「うちのソーナちゃんが

勝つに決まってるわ☆」

 

各魔王様方は自分の妹が

勝つと信じているからな。

 

オーディンは空いている席に

座ると、ふてぶてしく言う。

 

「さてと。『禍の団(カオス・ブリゲード)』もいいんじゃがの。

わしはレーティングゲームを観に来たんじゃよ。

日取りはいつかいな?」

 

パーティでの一件は後日話す事となり、

オーディンの突然の登場により、

話題は今度開かれるゲームの話となる。

各勢力の要人をしこたま

ゲーム観戦に招待したからな。

俺は休憩といって席を一旦立ち、

廊下の長椅子で休んでいた。

お偉方でやる会議やら

会議は肩が凝るんでね。

長椅子に座っていると、そこへ

サーゼクスが姿を現した。

なんだ、こいつも抜け出てきたのか?

隣に座ると俺に訊く。

 

「アザゼル、ゲームが始める前に

ひとつ聞いてもいいだろうか?」

 

「なんだよ?」

 

「お前がリアスの対戦相手なら、

グレモリー眷属のなかで

確実に誰を取る?」

 

「イッセーとユウスケだなリアスのチームは

どいつもこいつもなんとなく

感じているはずだ。

眷属のテンションを維持して

いるのはあの二人だと、な」

 

テンションってのは戦いで大事なものだ。

それの変動ひとつでバランスが崩れ、

一気に負けるなんてことは

よくある話だ。逆もしかり。

イッセーとユウスケはリアス達にとって

精神的な柱になりつつある。

理由も理解できるぜ。

あいつらは何をやってもどこにいても

諦めずに前へ突っ走る。

その姿が眷属悪魔達の活力に

なっている部分があった。

 

サーゼクスは手を組み、

真剣な面持ちで言った。

 

「…ソーナは狙うだろうな」

 

心配か、妹が。俺は正直に言う。

 

「ああ、問題は取られた時だ。

奴等の気力が上がるか、

それとも落ちるか。

奴等はまだどちらも目の前でやられた事が

ないからな」

 

 

ー〇●〇ー

 

 

シトリー眷属とのゲーム決戦前夜。

俺達は先生の部屋に集まり、

最後のミーティングをしていた。

あの美猴や黒歌の襲来もあったけど、

グレモリー眷属とタンニーンで

追っ払ったことで一応の決着は付き、

今はもう事件について落ち着きつつある。

リアス先輩はあの戦いでまた評価を得たって話だ。

ヴァーリ眷属を退けたこと、

イッセーを禁手(バランス・ブレイカー)に至らせたこと。

これらはポイントが高かったみたいだぜ。

で、ミーティングってわけだ。

アザゼル先生がさっそく禁手(バランス・ブレイカー)

に至った俺に訊く。

「イッセー、禁手(バランス・ブレイカー)の状態はどうだ?」

 

「はい。なれるようになりましたが、

いくつか条件があります」

 

イッセーはその条件を話す。

 

「まず、禁手化(バランス・ブレイク)しようとすると、

変身まで時間がかかります。

籠手の宝玉に変身までにかかる

時間が表示されるんです。

しかも、一度その状態になると、

神器は使えません。

増大も譲渡も無理です。

中止もできません。

さらに言うなら一日一度しか

変身できなくて、一度変身すると

解除しても神器は力をほとんど失ってます」

 

それを訊いて先生は頷く。

 

「ああ、データの通りだ。

過去の赤龍帝もほとんど同じだ。

鎧を解除しても神器が使える

例があるけどもな。で、

お前の場合、変身までに要する時間は?」

 

「二分です」

 

「それは鍛えるか、慣れていけば

短縮できる。だが、その二分は死活問題だぞ。

ハッキリ言うなら、実戦ではほとんど

役に立たない。何よりも変身するまでの間、

ブーステッド・ギアそのものが

使えないのが痛すぎる。

二分あればお前を倒せる奴なんて

山ほどいるからな。

変身までの時間をどうやり過ごすか、

それを考えておけ。その二分間は、

おまえの一番の弱点だ」

 

その二分間をどうするか、

今後の課題か。

 

「普通のブーステッド・ギアの増大と譲渡も使い方

に幅があるから大事だ。しかし、

強敵と戦うならば禁手(バランス・ブレイカー)も必須。

通常状態と禁手(バランス・ブレイカー)状態は

一長一短だな。それで禁手(バランス・ブレイカー)の使用時間は?」

 

「はい、フルで三十分です。

力を使う場合、もっと減ります」

 

「初めてのお前にしちゃ良い方だな。

修行の成果だ。だが、

公式ゲームだったら完全にアウトだ。

三十分、しかも力の使用込みとなる

少なすぎて話にならん。

長丁場のゲームになることもあるんだ。

イッセーの制限時間は今後増やしていくしかないな」

 

そうだな、戦略的に使い所が難しそうだな。

 

「リアス、ソーナ・シトリーは

グレモリー眷属のことを

ある程度知っているんだろう?」

 

アザゼル先生の問いにリアス先輩は頷く。

 

「ええ、おおまかなところは

把握されているわね。たとえば、

イッセーや裕斗、朱乃、アーシア、

ゼノヴィアの主力武器は認識しているわ。

フェニックス家との一戦を録画した

映像は一部に公開されているもの。

さらに言うならユウスケの力や

ギャスパーの神器も

小猫の素性も割れているわ」

 

「ま、ほぼ知られているわけか。で、

お前の方はどれぐらいあちらを

把握してる?」

 

「ソーナのこと、副会長である『女王』のこと、

多数名の能力は知っているわ。

一部判明していない能力の者もいるけれど」

 

「不利な面もあると。まあ、

その辺はゲームでも実際の

戦闘でもよくあることだ。

戦闘中に神器が進化、

変化する例もある。

細心の注意をはらえばいい。

相手の数は八名。

まだ全部の駒はそろっていない

みたいだけれど、数ではこちらが上だ」

 

先生が用意したホワイトボード

に何かを書いていく。

 

「レーティングゲームは、プレイヤー

に細かなタイプをつけて分けている。

パワー、テクニック、ウィザード、

サポート。この中でなら、

リアスはウィザードタイプ。

いわゆる魔力全般に秀でたタイプだ。

朱乃も同様。木場はテクニックタイプ。

スピードや技で戦う者。

ゼノヴィアはスピード方面に秀でた

パワータイプ。

一撃必殺を狙うプレイヤーだ。

アーシアとギャスパーはサポートタイプ。

さらに細かく分けるなら、

アーシアはウィザードタイプの方に近く、

ギャスパーはテクニックタイプの方に近い。

小猫はパワータイプ。

ユウスケは姿を変える事で

テクニックやスピードタイプに

変わることが出来る。

小猫はパワータイプ。

で、最後にイッセー。

お前もパワータイプだ。ただし、

サポートタイプにもいける。

ギフトの力でな」

 

先生は十字線を引いて、

上下左右の端に各タイプ名を書いて、

グラフを描き、

各メンバーがどの位置にいるか、

わかりやすく図にしてもらった。

こうしてみると、

俺達グレモリー眷属って

結構バランスいいんだな。

ウィザードタイプのパワー寄り

の魔法剣士はいないけどな。

 

先生はパワータイプの

イッセーやゼノヴィア、小猫ちゃん

を一気に丸で囲うと言う。

 

「パワータイプが一番気を付けなくては

いけないのはカウンターだ。

テクニックタイプの中でも厄介な部類。

それがカウンター系能力。

神器でもカウンター系があるわけだが、

これを身につけている相手と

戦う場合、イッセーや小猫、

ゼノヴィアのようなパワータイプは

カウンター一発で形勢が逆転される

こともある。カウンターって

のはこちらの力プラス相手の

力で自分に返ってくるからな。

自分が強ければ強いだけ

ダメージも尋常ではなくなる」

 

なるほど、確かにイッセーの

力を返されれば驚異だな。

 

「カウンターならば、

力で押し切ってみせる」

 

勇ましいことをゼノヴィアは言う。

しかし、先生は首を横に振った。

 

「それで乗り切れることもできるが、

相手がその道の天才ならば話は別だ。

できるだけ攻撃を避けろ。

カウンター使いは術の朱乃や

技の木場、もしくはヴァンパイア

の特殊能力を有するギャスパーで

受けた方が良い。何事も根性だ。

パワータイプは単純に強い。

だが、テクニックタイプと

戦うにはリスクが大きいんだよ」

 

ゼノヴィアも先生の説明に黙ってしまった。

戦闘経験の豊富なゼノヴィアには

思い当たる節があったのかもしれない。

次に先生はイッセーに視線を向ける。

 

「イッセー、お前、禁手(バランス・ブレイカー)になれるように

なったが、木場に勝てる気がするか?」

 

「…正直に言うと、

スピードで翻弄されて、

攻撃が当たりそうにないです」

 

これはイッセーの本音だろう。

俺も同じ騎士なら速さは

互角には戦えるだろうが、

俺の剣技は未熟だ、

俺も木場には勝てる気がしない。

 

「そういうことだ。

木場もどちらかというと、

カウンター攻撃もいける口だ。

イッセー、お前もカウンター使い

の対策をしないと木場に一生勝てんぞ。

それが戦いの相性ってもんだよ」

 

確かに僧侶の姿なら、

木場には対抗できるのか?

いや、せめて戦車の

姿を手に入れないと厳しいだろう。

 

「リアス、ソーナ・シトリーの眷属に

カウンター使いがいるとしたら、

イッセーにぶつけてくるかもしれないぞ?

こいつの絶大なパワーじゃ、

カウンター食らったら一発アウトだ。

よーく、戦術を練り込んでおけ」

 

「でも、相手が女性なら可能性は…低いわ」

 

「…洋服崩壊(ドレス・ブレイク)。女性の敵ですから、

絶対に戦いたくないと思われます」

 

小猫ちゃんからの鋭い一言。

いつもの調子に戻ってきたな。

まあ、イッセーの煩悩は

女性の敵だからな

リアス先輩も頷いてるよ。

 

「ところでイッセー、

禁手(バランス・ブレイカー)に至ったことは

美猴達の襲来で周囲に

知られてしまったぞ。

ソーナ・シトリーも認識しているだろう。

十分に気をつけた方が良い。

お前なら、禁手(バランス・ブレイカー)に変身する前に

撃破される可能性が高いからな」

 

それは俺も心配だ。

 

「フッ。大丈夫です。

俺は大人ですから」

 

イッセーは額に手をやりながら、

ニヒルな笑みで返した。

 

「どうした?なんだか、

ずいぶん大人びたように見せているな?」

 

親指を突き立てて、

俺はうんうんと頷いた。

 

「あー、わかったわかった」

 

先生はペンをしまうと最後のまとめを言う。

 

「お前達が今回のゲームで勝利する確率は

八十パーセント以上とも言われている。

俺もお前達が勝つと思っているが

『絶対』に勝てるとは思っていない。

それに駒の価値も絶対的なものではない。

実際のチェス同様局面によって

価値は変動する」

 

先生は続ける。

皆、真剣に聞き入っていた。

この人の言葉は効く。

 

「俺は長く生きてきた。そのなか、

多種多様、様々な戦闘を見てきた。

だからこそ、言えるんだよ。

勝てる見込みが一割以下でも

勝利してきた連中がいたことを

俺は覚えている。

一パーセントの可能性を甘く見るなよ。

絶対に勝てるとは思うな。

だが、絶対に勝ちたいとは思え。

これが合宿で俺がお前達に

伝える最後のアドバイスだ」

 

それが今回の先生がした

最後のアドバイスだった。

 

その後、先生が抜けたメンバーで

決戦の日まで戦術を話し合ったのだった。

 

俺達が絶対に勝つために!




シトリー眷属達との
レーティングゲームが
ついに始まる。
予期せぬ事態に
ユウスケ達は不利な勝負を
挑むこととなる!

次回、第65話「冥界猫」

見てくれよな

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。