俺達はライバルとぶつかる!
この戦いは負けられない!
この胸の想いぶつけるだけだ!
俺達はフロアに集まり、開始の時間を待っていた。
そして、店内アナウンスが流れる。
『開始のお時間となりました。
なお、このゲームの制限時間は
短期決戦形式を採用しております。
それでは、ゲームスタートです』
短期決戦!
時間制限まであるのかよ。
レーティングゲームは
奥が深いな。
リアス先輩が椅子から立ち上がり、
気合の入った表情で言う。
「指示はさっきの作戦通りよ。
イッセーとユウスケと小猫、
祐斗とゼノヴィアで二手に分かれるわ。
イッセー達が店内からの進行。
祐斗達は立体駐車場を経由しての進行。
ギャスパーは複数のコウモリに変化して
の店内の監視と報告。
進行具合によって、私と朱乃と
アーシアがイッセー側のルートを
通って進むわ」
リアス先輩の指示を聞き、
全員耳に通信用のイヤホンマイク
を取り付ける。
「さて、かわいい私の下僕悪魔達!
もう負けは見せられないわ!
今度こそ、私達が勝つッ!」
『はいッ!』
全員が気合の入った返答を行う。
前回のゲームで悔いが残っている者。
参加できず後悔した者。
今回初参加でやる気がある者。
全員の心にあるのは
必ず勝つという自信だった。
「では、ゼノヴィア、行くよ」
「ああ、木場」
先に動いたのは木場とゼノヴィア。
フロアを飛び出し、立体駐車場に
繋がる道へ向かった。
木場の話しでは駐車場に車は
置いてあったらしい。
しかし、ただの作り物で
見た目だけの再現で、
運転する事は出来ないようだ。
これで、車での突貫を
っ気にする必要は無くなった。
さて、木場達が行った後は俺達だ。
「行くぞ、イッセー、小猫ちゃん」
「はい」
「よし、行くか!」
俺達はその場を後にして進みだす。
小猫ちゃんが力を使う事は皆に
伝えている。
リアス先輩の読みでは、
相手はこちらの動きを
こう読んでいると推測していた。
俺とイッセーは出来るだけ戦い
を避けながら本陣へ突入。
目的はイッセーの『女王』に
昇格するため。動きが俊敏な
木場とゼノヴィアが組み、
立体駐車場から裏手に回り、
敵本陣へ。そこで相手の
陣形を乱し、敵を引き付ける。
イッセーを『女王』にする為、
敵を素早く本陣から陽動させる。
イッセーが『女王』になったら、
一旦全員引き、改めて攻め込む。
リアス先輩もこの時動き出す。
要するに赤龍帝であるイッセーを
『女王』にするのが最重要目的と
していると。
俺はクウガの状態じゃ
『女王』になることが出来ないしな。
イッセーがメインだと読むはずだ。
リアス先輩は会長がこう読むと踏み、
逆の事をすることにした。
俺達は会長の読み通りに進む。
攻撃も受けるだろう。
しかし、俺達の本命は木場と
ゼノヴィアだ。
陽動ではなく、本格的に攻め込む。
逆に俺達が陽動となる。
メインアタッカーが二人
正面から突っ込んできたら
無視は出来ない筈だ、、
相手は俺達を狙って、
何人か刺客を送ってくるだろうじゃら
『王』の周囲は手薄になると読んだ。
もちろん、立体駐車場側にも刺客を
送ってくるだろうが、
そこまで手堅くはないだろうと予想し、
木場とゼノヴィアの二人で攻める。
そのまま、『王』を倒して
チェックメイトだ。
全力を出せないパワータイプを
囮として活用する戦術だ、
今回、俺は全力の出せないイッセーと
小猫ちゃんのフォローだ。
敵陣へと向かう俺達は走るわけでもなく、
歩くわけでもない、微妙な歩幅で進んでいた。
このショッピングモール内で走れば、
音が響くから、下手に走って相手に
距離を測られる恐れがある。
しかも、店内は一直線のショッピングモール。
物陰に隠れながら進むしかない。
大きいデパートだといっても
端から端まで歩いても十分もかからない。
音に注意しながら動いていく。
あるところまで進んで、自動販売機の陰に
隠れて俺達は前方の様子を窺っていた。
見える範囲では敵影は無し。
ゲームが開始してから五分ぐらい
経つが警戒しながら動いているから
まだ四分の一程度しか進んでなかった。
俺達は戦闘を回避するため動くと見せて
実際は陽動だ、これは
慎重に動き過ぎたか?
突然、小猫ちゃんが頭に猫耳を生やした。
その猫耳がピコピコと動く!
すると、小猫ちゃんは遥か先
に指さして言う。
「…動いてます。真っ直ぐ向かって
きている者が二人」
「わかるのかい?」
「…はい。現在、仙術の一部を
解放していますから、
気の流れでそこそこ把握できます。
さすがに詳細まではわかりませんが…」
なるほど、猫耳がセンサーに
なっているのか。
「小猫ちゃん、あとどのくらいで
敵と遭遇する?」
「…このままのペースなら、
おそらく十分いないです」
十分かそろそろ変身しておいた方がいいな。
度の姿で行くか。
格闘、剣術、魔法どれで行く?
最初は赤で相手に合わせて変えるべきか。
俺がそう考えていたら、
「ッ!」
小猫ちゃんが突然、
前方の天井を見上げた。
「…上っ!」
驚愕する小猫ちゃんの視線を追うと。
天井へ一直線に伸びるロープいや、
あれはラインだ!
ターザンみたいなロープ使いで
天井から降ってきたのは。
「兵藤兄弟か!まずは一撃ッ!」
匙だった!
膝蹴りの体勢のままイッセー
目掛けて攻撃を仕掛ける!
匙の背中に誰か乗ってるのか!?
イッセーは即座にガードした。
突然の会敵に俺も小猫ちゃんも
構える。
「よー、兵藤兄弟」
突然、現れたのは匙。
その隣には匙の背中に
乗っていた少女。
生徒会のメンバーか。
確か一年生だったはずだ。
よく、匙と一緒にいた子だ。
匙の右腕は黒い蛇が何匹も
とぐろを巻いている状態だった。
以前と形がまったく違う!
前はデフォルメされたトカゲの頭部
がくっついているだけだった。
神器が変化したって言うのか!?
って、イッセーの籠手に黒い蛇が
巻かれており、匙の神器と繋がっていた。
さっきの攻撃の時に繋がれたのか!
右腕にもラインが繋がっているが…
こちらは匙の神器ではなく
遥か先のどこかと繋がっているようだ。
匙の神器の能力で何かが吸われているのか?
俺達が匙の神器に視線を送っていると
あちらも気付いたのか、苦笑しながら言う。
「まあ、俺も修行したってことさ。
おかげでこれだ。で、天井から店内の
様子を見ようとラインを天井に引っ付けて
上がってみたら、遠くの物陰に隠れている
三人が見えたんだ。気付いてないし、
チャンスとばかりにターザンごっこで奇襲さ」
なるほど、それでこんな短時間で
ここまでこれたのか、納得だよ。
「こっちも修行したんだぜ。
夏休みの大半ドラゴンとの
追いかけっこに費やしたけどな!」
イッセーは匙との遭遇をどこか
確信している様子だった。
何処か似ている二人だからか、
匙もこの展開は読んでいたようだった。
俺はそんな二人を見てモヤモヤする。
そんな時俺達の耳に信じられない
アナウンスが届く。
『リアス・グレモリー様の「僧侶」
一名、リタイヤ』
なっ!どっちが落とされた!?
開始してまだ少ししか経ってないぞ、
俺達が驚いていると匙がにやける。
「やられたのはおそらく
ギャスパー君だよ」
やられたのがギャスパー?
何があったんだ?
あまりにも早すぎるだろ。
確か奴は監視の為にコウモリに化けて
店内飛び回ってたんじゃないのか?
「ギャスパー君は引っかかったんだ」
怪訝に思っている俺達へ匙は続ける。
「ルール上、ギャスパー君の神器を
封じられていることはこちらにも
連絡があった。そうなると、必然的に
使ってくる能力はヴァンパイアの力。
コウモリに変化して店内の様子を
窺うだろうってさ。で、会長が
思いついたのさ。俺等の本陣を
活用しようってな」
本陣?あらは確か食材品売り場だったはずだ。
悩む俺達に構わず匙は更に続ける。
「まずはシトリー本陣で一部の眷属が
不審な行動をする。すると、監視に来た
ギャスパー君は気になって追うだろう?
さらに不審な行動を見せれば、
他に飛ばしていたコウモリも
呼び寄せて複数で監視を始める。
多くのコウモリが集まればこちらのもんだ。
コウモリが多く集まれば何かあったとき、
それが本体へと化ける。近くにまで
コウモリを集合させたところで
吸血鬼の苦手なニンニクだ。
俺達の本陣は一階西側の食材品売り場。
ニンニクなら大量に置いてある。
ギャスパー君を捕らえるなんて容易いってことだよ」
ニンニクの匂いで倒されたのか!
そんな、こんなやられ方なんて!?
戻ったらゼノヴィア辺りがスパルタ指導
が待ってそうだな。
「シンプルだろう?んでもって、
これ以上ないほどの倒し方だ。
いくら修行したって言っても
ニンニク克服までは視野に
入っていないだろうって会長が
言っていたんだよ。
本陣の位置から出来た偶然の
発想だったけど、それでも撃破は撃破だ」
こんな偶然でうちのギャスパーは負けたのか。
帰ったらニンニク料理作って
克服させるのは決定だな。
今の状況は最悪だ。
イッセーの神器と匙の神器が繋がっている
って事は下手に倍加は使えない。
禁手を切るしかないって事だ。
「スタート」
『
俺の予想通り、イッセーは
禁手を使った。
これから二分間は他の能力を
使えなくなる。
その間俺はイッセーを守る必要がある。
「仁村!あの自販機を使え!」
匙に仁村と呼ばれた後輩は
どこからか顔程の大きさの
箱を取り出すとそれを
自販機に向けると、
バチィッ!
箱から紫電が走ると自販機に当たり、
自販機がひとりでに動き出した!
ギゴガゴゴ!
ガチャン…ガチャッ、ガチャガチャ
ガチャララララガギンゴギン!
グゥイーンガッチャン!
自販機が動き出したと思ったら、
変形しだして、人型へとなってしまった。
そして、銃となった片腕をこちらに向けてきた。
「おいおい、それってありかよ!」
イッセーが銃口を向けられ後ろに引こうとするが、
グンッとラインを引っ張られて体制を崩す!
ポォンッ!ポォン!
そこへロボットが銃を発射する!
「変身!」
俺は即座に「
に変身し、発射された弾を斬り落とす!
木場に剣を貰っといてよかったぜ!
バシャァ!
「うお、これってコーラかよ」
弾の中から出た液体が顔にかかり
驚く俺の隙をついて、匙がイッセーとの
距離を詰める!
「逃がすかよ、一誠!」
イッセーはそのまま一気に間を詰められ、
ドンッ!
腹に蹴りを食らう!
だが、イッセーはそこまでダメージを
追っていなかった。
修行の成果か!
「へえ、結構マジで蹴ったんだけどな。
お前も半端じゃないトレーニング
積んだようだな」
匙も思ったほどのダメージを
与えられず苦笑していた。
イッセーが繋がれてる今
逃げる事も出来ない!
なら攻めるしかない!
俺はイッセーと共に
匙へ一気に向かう。
だが、匙の方へ向かおうとした
俺の目の前に自販機ロボが行く手を阻む。
クソッ!
コイツは今回のステージの一部だ。
壊すわけにもいかない。
そもそも車と同様只のハリボテだった
クセに何でロボットなんかに!?
あの箱の能力か!
殴りかかってくるロボの攻撃を
いなしていると、近くの店舗に
ラインが向かい取り付けてあった
ライトに張り付く。
「仁村!さっき店で取ってきたグラサンだ!」
匙と仁村が懐からサングラスを取り出して、
装着した。まさかッ!
その意味に俺が気がつくも手遅れだった。
カッ!
照明が眩い光を発し、俺達の視界を焼く!
クソ!やっぱり目つぶしか!
ドゴンッ!
「ぐふっ!」
俺は胸に強い衝撃が襲う!
俺は直ぐに頭をガードする!
だが、朧げな視界の中、
その鈍重な姿に似合わない
俊敏な動きで更に殴りかかってくる。
バガンッ!
俺はロボのアッパーを食らってしまう!
余りの衝撃に、俺は床に突っ伏し、
変身も解除されてしまう。
変身を解除されるほど、ダメージを食らってしまった。
あの質量での攻撃は一撃が強大なものだった。
バギッ!
俺の横にやられたイッセーが転がってくる。
俺はイッセーが飛んで来たの方に視線を向けると、
こちらへ手を向け、魔力の弾を
放とうとしている匙の姿がっ!
ここで一気に止めを刺す気か!
俺達は急いで立ち上がり、横に転がった。
ドンッ!
放たれた魔力の一撃で床に大きな穴が空く!
なんて威力!食らっていたら間違いなく
退場していた。
俺達もギャスパーのこと言えないぞ!
「…やるじゃねえかよ匙」
「一誠、俺は本気だよ。
俺は本気で赤龍帝と呼ばれる
お前を倒す」
っ!
また、一誠か、
匙の瞳には決意に満ちていた。
その眼で匙の本気度が伺える。
だからこそだろ。
さらに匙はイッセーに手を向け、
魔力の一撃を放とうとしていた。
ドンッ!
再び放たれる高出量の魔力の塊!
大きさは大したことない。
おそらく建物を出来るだけ
壊さないというルールに
従っているからだろう。
だけど、今のイッセーを倒すなら
十分な威力の一撃だろう。
イッセーが避けた先に合った店舗が
魔力の一撃で破壊される。
この威力おかしいぞ!
いくら修行したって
ここまで威力が上がるなんて
ありえない!?
何か魔力が上がったカラクリが
あるはずだ!なにかが、
俺は匙を観察し、ある事実に気付く。
匙の神器は自身の胸部、心臓に
向かってラインが伸びていた。
この一撃の源流は匙の命そのものか!
「匙!お前は自分の命を魔力に
変換してるのか!?」
「そうだ。魔力の低い俺が高威力の
一撃を打ち出すにはこれしかなかった。
神器の力で命を魔力に変換する。
見ての通りだよ。『命がけ』ってやつだ」
「本当に死ぬ気か…ッ!」
イッセーの問いに
匙は真剣な眼差しで微笑んでいた。
「ああ、死ぬ気だよ。死ぬ気でお前達を
倒すつもりだ。お前に夢をバカにされた
俺達の悔しさがわかるか?
夢を信じる俺達の必死さが分かるか?
この戦いは冥界全土に放送されてる。
俺達をバカにしてた奴らの前で
シトリー眷属の本気を見せなきゃいけない!」
俺はこの光景に見覚えがあった。
それはイッセーがリアス先輩の
婚約パーティに乗り込んだ
時とそっくりだ。
自分の命を顧みず自身の目的を
達成しようとしたあの情景に
この戦いが重なった。
やっぱりこいつはイッセーと似ているな。
だからこそ俺は…。
その後もイッセーと匙、
俺とロボの戦いは続いていた。
その横では小猫ちゃんと仁村が
攻防を始めていた。
小猫ちゃんは格闘に秀でている。
それでも相手の女子もうまく
食い下がっており、戦いは激化していた。
だが、小猫ちゃんの拳が相手の頬を
掠めた後、変化は起きた。
仁村の体が少しだけ揺らいだ。
少しだが目を泳いでいたと思う。
小猫ちゃんの拳の余波にやられたのか?
小猫ちゃんはその隙を見逃さなかった!
拳に薄い白色のオーラを纏わせ、
相手の胸に打ち込む!
パンッ!
小気味の良い音が周囲に響き渡った。
その瞬間、仁村は膝を落とした!
「…気を纏った拳で貴方に打ち込みました。
同時に貴方の体内に流れる気脈にも
与えたため、もう魔力を練る事はできません。
さらに言うなら内部にもダメージは
通ってます。…もう、貴方は動けません」
小猫ちゃんがそう言う!
たしか、先生が言っていた。
『小猫の仙術と格闘を混ぜた本来の
戦い方は確実に武器となる。
相手の肉体だけでなく、
体内を巡る気脈にまで打撃を与える
一撃は敵のオーラを根本から折る。
だが、力に呑み込まれそうになったら、
すぐに使うのを止めなければならない。
仙術は気を読めるようになり、
扱えるようにもなるが、世界に
漂う邪気や悪意まで取り込んで
しまうからな。小猫の姉がそうなった
のも邪気を吸い過ぎたせいだ』
これが小猫ちゃんの拳打!
気が籠った一撃を相手に打ち出す。
外的ダメージはもちろんだが、
メインの破壊力は体の内側へのダメージ!
拳に込められた気が相手の内側に通り、
内臓にダメージを与える。
拳のダメージが通らなくても
打ち出された気が内部を破壊すれば
効果は絶大!
人は内臓までは鍛えられない!
内部を破壊する拳、それが
小猫ちゃんが封じていた攻撃か。
俺達眷属の中で一番効果的な
攻撃をするかもしれない。
「…匙先輩、ゴメンなさい」
それだけ仁村は一言漏らすと、
身体が光り輝き、
この場から消えてなくなる。
深刻なダメージを負ったため、
リタイヤしたのだろう。
彼女が生み出したロボも
身体が錆びていき、
塵となって消えていった。
『ソーナ・シトリー様の
「兵士」一名、リタイヤ』
アナウンスも聞こえてくる。
これで、お互いのチーム、
一名欠けたな。
「…私は冥界猫になるんです。
負けません!」
これで三対一だが、
後輩が頑張ったんだ、
俺達も負けられないぞ。
さっきまで俺達は攻撃を
避けるので精一杯だったが、
此処からは形勢逆転だな。
「ハァハァ…ハァハァ…」
先程まで魔力を打ち続けた
匙の疲弊ぶりもかなり酷い。
あれじゃ、もう保てないだろう。
「…イッセー先輩、祐介先輩、加勢します」
小猫ちゃんが俺達の間に入ろうとする。
「ダメだ、小猫ちゃん。
ユウスケもだ、ここは
匙とサシでやらせてくれ」
イッセーの拒否に小猫ちゃんは
首を横に振る。
「駄目です。これはチーム戦。
協力しましょう」
「ああ、小猫ちゃんの言うことは
もっともだ。けどな、小猫ちゃん。
匙は、あいつは俺と戦っている間、
小猫ちゃんやユウスケに直接的な
攻撃は加えてこなかった。
その気になれば、ラインを二人に
飛ばして力を吸う事も出来た筈だ。
それでもそうして来なかったのは
何故だと思う?」
イッセーの問いに答えられなかったが、
匙がにんまり笑いながら答える。
「…悪いな、祐介、塔城小猫ちゃん。
俺はタイマンで兵藤に、
赤龍帝に勝ちたいんだ。言ったろ?
俺達の夢は本気だ。学校を建てる
差別の無い学校を冥界に作る。
そして俺は先生になるんだ…。
俺の夢…。この戦いは冥界全土に放送だ。
だからこそ意義がある。
『兵士』の俺が!同じ『兵士』である
赤龍帝・兵藤一誠に勝つことがよッッ!
俺は赤龍帝に勝つ!勝って堂々と言ってやる!
俺は先生になるんだッ!」
匙は本気なのだろう。
その眼差しは強く、
一切の曇りも陰りもない。
「てなわけだ。こいつの挑戦から
逃げたらさ、俺、格好悪いじゃん?
やらないと。だから、
やらないといけないんだ。
ダチだからさ、こいつを本気で
倒してやらないとしょうがないんだよ。
やってやらねぇとよっ!
俺が部長に顔向けできねぇんだよッ!」
二人が拳を握り相対するその時、
俺は二人の間に立つ。
「ふざけてるよな、お前達!
勝手に二人だけ分かり合いやがって、
俺は無視か!俺だって『兵士』だぞ!」
「ユウスケ」
「ユウスケ先輩」
俺の話にイッセーも小猫ちゃんも
驚いた様子だった。
「匙、お前もお前だよ、
お前のライバルはイッセーだけか?
俺はライバル足り得ないか?
この戦いでお前に教えてやるよ!
俺の強さをな」
「ユウスケ、これは俺の我がままだ
俺と匙だけで戦わせてくれ
二体一で勝っても意味が無い!」
「お前の考えは分かってるさ。
だから、俺も俺のわがままを
突き通す!お前は匙を倒す事だけを
考えろ!なら俺はあいつの攻撃を
全てを防ぎ彼奴の想いを受け止める」
俺の発言に匙が眉を吊り上げる。
「確かにお前の存在を無視して悪かったよ。
だけどよ、今のお前に俺の攻撃を
受けきれるのか?」
匙の言う通りだ、今の俺では
匙の攻撃を受ける事は出来ないさ
だから。
「それは分かってる。
だから、小猫ちゃん。
君の力を貸してくれないか?」
俺の言葉に小猫ちゃんは
動揺していた。
「私の力をですか?」
「ああ、君の力を貸してくれ
三人で勝とうぜ!」
「私の力でよければ、
いくらでも貸します祐介先輩!」
小猫ちゃんが応えてくれた瞬間、
彼女の胸から淡い紫色の光が現れ、
腰のベルトへと吸い込まれる。
ベルトの宝玉は紫紺色に輝きだす。
俺はベルトに手をかざし、
腕を突き出す。
「変身ッ!」
俺の皮膚は黒く硬化し、
胸部と肩部を紫色の鎧を纏い。
腕にはごついガントレットに包まれる。
クウガの『戦車』の姿。
『
「この姿ならどんな攻撃でも
防ぐ事が出来るさ」
俺は近くに落ちていた
自販機のパーツを拾い上げると、
その姿をと変える。
「ならこれを防ぐ事は出来るか!」
匙の手元に今までにない質量の魔力が
集まり圧縮されていく!
「これでも、食らいやがれぇ!」
ドゥンッ!
俺は圧縮された魔力弾に変化した
それを突き出す!
「やったか?」
確実な手ごたえを感じている匙だったが、
土煙が晴れた際にその目に映ったのは。
人ほどの大きさの大楯を構える俺の姿だった。
「ハッ、その大楯なら、確かに
俺の攻撃も防げるだろうな!
だが、まさか、新たな姿は防御だけの力かよ」
いいや、違うさ。
俺は先ほど落としてしまった
剣を拾うとそれも姿を変える。
姿を変えた剣は剣と言うにはあまりにも
大きすぎた、大きく、分厚く、重い
大雑把すぎる剣だった。
それはソードメイスと呼ばれる武器だ。
「強そうな姿じゃないか
いいぜ!二人で来いよ!
祐介を突破して一誠お前を倒す」
改めて覚悟を決めた様子の匙だが、
悪いなもう時間だぜ。
「お前の覚悟確かに受け取ったぜ!
だけど、俺もこんな所で立ち止まる
訳にはいかないんだ。匙!ユウスケ!
行くぜぇぇぇぇぇぇっ!
輝きやがれっ!ブーステッド
・ギアァァァァアアッ!」
イッセーの叫びに呼応して、
神器が音声を鳴り響かせる!
『
赤く輝く特大のオーラがイッセーを包み込み、
それは鎧と化していく。
ゲームが開始してから、十分程が経過した。
イッセーは『
ユウスケの新たな姿は、
どんな攻撃をも防ぐ盾であり、
どんな者をも打倒す矛である。
そして戦場は騎士の戦いへと
移ろう!
次回、第67話「撃破」
是非見てくれよな!
外伝でやってほしいコラボは?
-
仮面ライダークウガ(五代雄介)
-
仮面ライダーディケイド
-
忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
-
その他(希望があれば感想へ)