ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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何度も立ち上がる匙を倒した
ユウスケ達、
だが、匙の目的は別にあった!
会長の策とは何なのか?
俺達は既に会長の手の上に
いたのだった。


第68話「戦術」

匙との勝負も終わり、俺達は先程の

ロボットから零れ堕ちたペットボトル

を拾い水分補給を行った。

 

イッセーも小猫ちゃんも

同様に水分補給を行うが、

イッセーは先ほどの戦闘で

ダメージはそこまで無かった

筈なのに体がふらついている。

匙の繋げたラインは未だに

繋がったままだ、よほどの念が

このラインには込められているのだろう。

イッセーの不調はこれが原因なのは明白だ、

速い所木場達と合流したいところだが、

先程のアナウンスで、俺達の『騎士』

一名が撃破されたようだ。

木場か?ゼノヴィアか?

どっちがやられたかは分からないが、

本命が一人やられたのは痛手だ。

 

相手側も『騎士』『戦車』を

一名ずつ撃破されている。

こちらは残り七。あちらは四。

まだ油断のできない数字だ。

イッセーの禁じ手状態

の残り時間も少ない

速めに決着を決めないといけないな。

 

その時、通信機器に連絡が入る。

 

『オフェンスの皆、聞こえる?

私達も相手本陣に向けて進軍するわ』

 

リアス先輩からの通信。

そうか、リアス先輩もついに動くか。

序盤(オープニング)中盤(ミドルゲーム)も終わり、

一気にラストスパートだ!

イッセーは大きく深呼吸した後、

俺達に告げる。

 

「行こう」

 

俺と小猫ちゃんはうなずき、

俺達は最後の決戦に赴いた。

 

 

ショッピングモールの中央広場みたいなところがある。

円形のベンチに囲われて、その中央には

時計の柱が存在していた。よく、

買い物に疲れた客が座っている所だ。

そこまで歩を進めた所で俺達は足を止めた。

 

当然だろう。ソーナ会長が眼前にいるのだから!

 

「ごきげんよう、兵藤一誠君、兵藤祐介君、

塔城小猫さん。ばるほど、それが赤龍帝の姿ですか。

凄まじいまでの波動を感じますね。

誰もが危険視するのは当然です。

それに、クウガの新たな姿ですか。

戦いの度に強くなる貴方も

十分危険ですね」

 

冷静な口調で言ってくる。

会長は結界に囲われていた。

結界を発生させているのは、

生徒会メンバーの『僧侶』

二人だ。イッセーの右腕から

伸びるラインが『僧侶』の

一人の方に伸びている。

 

もしかして、あの結界に

赤龍帝の力が利用されているのか?

 

少しして、眼鏡の副会長さん、

真羅先輩が姿を現す。

それを追うように木場も

俺達が来た方向とは逆から現れた。

やられたのはゼノヴィアだったのか。

 

「…ソーナ、大胆ね。

中央にくるなんて」

 

声がした方へ振り返れば

リアス先輩もここに到着していた。

 

「そういうあなたも『王』

自ら移動しているでは

ありませんか、リアス」

 

「ええ、どちらにしてももう

終盤(エンディング)でしょうから。

それにしてもこちらの予想とは

随分違う形になったようね…」

 

リアス先輩は厳しい表情だった。

確かに予定では木場とゼノヴィアで

会長を倒す目的だった。

俺達はそのための囮だったわけだけど…。

どうにもその辺を全部読まれていたようだ。

 

会長の方が一枚上手だった。

だが、俺達だって負けてはない!

 

ザッ!

 

横のイッセーがその場で膝を着いていた。

 

「…イッセー?」

 

イッセーの変化にリアス先輩も気付き、

アーシアが回復の神器をかける。

淡い緑の色を放ちながら、

イッセーの体をやさしい光が包むが

イッセーに変化は無かった。

リアス先輩が『フェニックスの涙』を

取り出そうとするが、踏みとどまった。

アーシアの神器で完治しないということは、

涙も効果が薄いと判断したのだろう。

眷属全員がイッセーの変化に気づき、

困惑しだした。

 

マズイ、不測の事態に皆冷静さを無くしている。

 

そんな中、会長が小さな笑みを漏らして言う。

 

「アーシアさんの神器でも『フェニックスの涙』

でも効果はありませんよ。リアス、

私はライザーとの一戦を収めた

記録映像を観ました。その結果分かった事、

兵藤君は恐ろしいまでに戦いを諦めない子だと

いう事です。仲間の為、自分の為、

そして何よりもリアスの為に」

 

会長はさらに続ける。

 

「ダメージなどでは倒しきれないかもしれない。

何度打倒しても貴方は立ち上がる。

私達にとって、貴方のその『根性』と呼ぶものが

赤龍帝の力と相まって驚異的存在だった。

そう、諦めず立ち上がり続ければ、

貴方はいつか敵を倒せると信じ切っている。

その心構えが赤龍帝の力に直結し、

パワーを幾重にも増大させてきた。

それが兵藤くんにとって何よりも

武器となっていたのです」

 

それは俺達の強みだからな。

諦めなければ負けはしない

それが、俺達がこのゲームを始める前に

誓った事だ。

 

「だからこそ、違う形で貴方を

倒すしかなかったのです」

 

『僧侶』の一人は抱えていた

バッグからパックを取り出した。

 

そのパックの中身は赤い。

ラインがそのパックに繋がれていて、

まさか、パックの中身は…。

 

会長がその中身を告白する。

 

「これは貴方の血です。

人間がベースとなっている転生悪魔。

人間は体に通う血液の半分を失えば致死量です。

知っているでしょう?レーティングゲームの

ルール。ゲーム中、眷属悪魔が戦闘不能状態

になると、強制的に医療ルームへ転送されます」

 

匙は最初からこれを狙っていたのか!

 

ヒュッ!

 

木場が聖魔剣の短剣を投げて、

イッセーに繋がっているラインを

切り離すが。切断された

ラインから赤い血が床に飛び出す。

 

「手遅れです。もう、貴方は

医療ルームに転送されるだ

けの血を失いました」

 

会長の冷淡な一言。

 

「ソーナ。あなたはッ!」

 

イッセーに駆け寄るリアス先輩の表情は

焦りに包まれていた。

俺達は完全に裏をかかれたってことか。

 

「そう、匙は神器を用いて、

一誠君の血を少しずつ少しずつ

吸い取っていたのです。

危険な状態となる寸前まで。

対象のエネルギーを吸い取るのが

本来の能力である神器で

血液を吸い続けるには、

相当な修行と緻密なコントロール

がいりました。しかし、

匙はそれを完遂させたのです」

 

あんな状態でも殴り続けたのは

根性だけじゃなく、時間稼ぎの為でもあったのか。

血を少量ずつしか吸い取れないから、

自分の体を犠牲にして、目的の時間を稼いだのか!

 

俺はあいつと正面切ってぶつかった。

目的が時間なら、撤退して時間を

稼いだって良かったはずだ、

それでも奴は、不利でも真っ正面から

突っ込んできた!

 

俺は勝った気でいた、

だが、結果的に匙の力で

イッセーが倒される。

俺は全然、仲間を守れてないじゃないか!

 

「兵藤一誠君。貴方はリタイヤに近いでしょう。

これから攻撃も一度か二度しか出来ないはずです。

理由は失血。貴方の鎧は堅牢。貴方の攻撃力は強大。

けれど、倒し方は探せばいくらでもあります。

貴方を物理的に倒せなくてもゲームのルールが

貴方を戦闘不能とみなします」

 

イッセーにはもう立ち上がる力すら

残っておらず、言い返す事もできなかった。

 

会長がリアス先輩に訊く。

 

「リアス、あなたはこの戦いに何を

賭けるつもりでしたか?私は

命を賭けるつもりでした。

私の夢はとても難しいものです。

ひとつひとつ壁を崩していかなければ、

解決の道が切り開けません」

 

会長は真っ正面からリアス先輩に言う。

 

「リアス、貴方のプライドと

評価は崩させてもらいます」

 

会長の言葉にリアス先輩は苦虫を

噛み潰したようだった。

リアス先輩は心底悔しいはずだ、

この戦いはリアス先輩が有利で

勝つのが当たり前とさえ思われている。

 

それがこの結果だ。

会長に手を打たれれば撃たれるだけ、

評価を下げる事となる!

会長はそれも狙っていた!

 

ソーナ・シトリー!

どこまで計算してやがるんだ!

 

会長の視線がイッセーに移る。

 

「匙は。彼はずっと貴方を超えると

言っていました。匙にとっては貴方は

同期の『兵士』であり、友人であり、

超えたい目標だったのです」

 

それは共に戦った俺も感じていた。

 

「でも、貴方には伝説のドラゴンが

宿っている。ただそれだけで、

彼は貴方に劣等感を持っていました。

私はそんなものがなくとも戦えると、

あの子に伝えたかったのです。

そして、それは匙に伝わりました。

ラインは匙が破れても消えませんでした。

それほどの強烈な念が籠っていたという事です。

もうすぐこの戦場から消え行く貴方に

言いましょう。上ばかりを

目指していたあなたのように、

匙は貴方を倒す事を目標に走っていたのです。

夢を持ち、懸命に生きる『兵士』は

あなただけじゃない!

貴方を倒したのは匙元士郎です!」

 

『今日ここで1俺は!お前達を超えていくッッ!』

 

匙の言葉が俺の脳裏によみがえる。

 

彼奴はイッセーを超えるのに必死になっていた。

自分と同じドラゴンの力を宿した『兵士』

自分と似ているからこそ負けられなかったのだろう。

 

自分が勝てなくても、仲間の誰かが倒してくれると

信じていたのだろう。だが、彼奴の根性が

イッセーを失血まで追い込んだ、

俺の必ず守るという思いも

彼奴は超えていった!

 

すると、イッセーが最後の力を振り絞って

立ち上がる!そして少しだけ距離を取った。

 

イッセー!まだ戦うつもりかお前は!

 

イッセーはリアス先輩に向けて両手を前に出す。

新技でのサポートかッ!

 

「リタイヤ前に…俺は俺の煩悩を

果たしてから消えようと思う…」

 

イッセーの全身をオーラが包み込む。

 

「高まれ、俺の欲望ッ!煩悩解放ッ!

広がれ、俺の夢の世界ッ!」

 

刹那、イッセーを中心に謎の空間が展開する。

それを肌で危機を感じたのかグレモリー、シトリー

両眷属の女性陣は身を守る格好になっていた。

俺はこの段階で嫌な予感がしていた。

 

すると、イッセーがリアス先輩に声を掛ける。

 

「あなたの声を聞かせてちょうだいなッ!」

 

リアス先輩は突然の事に反応できなかったが、

イッセーは満足したように何度も頷いていた。

 

「部長、今俺を心配してくれましたね?

変な事ばかりしていると体に障ると…」

 

イッセーの言葉にリアス先輩は

驚愕の表情を浮かべる。

 

「イッセー!ど、どうしてそれを…?」

 

イッセーの新技ってもしかして…?

 

イッセーはさらに会長に質問する。

 

「貴方は今何を考えている?」

 

相手の心を読む力を身につけたのか?

 

「ソーナ会長、今俺の新必殺技が心の声

を聞けるものだと思いましたね?」

 

イッセーの告白に会長は酷く驚いていた。

やっぱりそうだったのか、

これは凄い技が出来たものだな。

 

「ふふふ、違う。当たっているけど違うんですよ。

俺は聞きたかったんです。胸の内を!

否!おっぱいの声を!」

 

イッセーは格好つけたポーズで堂々と

新必殺技の名を叫ぶ。

 

「新技、『乳語翻訳(パイリンガル)』ッッ!

俺の新技は女性限定でおっぱいの声が

聞こえるんですッ!…ハァハァ。

質問すればおっぱいは偽りなく

俺にだけ答えを教えてくれる!…ハァハァ。

相手の心が分かる最強の技なんですッ!

うっ、血が足りねぇ…」

 

血が足りずフラフラで今にも死にそうなのに

イッセーは満足そうだった。

こいつは山籠もりまでして生み出した

新技がこれか…。

確かに強い技だが酷いだろこれは。

 

「ヘイ!そこの『僧侶』のお姉さん

のおっぱい、どうなのさ!」

 

「いや、聞かないで!」

 

『僧侶』は身の危険を感じ、胸元を隠す。

 

「なんだよ!木場ばかりモテやがって!

もう一人の『僧侶』のお姉さんの

おっぱいはどうなんだい!」

 

プライバシーのへったくれもないし、

絵面が最悪過ぎるな。

もう一人の『僧侶』は

イッセーが視線を向けるだけで

しゃがみこんでしまった。

 

「やめてください!キモイ!」

 

イッセーは声を聞いた後、

その場に崩れおちた。

 

あれは精神的なダメージを受けたんだろうな。

 

防ぎようのない技だが、

聞く内容によっては

イッセーの方がダメージ食らうのか。

 

ふと、イッセーが周りを見渡すが、

俺も含めて全員目元をひくつかせていた。

イッセーはその光景に不思議そうに首を

傾げていた。

 

その姿に会長は目元をひく尽かせ、

リアス先輩は額に手を当てて嘆息していた。

 

 

「リアス…。これはちょっと…」

 

「ゴメンなさい…」

 

「怖い技だと思うけれど、プライバシー侵害で、

このままでは女性悪魔と戦えませんよ?」

 

「ええ、厳重注意しておくわ…」

 

そりゃそうだ最悪禁止技になるだろ、

 

イッセーがガバッと起き上がり叫ぶ。

 

「まるで俺が、本当のド変態じゃないか!」

 

『ド変態ですッ!!』

 

グレモリー、シトリーからの総ツッコミをイッセーは食らう。

 

自覚が無かったのかよこいつは。

 

皆の総ツッコミに絶句していたイッセーは

気を取り直して会長に訊ねる。

 

「会長のおっぱいさん!

今の作戦はどういう感じか教えてくれ!」

 

会長の胸の内を聞いたイッセーが

俺達に情報を伝えてくれる。

 

「皆、会長のあの結界は…囮だ。

結界の中に立体映像を出す『僧侶』

二人の術なんだ…。本物の会長は屋上だ!

映像に精神だけ映しているみたいだぜ…。

小猫ちゃんの索敵が屋上の会長を

捉えないのもそのせい。でも、

精神がこちらに来ているから、

パイリンガルも効いて映像の

おっぱいが話してくれたのかな…?」

 

イッセーはそれだけ伝えると、その場で倒れ込む。

 

「イッセーさん!」

 

アーシアがイッセーへ駆け寄ってこようとするが

会長の『女王』がイッセーの元に行かせまい

とする。

 

アーシアはその場で祈りのポーズを取ると、

その体が淡く輝きだし、周囲一帯に広がろうとする。

これは、アーシアの回復能力が範囲拡大したものか?

修行の成果か!回復は意味が無いってわかっている

筈だが、それでもイッセーを心配するのは

彼女のやさしさからだろう。

 

 

「それを待っていました!」

 

『僧侶』の一人が会長の立体映像を解く。

結界と会長の映像が消えるが、

相手『僧侶』はかまわずにアーシア

の回復領域に足を踏み入れた。

 

回復領域を利用して回復するつもりか?

いや、彼女はダメージを受けてない筈だ。

『僧侶』は両手を広げると、叫ぶ。

反転(リバース)!」

 

ドンッ!

 

淡い緑色の光が一瞬で変質し、

赤い危険なものを発する。

 

「あっ」

 

その瞬間、アーシアが光り輝いて消えていく…!?

 

「…回復の反転(リバース)はダメージ…。

アルジェントさんの回復能力は絶大…

それを反転(リバース)すれば…」

 

アーシアの回復領域に入っていた相手の

『僧侶』は血を吐きながらも満足げな

表情を浮かべていた。

アーシアの回復能力を逆手に取られたのか!

 

「…グレモリーの回復要員を

倒しました…会長…」

 

会長の『僧侶』とアーシアが

同時に消えていく。

 

そしてイッセーの体も光に

包まれていく。

 

「やろう、イッセーだけじゃなく

アーシアまでッ!」

 

俺が残りのシトリー眷属を倒そうと

前に出たその時だった。

 

ドクンッ!

 

「グフッ!うっうううぅぅッ!

ぐぅううぅ!あ、あぁぁぁあ!」

 

突然、体に引き裂かれるような

痛みが走り、立っている事が出来ず、

その場に倒れ込み、体を抑え込む。

 

「ユウスケ!何が起きたの!」

 

俺の突然の変化に両陣営が驚いている。

 

「あぁああ、な、何がぁぁぁ、」

 

俺の体が光、白いクウガへとなってしまう。

 

「グフゥゥッ!ガァァアアア!」

 

さらには変身も解けてしまい。

俺は血だまりの中に倒れ込む。

そして、俺の体は光に包まれていく。

 

ま、まさか、『戦車』の姿に

体がもたなかったのか…?

 

そ、そんな、こんな形で

負けるなんて、俺はまだ、

何もしてないのに…。

 

…匙、イッセー。俺は。

 

『ソーナ・シトリー様の「僧侶」一名、リタイヤ』

『リアス・グレモリー様の「僧侶」一名、

「兵士」二名、リタイヤ』

 




突然倒れてしまったユウスケ。

グレモリー眷属の
パワータイプがほぼ倒れてしまった
リアスは勝利する事が出来るのか?
いや、まだ頼れる仲間は残っている!

次回、第69話「投了」

是非見てくれよな!

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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