ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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グレモリー眷属の
メインアタッカーが
三人倒れてしまった。

だがシトリー眷属も
減らせている。

この戦いは
どちらが勝利するのか!


第69話「投了」

アザゼルside

 

俺はVIPルームで苦笑していた。

 

「…これが現赤龍帝か」

 

観戦している重鎮の誰かがつぶやく。

VIPルームは唖然となっていた。

 

当然だ。食い入るように観戦

していたのにモニターに映ったのは

バカの新技だったからだ。

 

パイリンガル

 

あまりに頭が悪すぎる。

エロに寛容な俺でさえ、一瞬何が起きたか

まったく理解できなかった。

この俺がこうなのだから、他の連中の

心中は酷いことになっているだろうさ。

 

モニターに映るリアスは顔を真っ赤に

していた。同情はするが、

いやはや、これは面白い。

 

しかし、このパイリンガル。

派手さは皆無だが、

実際の所、恐ろしい技だ。

相手が女なら、高確率で戦いの様子が逆転する。

何せ、心の内を露わにさせるんだからな。

これほど相手にとって怖い技もない。

しかも立体映像でも精神を投影するタイプの

場合。心の内を知られる。

 

女限定の勝負ばら、やりようによっては無双

となるな。どんどん女に嫌われる技を

開発するな、あいつは。

本当にモテる気あるのか?

 

性欲の末に閃いた技だろうから、

本人がどれほど凄い物か、

いまいち理解ができていそうに

ないのが残念だが…。

というか、ゲームで使うのは禁止に

するようリアスに言っておこう。

このままでは他の悪魔とゲームしてもらえんぞ。

悪魔の多くが女性悪魔の眷属を

有しているからな。

 

ヴァーリ。イッセーよりも格段に格上の

お前が、歴代最弱と呼び声高い赤龍帝

「兵藤一誠」に興味を持ったのもわかる。

 

おもしろい。

 

この一言に尽きる。

見ていて、戦っていて飽きない奴は、

バトルマニアにとって最高の相手だ。

なあ、ヴァーリ。イッセーは、

お前と違う方向に進化して強くなるぞ。

そのときお前はどうする?

どう戦う?こいつは俺達の

予想を遥か斜め上に行く存在だ。

楽しみだよ。俺は実に楽しみだ。

おそらく、歴代最高の赤白対決に

なるに決まっている。

 

それもあるが、祐介の成長にも

目を見張るものがあった。

同じユウスケでクウガでも

「東城雄輔」と「兵藤祐介」では

全く別の力を有している。

 

今回の試合でも新たな姿に覚醒した。

祐介の姿は各駒の力が出現したものだ。

そして、「兵士」がプロモーション

できるのはあと一つ「女王」が

残っている。

祐介の成長はある程度予想できたが

最後のあの苦しむ様子は、

体の内からのダメージだろう、

予想としては、「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)

と似ていて、限界まで強化した力に体が

耐えられなかったのだろう。

 

これがゲームで発覚してよかったな

実戦だったら死んでいただろうからな。

祐介のトレーニングは見直す

必要がありそうだな。

 

あとは、シトリー眷属が使っていた「反転(リバース)

機械生命体(トランスフォーマー)だ。あれは俺達が研究していたものだ。

悪魔に技術提供が始まってはいるが、

あの「反転(リバース)」と機械生命体(トランスフォーマー)

まだ研究段階だぞ。機械生命体(トランスフォーマー)

キューブにいたってはコピーした

試作機みたいだが、おいそれと使っていい物っじゃない。

アルマロスかサハリエル辺りがゲームで

データを取るのを条件に提供したのか?

まったく…。研究段階だ、何が起きてもおかしくない。

それを承知でソーナ・シトリーと

眷属達は使用しているわけだ。

覚悟、絶対に勝ちたいと思う気概が

突き動かしているのか。

神器を抜き出して自分に埋め込む

堕天使もいたが、この「反転(リバース)」も

同じように本来自分にない能力を無理やり付与する。

寿命を縮めるか、自分の能力を潰す行為で危険だ。

機械生命体(トランスフォーマー)」は

使えば近くにある機会に命を与えて

戦闘ロボへと変化させる。

だが、生み出された物が味方とは限らない。

下手すれば敵が増えてしまう恐れもあった。

以前イッセーも白龍皇の力を得て生命を削った。

木場みたいに後付けで能力が増えても

無事な例もあるが、やはりオススメはできない。

 

ちなみに俺の人工神器は一から

俺専用の仕様で作っているから問題ない。

悪いが、今後のゲームでは「反転(リバース)

を使用禁止にするべきだと進言させてもらうぜ。

若い芽をこんな所で潰したくないと、

俺も感じるんでね。

 

機械生命体(トランスフォーマー)」は今後

ゲームに取り入れるのは面白いかもな。

下手したら第三陣営が生まれるかもしれないが、

車などの大きさの機械をロボにすれば

戦いの幅が広がる。

 

しかし、「反転(リバース)」をこう

使ってくるとはな。元々、

あれは聖を魔へ、闇を光へと相反するものを

逆にするために作ったものだ。

相手の能力に合わせて巧みに「反転(リバース)」させるとは。

 

今回はシトリーの覚悟を見届けてやる。

どこまでやれるか見せて見ろ。

ともかく、イッセーとユウスケを

失った眷属達はどう動く?

ここで気落ちしているようでは

先が知れるぞ。リアス、朱乃。

 

「ほっほっほっ、おもしろい一戦じゃな」

 

クソジジイのオーディンが満足そうに

モニターを見ている。

あのわがままジジイが褒めるなんてな。

 

オーディンはサーゼクスに話しかける。

 

「サーゼクス」

 

「はい」

 

「あのドラゴンの神器を持つ小僧じゃが」

 

「兵藤一誠君ですか?赤龍帝の」

 

しかし、オーディンの話は意外なものだった。

 

「いや、シトリー家の『兵士』のほうじゃよ」

 

…なるほどそっちを注目するか。

オーディンは話を続ける。

 

「いい悪魔じゃな。大切にするがいいぞ。

ああいうのが強くなる。赤龍帝の小僧

を倒した功績は大きいぞい。これだから

悪魔どものレーティングゲーム観戦は

楽しいわい。弱者が一戦の間に化ける。

これぞ、真の試合というものじゃよ」

 

あのオーディンが数時間前まで存在

すら知らなかった者に最大級の賛辞を贈る。

 

「そうでしょうそうでしょう!

オーディンおじいちゃんったら

話が分かるんだから☆」

 

セラフォルーも妹の眷属を褒められて、

ご機嫌のようだ。今の今まで泣きそうな

顔でハラハラ見ていたのにな。

 

ソーナ・シトリーのあの『兵士』。

 

匙元士郎と言ったか。

イッセー以上にこの試合で

評価を一変させたと言っていいだろう。

全冥界に放送されたこの試合。

案外、赤龍帝よりも名も無き

ドラゴン神器使いの方が

有名になるかもしれない。

イッセー、ユウスケ、リアス。

前途多難だな、お前達が

飛び込もうとしている世界は。

 

 

ー〇●〇ー

 

 

木場side

 

イッセー君とユウスケ君とアーシアさんが

バトルフィールドから消えた後、

この場に残ったのは僕と主であるリアス部長、

朱乃さん、小猫ちゃんの四人だった。

相手は残り三名。

会長、真羅先輩、『僧侶』の生徒会メンバー。

 

半分取られたか。

 

優勢と言われていたゲームが、

いざ始まってみれば大番狂わせ。

優勢と見られていた側が半分もやられる。

上で見ている上級悪魔の方々の苦言が

聞こえてきそうだ。

 

確実に部長の評価は下がる。

けれど、これ以上下げさせるわけにもいかない。

僕達のムービーメーカーだった二人が消えた。

これは…大きい。

僕はなんとか耐えれているが、部長の心中は如何に。

アーシアさんが残っていれば、

彼女はショックを受けていたかもしれない。

現メンバーは今の所変化はない。

衝撃はあったとしても、

戦いに影響出なければ問題はないのだが…。

 

アーシアさんも予想外の倒され方をした。

回復能力、しかも範囲拡大版の時を

見計らって例の「反転(リバース)」。

回復の反対はダメージか…。

アーシアさんの回復能力は絶大。

反転(リバース)」によるダメージも想像を

絶するものとなっていたのだろう。

それによりアーシアさんは一瞬で退場。

相手の『僧侶』、花戒さんも一発で消えた。

おそらく、回復範囲が拡大すること、それを使用する事、

これらを事前に読まれて戦術を組まれていた

と思われる。アーシアさんの範囲拡大の

回復が敵味方区別することなく

回復してしまう点も考慮されていた。

もし、複数の仲間を回復している所で

反転(リバース)」をくらったら…全滅もあり得たかもしれない。

恐ろしい戦術だ。

 

そこまで考えていたか、ソーナ会長。

しかし、それにしたって、犠牲の精神とは…。

僕たち以上の結束力を感じる。

メンバーを信じているからこそできる力業だ。

 

それと、ユウスケ君だけど、

彼が急に倒れた時、

僕達もそうだったけど、シトリー眷属達も

動揺していた。

あれは戦術とは関係ない

アクシデントだったのだろうか?

あんな形で脱落してしまってショック

受けてないといいんだけど…。

 

一方イッセー君の技は…。もはや、

何も語るまい。しかし、女性限定ならば

驚異となるかもしれない…って、

こういうのは僕の考えることじゃないんだけどね。

ソーナ会長は絶大なパワーで勝つのではなく、

絶大なパワーを持つ僕らを利用しての

カウンター狙いだった。

これが本来のレーティングゲーム。

力だけでは安易に勝てない!

部長は立ち上がり、上を見上げる。

屋上にいるという会長を見据えているのだろう。

部長は二人を失っても冷静だ。

流石、『王』。『王』が機能しなくては

ゲームに影響が出るからね。

 

「小猫、気は感じる?」

 

部長が小猫ちゃんに訊ねる。

 

「…はい。先ほどは感じ取れませんでしたが、

今は屋上に会長の気を感じます。

さっきの結界は会長の姿をそこに

あるように見せる為の虚偽と幻影、

そして本人の気と位置を感じ取られないように

する特殊なデコイだと思います」

 

猫耳をピクピクと動かして、

会長の気を探っているようだ。

 

小猫ちゃんも二人が居なくなっても

戦える様子だ。ありがたい。

これなら十分に戦える。

僕は真羅先輩達二人のシトリー眷属に剣を向けた。

 

「さて、どうします?

刃を持つ者同士、刃で決めますか?」

 

僕の問いに真羅先輩が答える。

 

「それもいいですね。チェスだと

『兵士』がプロモーションをするとき、

ほとんどの場合『女王』。けれど、

盤面によって「騎士」になることで

戦況を変えます。実際のチェスと

レーティングゲームでは差異も多いけれど

これは良い勝負でしょう」

 

僕と真羅先輩の戦いは決まった。

あとは相手の『僧侶』草下さんだけど。

 

そのとき、僕の視界に黄金のオーラをバチバチと

全身から放つ朱乃さんが映り込む。

朱乃さんは涙に濡れた瞳に冷たいものを

乗せて異様なオーラを漂わせていた。

 

「…イッセー君に私の決意を

見てもらおうとしたのに…」

 

ふらふらとしたおぼつかない

歩き方で一歩前へ出る。

 

その歩みには言葉に出来ない重圧が感じられた。

 

「…この嫌な力を彼の前で使う事で…

乗り越えようとしたのに…」

 

朱乃さんが手をゆっくりと前へ突き出し。

 

「許さない」

 

S側の素顔を見せていた!

一番触れてはいけない状態の朱乃さんだ!

まさか、普段冷静な朱乃さんが

イッセー君を失った事に反応するなんて!

 

「消しますわ」

 

怒気の含んだ迫力ある一言のあと、

朱乃さんの手から大出量の雷が生み出されて、

シトリー『僧侶』草下さんに襲い掛かる!

 

ドオオオオオオオオンッ!

 

反転(リバース)!」

 

直撃する瞬間、両手を広げて

雷を反転(リバース)させようとするが。

 

ビガガガアガアガガガガガッッ!

 

激しい雷が草下さんを包み込む!

草下さんは、雷を反転(リバース)できず、

まともに朱乃さんの一撃を受けた!

と同時に彼女は光に包まれて消えていった!

 

「無駄みたいね。雷を反転(リバース)させようと

したのでしょうけど、今のは雷光。雷と光。

反転させるには光の部分の反転(リバース)

足りなかったわね」

 

『ソーナ・シトリー様の「僧侶」一名、リタイヤ』

 

反転(リバース)するものを違えれば力を覆せないわ」

 

朱乃さんの言うように彼女達は「反転(リバース)

の力を使いこなすには修行が足りなかったようだ。

朱乃さんの手はそのまま『女王』

真羅先輩の方にも向けられる!

朱乃さんは既に僕と先輩の戦い

を無視しようとしている!

イッセー君を失ったショックとイッセー君に

雷光の力を見せられなかった怒りで我を忘れている!

結果として朱乃さんは力を克服できたかもしれないが、

予想外の展開だった。朱乃さんにとって、

イッセー君がこれほどまでの存在になっていたとは!

 

「くっ!」

 

真羅先輩は身の危険を感じて、

その場を駆け出した!

 

カッ!

 

ドオオオオオオオオオオオンッ!

 

雷光が先輩に一直線に伸びる!

直撃すれば悪魔ならばひとたまりもないだろう!

雷の力と、悪魔の弱点である光力が

ミックスしているのだから、

その威力たるや想像するだけで恐ろしい。

しかし、雷光をうまく避けて、

真羅先輩はデパートの奥へ逃げようとしていた。

僕はそれを神速で追う!

速さならば引けは取らない!

 

ダッシュしたまま、聖魔剣を創り出し、

追いついた瞬間に斬りかかる!

一刀目は、長刀で受けられたが、

いつあのカウンター神器を出されるか

分からない!

 

真羅先輩が懐から小瓶を取り出す。

 

『フェニックスの涙』!

 

シトリーは『女王』が有していたのか!

小瓶を僕に向けて投げ、長刀で破壊した。

中の液体が僕に降りかかってくる!

 

反転(リバース)!」

 

先輩がそう叫ぶ!僕にかかった瞬間、

涙の絶大な回復力を先程のアーシアさんと

同様にダメージに変換するつもりだろう!

僕は聖魔剣を素早く水の剣に変える!

 

ビシャッ!

 

水の波動が涙と混ざり合った。

涙は他のものと混ざると、その効果を失う。

そして、これで「反転(リバース)」も意味を無くす!

 

「少しでも隙が生じれば!」

 

先輩は長刀を鋭く僕へ向けてきた!

なるほど、今のは最初から防がれると

踏んでの攻撃。しかし。

 

ザンッ!

 

真羅先輩の周囲に聖魔剣が咲き乱れる!

床から幾重にも生えた聖魔の刃が

先輩の長刀を破壊した。

 

「隙なんか、今の僕にはありませんよ」

 

僕が二刀目を放とうとした時、

彼女は前方に例の鏡を出現させる。

剣の力を出来るだけ弱らせて

鏡を破壊できるほどの威力で斬りかかった。

 

バリンッ! ドオオオオオッ!

 

儚く鏡は割れ、僕に倍のダメージで衝撃が返ってくるが

これぐらいなら耐えられる!僕は激痛に歯を食いしばり、

左腕を宙に向けた。

 

そして、力ある言葉を口にしていく!

 

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、

聖母マリア。我が声に耳を傾けてくれ!」

 

空間が歪み、裂け目が生まれた!

僕はそこに手を突っ込んだ!

 

「嘘でしょう!?そんなことが!」

 

真意を知った真羅先輩が驚愕している。

 

「聖なる刃に宿りしセイントの御名において、

僕は解放する。    デュランダル!」

 

僕が空間から取り出したのは伝説の聖剣デュランダル!

ゼノヴィア!晴らそうか、キミの無念をいまここでッ!

取り出した勢いで真羅先輩を斬りつける!

聖剣の一撃がヒットして、

真羅先輩に深刻なダメージを与えていた。

 

あの状況でもカウンター神器を発動しなかった。

連続で発動できないのか。

 

ゼノヴィアの提案です。もし、自分が機能停止した場合、

この剣がもったいないから、僕に使用の権利を譲る、と」

 

そう、ゼノヴィアはデュランダルの

使用方法を僕に教えてきた。

聖魔剣を手に入れた僕なら、

デュランダルを使えるのでは?と。

 

「しかし、あなたは聖剣の適性が」

 

リタイヤ転送の光に包まれた真羅先輩がそう口にする。

 

「昔はありませんでした。それで地獄を見たけれど…

今は違う。禁手(バランス・ブレイカー)のおかげでこうして

デュランダルも扱えるようです」

 

ブゥゥゥゥゥン…。

 

デュランダルは静かな波動を放っていた。

ゼノヴィアの時の様な荒々しく

暴走めいた波動は出ていない。

 

「くっ!これは…ッ!

ゼノヴィアさん以上に扱えている!?」

 

真羅先輩はそう言うが、僕はそうは思えなかった。

 

「…ゼノヴィアは威力を求めるオーラの

気質だから、デュランダルもそれに反応してしまった

のかもしれない。けど、僕は威力よりも確実性を選ぶ。

威力よりも能力です」

 

威力を抑えたつもりだったけど、

それでも真羅先輩を斬りつけた余波で

遥か前方まで床を真っ二つにしていた。

これはマイナス評価を受けそうだ。

 

「持ち主のいう事を聞かないじゃじゃ馬とは

聞いていたけれど、本当みたいだ。

僕が思う以上に切れてしまう…扱いはまだ難しいか」

 

「…ッ!計算外だわ、ソーナ!

兵藤兄弟よりも…ッ!真のエースは…ッ!

注意すべき眷属は…木場祐斗ッ!」

 

真羅先輩はそれだけ言い残し、

この場から消えていった。

 

『ソーナ・シトリー様の「女王」、リタイヤ』

 

「僕は二人を、いや赤龍帝とクウガを

超える事を目標にしていましたから」

 

悔しかった。僕は悔しかったんだ。

フェニックス家での惨敗。

イッセー君、ユウスケ君、君達だけが

悔しい思いをしたわけじゃないんだよ。

 

リアス・グレモリーの本当の『騎士』が

主を守れずにやられたのだから。

せっかく禁手(バランス・ブレイカー)に至っても僕と同志の力は

コカビエルに通じなくて、そして白龍皇や

クウガとの戦いにも参戦できなかった。

あのときもそのときも僕は役に立てなかった。

 

悔しかった。

 

悔しかったんだよ。

 

だから、師匠の元で一から修行をした。

本当に一からだ。剣の基本から再び始めた。

キミんなら似合わないと言うかもしれない、

地道なトレーニングも愚直なまでおこない

続けたんだよ。禁手(バランス・ブレイカー)に至った

からといって慢心すれば、そこが弱味と成り果てる!

 

「何よりも赤龍帝とクウガだけの

眷属と思われるのはイヤだよ」

 

君達の目標は『禍の団(カオス・ブリゲード)』のライバルかもしれないが、

でも、僕は主の剣となり、仲間の君達の隣で

相棒として立つのが目標の一つだった。

リアス・グレモリーは赤龍帝とクウウガだけじゃなく、

「聖魔剣の木場祐斗」も有している、と。

そう言われたいから、僕は。

 

「イッセー君が誓ったように僕も誓おう。

我が主リアス・グレモリーを二度と泣かせない」

 

相手の残りは『王』、ソーナ・シトリー会長

のみとなっていた。

 

デパートの屋上。

外の空は白く、何もなかった。

ゲームの空間だからだろう。

僕達残ったメンバー四人がそこに赴いていた。

前方にはソーナ会長。会長はこちらに視線を送ると、

苦笑されていた。部長が訊く。

 

「ソーナ、どうして屋上に?」

 

「最後まで『王』が生きる。それが『王』の役割。

『王』が取られたら、ゲームは終わってしまうでしょう?」

 

「…そう、深くは聞かないわ」

 

「リアス、匙は赤龍帝に勝ちました。

イッセー君にも貴方にも落ち度なんてない。

あの子を舐めないで。必死なのは

貴方達だけじゃありません」

 

「ええ、身をもって体感出来たわ。

さあ、決着をつけましょう、ソーナ」

 

部長が一歩前へ出る。

一対一をするつもりですか?

止めた所で聞かない人だ。ならば。

 

「危険を感じたら、即時に助けに入ります。

わがままは聞きません」

 

「………」

 

僕の一言に部長は返事をしなかったが、

理解はしているはずだ。

僕自身も部長がやられそうになったら、

かまわず助けに入る。

 

『王』を取られれば終わりだ。

貴方をやらせるわけにはいかないのです、

リアス部長。そして親友同士の戦いは始まった。

 

会長の周囲に水のオーラが集まり、

しだいに何かを形成させていく。

この水の量、尋常じゃない。

見ればこのデパートのあらゆるところから

水が集まっているようだった。

 

さすがは水の魔力を得意とするシトリー家。

姉は氷、妹は水が得意と聞いている。

魔力に滅びの力を帯びる部長。

その攻撃は相手を滅する者。

部長は魔力の弾をためらいも無く、

友であるソーナ会長へ放つ!

 

その数は機関銃のごとく無数だ!

弾はソフトボールぐらいの大きさしかないが、

一発一発から高純度の魔力を感じる。

部長もまた修行の成果が出ているようだ。

派手に攻撃しないのはルールを踏まえてだろう。

 

ザブンッ。ザバアアァァァァァアンッ。

ソーナ会長は水を操り壁にして、

部長の攻撃を防いだ。

部長の魔力が当たった瞬間、

水もその分消滅するが、

建物中から集まっている為限りが無い。

 

「さて、リアス。私の水芸、

とくと披露しましょうか」

 

会長は大量の水を魔力で変化させ、

宙を飛ぶ鷹、地を這う大蛇、

勇ましい獅子、群れをなす狼、

そして巨大なドラゴンを幾重にも作り出していた。

ここまで同時に違うものを形成できるのか!

魔力の技術は部長を超えている!

 

「望むところよ、ソーナ!」

 

部長は不敵に笑い、

滅びの力を圧縮に圧縮を重ねて、

無数の魔力の弾を宙に展開させた。

あれ一発で力の足りない者は

霧散してしまうだろう。

あれだけの数を何度も圧縮させてしまうとは、

部長の魔力は修行でかなり練られたようだ。

どちらも魔力の室に秀でているが、

こうしてみると部長はパワー、

会長は技術が目立つ。

身構える両者。

 

そして二人は同時に攻撃を向けたのだった。

 

 

 

 

 

『投了を確認。

リアス・グレモリー様の勝利です』




力と技術のぶつかり合い
勝利したのはリアスだった。

何も出来ず終わってしまった戦い
この戦いで多くの者の評価が変わっていく。

そして、ユウスケはこの夏の戦いを
経て、新たな決意を固めるのだった

次回、第70話「評価」

見てくれよな!

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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