新たな力を手にするユウスケ達
俺達の物語はここから
加速する!
第73話「転校生」
気が付くと俺は古い遺跡の前に
佇んでいた。
「何処だここは?」
初めて見る場所の筈だ。
だけど、何処か知っている気がする。
そんな不思議な感覚がある。
俺は遺跡の中に入っていく。
中に入るとそこには椅子に座る
大きな三つの石像が置かれていた。
真ん中の一つは以前見たことある
ン・ダグバ・ゼバの石像だった。
それが、鎖によって椅子に縛られている。
左右の二つの像は初めて見る姿だ。
片方はオオカミの様な姿をし、
もう片方はシャチの様な姿だった。
もしかしてこれはグロンギの像か?
「彼らはグロンギ族の王よそれぞれが
各部族のトップだけど、考え方が違ったの」
後ろから一人の女性が現れる
この女性は!?
「貴方とは始めましてねユウスケ」
その人は以前夢で見た女性だった。
「あんたは確か以前夢で見た気がするな」
「それは夢じゃなくて記憶ね。
でも、今重要なのはそこじゃないわ」
女性は困惑する俺に気にせず話を続ける。
「貴方も知っているみたいだけど、
彼の名前は『ン・ダグバ・ゼバ』
虫と植物のグロンギ族の王よ
彼は戦う事こそが喜びで、
自分と対等に戦える存在を求めているの」
確かに夢であった時も戦いを遊びと言っていた。
「次にオオカミの彼ね。
彼の名前は『ン・ガミオ・ゼダ』
哺乳類と鳥類のグロンギ族の王で
王の資質は高く王として自身の民を
まとめリント族の殲滅を目標としていた」
リント族の殲滅!?
ダグバと同じくらいヤバい
奴じゃないか。
「最後にこの私『ン・オルガ・ゼギ』
水棲生物、爬虫類、両生類のグロンギ族の王よ」
彼女はシャチの容姿のグロンギへと変化する。
「な!?グロンギだと!」
驚く俺を横目に彼女は人間態に姿を戻す。
「驚くのは無理ないけど、
大丈夫よ私は敵ではないわ
私は唯一リント族と共存しようとした。
グロンギよ」
人間と共存しようとしたグロンギ!?
普段ならそんな言葉信じられない所だが、
何故か彼女の言葉は信じられる。
「一つ聞きたい。此処はどこなんだ」
「ここはいしの間貴方のベルト
『アマダム』と繋がる独自の空間
私達は此処に封印されているの」
封印されている割には自由に
動き回っているようだけど。
「その顔は何故私が動いてるかってことかしら?
それは簡単今の私は意思だけの存在、
体は御覧の通り鎖で雁字搦めにされている。
だけど、封印にも綻びが生まれている。
だから意思だけは自由に動ける
貴方の夢に干渉したりね」
それが、今までの夢にグロンギが
出てきた理由か。
まさかここまで明確に干渉してくるとはな。
「貴方は特異点を超えたわ
気を付けてこれまで以上に
残存のグロンギが貴方を狙うはずよ」
「狙うってなんで?
奴らの狙いは何なんだ?」
「彼らの狙いは私達王の復活
それぞれの王を復活させるために
ゲギバスゲゲルを行うのが
最終的な目的、そのゲームを
行うためには王に挑戦する資格
が必要なの」
王に挑戦する資格?
「資格とはゴに一対一で勝利すること。
今のあなたはまだそのステージにはいない
アマダムを通して見ていたけど、
この間戦ったボダウはメの中でも
下位に属する方よ
これからはさらなる強者が
貴方を狙うわ気を付けて」
あの強さで下位の実力なんてな。
すると俺の体がぶれて
体が薄くなっていく。
「どうやら、もう時間の様ね
此処での記憶は残るはずよ
じゃあ、また会いましょう
ユウスケ」
薄れゆく意識の中
最後に見た彼女の笑顔は
何処か奈美先輩と被って見えた。
ー〇●〇ー
夏が明け、既に新学期、二学期だ。
始業式も終え、駒王学園は
九月のイベント、体育祭の準備
へと入っていた。
この時期になると垢抜ける
学生たちも増えてきて
見ていて面白いものだ、
夏が明けて別人の様になるものも
いれば、変わらない友人に
安心したりもする。
「久しぶりだなユウスケ
夏休み前と顔つきが
変わったが、この夏に
何かあったのか?」
俺の席に近づいてきたのは
相変わらずパソコンで会話する
新聞部の仲間でクラスメイトの
薄井和義だ。
「ああ、いろいろあったさ
夏休みに出会った人達
に影響受けてな人として
成長したなと思うよ」
「その様子を見るに
成長したのは心だけでは
無いようでありんすな
体も以前に増して
引き締まってるで
ありんす」
古い言葉使いで話しかけてきたのは
同じく新聞部のクラスメイト
原月詠だ。
「先ほど弟の兵藤一誠も見たが
あの男もまた成長したのか
体が一回りデカくなっておった
何があったかは詳しく聞かぬが、
起きた変化はいいことばかり
じゃないようじゃな」
そういうと、月詠の視線の先を
確認すると、アーシアが
他の女子と雑談しているようだ、
「最近、アーシアは遠い目を
する時があるその理由、
おんしなら知ってるんじゃろ」
理由は分かるディオドラとの一件だろうな。
最近奴からのプレゼントが沢山家に
送られてきており、玄関を塞いでは
彼女は俺達に謝っていた。
初めてのことで動揺している
のかもしれないな。
俺の視線に気づいたアーシアへ手を振った。
それに対して笑みを浮かべるアーシアだが、
何処かぎこちない…。
やっぱり、気にしているのは確かだよな。
さて、この問題どうしたものか。
と、考え込んでいる俺に
スイッチがじっと見つめてくる。
「どうかしたか?スイッチ」
「いや、面白いニュースを耳に
したのだが、ユウスケの様子を
見るに伝えるべきか悩んでいた」
「面白いニュース?とりあえず聞かせてくれよ
悩んでいても仕方ないことだからな」
スイッチの面白い話というのは
クラス全員も気になるのか
こちらに意識を向けているようだ
「そうか、なら教えて。
実はこのクラスに転校生が
来るらしい。それも女生徒だ」
一拍あけて
『ええええええええええええええええっ!』
クラス全員が驚きの声を上げたのだった!
ー〇●〇ー
「えー、このような時期に珍しいかも
しれませんが、このクラスに新たな
仲間が増えます」
先生の言葉に皆がワクワクしていた。
とりわけ男子のテンションは高まっている。
まあ、女子だからな気持ちはわかるさ。
女子も男子の反応に呆れつつも興味津々な
様子は俺達と変わらない。
「じゃあ、入ってきて」
先生の声に促されて入室してきたのは。
『おおおおおおおおおおおおおっ!』
歓喜の声が男子から湧き上がる。
登場したのが「、栗毛ツインテールの
相当な美少女だったからだ。
しかし俺は転校生が来たっていう驚きより
その人物の正体の方が驚きだった。
見れば、アーシアも同様で、
ゼノヴィアに至っては目を丸くしてポカン
となるほどだ。
まあ、当たり前か、この子が突然現れたら、
関係を持った者たちは驚きもするだろう!
栗毛の転校生はペコリと頭を下げて後、
にこやかな表情で自己紹介をしてくれる。
首から下げている十字架が輝きを放つ。
「紫藤イリナです。皆さん、
どうぞよろしくお願いします!」
そう、夏前にゼノヴィアと共にエクスカリバー
強奪事件で来日した紫藤イリナその人だった。
ー〇●〇ー
「ちょっと来てくれ」
休み時間、男子や女子から質問攻めの
イリナの手を引き、俺、アーシア
ゼノヴィアと転校生を見に来た
イッセーの四人は人気のない
場所へ急いで連れ出した。
紫藤イリナ。俺の幼馴染で、
小さい頃に外国へ引っ越してしまい。
そこで教会の祝福を受けて、
プロテスタント専属の聖剣使いとなった。
以前堕天使の幹部に教会が保管と管理
をしていたエクスカリバーを強奪され、
その一件でゼノヴィアと共に来日したんだ。
ゼノヴィアは神の真実を知り、
やけくそ気味に悪魔となって日本に残ったが、
イリナはそのまま元の場所へ帰った。
それ以来会っていなかったわけだけど…まさか、
こんな形で再開するとはな…。
三大勢力が協定結んだ後に来たということは
イリナがここに来た理由って…。
「おひさ~。ユウスケ君、それにゼノヴィアも!」
ガバッ!
イリナがゼノヴィアに抱き着く。
「ゼノヴィア!元気そうで良かった!
立場上複雑だけど、素直にうれしいわ!」
「ああ、久しぶりだね、イリナ
元気そうで何よりだよ。
イリナが胸に下げた十字架が
チクチクと地味なダメージを
私に与えてくるのは天罰だろうか…」
元聖剣コンビの再会か。
ゼノヴィアも笑みを見せていた。
さてと、何から聞くか。
と、俺が迷っていると
ゼノヴィアが切り出す。
「なぜ、ここに?」
おお、シンプルに一気に聞き出せる質問だな。
「ミカエル様の命により使いとして
此処に転校してきたの。詳しくは放課後に。
場所は噂の旧校舎で、ね?」
そんな風にイリナは可愛く
ウインクをしたのだった。
イッセーがリアス先輩にメールで
『紫藤イリナが来たんですけど、
知ってました?』と送ったら。
『ええ、急に決まったのよ。
放課後に詳しく紹介するから、
それまで相手をしてあげて頂戴ね。
一応、転校生ということになっているから』
と返ってきた。
なるほど、全て知っているのか。
そりゃ、ここはリアス先輩の根城だ
知らない方がおかしいか。
なら、放課後を待つしかないか。
ー〇●〇ー
「紫藤イリナさん、貴方の来校を歓迎するわ」
放課後の部室。グレモリー眷属全員、アザゼル先生、
ロビン先生、ソーナ会長、奈美先輩が集まり、
イリナを迎え入れていた。
ちなみに冥界での出来事の後から
小猫ちゃんはイッセーに懐いたらしく
イッセーの膝の上が定位置となっていた。
「はい!皆さん!初めましての方もいらっしゃれば、
再びお会いした方のほうが多いですね。
紫藤イリナと申します!教会いえ、
天使様の使者として駒王学園にはせ参じました!」
パチパチパチ。皆が拍手を送る。
まあ、話では、天使側からの支援メンバー
として派遣されてきたらしい。
今思えば、ここは悪魔と堕天使しかいなくて、
天使はいないからな。
一応、天界のバックアップを
受けているんだけどな。
イリナが「主への感謝~」とか
「ミカエルさまは偉大で~」とか始めたが、
皆、苦笑しながらも聞いてあげていた。
相変わらず、信仰心が強い娘だが、
俺は一つだけ確認したいことがあった。
此処にいる皆は神の死を知っている。
奈美先輩も冥界に行く際に教えていた。
まあ、奈美先輩の場合いるかどうかも
わからない存在が死んでいたと知っても
ってところだったがな。
だが、イリナの場合は信仰心が
高い分知れば相当なショックを受けるだろうしな。
などと考えているとアザゼル先生がイリナに質問する。
「お前さん、『聖書に記されし神』の
死は知っているんだろう?」
「せ、先生ぇぇぇぇっ!いきなり、
それはいかんでしょう!」
イリナがショックを受けると思い
突っ込むイッセーだが、アザゼル先生は
嘆息するだけだった。
「アホか。此処に来たということは、
そういうのを込みで任務を受けてきたはずだ。
いいか、この周辺の土地は三大勢力の
協力圏内の中でも最大級に重要視されている
場所の一つだ。此処に関係者が来るということは、
ある程度の知識を持って足を踏み入れることになる」
先生の言葉にイリナも頷く。
「もちろんです、堕天使の総督様。
安心して、イッセー君、ユウスケ君、
私は主の消滅は既に認識しているの」
「意外にタフだね。信仰心の厚い
イリナが何のショックも受けずに
ここへ来ているとは」
ゼノヴィアの言葉の後、一拍開けて、
イリナの両目から大量の涙が溢れ出る!
彼女はゼノヴィアに詰め寄りながら
叫んだ。
「ショックに決まっているじゃなぁぁぁい!
心の支え!世界の中心!あらゆるものの父が
死んでいたのよぉぉぉぉっ!
全てを信じて今まで歩いてきた私なものだから、
それはそれは大ショックでミカエル様から
真実を知らされた時、あまりの衝撃で
七日七晩寝込んでしまったわぁぁぁっ!
あああああああ、主よ!」
あーあ、テーブルに突っ伏して大号泣
しちゃったよ。まあ、熱心な信徒から
したら神の死は衝撃なんてもんじゃ
ないんだろうな。家は無宗教だから
そういうのは分からないけど、
アーシアもその事実を知った時は
意識が喪失しかけてたからな。
「わかります」
「わかるよ」
アーシアとゼノヴィアがうんうんと
頷きながらイリナに優しく話しかける。
三人はガシッと抱き合う。
アーシアもゼノヴィアも今でも
神へ祈りを捧げているからな。
神様への感謝は未だに持っていると思う。
「アーシアさん!この間は魔女だなんて
言ってゴメンなさい!ゼノヴィアにも
別れ際に酷いこと言ったわ!
ゴメンなさい!」
イリナの謝罪にアーシアもゼノヴィアも微笑んでいた。
「気にしてません。これからは同じ主を
敬愛する同志、仲良く出来たら幸いです」
「私もだ。あれは破れかぶれだった私も
悪かった。いきなり、悪魔に転生だものな。
でも、こうして再会できてうれしいよ」
『ああ、主よ!』
三人でお祈りしだした。
和解ってことでいいのかね?
色々と事情もあったけど、
お互いにわだかまりが
消えそうで俺もうれしいよ。
皆で笑顔が一番だしな。
教会三人娘誕生の瞬間かもしれない。
うち二名が悪魔だけど…。
「ミカエルの使いってことでいいんだな?」
アザゼル先生の確認にイリナも頷く。
「はい、アザゼル様。ミカエル様には
ここに天使側の使いが一人もいないことに
悩んでおられました。現地にスタッフが
いないのは問題だ、と」
「ああ、そんなことをミカエルが言っていたな。
ここには天界、冥界の力が働いているわけだが、
実際の現地で動いているのはリアスと
ソーナ・シトリーの眷属と、俺を含めた
少数の人員だ。まあ、それだけでも
十分機能しているんだが、ミカエルの野郎、
律義な事に天界側からも現地で働く
スタッフがいたほうがいいってんで
わざわざ送ってくると言ってきてたのさ。
ただでさえ、天界はお人好しを超えた
レベルのバックアップ態勢だっつーのに。
俺はいらないと言ったんだが、
それではダメだと強引に送ってきたのが
こいつなんだろう」
ため息を吐きながら先生はそう言った。
まあ、それぞれの陣営にも
考えがあるだろうしな
今後、天使の一人や二人は来ても
おかしくないだろうな。
しかし、ここも随分と大所帯になってきたなぁ
最初は悪魔が数名だけだったのに。
今じゃ悪魔だけでなく堕天使も教会信者も人間も
普通に出入りして談笑してるんだからな。
人生、何があるかわからんものだな。
リアス先輩も当初は複雑そうだったけど、
「いろいろとタメになりそう」って点と
「名誉ある仕事でもあるわ」と魔王様から
直接ここを任された責任感に燃えていた。
イリナはふいに立ち上がると、
祈りのポーズをする。すると、
パァァァァァと彼女の体が輝き、
背中からバッと白い翼が生えた⁉
おおっ!まるで天使だな!
というか、人間から天使になったのか!?
全員驚くが、先生は顎に手をやりながら、
冷静にイリナに訊く。
「紫藤イリナといったか。
お前、天使化したのか?」
「天使化?そんな現象あるんですか?」
イッセーが先生に訊くと、先生は肩をすくめた。
「いや、実際には今までなかった。
倫理的なものは天界と冥界の科学者の
間で話し合われてはいたが…」
考え込むように目を細める先生に
イリナがうなずいた。
「はい。ミカエル様の祝福を受けて、
私は転生天使となりました。
なんでもセラフの方々が悪魔や
堕天使の用いていた技術を転用
してそれを可能にしたと聞きました」
三大勢力の協力態勢は既にそこまで行っているのか
天使は神の消滅で誕生出来なくなったと聞いていたから、
転生天使とはいえこれで天使の数が増えていくのかな。
それより、イリナが天使か。
悪魔、堕天使、天使と、
ここに勢ぞろいしたな。
さらにイリナが続ける。
「四大セラフ、他のセラフメンバーを合わせた
十名の方々は、それぞれ、Åからクイーン、
トランプに倣った配置で『
と称した配下を十二名作ることにしたのです。
カードでいうキングの役目が主となる天使様となります」
先生がイリナの話に興味を示していた。
この人、技術とか、その手の話が大好きだからな。
「なるほど。『
あれと堕天使の人工神器の技術を応用しやがったんだな。
ったく、伝えた直後に面白いもん開発するじゃねぇか、
天界も。悪魔がチェスなら、天界はトランプとはな。
まあ、もともとトランプは『切り札』という意味も
含んでいる。神が死んだあと、純粋な天使は
二度と増える事が出来なくなったからな。
そうやって、転生天使を増やすのは
自軍の強化に繋がるか」
『
作り出したのか、技術提供でそういうことも出来るのか
「そのシステムだと、裏でジョーカーなんて
呼ばれる強い者もいそうだな。
十二名も十二使徒に倣った形だ。まったく、
楽しませてくれるぜ、天使長さまもよ」
くくくと先生は楽し気に笑いを漏らしていた。
裏を読むとか好きだよな。この堕天使総督様は。
「それで、イリナはどの札なんだ?」
俺は気になってイリナに訊くと
彼女は胸を張り、自慢げに言う。
「私はÅよ!ふふふ、ミカエル様のエース天使
として光栄な配置をいただいたのよ!
もう死んでもいい!主はいないけれど、
私はミカエル様のエースとして
生きていけるだけで十分なのよぉぉぉぉっ」
おおっ、目が爛々と輝いている1
彼女の左手の甲に「Å」の文字が!
「あー、新たな人生の糧はミカエルさんか」
俺が嘆息しながら呟くと、
隣でゼノヴィアも応じる。
「うん。自分を見失わないよりはマシさ」
ま、そりゃそうだな。神様の消失で
自分を見失うよりも新たな主の元で
仕事に励んだ方が前へ進めそうだ。
イリナは俺達へ楽し気に告げる。
「さらにミカエル様は悪魔のレーティングゲーム
に異種戦として、『
『
将来的に見据えているとおっしゃっていました!
今はまだセラフのみの力ですが、いずれは
セラフ以外の上位天使様達にもこの
システムを与え、悪魔のレーティングゲーム
同様競い合って高めていきたいとおっしゃられて
いましたよ!」
ゲーム!?
悪魔と天使でシステムの対決か。
驚く俺達を尻目に先生は感心していた。
「天使や悪魔の中には上の決定に異を
唱える者も少なくない。長年争い合って
きた仲だ、突然手を取り合えと言えば
不満も出るさ。しかし、考えたな、ミカエル。
そうやって、代理戦争を用意することで
お互いのうっぷんを競技として発散させる。
人間界のワールドカップ、オリンピックみたいなもんだ」
不満を持った者達のガス抜きの為に必要なのか、
協力態勢のおかげで各勢力の新政策が必要なのか。
「じゃあ、俺達グレモリー眷属と
天使のゲームシステムが戦うことも
あるんですか?」
イッセーの質問に先生は首をひねる。
「将来的にはそうなるかもな。と言っても、
すぐにじゃない。少なくとも十年…
もしかしたら二十年後だ。ま、
お前らはその頃ちょうど新人悪魔
としても良い時期だろうし、
楽しめるだろうさ」
二十年後か…。気の長いことだな
まあ、悪魔も天使も長生きだからな。
「楽しめそうね」
ソーナ会長、クールな口ぶりだけど
乗り気だな。
「面白そうだね」
木場も興味津々だ。
我らが眷属のエース様は楽し気だな。
「きょ、教会は怖いですぅ…」
ギャスパーは複雑そうだ。
ああ、教会はヴァンパイアハント
だけは未だ続けているって話だからな。
まだ吸血鬼と和平を結んだわけじゃないようだ。
三大勢力協定後の教会はどの派閥も表向きでは
今まで通りの教えだけど、裏では悪魔や
堕天使と色々と協力して事を
運んでいるって話だ。
それによる新たな悪さが生まれないように
専用の取り締まりチームも組まれたって
聞いたな。
俺らとシトリー眷属もその権限を得ている
らしい。つまり、三大勢力で不審な行動を
している輩を独断で捕縛できるんだ。
できるだけ、その場面に出くわしたくはないな。
せっかく仲良くしようと皆で手を取り始めたのにな…。
可能なら平和が一番だ。
まあ、『
当分のレーティングゲームには影響無い様で良かったな。
今は若手上級悪魔の相手をするだけで精一杯だからな。
「その辺りの話はここまでにしておいて、
今日は紫藤イリナさんの歓迎会としましょう」
ソーナ会長も笑顔でそう言ってくれる。
イリナも改めて皆を見渡して言った。
「悪魔の皆さん!私、今まで敵視してきましたし、
滅してきました!けれど、ミカエル様が
『これからは仲良くですよ?』と
おっしゃられたので、私も皆さんと仲良く
していきたいと思います!というか、
本当は個人的にも仲良くしたかったのよ!
教会代表としてがんばりたいです!
よろしくお願い致します!」
複雑な経緯もあるが、まあ、イリナも
駒王学園の仲間入りってことだな。
その後、生徒会のメンバーも合流して、
イリナ歓迎会が行われたのだった。
新たな仲間、転生天使のイリナが加わり
賑やかになる駒王学園。
体育祭も迫っているが
ディオドラの動きが気になるユウスケ!
アーシアは誰にも渡しはしない
次回、第74話「居場所」
是非見てくれよな
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