ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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学園にイリナが転校してきた
彼女は天使陣営の使者として
やってきた転生天使だった。

俺の学園生活は更に賑やかに
なるみたいだな。


第74話「居場所」

イリナが転校してきてから数日が経過。

 

「はいはい!私、借り物レースに出まーす!」

 

手を挙げる元気いっぱいのイリナ。

既にクラスに溶け込んでいた。

持ち前の明るさのおかげで男女問わず人気が高い。

ちょうどクラスはホームルーム中だ。

体育祭で誰が何の競技をするのか

決めているところだった。

 

…はぁ。

 

俺はというと机に突っ伏して、

ため息をついていた。

 

実はイリナも家に住むことになったんだ。

夏休みに地上六階、地下三階という豪邸と

化した兵藤家。

 

オカルト研究部のメンバーの殆どが移り住み、

ついに、イリナまでも住み始めた。

まあ、余裕のスペースがあるから、

一人二人増えても変わりないけどさぁ。

家の女性率が上がると、

肩身が狭いことこの上ない。

あのイッセーでさえ、

行き場を失う時がある。

そもそも、共通の話題が少ないからな

教会トリオが揃うと話に入りずらいし、

ほぼ部屋に籠ってゲームする毎日だった。

こういう時、女性と付き合った経験のない

自分じゃあの女性陣の中に割って入る

ことも出来ないや。

空しくもゲームのレベルだけが上がっていく。

 

「ユウスケよ」

 

ふいに月詠に呼ばれる。

彼女は今、黒板の前に立ち、

体育祭の競技について書き込んでいる

ところだった。

 

「脇のところが、破れておるぞ」

 

「え?嘘」

 

と、月詠の言うように自身のワイシャツの

脇を見るが。気づいたときにはもう遅い。

俺は脇の確認の為に片手を上げていた。

もちろん、破れてなんかいない。

 

「よし、決まりじゃな」

 

俺の名前がチョークで黒板に書き込まれる。

 

「おい!騙したな、月詠!」

 

マジでしてやられた。考え込んでいたから

隙だらけだったのか。文句を言うが、

彼女は怪しい笑みを浮かべるだけだった。

 

「おぬしが行う競技は二人三脚。相方は」

 

月詠のチョークがとある女子を指す。そこには。

アーシアが気恥ずかしそうに恐る恐る手を上げていた!

 

「おぬしとアーシアは二人三脚で走ってもらう」

 

こうして、俺とアーシアは月詠の陰謀により

二人三脚のパートナーに決定したのだった。

 

 

ー〇●〇ー

 

次の日から学園全体で体育祭の練習等だ始まっている。

俺のクラスも体育着に着替えて、男女合同で

グラウンドにて競技の練習をしている。

 

「勝負よゼノヴィア!」

 

「望むところだ、イリナ!」

 

イリナとゼノヴィアはグラウンドで駆けっこしていた。

クラスメイトもやんややんやと両者に応援を送っている。

 

ったく、二人は何やってんだか、

つーか、二人とも早すぎるだろぉ!

陸上部を置き去りにして、グラウンドを爆走してやがる!

流石は悪魔と天使だ。これはうちのクラス、

女子限定なら優勝できるかもな。

 

同学年のライバルなんて、

生徒会のシトリー眷属の数名だけだしな。

 

「お、ユウスケか」

 

「おお、匙か」

 

生徒会の噂をしてたら

メジャーやら計測器を持った

匙がやってきた。

 

「何やってんだ?」

 

「二人の競争を見てた」

 

「あの二人は力を隠す気もないな」

 

呆れる匙。あれ?

匙が右腕に包帯巻いてる。ケガか?

 

「その包帯どうしたんだ?」

 

「ん?ああ、これな」

 

少しだけ包帯を外すと

そこには黒い蛇みたいな痣が

幾重にも腕に現れていた。

 

「…なんだこれ」

 

俺が尋ねると匙は答える。

 

「アザゼル先生に訊いたら、

この間のゲームでイッセーと

やりあったのが原因とか言われたぜ。

どうにも禁手に至ってた赤龍帝の

神器とラインを繋いだのと、

イッセーの血を吸ったのが俺の

体と神器にも影響を与えたらしい。

手元から離れたラインが得た

赤龍帝の情報も俺に反映されたみたいだ」

 

「マジかよ凄いなもしかしてやばかったり?」

 

「いや、悪影響ということはないようだぜ。

ただ、ちょっと体に出てきているだけだってさ。

うーん、これとかな」

 

匙がさらに見せてくれたのは、

腕の一部分にだけ現れている

小さな宝玉みたいなものだった。

これって、イッセーやヴァーリ、

が持ってるドラゴン神器の宝玉

にそっくりだな。

 

「お前…呪われてないよな?」

 

などと聞いてみると、心底嫌な顔をされた。

 

「お前な、俺の気にしてることを…

さっき、イッセーにも言われたよ。

ヴリトラって、あんま良い伝説を

残してないんだぜ?」

 

匙は気を取り直して改めて訊いてくる。

 

 

そういや、ユウスケは競技、何にでるんだ?」

 

「俺は二人三脚にアーシアと出ることになったぞ」

 

「くっ!羨ましい野郎だ!俺はパン食い競争だよ」

 

へぇー、パン食い競争か。それも楽しそうだな。

 

羨ましがる匙のもとへメガネの女子が二人登場。

 

「サジ、何をしているのです。

テント設営箇所のチェックを

するのですから、早く来なさい」

 

「我が生徒会はただでさえ男子が少ない

のですから、働いてくださいな」

 

ソーナ会長と副会長の真羅先輩だ。

二人が匙を呼んでいる。おおっ、

両者のメガネがキラリと光る。

 

「は、はい、会長!副会長!」

 

匙は慌てて、二人の元へ戻っていった。

 

会長も副会長も厳しそうだ…。

 

メガネと言えば、

冥界で見たアガレス家の次期当主様。

あの人もクールでメガネだった。

メガネをかけた悪魔は淡々としていて、

冷静な人が多いのだろうか?

 

匙は手を振って、会長と副会長と共に

グラウンドの隅へ向かっていった。

 

さーて、そろそろ俺もアーシアと練習するかな。

俺はクラスごとに用意された競技用道具から

二人三脚用のひもを取り出した。

 

「アーシアー!練習しよう!」

 

「は、はい!」

 

話していたクラスメイトにぺこりと

頭を下げた後、アーシアはすぐに

俺の元へ駆け寄ってきた。

 

既に同じクラスの男女がペア組んで

練習してる。うまい奴はうまいけど、

あれは息が合わないと大変そうだな。

ぴったりくっついてどちらも気恥ずか

しそうだった。

 

俺とアーシアもぴったりくっつき、

足首にひもを結んだ。

 

「よし、さっそく行くぞ、アーシア!」

 

何度か土を踏んだ後、

俺はアーシアの腰に手を回し、

準備を完了させる。

 

「は、はい!」

 

アーシアも恥ずかしそうにしながらも

俺の腰に手を回して来た。

 

うーん、隣のアーシアの髪から良い

匂いがしてくる…。

 

いかんいかん!雑念を振り払わねば!

相手はアーシアだ!自制心自制心!

改めて息を整え、俺とアーシアは

お互いに頷きあった後、

足を一歩前へ出した。

 

「せーの、いち、に」

 

声も出して、働きだすが。

 

がくん!足を取られ、バランスを崩した!

 

「うおっ!」

 

「きゃっ」

 

倒れそうになるアーシアを急いで捕まえて

態勢を直させる!

 

「…う、うーん。俺がアーシアに

合わせないとダメっぽいなぁ」

 

と、考え込む俺だが、

ふと視線をアーシアに移すと顔を紅潮させて、

何かに耐えている様子だった。

はて?何だ?うん?なんだか、

右手がとても柔らかいものを

 

って、俺、アーシアのおっぱいを揉んでいる

ぅぅぅっぅぅ!

 

そ、そうか、さっき、アーシアが倒れそうに

なった時とっさに掴んだ場所がおっぱいだったのか!

 

俺はアーシアのおっぱいから

急いで手を離す!

 

「ゴ、ゴメン!わざとじゃないんだ!」

 

謝る俺!なんてことだよ!

アーシアを大切にしたいと言ってきながら、

おっぱいを揉んじまうとは!

 

「…だ、大丈夫です。平気です。

で、でも、触る時は一言言ってから

にしてください…。

私も心の準備が必要ですから…」

 

一言言えば良いのかよ!?

いや、違う!そうじゃない!

わざとじゃないんだぁぁぁ!

 

自己嫌悪ばかりじゃだめだ、

再び息を整えて言った。

 

「と、とりあえず、再開しよう」

 

「は、はい。でもすみません。

私、運動はそこまで得意じゃないから」

 

気落ちするアーシア。

 

「いいって、要は息を合わせること。

コンビネーションだ」

 

「コ、コンビネーション?」

 

可愛く首をかしげるアーシア。

 

「そう、コンビネーション。一緒に声を出して、

一歩一歩動かしてみようぜ。走るのはまず

それに慣れてからだ」

 

「はい」

 

そうさ。俺のトレーニングと一緒だ。

ひとつひとつこなしていけばいい。

やっていけば必ず糧になる。

俺が今まで学んだことだ。

 

「じゃあ、もう一度行くぞ!」

 

「はい!」

 

 

ー〇●〇ー

 

 

その日の夜。

 

イッセー、アーシア、ゼノヴィア、イリナ

と共にオカルト研究部に顔を出す。

先に来ていたリアス先輩含めた

他のメンバーは顔をしかめていた。

 

何事だ?

 

「どうかしたんですか?」

 

俺が訊くと、リアス先輩が言う。

 

「ええ、若手悪魔のレーティングゲーム戦、

私たちの次の相手が決まったの」

 

へぇ。もう決まったのか。

グレモリー対シトリーの一戦を

皮切りに例の六家でゲームがおこなわれている。

グレモリーもシトリー以外の家とも戦う

ことになっていた。

 

などと特に驚きもせずに思っていたが、

次のリアス先輩の一言で俺も部員の様子を

理解する。

 

「次の相手はディオドラ・アスタロトよ」

 

「っ!」

 

悪い冗談としか思えない対戦決定に

俺は言葉を失っていた。

 

 

ー〇●〇ー

 

 

「おいっちにーさんしー、おいっちにーさんしー」

 

その日も俺とアーシアは早朝から体操着で

二人三脚の練習をしていた。

ゼノヴィアも付き添いで来てくれていた。

最近、ずっと朝練してる。

 

場所は体育館裏だ。練習を始めた日に比べれば

大分マシになった。競歩ぐらいの走りはできる

ようになったからな。

 

「あぅ!いち、に!はぅぅ!さん、し!」

 

アーシアは俺に遅れないようにするため、

必死でついてきていた。やっぱ、日々の練習だよな。

コツコツと努力を重ねることで何事も

一歩一歩進めるのさ。

 

「よし。だいぶいい感じだね。じゃあ、

一度本番のように走ってみようか」

 

ゼノヴィアが俺達のひもを直しながら言う。

 

ふいにアーシアへ視線を移すと

少しだけ表情を陰らせていた。

 

「………」

 

うん?アーシア、少し思い詰めてる?

…まあ、次の俺達の相手がディオドラだしな。

決定してから、アーシアはさらに悩んでいる

様子だった。

 

「アーシア、思っていること、言ってみな」

 

俺の提案にアーシアは当惑した

表情になるが、少し考えたのち言った。

 

「…あのとき、彼を救ったこと、

後悔いてません」

 

アーシアは教会にいたころ、傷ついた悪魔を救った。

それによって、異端扱いを受けて、居場所を失い、

悲しい思いをしたんだ。

 

その助けた悪魔こそディオドラだった。

どういう経緯であいつがそこにいて、

アーシアと出会ったか、そこまではわからない。

 

けど、救ったのはアーシアが優しかったからだ。

それを俺は責めない。誰にも責めさせはしない。

アーシアは良い子なんだから。

 

ディオドラを救ったことで、アーシアの人生は

百八十度変わってしまったけど、今こうして

俺達と楽しく暮らしているのは確かだ。

 

でも、思ってしまう。

聖女としての暮らしが今でも続いていたら、

アーシアは今より幸せだっただろうか?と。

 

俺達と一緒にいるのは、聖女

だった頃よりも楽しいのか?と。

そして、俺はふと時折考えてしまう。

いまなら可能なことを。ミカエルさんに頼めば、

アーシアは再び聖女として教会に

戻れるんじゃないか?って。

 

いや、神様の遺した『システム』とやらにアーシアの

力が影響を出しそうだから、教会本部とその関連施設、

天界管理区に戻れないかもしれない。

けれど、昔の暮らしに近しい

状態に戻れるかもしれないんだ。

それを切り出したとき、

アーシアはどちらを選ぶのか?

俺は怖くて訊けなかった。

アーシアを失いたくなかったから。

 

俺のわがままだ。もし、俺がリアス先輩に言えば、

それは実行できてしまうかもしれない。

ただ、今の生活がらアーシアがいなくなるなんて

想像したくないんだよな…。

 

「…ユウスケさん?」

 

アーシアが俺の顔を覗き込む。

 

「難しい顔をしてました。

…悲しい表情にも見えて…」

 

「…なあ、アーシア。もし、

元の生活に戻れるとしたらどうする?」

 

「っ」

 

目を見開いて驚くアーシア。

 

いつまでも考えてるだけじゃいやだからな。

失うかもしれないのに。でも、アーシア

の幸せを願っちまうから、俺は…。

心中でドキドキして、覚悟も決めた。

 

握りしめる手が激しく汗ばむ。

だけど、アーシアの答えは。

 

「戻りません」

 

笑顔だった。迷いがないほどの。

 

「以前にもユウスケさんに訊きました。

『ユウスケさんのそばにずっと一緒に

いていいですか?』ってユウスケさんは

『いいよ』って言ってくれました」

 

フェニックス家との一戦前、

確かにそのやり取りをした。

 

「私、ここが好きです。この駒王学園も、

オカルト研究部も好きです。リアス先輩も。

朱乃さんも、先生も、イッセーさんも、

木場さんも、ゼノヴィアさんも、小猫ちゃんも、

ギャスパーくんも、イリナさんも、奈美さんも

好きです。そしてユウスケさんも

ユウスケさんのご両親も大好きです。

ここで始めた新しい生活は私にとって、

本当に大切で大事で、大好きなことばかりで

とっても素敵なんです。

毎日楽しくて。皆と暮らせるのが

凄く幸せなんです」

 

アーシア…。

 

俺は…本当にバカだ。

この子が今の生活を楽しんでいるのは

分かっていたじゃないか。なのに、

どうして俺は…アホなことを訊いてしまったんだ!

俺はアーシアの肩を抱き、言う。

 

「そうさ、俺とアーシアはずっと一緒だ!

嫁にも出しません!アーシア、

ディオドラのことも深く考えるな。

経緯はどうあれ、嫌なら嫌と言えばいいんだぞ?」

 

俺の言葉にアーシアはしばしきょとんとするが、

すぐに笑みを見せてくれる。

 

「はい」

 

と、今度はゼノヴィアが思い詰めた表情で言う。

 

「…アーシア、改めてだけど、もう一度謝りたい。

初めて会った時、アーシアに暴言を吐いてしまった。

いまでも後悔しているんだ。…アーシアは私と

仲良くしてくれると、と、友達だと…」

 

あのゼノヴィアが珍しく顔を紅潮させているぞ。

アーシアはゼノヴィアの手を取り、満面の笑みで言う。

 

「はい。私とゼノヴィアさんはお友達です」

 

真正面からの屈託のない一言。

ゼノヴィアは少し涙ぐんでいた。

 

「ありがとう。ありがとう、アーシア」

 

うんうん。なんだか、俺まで感動して

泣き出しそうだよ。本当、

アーシアちゃんはやさしい子ですよ。

 

「うぅぅぅぅっ!良い話よねぇ…」

 

感動の場面で聞こえてくる嗚咽。

声の方向を見てみればイリナだった。

 

「イリナか。お前も来てたのか?」

 

「うぅ、ええ、ゼノヴィアに誘われてね…。

早朝の駒王学園も良いものだぞーって。

で、来てみたら、美しい友情が見れるんだもの。

これも主とミカエル様のお導きだわ…」

 

感動している様子のイリナは天に向かって

祈りを捧げていた

 

「そういや、お前、部活はどうしたんだ?」

 

俺が訊くとイリナは涙を拭い、

気持ちを切り替えて満面の笑みで

親指を立てる。

 

「私は自分でクラブを作ることにしたの!」

 

「へー、自分でクラブを立ち上げたのか。

で、名前と内容は?」

 

イリナは胸を張り、堂々と宣言した。

 

「うふふ、聞いて驚きなさい!

その名も『紫藤イリナの愛の救済クラブ』よ!

内容は簡単!学園で困っている人達を無償え

助けるの!ああ、信仰心の厚い私は主の為、

ミカエル様の為、罪深い異教徒共の為に

愛を振りまくのよ!」

 

妙なポーズで天に祈りを捧げていた。

おお、目が爛々と輝いている。

 

というか、凄いネーミングセンスだな。

名前だけを訊くと依頼したくないクラブだな

 

「…いや、うん。まあ、頑張って」

 

適当に相槌を打つ俺。

イリナは胸をどんと叩いて言う。

 

「任せなさい!もちろん、

オカルト研究部や新聞部が

ピンチの時はお助けするわ!

今回はリアスさんのお願いで

オカルト研究部の部活対抗

レースの練習を助けるの!」

 

はぁ、体育祭はオカ研に参加するのか。

 

「ちなみに訊くけど、部員の数は?」

 

「まだ私だけよ!おかげで同好会レベルに

留まっていて、正式な活動と運営資金は

規制されているわ。まずはソーナ会長を

説得するところからスタートね」

 

そりゃ大変だ。

あの生徒会は会長はもちろん

副会長も厳しいからな。

正式に通るには時間がかかりそうだ。

 

「とりあえずはオカルト研究部に

籍を置くことになっているの」

 

それって、オカルト研究部の

部員じゃねぇのか?

いや、あえて突っ込まないぞ、

 

ま、気分を取り直して、俺は言う。

 

「それはともかく、練習再開だ」

 

ゼノヴィアもイリナも二人三脚に参加して、

練習は再開されたのだった。

 

「ふぅー。ちょっと、つ、疲れましたねぇ」

 

アーシアが体操着をパタパタさせながら

息を吐いていた。まあ、確かに朝から

けっこうな量走ったからな。

 

グラウンドの隅にある体育倉庫。

俺達は練習で使ったライン引き

等を片付けるため、そこに入っていた。

 

俺は走るのに慣れているせいか、

体力的にはこのぐらいは

ぜんぜん平気だが、

走る相方のアーシアを気遣い

ながらだったから、

精神的に気疲れしているところもあった。

まだ早めの登校時間内だから、

俺は新聞部の部室で記事をまとめて

から教室向かおうかね。

ライン引きを置くに置いて、

さて帰ろうとした時だった。

 

ガラガラ。ピシャッ。

 

扉が閉まる音!

…見ればゼノヴィアが後ろ手に倉庫の扉を閉めていた。

何事だ…?アーシアもゼノヴィアの行動に

可愛く首をかしげていた。

 

「どうしたんですか?ゼノヴィアさん」

 

訊ねるアーシア。するとゼノヴィアは

真剣な表情で語りだす。

 

「アーシア、私は聞いたんだ。

私達と同い年の女の子はだいたい

今ぐらいの時期に乳繰り合うらしいぞ」

 

……。

 

…は? いま、なんていった?

俺はゼノヴィアの突然の発言に耳を疑った。

 

「ち、ちちくりあう?」

 

アーシアが怪訝そうに聞き返す。

ゼノヴィアはハッキリとした口調で言う。

 

「男に胸を弄ばれることだ」

 

ッ!

 

こ、この娘は!突然に何の話をしてるんだ!?

鍵を閉めてまで!? しかもアーシアの前で!

相変わらず意味が分からん!

意味も勘違いして覚えてるしな!

 

「む、む、む、胸を…っ!」

 

アーシアが顔を最大までに赤く染め上げて、

声も上ずっていた!

 

「ゼノヴィア!いきなりふざけた話をするな!」

 

「ユウスケ、少し黙っていてくれ。

まずはアーシアと話す。君の出番はそれからだ。

すまないが、倉庫の隅でウォーミングアップ

しておいてくれ。これから激闘になる」

 

出番!?激闘!?俺をイッセーと同類とでも

思ってるのか!?いや、イッセーだってここまで

しないぞ!

 

ゼノヴィアのトークは止まらない。

 

「クラス女子の中には彼氏に毎日の様に

バストを揉まれている者もいる。

私はいろいろと調べたんだ」

 

頑張るところ間違ってるだろ!

 

「アーシア。私達もそろそろ体験

してもいいではないかな?」

 

ゼノヴィアはアーシアの肩に手を置き、

真剣な面持ちで言う。

 

何故だ!突然、深刻な話になってないか!?

 

「あ、あぅぅぅぅっ!そ、そんな、

きゅ、急に言われても…」

 

アーシアも困惑していた!

それが当然のリアクションだよな!

 

「大丈夫だ。初めは多少くすぐったいらしいが、

慣れてくればとても良いものらしいぞ。

きっと乳繰り合えば自然と二人三脚も

上手にこなせる」

 

話の着地点そこぉぉぉぉ!?

 

「…コ、コンビネーションは

そこから生まれるのでしょうか…」

 

アーシアが説得されてやがる!

嘘だろ!それでいいのか、アーシア!

迷うアーシアにゼノヴィアは笑顔で答える。

 

「アーシア、私達は友達だ」

 

「はい」

 

「乳繰り合いも一緒にしよう。

二人なら怖くない」

 

「…は、はい?そ、そうなのですか…?」

 

マズイ!話がまとまっていく!

アーシアをそんな話で怪獣しないでくれぇぇぇ!

ゼノヴィアがこちらに顔を向ける。

 

「では、しようか。私のほうは子作りも兼ねるよ」

 

「ちょっと待て!いきなり、こんな場所でおかしいだろ」

 

狼狽する俺をよそにゼノヴィアは体操着の上を脱ぎ捨てる

 

ぷるん。

 

ブラに包まれても確かな存在を見せる

ゼノヴィアのおっぱいが目の前に!

 

見事な脱ぎっぷりに俺はたじろぐ。

この娘には恥じらいはないのか!?

 

ゼノヴィアはさらにブラのホックを外した。

 

ぶるっ!

 

抑えるものが無くなった為か、

見事なものが勢いよく現れる。

 

「誰にも触らせたことのない胸だ

よく覚えておくといい」

 

この娘は前にも奈美先輩の実家がある

古々椰子村でも子作りしようと言われたしな

度々暴走するんだよな。

 

「ほら、アーシアも」

 

ゼノヴィアがアーシアへ迫る!

何でアーシアの体操着を掴んで

脱がそうとしているの!

 

「で、でも…やっぱり、まだ心の準備が…」

 

ゼノヴィアはもじもじするアーシアから

強引に体操着を取り払い

可愛らしい下着姿になってしまう。

 

「大丈夫だよ、アーシア。不安なら、

先に私がユウスケとしようか?

私とユウスケの行為を見ていれば

どういうものか理解できて、

勇気と準備が整うはずだ」

 

「え!…え、えっと」

 

「ふふふ、冗談だよ。やっぱり、

あとから来た者に先を越される

のは嫌だと思っていた」

 

「そ、そういう意味ではなくて…」

 

「今日がチャンスだよ。奈美先輩と

部長の目がない今がユウスケと

乳繰り合えるチャンスは

今しかないかもしれないんだ」

 

「っ」

 

その一言にアーシアが黙り込んでしまった!

うぅ、会話が可笑しな方向に行き過ぎていて、

ついていけないぞ!

 

パチン

 

ゼノヴィアの手が静かに伸びて、

アーシアのブラのホックを外した。

 

「あっ」

 

露わになった胸元をアーシアは顔を真っ赤にして

手で隠す!そう!普通の女の子はこういう反応!

ゼノヴィアさん!君も見習ってくれよ!

 

そのゼノヴィアが俺の手を引き

トンと体を押した!

 

「おわっ!」

 

倒される俺。舞うホコリの中、

上半身だけ起こした俺は自分が

体育用マットの上に倒されたことに気づく!

 

がばっ!

 

何かが覆い被さる!ぶるぶるっ!

眼前で揺れるおっぱい!

ゼノヴィアが俺の上に

覆い被さってきていた!

 

ゼノヴィアが俺の左手を取り、

自身の胸に当てる!

柔らかい感触が俺の手に伝わる!

沈んでいく俺の指。

 

「ユウスケさん…な、奈美先輩には

負けたくないから…」

 

隣に座ったアーシアが俺の右手を取って、

自分の胸元へ。

 

ふにゅんっ!

 

ゼノヴィアほどは無いが、

確かな存在感のアーシアの

おっぱいに俺の指が!

 

「…ぅん…」

 

甘い吐息がゼノヴィアの口から漏れる。

一瞬で俺の脳が麻痺した!

 

「やはり、自分で触るのと、

男が触ってくるのとでは違うね、

さて、ユウスケ、私とアーシア、

どちらも準備OKだ。もみしだくといい」

 

と、ゼノヴィアが言うが、

アーシアは守るべき存在だ!

そんな感情をぶつける相手ではない!

だが、俺だって男だ、こんな場面用意されたら

俺はぁぁぁ!

 

ガラララ。

 

突然開かれる扉。

 

「…なかなか出てこないから

心配して来てみれば、な、な、

な、な、なんてことを!」

 

入ってきたのはイリナだった!

 

マズイ!上半身裸の女子が二人

に男が一人!言い訳ができない状態だ!

 

イリナのことだ、「不潔!」とか

クリスチャン的な発言をしそうだが。

 

「ベ、ベットでしなさい!

ここは不潔で衛生的によくないわ!」

 

不潔の基準が違った。

 

嫌そうじゃないだろ!




学園での日常もイリナの
登場で賑やかになってきた
体育祭の練習を通して、
アーシアと心を繋げるユウスケ、
この子は必ず守り抜く

次回、第75話「記録」

是非見てくれよな

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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