できれば昨日投稿したかった
今週はもう一回投稿予定です
パン!パン!
部室に乾いた音が二回こだました。
音の発生元は俺とイッセーの頬だ。
叩かれた。俺達はリアス先輩に頬を平手打ちされた。
リアス先輩の顔は険しい。
「何度言ったら分かるの?ダメなものはダメよ。
あのシスターの救出は認められないわ」
アーシアを助けられなかった俺達は、
一度学校に赴き、事の詳細をリアス先輩へ報告した。
報告した上で俺達は、あの教会へ行くことを提案した。
もちろん、アーシアを助けるためにだ。
しかし、リアス先輩はその件に関して一切関わらないと言ってきた。
納得できない俺達はリアス先輩へ無礼承知で
詰め寄った。そして、叩かれたわけだ。
初めて叩かれた頬は、予想以上に痛かった。特に心が。
リアス先輩を裏切る事ばかり言ってるからな。
そらでも譲れないものがある。
「なら、俺達二人でも行きます。あいつが言っていた。
儀式ってのが気になります。堕天使が裏で何かするに決まってます。
アーシアの身に危険が及ぶ可能性がありますから」
「貴方達は本当にバカなの?行けば確実に殺されるわ。
もう生き返ることは出来ないのよ?それがわかっているの?」
リアス先輩は冷静さを振る舞いながら、諭すように俺達へ言ってくる。
「行かなければ、後悔します!」
「貴方達の行動が私や他の部員にも多大な影響を及ぼすのよ!
貴方達はグレモリー眷属の悪魔なの!それを自覚なさい!」
「では、俺達を眷属から外して下さい。
俺達個人であの教会に乗り込みます」
「そんなことできるはずないでしょう!
貴方はどうしてわかってくれないの⁉︎」
初めてリアス先輩の激昂した姿を見た気がする。
俺達は、本当に迷惑ばかりかけているな。
でも、やっぱり譲れないな。だって
「俺達はアーシア・アルジェントと友達になりました。
アーシアは大切な友達です。俺は友達を見捨てられません!」
「ユウスケの言う通りです俺達の意思は何を言われようと変わりません」
「…それはご立派ね。そういうことを面と向かって
言えるのはすごい事だと思うわ。
それでもこれとそれは別よ。貴方達が考えている以上に
悪魔と堕天使の関係は簡単じゃないの。
何百年、何千年と睨み合ってきたのよ。
隙を見せれば殺されるわ。彼らは敵なのだから」
「敵を消し飛ばすのがグレモリー眷属じゃなかったんですか?」
「………」
俺とリアス先輩は睨み合う。
視線はずらさない。じっと正面から見つめる。
「あの子は元々神側の者。私達とは根底から相容れない存在なの。
いくら堕天使のもとへ降ったとしても
私達悪魔と敵同士であることは変わらないわ」
「アーシアはあの子は敵じゃないです!」
俺は強く否定する。
あんな誰よりも優しい子が敵なわけがない!
「だとしても私にとっては関係のない存在だわ。
ユウスケ、イッセー、彼女の事は忘れなさい」
そんなこと言われて忘れられる程俺は薄情じゃあない!
そこへそそくさと朱乃さんが部長に近づき、耳打ちする。
何かあったのか?朱乃さんの表情も険しい。
でもそれは俺とリアス先輩の言い合いに関してではなさそうだ。
朱乃さんの報告を耳にしたリアス先輩の表情が一層険しくなる。
やはり、何かあったみたいだ。
リアス先輩は俺をちらりと一目見た後、今度は部室にいる
部員全員見渡すように言った。
「大事な用事が出来たわ。私と朱乃はこれから
少し外へ出るわね」
ッ!
そ、そんな。
「リアス先輩、話はまだ終わって」
言葉を遮るように、リアス先輩は人差し指を俺の口元へ。
「ユウスケ、イッセー貴方達にいくつか話しておくことがあるわ。
まず、ひとつ。イッセーは『
思っているわね?どうなの?」
イッセーはリアス先輩の問いを静かに肯定し、頷いた。
「それは大きな間違いよ。『兵士』には他の駒にはない
特殊な力があるの。それが『プローモーション』よ」
やはり、チェスと同じで、プローモーションが出来るのか。
「実際のチェス同様、『兵士』は相手陣地の最深部
へ赴いた時、昇格することができるの。
『
ユウスケ、イッセー、貴方は私が『敵の陣地』と認めた場所の
一番重要なところへ足を踏み入れたとき、『
以外の駒に変ずることができるの」
プロモーションの力で騎士の速さ、
戦車のパワーを手に入れることが出来るのか。
「貴方達は悪魔になって日が浅いから最強の駒である『女王』
へのプロモーションは負担がかかって、現時点では無理でしょう。
けれど、それ以外の駒なら変化できる。心の中で強く
『プローモーション』を願えば、あなたの能力に変化が訪れるわ」
この力とベルトの力を合わせれば、
俺はまだ強くなれる。あの神父でも戦えるはずだ。
「それともうひとつ。
イッセー、
リアス先輩がイッセーの頬を撫でている。
「想いなさい。
そして、その力も決定するわ。あなたが悪魔でも、想いの力は消えない。
その力が強ければ強いほど、
想いの力か、俺のベルトも想いの力で赤の戦士になれるのかもな。
「最後に、絶対にこれだけは忘れない事。『兵士』でも『王』を取れるわ。
これは、チェスの基本よ。それは悪魔の駒でも変わらない事実なの。
あなたは、強くなれるわ」
それだけ言い残すとリアス先輩は朱乃さんと共に魔方陣から
どこかへ転移してしまった。
部室に残されたのは俺とイッセーと木場と小猫ちゃんのみ。
「行こうイッセー」
俺は意を決してその場から去ろうとする。
「二人共」
木場が呼び止める。
「行くのかい?」
「ああ、行かないといけない。アーシアは友達だからな。
俺達が助けないといけないんだ」
「…殺されるよ?いくら
を持っていても、プロモーションを使っても、
エクソシストの集団と堕天使を二人で相手にはできない」
正論だな。
そんなことはわかっている。重々承知だ。
「それでも行く。男なら出来る、出来ないではなく
やるか、やらないかだ!やらないと絶対に後悔する。
たとえ死んでもアーシアだけは逃がす」
「いい覚悟、と言いたいところだけど、やっぱり無謀だ」
「だったら、どうすりゃいいってんだ!」
怒鳴るイッセーに木場はハッキリと言ってくる。
「僕も行く」
「なっ…」
「ふっ 頼もしいな」
イッセーは予想外の木場からの一言に言葉を一瞬失う。
そりゃそうか。まったくもって予想に反した言葉だった。
「僕はアーシアさんをよく知らないけれど。
君達は僕の仲間だ。部長はああおっしゃったけど、
僕は君達の意思を尊重したいと思う部分もある。
それに個人的に堕天使や神父は好きじゃないんだ。
憎いほどにね」
…こいつはこいつで何かの過去があるんだろうな。
「部長もおっしゃっていただろう?『私が敵の陣地と認めた
場所の一番重要なところへ足を踏み入れたとき、
王以外の駒に変ずることができるの』って。これって、
遠回しに『その教会をリアス・グレモリーの敵がいる
相手陣地だと認めた』ってことだよね」
「あっ」
イッセーはやっと気づいてようだな。
「今更気づいたのかよ」
「ユウスケは気づいてたのか?」
「当たり前だろう。途中から論点ずれてたろ」
「部長は君達に行ってもいいって遠回しに認めてくれたんだよ。
もちろん、それは僕にフォローをしろって意味合いだとも思うけど。
部長に何か考えがあるのだろうね。じゃなければ、
君達を閉じ込めてでも止めると思うよ」
木場は苦笑する。
…リアス先輩。感謝します。
ここにいないリアス先輩に感謝していると俺のもとへ、
小柄な少女が一歩前へ出る。
「…私も行きます」
「なっ、小猫ちゃん?」
「君も来てくれるのか」
「…三人だけでは不安です」
「感動した!俺は猛烈に感動しているよ、小猫ちゃん!」
少女の申し出にイッセーは感無量となってしまっていた。
「あ、あれ?ぼ、僕も一緒に行くんだけど…?」
放置された木場がなんとも寂しげに笑みを引きつらせている。
木場も感謝しているよ。
「んじゃ、四人でいっちょ救出作戦といきますか!」
「ああ、待ってろよアーシア!」
俺達四人は部室を出て教会へ向かう。
その途中俺達に声を掛ける人物がいた。
「あら、ユウスケにオカ研のみんなじゃない」
声のした方へ向くとそこには、奈美先輩が立っていた。
「奈美先輩どうしてここに?」
「今日の依頼の事でリアスに聞きたいことがあったのよ」
「すみません。部長、今日は悪魔の仕事はできません。
やらないといけないことが出来たので」
リアス先輩を訪ねてきた奈美先輩に返答する。
「その目は何かあった様ね。いいわ依頼はまた今度にするわ」
「すみません。部長前に言っていた堕天使と決着をつけてきます」
「そう、なら必ず生きて帰って来なさい。待ってるから、絶対よ」
「はい!わかってます!」
俺は奈美先輩に返答しイッセー達を連れて教会へ向かう。
「いい先輩だね」
「わかってるよ。必ず皆で無事に帰ってくるぞ!」
「「「ああ!(はい!)」」」
ー〇●〇ー
すでに空は暗く、街灯の光が道を照らす時間となっている。
俺とイッセー、木場、小猫ちゃんの四人は教会が見える位置で
様子を伺っていた。人の出入りは無いようだ。
けれど、近づけば近づくほどに悪寒が走る。
「この気配からして、堕天使が中にいるのは確実だよ」
なるほど、レイナーレだけならいいが。
「これ、図面」
木場が路面に建物の見取り図を広げた。
それは教会の図面だった。こんなものいつの間に…。
「まあ、相手陣地に攻め込む時のセオリーだよね」
にこやかに笑う木場
こうなることが分かってたのか⁉ 随分前から用意してたんじゃ?
前準備もせずに突撃をかまそうとしてた俺達が恥ずかしくなってくるよ。
「聖堂のほかに宿舎。怪しいのは聖堂だろうね」
と木場は、図の聖堂を指さす。
「宿舎は無視していいってことか?」
イッセーが木場の推測を不思議に思っていた。
「おそらくね。この手の『はぐれ悪魔祓い』の組織は決まって
聖堂に細工を施しているんだ。聖堂の地下で怪しげな儀式を行う
ものなんだよ」
映画のお約束じゃあるまいし、信じられないがな。
「どうしてだ?」
俺は疑問を口にしていた。木場は苦笑している。
「今まで敬っていた聖なる場所、そこで神を
否定する行為をすることで、自己満足、
神への冒涜に酔いしれるのさ。愛していたからこそ、
捨てられたからこそ、憎悪の意味を込めて
わざと聖堂の地下で邪悪な呪いをするんだよ」
イカレてるな。いや俺があった神父はもう充分に
イカレていたか。熱心な信徒を捨てる神にも
問題があるのかもな。
アーシアの件で神様にはいい印象はないから
そう思うだけかもな。
「入口から聖堂までは目と鼻の位置。一気に行けると思う。
問題は聖堂の中へ入り、地下への入口を探すことと、
待ち受けているであろう刺客を倒せるかどうか」
刺客…。
それを聞いた時、俺は嫌な予感がしていた。
月明かりに照らされながら、俺達は教会入口で顔を見合わせて、頷き合った。
覚悟は出来ている!
あとは乗り込むだけだ!待ってろよアーシア必ず助けてやるからな!
ダッ!
入口を潜り、一気に聖堂まで走りぬく。
この時点で堕天使は俺達が乗り込んできたことを察知するという。
もはや、後戻りはできない。先に進むだけだ!
勢い良く両開きの扉を開け放ち、聖堂の中へ足を踏み入れた。
長椅子と祭壇。見た感じは普通の聖堂だ。
ロウソクの灯りと電気の灯りが内部を照らしている。
周りを見渡すとその中で、まともじゃない部分もあった。
十字架に磔となっている聖人の彫刻。
その彫刻の頭部が破壊されていた。
なんとも不気味な雰囲気が漂っていた。
パチパチパチパチ。
突然、聖堂内に鳴り響く拍手。
柱の物陰から神父らしき人影が現れる。
「ご対面! 再会だねぇ! 感動だねぇ!」
あの時の白髪のクソ神父だ!
確かフリードと名乗っていたか?
こいつが刺客か。まあ本拠地なんだ居るのは当然か。
相変わらずふざけた笑みを浮かべている。
「俺としては二度会う悪魔は居ないってことになってんだけどさ!
ほら、俺、メチャクチャ強いんで悪魔なんて初見で
チョンパなわけですよ!一度会ったらその場で解体!
死体にキスしてグッドバイ!それが俺の生きる道でした!
でも、お前らが邪魔したから俺のスタンスがハチャメチャ
街道まっしぐら!ダメだよねぇ~。俺の人生設計を
邪魔しちゃダメだよねぇ~!だからさ!ムカつくわけで!
死ねと思うわけよ!つーか、死ねよ!
このクソ悪魔どもがよぉぉぉぉぉッッ!」
喜怒哀楽をいっぺんに表した後、神父は一気に激昂する。
懐から以前見た拳銃と柄だけの剣を取り出した。
ブィィン。
光の刃を出現させる。あれで切られると厄介だな。
銃弾も危険だ。
ただ、あの時とこちらは違う。四対一だ。
「てめぇら、アーシアたんを助けにきたんだろう?
ハハハ!あんな悪魔も助けちゃうビッチな子を救うなんて
悪魔さまはなんて心が広いんでしょうか!てか、
悪魔に魅入られている時点であのクソシスターは
死んだ方がいいよね!」
「死ぬ?どういう意味だ!アーシアはどこだ!」
「んー、そこの祭壇の下に地下への階段が隠されてございます。
そこから儀式が行われている祭儀場へ行けますぞ」
祭壇を指さしながら、あっさり地下の隠し場所を吐いた。
こいつ、本当に刺客の自覚があるのか?
それともこの人数差で俺達を殺せる算段があり、
話しても問題無いという自信からか。
「はぁぁぁッッ!」
腰にベルトを出現させベルトの発光と共に
俺の姿は白の戦士に姿を変える。
「セイクリッド・ギアァ!」
イッセーの叫びに呼応して、左腕に赤い籠手が装着される。
木場も鞘から剣を抜き放つ。
そこで、小猫ちゃんの方へ視線を向けると驚きの光景が飛び込んできた。
ゴゴゴ…。
小猫ちゃんが、自身の何倍もあるであろう長椅子を持ち上げている。
「…潰れて」
ブゥン!
小猫ちゃんは神父へ向けて長椅子を投擲する。
これが、『戦車』である小猫ちゃんの戦い方かなんとも豪快だな。
「わーお!しゃらくせぇ!」
神父は小躍りしながら、投げ飛ばされた長椅子を光の剣で一刀両断した。
両断された長椅子が床へ叩き付けられる。
「そこだ」
ダッ!
木場が飛び出したと思ったら、すでに消えていた。
目では追えない程のスピードだ!
木場の剣と神父の剣が火花を散らす。
光とはいえ、硬度があるのか、木場が剣で正面から
斬りつけても金属音を出すぐらいだからな。
「んー! んー!邪魔くせぇ!しゃらくせぇ!てめぇら、
なんでそんなにウザイのよ!もうチョベリバ!
死語でゴメンね!死後に許してちょ!」
音もなく発射される銃弾を自慢の足で避けながら、
木場は相手への攻撃の手を休めない。
神父の攻撃をすべて避ける木場はすごいと思う。
だが、悪魔とまともにやり合っている神父も
相当な腕の持ち主だ。
何度も木場の斬撃を受け止めている。
俺では木場の動きを捉えきれないが、神父は捉える事が出来る様だ。
あの神父は俺一人ではどうこうできる相手ではないってことだ。
木場と神父は遂に鍔迫り合いとなり、両者が睨み合う。
「やるね。かなりキミ強いよ」
「アハハ!あんたもやるねぇ!『騎士』か!無駄のない動きだぜ!
もう最高!そうそう、これこれ。最近、
こんなにいいバトルをしてなくてさぁ!
ちょいと泣きが入ってたところなんですわ!んー!んー!ぶっ殺す!」
「じゃあ、僕も少しだけ本気を出そうかな」
なっ! まだ本気じゃなかったのか!
「喰らえ」
低い声音。普段の爽やかな木場の口から出たとは
思えないほどの迫力があった。
刹那、木場の剣から黒いモヤが出現する。それは剣全体を覆いだした。
形容するならそれは闇だ。
闇が木場の剣となっている。
闇の剣は鍔迫り合っている神父の光の剣を浸食しだした。
「な、なんだよ、こりゃ!」
神父も驚いている様だ。
「『
「て、てめぇも
木場も
神父の光の剣は完全に木場の剣に食われて、光を失い、
刃を形成できないほどとなった。
今だ!
俺とイッセーは駆け出した。
「
『Boost!!』
イッセーの籠手の宝玉から音声が発生される
目標は神父!
その神父が俺達の動きに気づいた。
「だからぁぁ!しゃらくさいんだってばぁ!」
光の弾丸が込められた銃口をこちらへ向ける。
音もなく光の弾丸が連射される。
ここで!
「「プロモーションッ!『戦車』ッ!」」
バシィン! バシィン!
光の弾丸は俺達の体を打ち抜くことは出来ずに無へと還った。
「!プロモーション!お前達「兵士』か⁉」
酷く驚いた様子の神父。
ああ、俺達は『兵士』!お前をぶん殴る「兵士』だ!
「『戦車』の特性!有り得ない防御力と!」
俺とイッセーの拳が神父の顔面に食い込んだ、
と思ったが、俺の拳に硬い感触が残った。
だが、一気に吹っ飛ばす!
神父が後方に大きく吹き飛ぶ。
「バカげた攻撃力だ!」
「あの時はよくもアーシア殴ってくれたな。これはそのお返しだ」
倒れた神父だが、口から血をペッと床へ吐き出すとよろよろ立ち上り始めた。
思ったよりも軽傷だ『戦車』にプロモーションしたが、
小猫ちゃん程の攻撃力はまだないようだ。
いや、よく見れば神父の持つ武器がボロボロになっていた。
拳を食らう寸でのところであれを盾にしたのか?
硬い感触はそれだな。とんでもない反射神経だな。
「…んー。…あらら、クズ悪魔に殴られたうえ、わけわからんこと
言われてますよ、俺ちゃんってば…。 っけんな」
神父は怒声を張り上げた。
「ふざけんなよッ‼クソがぁぁぁぁっ!何、悪魔の分際で
チョーシくれてんだよぉぉぉぉぉっ!殺す!絶対にだ!
ぶっ殺す!徹底的に切り刻みまくってやるよ、クソがぁぁぁ!」
神父は懐から別の柄だけの剣を取り出す。
まだあったのか。
しかし、神父の周囲を囲うように俺達が立っていた。
それに気づき、目で周りを見渡す神父。苦笑いしだす。
「おーおー。これはもしかしてピンチってやつですかね?
んー、俺的に悪魔に殺されるのは勘弁と思う心情なので、
退散したいねぇ。悪霊退散できないのが心残りだけどよぉ、
でも死ぬのは嫌だよね!」
神父は懐から丸い物体を取り出したと思ったら
それを床に叩きつけた。
瞬間、眩い光が俺達の目を襲う。
目くらましか!
視力が回復した頃、周りを見渡すと神父の姿がなかった。
すると、どこからか神父の声だけが聞こえてくる。
「おい。そこの雑魚悪魔…ユウスケにイッセーくんだっけ?
俺、おまえらにフォーリンラブ。絶対に殺すから。絶対だよ?
俺のこと殴ったクソ悪魔は絶対に許さないよ?んじゃ、ばいちゃ」
…逃げやがったか。しかも、捨て台詞付きで。
そう思っていたが、これ以上あの神父に関わってもいられない。
俺達は頷き合うと、祭壇の隠し階段へ足を向けた。
ー◯●◯ー
祭壇の下にあった地下への階段を降りる俺達四人。
地下まで電気が来ているようだ。
木場が先頭をつとめ、先へ進む。
階段を下りると、奥へ続く一本の通路だけが存在した。
両脇の壁には時折り扉があるがこれら地下室か。
「多分、この道の奥…。あの人の匂いがするから…」
小猫ちゃんが道の先を指差して呟く。
奥へ進むと、大きな扉が現れる。
「あれか」
「おそらく、奥には堕天使とエクソシストの大群が
いると思う。覚悟はいい?」
木場の言葉に俺達は頷く。
「わかった。じゃあ、扉を」
俺達が扉を開け放とうとした時、扉の方が勝手に開きだした。
重い音をたてながら、儀式場とやらの内部が見えてくる。
「いらっしゃい。悪魔の皆さん」
堕天使レイナーレが部屋の奥から言葉をかけてきた。
部屋中、神父だらけだった。全員、
光の刃を発生させる剣を持っていた。
俺は奥の十字架に磔にされた少女を見て、叫んだ。
「アーシアァァ!」
俺の声に気付き、アーシアがこちらへ顔を向ける。
「…ユウスケさん?」
「ああ、助けに来たぞ!」
俺が微笑むと彼女は涙を流した。
「イッセーさん…」
「感動の対面だけれど、遅かったわね。今、儀式が終わる所よ」
「それはどういう?」
突然、アーシアの体が光出す。
「…あぁあ、いやぁぁぁぁぁぁッッ!」
アーシアが絶叫を上げる。とても苦しそうだ。
「アーシア!」
駆け寄りたいが、俺達を神父が取り囲む。
「邪魔はさせん!」
「悪魔め!滅してくれるわ!」
「どけ!神父ども!お前らには用はないんだよ!」
バン!
大きな音。見れば、小猫ちゃんが神父の一人を殴り飛ばしていた。
「…触れないでください」
木場も闇の剣を抜き放つ。
「最初から最大で行かせてもらおうかな。僕、
神父が嫌いだからさ。こんなにいるなら、
遠慮なく光を食わせてもらうよ」
木場の目は鋭く、冷徹な意思を感じられた。
闇の剣がどす黒い殺気を発していた。
「いやぁぁぁぁ…」
そうこうしているうちに、
アーシアの体から大きな光が飛び出してきた。
それをレイナーレが手につかむ。
「これよ、これ!これこそ、私が長年欲していた力!
私は愛をいただけるの!」
狂喜に彩られた表情でその大きな光を、レイナーレは抱きしめた。
途端に眩い光が儀式場を包み込む。
光が止んだとき、緑色の光を全身から発する堕天使がそこにいた。
「うふふ。アハハハハハハ!ついに手に入れた!
至高の力!これで、これで私は至高の堕天使となれる!
私をバカにしてきた者達を見返すことができるわ!」
高笑いする堕天使。
俺とイッセーは構わずアーシア元へ駆け出す。
神父が行かせまいと行く手を阻むが、それを木場と小猫ちゃんが
フォローで道を切り開いてくれる。
木場の剣が神父の光の剣を食らい、武器を失った神父を
小猫ちゃんが怪力で打倒した。
そのコンビネーションは熟練されており、
二人の連携が一日二日で築き上げたものではない事を物語っている。
「ありがとう二人とも!」
磔にされたアーシアはグッタリしている。
いや、未だ死んではいない!
俺達は手足の拘束具を解き、彼女を抱き抱える。
「…ユ、ユウスケさん…」
「迎えにきたよ。アーシア。」
「…はい」
返事をする彼女の声はあまりに小さく、
生気を感じさせなかった。
まだ大丈夫だろう?こんなことで…。
「無駄よ」
俺の心中を否定するかのようにレイナーレが冷笑を浮かべる。
「
「っ! なら
俺は怒鳴るが、堕天使は笑うだけだ。
「返すわけないじゃない。これを手に入れるために
私は上を騙してまでこの計画を進めたのよ?
貴方達も殺して証拠は残さないわ」
「…くそ、夕麻ちゃんの姿が憎いぜ」
イッセーのその一言を聞いて、彼女は高笑いする。
「ふふふ、それなりに楽しかったわよ。あなたとの付き合いわ」
「…初めての彼女だったんだ」
「えぇ、見ていてとても初々しかったわ。
女を知らない男の子はからかいがいがあったわ」
「…大事にしようと思ったんだ」
「うふふ、大事にしてくれたわね。私が困ったことになったら、
即座にフォローしてくれた。私を傷つけないように。でも、
あれ全部私がわざとそういう風にしてたのよ?だって、
慌てふためくあなたの顔が可笑しいんですもの」
「…初デート、ユウスケにも相談して念入りにプランを考えたよ。
絶対にいいデートにしようって思ったから」
「アハハハハ!そうね!とても王道なデートだったわ!
おかげでとてもつまらなかったわよ!」
「…夕麻ちゃん」
「うふふ、あなたを夕暮れに殺そうと思っていたから、
その名前にしたの。素敵でしょ?ねぇ、イッセーくん」
「「レイナーレェェェェェェェェェェッッ!」」
「てめぇはイッセーの純粋な恋心を踏みにじり
純情なアーシアを自分の目的の為に利用したよ
悪魔の俺はお前達から見れば「悪」だろう。
だが、そんな俺でも吐き気のする「悪」は分かる‼「悪」とは、
てめぇ自身の為だけに弱者を利用し踏みつける奴のことだ!
てめぇだけは、この兵藤祐介がぜってぇに許さねぇぞ!」
「アハハハハ!腐ったクソガキが私の名前を気安く呼ぶんじゃないわよ!
できるものなら、やってごらんなさい」
今までの人生でここまでの外道に会うのは初めてだ。
こいつこそ、本当の悪魔じゃないか!
「二人共!ここでその子を庇いながらでは形勢が不利だ!
一度上に上がってくれ!僕たちが道を開ける!さあ、早く!」
木場が神父を薙ぎ払いながら言う。
確かに。まだ神父がかなりいるし、この地下でアーシアを守りながら堕天使と
戦うのは限界があるかもしれない。
俺はレイナーレをひと睨みすると、アーシアをお姫様抱っこして、
イッセーと共にその場から駆け出した。
「小猫ちゃん、二人の逃げ道を作るぞ!」
「…了解」
二人が邪魔をしそうな神父を薙ぎ倒していく。
中には二人の連携をかいくぐって近づいてきた神父も
イッセーが殴り飛ばして道を開いていく。
二人のフォローもあって、俺達は一気に儀式場の入口まで
進むことができた。
「木場! 小猫ちゃん!」
「二人共!早く来い!」
「先に行くんだ!ここは僕たちで受け止める!」
「…早く逃げて」
「でも!」
「いいから行くんだ!」
「イッセー!俺達が居たら逆に足手まといだ!
先に進むしかない!」
あの二人の強さはよく知っている。ここで死ぬはずがない。
二人を信じ、俺達は先へ進むしかない。
「木場!小猫ちゃん!帰ったら、絶対に俺の事はイッセーって呼べよ!
絶対だぞ!俺達、仲間だからな!」
イッセーがそれだけを告げる。最後に見た二人はかすかに微笑んでいた気がした。
俺達はその場を後にして、そのまま一気に地下の廊下を駆け抜けていった。
ようやく救出したアーシア
だが突きつけられる現実!
追いかけてきた堕天使とついに決着の時!
その時、ユウスケとイッセーは真の力に覚醒する。
次回、第9話「変身」
新たな伝説がここから始まる!
感想、評価待ってます!
外伝でやってほしいコラボは?
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仮面ライダークウガ(五代雄介)
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仮面ライダーディケイド
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忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
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その他(希望があれば感想へ)