遂にあの組織が本腰を入れてやってくる!
第88話「綻び」
気が付くと俺は遺跡の前に佇んでいた。
「またここに来たのか…」
アマダムの中にある遺跡…。
以前にも訪れた場所だが、
その時は戦いでもあったのか至る所が
崩れていたが、今は違う。
あちこちが植物に覆われており、
まるで世界遺産のミーソン遺跡みたいだ。
「とりあえず、中に入ってみるか…」
ここで考えていても仕方ない中のオルガに
話を聞くしかないか
俺は遺跡の中に入るとそこに広がっていた空間は
以前訪れた場所とは全く違う物だった。
「ようやく来たか、今代のクウガ。
何を呆けている。さっさと席に着くがよい」
そこは円卓の間とでも言うのか
大きな円型のテーブルに三人の人間が
座りこちらに視線を向けていた。
その中でいかにも武将の様なごつい
出で立ちの男性がこちらに声を掛ける。
「あ、ああ…」
俺は言われた通りに目の前の席に着席する。
俺以外に座る二人の男女は何も喋らない。
笑いながらこちらを見つめる青年の額には
クウガの紋章と似たものが刻まれているが、
俺はこんな男は見たことが無かった。
先代のクウガとかか?
目をつむり沈黙する女性の方は何度も見たことがある。
グロンギ族の女王。『ン・オルガ・ゼギ』だった。
「えっと、これは何かの話し合いの場でしょうか?」
俺がそう訊ねると、目の前の男性は不思議そうに呟く。
「ほう、俺達が誰かわかっていないようだな。
ならばこうすればわかるか?」
男がそういうと、体が変化していき、
オオカミのグロンギ『ン・ガミオ・ゼダ』となる。
「な!?お前だったのか。ならあっちの男は」
笑っていた男も体が変化させると、その正体は
『ン・ダグバ・ゼバ』であった。
「さっさと座れ、話は始まってもいないだろ?」
話?
「何を話すっていうんだ?」
俺がそう訊ねると、二人は再び人間態に戻る。
「お前は何のために力を振るう?」
ガミオはにやりと笑いそう語りかけてくる。
「そんなの、仲間を大事な人たちを守るために
決まっているだろう!」
俺はガミオの瞳を真っ直ぐ見つめそう答えた!
「青いな…。だが良い目だ昔の俺なら笑っていたが、
お前の戦いは中から見ていたからなその言葉の重み
は十分理解した。お前にも資質があるという事にな」
資質…?
「何だよそれは?」
「王の資質だ!時代が時代ならお前は王になれただろう!
この俺が保証しよう!」
ガミオは嬉しそうに笑っているが、俺は複雑な気持ちだっ
た。敵のトップに褒められるってのはどんな状況だよ!
「なんでそんなこと聞くんだよ?」
「いずれぶつかる相手の事を改めて
知っておこうと思ってな」
ぶつかる?封印されているこいつが俺と?
「封印の事を気にしてるのなら、この封印は遠くない
うちに解けてしまうだろうさ。そうすれば俺達は外に
出る!その時はお前と戦いになるのは当然の
事だろう?」
な、封印が!?それはゲゲルが進んでいるからか?
「そういうことだから、君がいくら考えても
僕達が外に出ることは止められないよ。
まぁ、僕は今の君と戦うよりもう一人のクウガと
戦う方が面白そうだけどね。彼は僕達と等しく
なっているからね。楽しめそうだけど、
君じゃあ、まだまだ強くなってもらわないと
楽しめないかな?そうだ、此処で君に攻撃すれば
どうなるかな?」
ダグバは嬉しそうに怪人態になるとこちらへ
手をかざしてくる!
俺は腰に手をかざすが腰にベルトは現れなかった。
ッ、なんで!?
「よせダグバ!ユウスケに手を出すなら
私が許さんぞ!」
そこで今まで沈黙していたオルガが声を荒げる!
「ふん、冗談だよ。そんなに怒るなんて、
やっぱり彼は特別かい?それと今の君は
動くことも出来ないくせに僕を止める事なんて
出来ないじゃないか」
動くことも出来ない?他の二人はこんなに自由に
動いているのになんでオルガだけ?
ダグバの言葉にオルガは憎らしそうにこちら
から顔を背けてしまう。
「こやつは我々の封印が解けないように封印を
強化しているのだ自身を術式に組み込んでな
だから動くことが出来ないのさ。
自分だけ封印が解けても外に出ることは
出来なくなった、それでも封印が解けるまで
の時間を延ばす事しか出来てはいないだろうがな」
自分を犠牲にしてッてかなんでそんなことを!?
「気にすることは無い。私が勝手にやっていることだ」
オルガはそう言いまた目をつぶり沈黙してしまう。
勝手にやったって何のために、だってオルガは…。
「グロンギと人間は共存は出来ないのか?」
「ふむ、オルガの目指すところがそれだったな。
結論から言えば無理だろうな」
なっ!
「そんなのわからないじゃないか
そりゃ昔はリント族とグロンギ族は
争っていたかもしれないけど今は
悪魔とか人ならざるものと共存してるんだ
無理じゃあないだろ!」
「悪魔が人間世界に居るのは知っているさ
だがそれは人間全員が知っていることか?
知らされていないってことは知られると
騒ぎになるからと考えているからじゃないか?」
ぐっ、確かにそうかもしれないでも
「それでも、共存しようとしているんだ!
それもしないで頭から無理だと決めつけるのは
可笑しいだろう!」
俺の答えにガミオは目をつむり応える。
「お前だって今までグロンギを何人も殺してきただろう
それで共存とは片腹痛いな!」
「あいつらはグロンギだから倒してきたんじゃない!
俺が守りたいものを壊そうとしたから戦ったんだ
現に堕天使だって倒したけど、今では同盟を
組んでるじゃないか!」
ガミオはこれ以上の問答は意味がないとばかりに
ため息をつき考え出す。
「なら、過去の話をしてやろう、俺達グロンギと
リント族の話だ」
ガミオは俺の眼を真っ直ぐ見て過去を語りだす。
「確かに最初の始まりは我らグロンギ族が始めた
ゲゲルが発端だ、多くのリント族が狩られていった。
だが、リント族はただ、狩られる獲物ではなかった。
アマダムを生み出し二人の戦士を生み出した。
初代、つまりお前の先代は戦いに消極的で
いつも戦いは撃退に徹し、殺しは一切しない男だった。
それに比べて二代目は率先的にグロンギ族を殺して
いった、恐らく家族を殺されていたのだろう。
クウガ同士でも衝突することも度々あった。
部族同士の戦いはどちらかが滅びない限り続く、
そう考えた俺はとある選択をした。
リント族もグロンギ族に変えてしまえばよいと!」
「そんなことが可能なのかよ!」
「可能だ、俺の能力で生み出した霧を吸った
人間はグロンギ族に変化させることが出来た。
俺はリント族の集落を霧で包み全てのリント族を
グロンギへと変化させたが、そこで誤算が生じた。
二人のクウガだけグロンギにならなかったのさ。
そしてそこで悲劇が起こった」
悲劇?今の話前に夢で見たあれか?
「二代目のクウガがグロンギになったリント族を
殺して回ったのさ。理由としては仲間に化けた
グロンギ族の掃討ってところだろう。
初代も止めに入ったがその時にはほとんどの
リント族は二代目に殺されていた。
その後二代目は自身が行った虐殺が仲間殺しで
あったと真実を知り絶望した。
そこからだ奴は究極の闇へと姿を変えたのさ
そしてそのまま二天龍と三大勢力の戦いに
介入した。表の歴史に残っているのは此処だけだ、
その後、オルガと初代の協力で二代目は撃破、
我々も封印されたこれが、リント族とグロンギ族
の歴史の全てさ。わかるか?リント族は我ら、
グロンギ族ではなく。守護者であったクウガによって
滅ぼされたのさ!グロンギ族に変わったのだって
見た目だけだ、中身までは変わっていないというのにな
俺が言いたいことがわかるか?姿が変わっただけで
敵とみなす人間とどうやって共存しようっていうのだ」
「それは、一部の人間だろ現に初代クウガは共存
しようとしていた!他種族同士なんだから
分かり会えない者だって出てくるさでもそれが
全てじゃない!」
「その考えは立派だ、だがな王たるもの
民が犠牲となる可能性が僅かでもあるのなら
無視するわけにはいくまいそれぞれの思想が
正義がぶつかった時は何が起こる?」
正義の衝突…それって?
「そう、戦争だ!」
ガミオは立ち上がり俺に言う。
「貴様には二つ選択肢がある!
一つは我らグロンギ族を一人残らず殺し滅ぼす選択。
残りは『ゲキバス・ゲゲル』に勝ちグロンギ族を
率いる王となる選択。王となり命令すればよい、
人間との共存をな」
そんな選択があるのか!?
「まあ、そのためには我らを倒さなければ
行けないが、お前にその覚悟はあるのか?」
ガミオのその質問にダグバとオルガも
真剣な表情でこちらを見てくる!
「覚悟ならあるさ!初代たちが目指した
共存への想いは俺が引き継ぐ!そのために
お前達が障害になるっていうのなら
そのこと如くを乗り越えてやるさ!」
「いいだろう!ならば、俺は最大の壁として
お前を迎え撃とう!戦いの時は近い!
最善の状況にて『ゲキバス・ゲゲル』を
行おう!」
ガミオ、ダグバ、が立ち上がりこちらへ
手を向ける!
「ならば、話は此処までだ!
次はゲゲルで立ち会おうぞ!兵藤祐介!」
二人から衝撃波が放たれ!俺は円卓の間から
弾いだされる!
「うわぁ!」
俺は布団から飛び起きる!
「ハァッ!ハァッ!夢?いやあれは…」
実際に起きたことだ。
アマダムの中で実際に三人に遭ったんだ。
「やってやるさ!次のゲゲルも必ず勝ってやる!」
―〇●〇―
『何しに来た!』
『戦います!俺』
『まだそんなことを!』
『こんな奴らの為に!これ以上誰かの涙は
見たくない!皆に笑顔でいて欲しいんです!
だから見ててください!俺の!変身!』
画面の中の俺が燃える教会の中、
真紅のクウガへと変身を遂げる。
俺達グレモリー眷属、イリナ、
アザゼル先生、ロビン先生は
兵藤家の地下一階にある大広間で観賞会を
していた。
巨大モニターに映る鑑賞作品は『仮面ライダー空我』
そしてこの前に『乳龍帝おっぱいドラゴン』という
特撮作品を鑑賞していた。
今冥界で絶賛放送中の子供向けヒーロー番組だ。
そう、題名からわかるが俺とイッセーがそれぞれ
の主役である。
と言っても、イッセーの方は背格好が似ている
役者さんにCGでイッセーの顔をハメこんで
加工しているだけだ。
俺の方ではスーツアクターは別の人が演じているが、
俺自身が役者として撮影させてもらった。
何度もカットは食らったが別の人にクウガを
任せることが出来なかった結果だ。
「…始まってすぐに冥界で大人気見たいです。
二大特撮ヒーロー、『乳龍帝おっぱいドラゴン』
『仮面ライダー空我』」
イッセーの膝上の小猫ちゃんがしっぽ
をふりふりさせながら言う。
小猫ちゃんって、冥界の番組にやたら詳しいよな。
大人気なのはこの間聞いたから知っているけど。
放送開始されて早々に視聴率が五十%を超える
化け物番組になった。
正直な話、『おっぱいドラゴン』なんてふざけた
名前の特撮がこんなに子供に人気がでるなんて
思わなかったよ。
それぞれの作品のあらすじはこうだ、
『仮面ライダー空我』、若手悪魔の兵藤祐介が
ある日手に入れたアークルを使って、古代から
復活した悪の組織から人間界を守るヒーローである。
『乳龍帝おっぱいドラゴン』、伝説のドラゴンと
契約した若手悪魔のイッセー・グレモリーは、
悪魔に敵対する邪悪な組織と戦う変身ヒーローである。
あらすじだけ見たら二作品ともよくある特撮作品だが、
イッセーはおっぱいを愛し、おっぱいのために戦う男。
親御さんは良く見せようとしたよな。
なお、著作権などは二つともグレモリー家が仕切ってい
る。聞いた話じゃ大分稼ぎ始めたようだ。グッズも
販売開始されているらしい。俺のアークルもイッセー
の籠手も沢山買われているらしい。
その試作品であるおもちゃが送られてきており、
精巧に出来ているそれは、アークル音声、LED発光など
果てには、フォームチェンジまで再現されていた。
「この番組のクウガもそうだけど二作品とも、鎧は
本物そっくりだね。すごい再現度だよ」
木場がうんうん頷きながらポップコーンを食べていた。
確かに、クウガも赤龍帝の鎧も本物を実際に見たから
といってここまで再現するとは技術力の高さが伺えるな。
『いくぞ!とおっ!マイティキィィィィィックッ!』
クウガが怪人に必殺のライダーキックを決め、
派手な爆破演出などが巻き起こった。
「やりましたね、ユウスケさん!」
そこへ、この作品のヒロインである。
シスターアーシアが現れる。
こちらも役者ではなくアーシア本人が役を
担当している。
ちなみに『おっぱいドラゴン』の方では
リアス先輩がスイッチ姫という名でヒロインを
勤めており、恥ずかしいからと理由でこちらも
背格好が似ている役者に顔だけをCGで加工している。
ヒロインがリアス先輩本人じゃないからイッセーも
役者にCG加工を行ったらしい。スイッチ姫の名前は
美猴がつけたものだが、アザゼル先生が提案し採用
されてしまった。それに怒ったリアス先輩に先ほど
詰められていた。ハリセンで叩かれながらも
人気が出てよかっただろうと反省はしてない様子だった。
スイッチ姫としての人気が高まり、もう冥界を
歩けないと嘆いていたよ。
まあ、俺達も今では子供人気が出てきたからな
別の意味で出歩けないかもな。
「いやあ、幼馴染がこうやって有名になるって、
鼻高々でもあるわよね」
イリナがキャッキャはしゃぎながら言う。この娘は
『仮面ライダー空我』だけではなく、
『乳龍帝おっぱいドラゴン』も十分に楽しんでいる
みたいなんだよな。
イリナは天使だが、すっかりグレモリー眷属の面々
に溶け込んでいる。まあ、一応オカルト研究部の部員
だけどな。
「そういえば、ユウスケ君って小さい頃、特撮ヒーロー
大好きだったものね。私も付き合ってヒーローごっこ
したわ」
と、イリナがクウガの変身ポーズをしながら言う。
確かにな、好きだったヒーローにまさか自分が
なっちまうなんて思わなかったなあ。
「確かにやったなぁ。あの頃のイリナは男の子っぽくて、
やんちゃばかりしてた記憶があったな。それがいまじゃ
こんな美少女なってるんだから。人の成長は面白いよな」
俺の言葉を受けて、途端に顔を真っ赤にするイリナ。
「もう!ユウスケ君ったら、そんな風に口説くんだから!
そ、そういう風にアーシアさん達も口説いていったの
ね…?怖い潜在能力だわ!堕ちちゃう!私、堕天使に
堕ちちゃうぅぅぅぅっ!」
ええ!イリナの羽が白と黒で点滅してやがる!
これが堕天の瞬間なのか?
天使が欲に負けたり、悪魔の囁きを受けると大変だと
聞いてたけど、こうなるんだな。
それを見てアザゼル先生が豪快に笑う。
「ハハハハ、安心しろ。堕天歓迎だぜ。ミカエル直属の
部下だ。VIP待遇で席を用意してやる」
「いやぁぁぁぁぁっ!堕天使のボスが私を
勧誘してくるぅぅぅぅっ!ミカエルさま、
お助けくださぁぁぁぁぁいっ!」
イリナは涙目で天へ祈りを捧げていた。
「ふむ、この紅茶は良い味だおかわりを!」
近くのジークはマイペースに紅茶を楽しんでやがる。
「でも、ユウスケさんが有名になるなんて自慢です」
「そうだな。でもアーシアだって人気
が出てるじゃないか」
隣のアーシアもゼノヴィアも楽しそうにしていた。
まあ、『仮面ライダークウガ』も『おっぱいドラゴン』も
成功だと思う。俺も驚いているけどさ。
おれがそんなことを考えていると、
ジークにおかわりの紅茶を渡した朱乃さんが、
イッセーに後ろから抱きついていた。
「イッセー君、そろそろ約束を果たしてもらわないと
困りますわ」
朱乃さんがイッセーに甘える様にスキンシップを
取っていると、小猫ちゃんやリアス先輩の眼が
鋭くなっているっ!?
「約束?」
イッセーが聞き返すと、朱乃さんは満面の笑みで言う。
「デートの約束ですわ。ほら、ディオドラ・アスタロト
との闘いでイッセー君が言ってくれたでしょう?」
「あー確かに言いました。覚えていたんですね」
この感じ、さては忘れてたな?
「もちろん。…もしかして、あれはウソなの…?」
目元を潤ませて悲しそうな顔をする。
「ウ、ウソじゃないです!」
イッセーの答えに朱乃さんはイッセーを抱きしめる
力を強めて、心底嬉しそうな声音で言う。
「うれしい!じゃあ、今度の休日、デートね。
うふふ、イッセー君と初デート♪」
イッセーが朱乃さんとデートかぁ、
応援したいところだけど、二人を睨む
リアス先輩と小猫ちゃんを見るに絶対平和な
デートにはならんだろうなぁ…。
―〇●〇―
昼休みの駒王学園。俺はスイッチと月詠、
それとアーシア達と弁当を食べていた。
「そうじゃ、もうすぐ修学旅行だったな。
班を決めねばならんな」
月詠が弁当をつまみながら言う。
そっか、もう、修学旅行の時期か。
俺達に粘性は京都へ行く。最近、色々あって
学校行事なんて忘れていたよ。体育祭のあと、
二年生は修学旅行だ。
「たしか、三、四名で組むんだっけ?」
俺が言うとスイッチが頷く。
「そうだ、宿泊する部屋が四人部屋らしい。
今まで通り、この三人で組むか?」
まあ、そうなるかね部屋を仕切れば男女でも
泊まれるからなこの組み合わせでいいだろう。
「その件なんじゃが、班決めはそれでいいんじゃが、
修学旅行の時、アーシア達の班と一緒に回らんか?」
月詠がそう提案してきた。
「それがいいだろう、日本に不慣れな二人が
見知らぬ土地にいくなら一緒に行った方が
良いだろうな」
スイッチの言う通りだアーシアとゼノヴィアは
不安だしな。イリナがいるとしてもポンコツ
だからな一緒にいた方がいいだろう。
「ユウスケさん、ご一緒してくれますか?」
ニッコリ笑顔でアーシアが訊いてくる。
そんな風に聞かれたら断るなんて誰も出来ないよ。
「いいに決まってるだろ!」
「はい!」
だきっ!ノリで抱き合う俺とアーシア!
「しかし、お主ら、体育祭が終わってから更に仲良くな
ったな。事情は知っておるが、四六時中、一緒におる
じゃろ」
月詠があきれながら言ってくる。
「まあな、言わば俺達は一心同体!
常に共にあるのさ。な?」
と、俺はアーシアに「あーん」してもらい
ウインナーを頬張った。
「はい。ユウスケさんとずっと一緒です」
そう、俺とアーシアは体育祭を終えた後、なんだか、
前より距離が近づいた気がした。前は兄と妹って、
俺は思っていた。兄的な意識でアーシアを守ろうと
していたんだ…。まあ、キスしたあとは妙に俺も
アーシアを意識しちゃって…妹よりも身近にいる
女の子として見ることが多くなった。
ディオドラから奪還してら溜めてアーシアが俺の
中でとても大事な存在なのだとわかったのさ
『一生一緒にいなきゃいけない!』って強く思えた。
恋人とは違う、家族としての異性っていうのかな。
それは妹とも違うんだ。
お互い寿命の長い悪魔だ何百年、何千年後か分から
ないけど死ぬその時まで一緒にいると思う
「はあ、これは…奈美先輩も苦労しそうじゃな…
アーシアも乗り気の様じゃが、ゼノヴィアも
イリナもそれでよいか?」
最初なんかいったか?
月詠の案にゼノヴィアは特大の弁当を食べる
のを止めて頷く
「うん。私もユウスケと一緒がいいな」
「ユウスケくんと一緒だとおもしろいしね!」
パンを食べているイリナも意見に賛成していた。
というわけで、旅行の班が決まった。
俺、スイッチ、月詠の三人で一班。
アーシア、ゼノヴィア、イリナの一班で
京都の町を巡ることになりそうだ。
今度どこを回るか決めて先生に希望を言うとしよう。
そういや、京都には金色の寺があるらしい。
俺的にはそこが気になっている。
修学旅行か。今度アーシア達と旅行に必要な
品を買いに行こうかね。
―〇●〇―
放課後のオカルト研究部にて。
下校時間も過ぎ外も暗くなってきた時、
俺達はお茶をしながら修学旅行の話をしていた。
顧問のアザゼル先生は今日部室に来ていないそうだ。
最近、冥界に帰って何か話し合いをしているようだ。
トップは大変そうだが、それでも学園には顔を
出しているのだから、学園生活は楽しんでいるようだ。
「そういえば二年生は修学旅行の時期だったわね」
リアス先輩は優雅に紅茶を飲みながらそう言う。
「リアス先輩と朱乃さんと奈美先輩は去年
何処に行ったんですか?」
俺の質問に奈美先輩が答えてくれる。
「私達も京都よ。リアスと朱乃と一緒に
金閣寺、銀閣寺といった名所を回ったわよ」
リアス先輩が頷きながら続ける。
「そうね、けれど、意外に三泊四日でも行ける場所は
限られてしまうわ。貴方達も高望みせず、詳細な時間設定
を先に決めてから行動したほうがいいわよ?日程に
見学内容と食事の時間をキチンと入れておかないと
痛い目に遭うわね。バスや地下鉄での移動が主に
なるでしょうけれど、案外移動も時間がかかって
しまうものだわ」
「私達の時は移動の時間まで考えてなかったわね。
リアスったら見たいものが多すぎて最後に行く予定だった
二条城に行く時間が無くなって、駅のホームでそうとう
悔しそうにしてたわよね」
奈美先輩が笑って言うと、リアス先輩は頬を赤らめた。
その様子に朱乃さんも微笑んでいた。
「もう、それは言わない約束でしょう?私もはしゃぎ
すぎたわ。日本好きの私としては憧れの京都だったから、
必要以上に街並みやお土産屋さんに目が行ってしまったの」
思い出を楽しそうに語るリアス先輩。
京都がよっぽど楽しかったんだろうな。
「修学旅行で訪れるまで京都へ行かなかったんですか?
魔方陣を使えばすぐ行けますよね?」
イッセーがそういうとリアス先輩は人差し指を
ノンノンと左右に振った。
「分かってないわね、イッセー。修学旅行で初めて京都に
行くからいいのよ?それに移動を魔方陣でするなんて、
そんな野暮なことはしないわ。憧れの京都だからこそ、
自分の足で回って、空気を肌で感じたかったの」
おお、リアス先輩の目が爛々と輝いてる。
リアス先輩って、日本的なことになると
夢中になるなぁ、
次期当主になっても、人間界と冥界を行き来し
ながら生活したいって言ってたらしいし。
そういや、修学旅行にアザゼル先生もついてくる
って言っていた。京都を堪能したいらしい。
カップのお茶を飲み干したあと、リアス先輩は
話題を変える。
「旅行もいいけれど、そろそろ学園祭の出し物
についても話し合わないといけないわ」
「あー、学園祭も近かったですね。
うちの高校って、体育祭、修学旅行、学園祭
は間が短くて連続で行うからな。そう考えると
俺ら二年生は大変だ」
イッセーが言った通り、学園祭は旅行の後にある。
二学期は学校行事が多いからな。
リアス先輩は朱乃さんからプリントを受け取って、
テーブルの上に置いた。どうやら、体育祭の出し物
を申請する書類のようだ。
「だからこそ、今のうちに学園祭について相談して、
準備しておかないと。先に決めてしまえば、
貴方達が旅行に行っている間に三年生と一年生で
準備できるものね。今年はメンバーが多くて助かるわ」
リアス先輩の言う通り、修学旅行も大事だけど、
学園祭も頑張らないとな。
「学園祭!楽しみです!」
楽しそうなアーシア。
アーシアはこういうイベント好きだもんな。
「うん。私もハイスクールでの催しは楽しいぞ。
体育祭も最高だった」
ゼノヴィアも表情は変わらないものの、瞳だけは
輝いている。体育祭でも大暴れしていたね。
各種競技で一位を乱獲していたよ。ゼノヴィアは。
体育祭後、各女子運動部がオカ研から引き抜こう
と懸命にオファーしてたな。
「私もこういうの初めてだから楽しみだわ~。
良い時期に転入したよね、私!これもミカエルさま
のお導きだわ!」
と、イリナも天に祈るポーズでそういう。
教会トリオは学園祭を心底楽しみにしているようだ。
教会のしきたりやらでそういうのと縁が遠かったのも
起因しているのかな。
「去年は…確かお化け屋敷でしたっけ?
俺達は新聞部の展示をしてましたけど、
空き時間で見に来ましたけど、本格的な
作りで、お化けも迫力あって奈美先輩も
悲鳴上げてましたもんね」
「ちょっと、余計な事言わないでよ!」
奈美先輩が顔を真っ赤にして叫ぶ。
あのお化けは本物にしか見えなかったけど
もしかして…
「そうね。本物のお化けを使っていたのだもの、
それは怖かったでしょうね」
リアス先輩はさらりと言う。
「ほ、本物だったの!?」
奈美先輩が驚きながらも訊くと、リアス先輩は
平然と笑顔で答える。
「ええ。人間に害を与えない妖怪に依頼して、
お化け屋敷で驚かす役をやってもらったわ。
その妖怪たちも仕事が無くて困っていたから、
お互いちょうど良かったのよ。おかげで
大盛況だったわね」
うふふ、とリアス先輩と朱乃さんはお姉さま
的な仕草で微笑んでいた。
「あとで、生徒会に怒られましたわね。
当時副会長だったソーナ会長から、『本物使うな
んてルール無視もいいところだわ!』って怒られ
ましたわ」
「あたりまえでしょう!すっごく怖かったんだから!」
珍しく奈美先輩がぶちぎれてるな。
「今年のオカ研は何するんですか?ちなみに
新聞部は服部先輩が張り切って忍者教室を
開くつもりですよ。下忍コースなら原付の
免許を取るようなもので一日で習得できる
らしいですからね」
「いや、お手軽すぎだろ!普通辛い修行とか
試験があってようやく忍者じゃないのかよ!」
イッセーが思わず叫ぶ。
まあ、そうだよな。俺も同じこと思ったよ。
「何でも現代では忍者が少なくなってきたからな
こうやって手軽に増やさないと忍者が絶滅する
らしい」
「マジかよ!ならうちは段ボールヴァンパイアの
サーカスでもやりますか?」
俺達に対抗するイッセーの発言にギャスパーが
ぷっくり頬を膨らませてポカポカとイッセーの
頭を叩く。
「先輩のいじわるぅぅぅぅぅっ!すぐに僕をネタ
にするんだからぁっ!」
後輩をいじりたくなる気持ちはわかるけどさ。
卒業まではこのいじりは続くだろうな。
イッセーの提案にリアス先輩は悩んでいる
様子だった。
「とりあえず、新しい試みを」
リアス先輩がそこまで言ったところで、俺達の
ケータイが同時に鳴った。全員、それが何を
意味しているか知っているため、顔を見合わせ
ていた。リアス先輩は息を整えたあと、
真剣な声音で言う。
「行きましょう」
グロンギの王と再度会い
今後の指針を示される
ユウスケの選択とは?
そして、迫る学校行事に備え
平和な日常は必ず守る。
次回、第89話「英雄派」
是非見てくれよな!
外伝でやってほしいコラボは?
-
仮面ライダークウガ(五代雄介)
-
仮面ライダーディケイド
-
忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
-
その他(希望があれば感想へ)