ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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ユウスケ達は新たな覚悟を持った。
それは仲間を見捨てる覚悟、
それでも必ず勝利を誓った男達。

その中でも、ユウスケは仲間を救い
勝利を掴むと覚悟を決めた!

その願いは実現できるのか?


第92話「悪神」

オーディン様が来日して数日が経ったある日の夜。

スレイプニルの馬車に俺達、アザゼル先生、

オーディン様、ロスヴァイセさんが乗っていた。

 

俺達は今夜空を移動中、そうこの馬は空を飛んでいる!

 

スレイプニルってよく知らないけどデカい図体に

8本の脚で空まで走るとか、本当に馬かと思うよ。

 

外には護衛として木場、ゼノヴィア、イリナそして

バラキエルさんが空を飛んでついてきていた。

いつでもテロリスト等を迎え撃てるようにする為だ。

 

「日本のヤマトナデシコはいいのぉ。

ゲイシャガール最高じゃ」

 

オーディン様が満足げな表情で「ほっほっほっ」

と笑っていた。

 

こっちは疲れて笑うどころではないがな

 

ここの所、この馬車に乗って日本の各地に

訪れていた。都内のキャバクラに行ったり、

遊園地に行ったり、寿司屋に行ったり。

オーディン様は好きに日本を観光していた。

 

俺達は未成年、高校生だから場所によっては

店内に入れず、入り口付近の待合室で待機と

いう状況も多かった。アザゼル先生がいるなら

護衛は十分だろうけど、人選が完全にミスだよ

な。

 

見れば眷属の皆も疲れた表情だ。隣でアーシアも

俺の肩に頭を寄せて眠ってしまっている。

 

イッセーも不機嫌のご様子。エロ大好きなイッセー

からしたらお預け食らっている状況が多いから面白

くないんだろうな。他には朱乃さんも心ここにあら

ずだ。話しかけないでオーラが全身から放たれて

いた。

 

スケベジジイの相手は大変だが、大事なお客様だ.

文句も言わず、俺達は只々付き添っていた。

 

「オーディン様!もうすぐ日本の神々との会談なの

ですから、旅行気分はそろそろお納めください。

このままでは、帰国したときに他の方々から

怒られます」

 

ロスヴァイセさんはここ数日、ずっとクールに

対処して、オーディン様に付き添っていたが、

我慢ももう限界の様で、額に青筋を立てて

ぶちギレ寸前だった。

 

「まったく、お前は遊び心の分からない女じゃな。

もう少しリラックスしたらどうじゃ?そんなだから

男の一人も出来んのじゃよ」

 

「か、か、彼氏がいないのは関係ないでしょう!

す、好きで独り身やっているわけじゃないです

からぁぁぁぁっ!」

 

まーた、涙目になっちゃったよ。これで何度目だか、

はあ、早く終わらないかなぁ、

 

ガックンッ!

 

ヒヒィィィィィィィィンッ!

 

ッ!

 

突然、馬車が停まり、俺達を急停止の衝撃が襲った!

 

皆、不意の出来事に態勢を崩していた。

 

「何事ですか!?まさか、テロ!?」

 

「わからん!だが、こういうときはたいていろくでも

ないことが起こるもんだ!」

 

ロスヴァイセさんと先生が警戒していた。

 

さっき、馬のなきごえが聞こえてきた。

スレイプニルに何かあったってことだ。

馬車の窓から外を見るとバラキエルさんを中心に

木場とゼノヴィアとイリナがそれぞれ展開し、

戦闘態勢になっていた。

 

俺は馬車の窓を開けて、馬車の屋根に上り、

俺は用心のために『深碧のクウガ(ビショップフォーム)』へ変身する。

何が起きたのか前方へ向くと。

 

そこには目つきの悪い若い男性が浮遊している。

身に着けているのはオーディン様が正装していた

いた時に着ていたローブに似ていた。

 

男性を確認したロスヴァイセさんが心底驚いたような

表情になり、アザゼル先生は舌打ちしていた。

二人のこの反応、この男何者だ?

 

男性はマントをバッと広げると口の端を吊り上げて

高らかにしゃべりだした。

 

「はっじめまして、諸君!

我こそは北欧の悪神!ロキだ!」

 

悪神!? ロキって確か悪戯好きの神様か!?

 

「これはロキ殿。こんなところで奇遇ですな。

何か用ですかな?この馬車には北欧の主神

オーディン様が乗られている。それを周知の上

での行動だろうか?」

 

アザゼル先生が冷静に問いかける。

 

「いやなに、われらが主神殿が、我らが神話体系を

抜け出て、我ら以外の神話体系に接触していくのが

耐え難い苦痛でね。我慢できずに邪魔をしにきたのだ」

 

それを聞き、先生は口調を変えた。

 

「堂々と言ってくれるじゃねぇか、ロキ」

 

その声音にはかなりの怒気が含まれている!

 

先生の一言を聞いて、ロキは楽しそうに笑う。

 

「ふはははは、これは堕天使の総督殿。本来、

貴殿や悪魔達と会いたくはなかったのだが、

致し方あるまい。オーディンともども我が粛清

を受けるがいい」

 

「お前が他の神話体系に接触するのはいいってのか?

矛盾しているな」

 

「他の神話体系を滅ぼすのならば良いのだ。

和平をするのが納得できないのだよ。我々の

領域に土足で踏み込み、そこへ聖書を広げた

のがそちらの神話なのだから」

 

「……それを俺に言われてもな。その辺はミカエルか、

死んだ聖書の神に行ってくれ」

 

先生は頭をボリボリかきながらそう返す。

 

「どちらにしても主神オーディン自ら極東の神々

と和議をするのが問題だ。これでは我らが迎えるべき

神々の黄昏(ラグナロク)』が成就できないではないか。

ユグドラシルの情報と交換条件で得たいものは

何なのだ」

 

先生は指を突き付けて訊いた。

 

「一つ訊く!お前のこの行動は『禍の団(カオス・ブリゲード)』と繋がって

いるのか?って、それを律義に答える悪心様でもないか」

 

ロキは面白くなさそうに返す。

 

「愚者たるテロリストと我が想いを一緒にされるとは

不快極まりない所だ。己の意志でここに参上している。

そこにオーフィスの意志はない。だが、私の想いに

感銘を受け我がもとに下ったものも居はしたがな」

 

ロキがそういうと、ロキの前に金髪と黒髪の二人の

男性が魔方陣から現われた。

 

上空に現れた二人は空中にも関わらず

地面の様に立っていた。

 

「私に賛同する新たな配下さ」

 

ロキがそういうと、二人の男性が

馬の怪人へと姿を変える。

 

「シュドルク!」「ギドルク」

 

更に二人が呪文を唱えると男たちの体に白銀の鎧が

魔力により成形される!

 

ここで、まさかのグロンギが関与してくるのか!

 

「…禍の団(カオス・ブリゲード)』じゃねえが、グロンギ族が関与

しているか。だが、これはこれでまた厄介な

問題だ。なるほど、爺さん。これが北が抱え

る問題点か」

 

先生が馬車の方に顔を向けると、オーディン様が

ロスヴァイセさんを引き連れて馬車から現れる。

 

「ふむ、あの二人の事は知らんがな、どうにも

頭の固い者がいるのが現状じゃ。こういう風に

自ら出向く阿呆まで登場するのでな」

 

オーディン様は顎の長い白いひげを

さすりながらそういった。

 

「ロキ様!これは越権行為です!主神に

牙をむくなどと!許されることではありません!

しかるべき公正な場で異を唱えるべきです!」

 

ロスヴァイセさんは瞬時にスーツ姿から鎧に変わり、

置きに物申した。

 

しかし、相手は聞く耳を持っていなかった。

 

「一介の戦乙女ごときが我が邪魔をしないでくれ

たまえ。オーディンに訊いているのだ。まだこの

ような北欧神話を超えた行いを続けるおつもりなのか?」

 

返答を迫られたオーディン様は平然と答えた。

 

「そうじゃよ。少なくともお主よりもサーゼクス

やアザゼルと話していたほうが万倍も楽しいわい。

日本の神道を知りたくての。あちらもこちらの

ユグドラシルに興味をもっていたようでな。

和議を果たしたらお互い大使を招いて、

異文化交流しようとおもっただけじゃよ」

 

それを聞き、ロキは苦笑した。

 

「認識した。なんとも愚かなことか。

ここで黄昏を行おうではないか」

 

不意に悪寒が俺を襲う。

 

凄まじいまでの敵意が俺の肌を刺激している。

 

ロキがオーディン様に敵意を向けているのが、

肌で感じ取れる!

 

「それは、抗戦の宣言と受け取っていいんだな?」

 

「いかようにも」

 

ドガァァァァアアアアアアアンッ!

 

突如ロキに波動が襲い掛かかった。

 

だが、その波動はグロンギの男たちによって

防がれてしまう。

 

何事かと周りを見れば、紫の鎧を纏ったゼノヴィア

がデュランダルとスパークレンスを

振るったようだった。

 

「先手必勝だと思ったのだが、

どうやらあの鎧は伊達じゃないようだ」

 

ゼノヴィアは自身の攻撃で傷のつかなかった

二人の鎧を見てそう呟く。

 

グロンギ族の呪文だ生半可な物じゃないんだろう。

系統としては身体強化のたぐいか?

 

「聖剣か。いい威力の様だが、神を相手に

するにはまだまだ、当たったところで

そよ風に等しい」

 

木場も聖魔剣を創り出し、イリナも光の剣を

手に発生させていた。

 

それを見てロキは笑う。

 

「ふははっ!無駄だ!これでも神なんでね、

たかが悪魔や天使の攻撃ではな」

 

ロキが左手を前にゆっくりと突き出す。

 

その手に得体のしれないプレッシャーが集まる

のが本能的に理解できた。

 

マズイ!

 

「風よ!」

 

『Aero!』

 

俺は風を纏いロキを阻止するため飛び出す!

ゼノヴィアも同じく飛び出したが、俺達の

前をグロンギ達がたちふさがる!

 

「ロキの邪魔はさせないさ!」

 

「なんで、グロンギが悪神に手を貸すんだよ!」

 

俺はグロンギ達の真意を訪ねる。

 

「俺達の目的はゲゲルをおこなう事さ。

君と戦うには邪魔が多すぎるからな」

 

なるほど、オーディン様の護衛の為に

人数が居るからな。ロキに便乗した形か。

 

『Welsh Dragon BalanceBreaker!!!!!!!!!!』

 

聞きなれた音声が聞こえそちらへ視線を

向けるとイッセーが鎧を纏いロキへと

突っ込んでいく!よし、あちらはイッセー

に任せるとしよう。俺の相手はこいつらだ!

 

「ゲゲルならなんで二人いるんだよ!」

 

「フッ、心配いらない。ゲゲルのプレイヤー

はこのメ・ホルス・ダだけだ」

 

ゼノヴィアが相手しているグロンギは

妨害役って事か。

 

「ホルスが名乗ったのなら俺も名乗ろう。

俺の名はメ・ホオス・ダ。このゲゲルの

邪魔を排除するために俺はいる。

お前達は存分に戦え、俺はこの小娘の

相手をしよう」

 

白馬のグロンギがホルス、黒馬がホオス

と名乗る。

 

「では、行くぞクウガ!」

 

「ゴウ・シュドルク!」「ゴウ・ギドルク!」

 

二人が呪文を唱えると、二人の鎧が更に強化された。

ホルスはヘルムから一本の角が生え、その姿はまさに

ユニコーンの様であった。鎧も銀色から金と赤色の鎧

へと変化を遂げていた。一方、ホオスの鎧はヘルムに

双角が生え、こちらはバイコーンの姿となった。

鎧の変化はホルスと異なり、モンスターの皮鎧の様に

変化し、銀色のプレートと黒い毛皮の鎧へと変貌した。

 

「さあ、『ガガド・ゲゲル』の前に貴様がどこまで

出来るか見させてもらおうじゃないか」

 

ホルスはそう言うと、頭の角を取り外し手に握ると、

角が変化してランスへと姿を変える!

ホオスも双角を握ると、ショーテルへと変化する。

 

「なッ、俺と同じで武器に変化させた!?」

 

グロンギもそんなことが出来るのかよ!

 

「驚くことは無い。我々より上のゴなら

装飾品を武器に変えることが出来る。

モーフィングパワーを使えるのが自分だけ

だと思うな」

 

モーフィングパワー?それがこの力の名前なのか。

 

敵も自身と同じ力を使うと驚くユウスケだったが、

ホルスは構わずランスを構えて突っ込んでくる!

 

バッ!

 

速い!?

 

キィンッ!

 

レイピアでランスを受け止めるが、この姿では

パワーで負けてしまう!

 

クソッ!どうする?この姿じゃないと空は飛べない。

他のフォームになることは出来ない。

 

まずは距離を取らないと!

 

ユウスケが距離を取ろうと後ろに下がった瞬間…。

 

「逃がすか!」

 

ドッバァアアアアアアアアアンッ!

 

イッセーとロキが戦っていた方角から

とてつもない衝撃音と共に爆風が俺達を襲う。

 

「なっ、何が起こった!?」

 

ホルスも突然の出来事に驚きを隠せないでいた。

 

俺も衝撃が来た方へ視線を向ければ、

ロキの手から赤い煙が立ち上がっていた。

まさか、二人の攻撃がぶつかってあの威力の

衝撃が起きたっていうのか!

 

ロキは自身の手を見てうれしそうに口の端を吊り上げる。

 

「特別手を抜いたわけではないのだがな。

これはまた面白い限りだ。嬉しくなるぞ。

とりあえず、笑っておこう。ふははははっ!」

 

さっきの爆風は凄まじいものだったが、

あれでも本気ではなかったのか、これが神

の力だということか!?

 

「なあ、ホルス、本当にこいつがロウガを

倒したのかよ。このレベルの強化で互角なら

俺達が本気を出せば余裕で倒せるんじゃないか?」

 

マジかよ、こいつらも本気ではないのか。

ライジングになれば倒せるか?

 

そんなことを考えていると、リアス先輩や朱乃さん

も翼を広げて馬車から出てきていた。

 

「紅い髪。グレモリー家…だったか?現魔王の

血筋だったな。堕天使幹部が二人、天使が一匹、

悪魔が沢山、赤龍帝とクウガとやらも付属。

オーディン、只の護衛にしては厳重だ」

 

「お主のような大馬鹿がきたんじゃ。

結果的には正解だったわい」

 

オーディン様の一言にロキはうんうんと

うなずき、不敵な笑みを一層深めた。

 

「よろしい。ならば呼ぼう」

 

言うと、マントを広げ、高らかに叫ぶ。

 

「出てこいッ!我が愛しき息子よッッ!」

 

ロキの叫びに一拍開けて宙に歪みが生じる。

 

な、何を呼び出しやがった!?

 

ヌゥゥゥゥッ。

 

空間の歪みから姿を現したのは

灰色の巨大な狼だった!

 

ぞくっ…。

 

なんだ、あの狼から感じるプレッシャーは。

 

「ほう、話には聞いていたが、此処までとはな」

 

仲間であるホルスでさえも狼の登場に

動揺を隠せないでいた。

 

あの狼ににらまれた瞬間、今まで感じた事

のないほどの恐怖を感じてしまった。

 

まさに蛇に睨まれた蛙の様に圧倒的な

強者を前にして誰もが動く事すらできずにいる。

 

見れば俺だけじゃなく、眷属は皆全身を強張ら

せて震えていた。それはホルス達も例外ではなく

槍を持つ手が僅かに震えていた。

 

あの狼は威嚇をしているわけじゃない。ただ

こちら見ているだけだ、この感じ、確実に

ロキよりも危険な相手だ!

 

「マズイ…。おまえら、あのデカい狼には

手を出すなッ!イッセー、距離を置け!」

 

 

先生の表情は今までにないほど、緊張に

包まれたものだった。旧魔王を相手にしても

一歩も引かなかったあの勇猛な先生がここまで

言うなんて…。

 

「先生!あの狼はいったい何なんですか?」

 

神喰狼(フェンリル)だ」

 

『ッ!?』

 

先生の一言に全員が驚愕し、同時に納得

した様子だった。

 

「流石の俺達もフェンリルの戦闘に

巻き込まれるのはごめんだな」

 

「そうだな、クウガの実力は大体把握できた。

ゲゲルは次の機会としよう。まあ、この戦いを

生き残れればだがな」

 

ホルス達はそれだけ言い残し下がってゆく。

奴等でも警戒する化け物か。だが、フェンリル

に集中出来れば、なんとか戦えるか?

 

「イッセー!ユウスケ!そいつは最悪最大の

魔物の一匹だ!神を確実に殺せる牙を持って

いる!そいつに噛まれたら、お前達の鎧でも

もたないぞ!」

 

攻撃を食らったらアウトか。オーディン様

対策につれてきたのか。

 

「そうそう。気をつけたまえ。こいつは我が

開発した魔物の中でトップクラスに最悪の

部類だ。何せ、こいつの牙はどの神でも

殺せるって代物なのでね。試したことはないが、

他の神話体系の神仏でも有効だろう。上級悪魔

でも伝説のドラゴンでも余裕で致命傷

を与えられる」

 

すーっ。

 

ロキの指先がリアス先輩に向けられる。

 

「本来、北欧の者以外に我がフェンリルの牙を

使いたくないのだが…。まあ、この子に北欧の

者以外の血を覚えさせるのも良い経験となる

かもしれない」

 

こいつ、まさか!

 

俺の嫌な予想はそのままロキの口から発せられた。

 

「魔王の血筋。その血を舐めるのも

フェンリルの糧となるだろう。やれ」

 

オオオオオオオオオオォォォォォォオオオンッッ!

 

闇の夜空で灰色の狼が透き通るほど見事な

遠吠えをして見せた。

 

ひゅっ。

 

一迅の風。眼前の狼が俺の視界から消えた瞬間。

 

『JET!!』

 

なっ!?

 

「触るんじゃねぇぇぇぇぇぇぇッ!」

 

ドゴンッ!

 

怒りに燃えるイッセーが狼よりも先にリアス先輩

の前に立ち、神速で襲い掛かる狼の顔面を正面か

ら殴り飛ばす!

 

お前、マジかよ!?フェンリルの速度

を上回ったのか!?

 

「イッセー…」

 

守られたリアス先輩も驚いている様子だった。

 

「ぶ、部長!大丈夫ですか?ケガは?」

 

「い、いえ、大丈夫よ。貴方が助けてくれたから」

 

リアス先輩の窮地を救ったイッセーは無事な姿を

見て安堵の息を吐いていた。

 

殴られた狼は、平気な顔でイッセーを見つめていた。

 

効いてないのかよ!?

 

「ごぶっ」

 

突然、イッセーがふらつき、吐血する。

よく見れば、イッセーの腹部に大きな穴が開いていた。

 

「イッセー!」

 

「イッセーくん!」

 

リアス先輩と朱乃さんが悲鳴のような声を上げていた。

 

な、いつの間に!狼を見れば、前足の爪が

鮮血に濡れていた。殴られた一瞬にイッセーを

攻撃したのか!?なんていう反射神経だ!

 

俺はすぐさま傍に駆け寄りふらつくイッセーを

木場と共に支える。

 

「イッセー!しっかりしろ!アーシア、直ぐに回復を」

 

「イッセーさん!はやく!」

 

馬車からアーシアが涙交じりの声で叫んでいた。

手元には回復のオーラを創り出していた。

 

俺も同じく回復の魔法を唱えるためにレイピアを

構える。

 

「いや、そうはさせん。赤龍帝、フェンリルの

動きに一瞬とはいえ追いついた。恐るべき事だ。

今のうちに始末しておこう」

 

ロキが再び狼に指示を送る。

 

次はマズイ!

 

これ以上食らえばイッセーは確実に死ぬ!

そんなことさせてたまるか!

 

「ロキィィィィッ!」

 

先生とバラキエルさんが光の槍と雷光を

ロキに向けて大出力で放った。

 

「フェンリルを使わずとも、堕天使二人程度で

は我の相手は無理だ」

 

見たこともない術式の魔方陣が盾となって

空中に大きく広がっていく。

 

その魔方陣によって、先生とバラキエルさんの

攻撃は容易に防がれてしまっていた。

 

「ッ!北欧の術かッ!術に関しては俺らの

神話体系よりも発展していたっけな!さすが

は魔法、魔術の秀でた世界だ!」

 

先生が憎々し気に吐き捨てた。

 

二人の攻撃がまったく効かないなんて…ッ!

 

これが神の実力か!

 

「だったら、同じ術式で!」

 

ブィィィィンッ!

 

ロスヴァイセさんがロキと同様の魔方陣を宙に

何重にも展開して、縦横無尽の魔法攻撃を

放出させた!

 

まるで、ロボットアニメのフルバーストの様だ!

 

流石はオーディン様のお付だ相当の実力者ってことだ!

その出力も凄まじいものだ。魔法のエキスパートなのか。

 

ババッババババズンッ!

 

ロキの防御魔方陣は、奴の全身を守るように展開し、

ロスヴァイセさんの全攻撃を難なく防いでしまった!

 

「では、次はこちらの手番だな」

 

ロキが手を横に薙ごうとし。

 

フェンリルのさっきもそれと同じくして

高まっていく。無表情で薄暗く冷たい双眸が、

俺達の方に向けられた。

 

負傷したイッセーとリアス先輩を守るように

俺、小猫ちゃんとゼノヴィアが盾となって、

前に立つ。

 

どうする?俺にはフェンリルへの対抗手段が無い。

皆も牙どころか、爪に当たっても死んじまう!

 

負の考えが俺の頭を支配する時、

 

飛び出そうとした狼の眼前に光の矢が

突き刺さりその動きを止める。

そして、俺の視界に光が一閃流れていく。

 

光速で狼を通過していき。

 

『Half Dimension!』

 

グババババンッ!

 

フェンリルを中心に空間が大きく歪んでいく。

フェンリル自身も空間の歪みにその身を捕らわれ、

動きを封じられていた。

 

が、すぐさまその歪みをその牙で噛み切るよう

に解き放った。

 

俺達と狼の間に白銀と緑が降りてくる。

 

「兵藤一誠、無事か?」

 

「ヴァーリー…」

 

「どうやら苦戦しているようだな」

 

「な、なんで東城がここに!?」

 

俺達の前に現れたのは白龍皇ヴァーリに

緑のクウガの姿をした東城だった。

 

さっきの攻撃はペガサスボウガンの

矢だったのか!

 

「おいおい、おっぱいドラゴンは致命傷かぃ?

強いんだか、弱いんだか、わからねぇ奴だぜぃ!」

 

横から金色の雲に乗って出てきたのは孫悟空

の子孫である美猴だった。

 

…なんでこいつらが?

 

「ッ!おっとっと、白龍皇か!」

 

ロキがヴァーリの登場に喜々として笑んだ。

 

「初めまして、悪の神ロキ殿。俺は白龍皇ヴァーリ。

貴殿を屠りに来た」

 

「同じく、クウガである東城雄輔だ。

強きものを倒す為にここに来させてもらった」

 

二人の宣戦布告を聞き、いっそう口の端を

ロキは吊り上げるが…。

 

「二天龍に話題のクウガが見られて満足した。

今日は一旦引き下がろう!」

 

ロキは狼とホルス達を自身の元に引き上げさせる。

 

「では、クウガよ『ガガド・ゲゲル』は次の

機会にさせてもらおう」

 

「首を洗って待っとけよ」

 

ロキがマントを翻すと、空間が大きく歪みだして、

ロキ達を包んでいった。

 

「では、この国の神々との会談の日!またお邪魔

させてもらう!オーディン!次こそ我と我が子

フェンリルが、主神の喉笛を噛み切って見せよう!」

 

ガクッ!

 

「イッセー!」「イッセーさん!」

 

ロキ達がこの場から消えた瞬間、緊張の糸が切れた

のかイッセーは意識を失ってしまった。

 

 

ー〇●〇ー

 

 

ロキが去った後、俺達はイッセーを回復させるために

駒王学園近くの公園に馬車を降ろしていた。

馬車の中ではアーシアが神器を使い傷の治療を行い。

小猫ちゃんも仙術で自然治癒能力を高めていた。

 

今はヴァーリチームも合流し皆で話し合いをしていた。

 

「それで、お前達がここに来たわけを教えてもらおうか」

 

先生がヴァーリ達にその真意を訪ねる。

 

「先ほども言ったようにロキと戦うためにここに来た」

 

「前から強者との戦いを望んでいたしな」

 

本当にロキと戦うためだけに来たのか?

 

「オーディンの会談を成功させるにはロキを

撃退しなければいけないだろう?」

 

東城は全員を見渡してから、遠慮なしに言う。

 

「このメンバーだけではロキとフェンリルそして

グロンギは凌げないだろうな。しかも英雄派の

活動のせいで冥界も天界もヴァルハラも大騒ぎだ。

こちらにこれ以上人材を割くわけにもいかない」

 

ヴァーリの言い分に誰も言い返せなかった。

確かに俺達は手も足もでなかった。

 

すると、突然ヴァーリが横に視線を向け苦笑した。

何かとそちらに視線を向けると、イッセーが

馬車から出てきたところだった。

 

「イッセー!傷はもういの?」

 

「はい、部長。もう大丈夫です。それよりも」

 

イッセーはヴァーリの方に顔を向けた。

 

「お前があいつを倒すとでもいうのかよ?」

 

イッセーが低い声音で訊くと、彼は肩をすくめる。

 

「残念ながら今の俺でもロキとフェンリルを

同時に相手は出来ない」

 

勝算が無いのにあんな強気だったのか?

 

「だが:

 

ヴァーリが真っすぐにイッセーへ視線を送った。

 

「二天龍が手を組めば話は別だ」

 

『っ!』

 

ヴァーリの提案に、この場にいる全員が驚愕した!

 

「兵藤祐介、今回のゲゲルは邪魔が居るようだからな

この俺が手を貸してやる!必ず勝利しろ!」

 

「今回の一戦、俺は兵藤一誠と共に戦っても

いいと言っている」

 

二人から伝えらえたのはまさかの共闘宣言だった!




オーディンの護衛中突然襲ってきた
悪神ロキ!配下であるフェンリルは
神をも殺せる力があり、

新たに現れたグロンギも油断のならない
相手だった、そんな奴らにユウスケ達は
どう戦うのか?

次回、第93話「対策」

是非見てくれよな。

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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