ハイスクールD×D~古代の戦士~   作:ヤマト・ゼロ

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オーディン様の護衛中、
突如襲撃してきた悪神ロキ

そしてグロンギ達もロキと
共に襲撃してきた。

慣れぬ空中戦で苦戦するユウスケ

次の戦いで勝利するため、
ロキ達に詳しいものに対策を
訪ねる。


第93話「対策」

翌日、兵藤家の地下一階の大広間に皆集まっていた。

 

俺達グレモリー眷属+イリナ、アザゼル先生、

バラキエルさん、シトリー眷属そしてヴァーリチーム

という異様な面々だった。

 

我が家に東城やヴァーリをお客として招くとは

不思議な出来事だ。リアス先輩は彼らの同席に

最後まで反対していたが、先生とサーゼクス様

の意見を聞いて、渋々承諾した。

 

まあ、こいつらは敵でテロリスト『禍の団(カオス・ブリゲード)』のメンバー

で本来は戦い合う敵だからな。サーゼクス様は

どうしてこいつらを入れることを許したんだ?

 

やはり、ロキを倒すには二天龍の協力が不可欠

と考えたからか?それにしても、こいつらの

目的はなんだ?自分たちだけではロキが倒せない

からか。だが、それでも俺達に協力する理由が

分からない。戦力ならそれこそ英雄派がいるだろう。

まあ、聞いても教えてくれないだろうし。

考えても無駄なことかね。

 

そういや、オーディン様とロスヴァイセさんは

別室で本国と連絡を取り合っているらしい。

 

ロキが日本に来たことはあちらでも問題に

なっているようだ。

 

全員が集まり。俺達は早速ロキ対策について、

話し合いを始めるのだった。

 

今回の件は魔王サーゼクス様ももうご存じだ。

堕天使側にも展開にも情報は伝わっている。

 

オーディン様の会談を成就させるために

三大勢力が協力して守ることとなった。

 

まあ、協力と言っても、今ここに居るメンバー

で力を合わせて何とかせよとのお達しだ。

 

つまり、俺達でロキを倒せというのだ。

 

相手は神。だが、それよりも警戒しないと

いけないのが奴が引き連れている巨大な狼

フェンリルだ。お供しているホルス達も

脅威だが、あの狼が一番の問題だ。

 

生みだしたロキをも凌ぐ能力を有した本物

の怪物だ。話を聞くに封じられる前の二天龍

に匹敵するほどの力を持っているらしく、

アザゼル先生やタンニーン様でも単独では

勝てないらしい。

 

むろん、二天龍の力を引き出せていない

イッセーやヴァーリはもちろんの事。

俺や東城も歯が立たない。

 

フェンリルとクウガでは単純に相性が悪い、

攻撃を受けずに戦うなんて制限がある以上

あの速度へ対応する術がない。

イッセーは対応していたが、俺の『群青のクウガ(ナイトフォーム)

でも速さについていけない。仮に決死の

覚悟で戦ってフェンリルに勝つことが出来ても。

ロキを倒す事は出来ないだろうし、仮に

成功しても何名かは戦死するのは確実だと

言われてしまった。

 

増援も期待は出来ない。英雄派の襲撃が

未だ続いており重要拠点の警備を割いて

こちらへ回す人員等どの陣営にも無い

状況だ。なら、出来るだけ犠牲を無くし

勝つ方法を探るために作戦会議を行っている。

 

「まず先に。ヴァーリ、東城、俺達に

協力する理由は?」

 

ホワイトボードの前に立った先生が一番の

疑問を二人にぶつける。

 

そこはやはり皆疑問に思うところだ。

そこが判明しなければ安心して協力な

んて出来ないだろうしな。

 

「ロキとフェンリルと戦ってみたいだけだ。」

 

「俺はクウガとしてゲゲルに参加してみたいだけさ

参加資格が兵藤にしかないなんておかしいだろう?

今回は相手も二人いるんだこの機会は逃せないだろう」

 

「美猴達も了承済みだこの理由では不服か?」

 

アザゼル先生の質問に二人は淡々と答える。

 

様は戦いがしたいってだけじゃないか

 

それを聞いて先生は怪訝そうに眉を寄せる。

 

「まあ、不服だな。だが、戦力として欲しいのは確かだ。

今は英雄派のテロの影響で各勢力ともこちらに戦力を

割けない状況だ。英雄派の行動とお前達の行動が繋がっ

ているって見方もあるが…お前らの性格上、英雄派と

行動を共にするわけないか」

 

「ああ、奴等とは基本的にお互い鑑賞しないことに

なっている。俺達はそちらと組まなくても構わない

その場合は、そちらを巻き込んででも戦闘に介入する」

 

先生に対して東城がそう答える。

 

これじゃあ、脅しじゃないか組めば味方だが、

組まなければ俺達ごと攻撃すると、つまり

最悪三つ巴の戦いになるって事だ。

 

「サーゼクスも悩んでいる様子だったが、旧魔王達の

生き残りであるヴァーリからの申し出を無下にできない

と言っていてな。本当に甘い魔王だが、お前達を野放し

にするよりは協力してもらった方が賢明だと俺も感じて

いる」

 

「納得できないことの方が多いけれどね」

 

リアス先輩が先生の権威そういう。

リアス先輩だって文句の一つはあるだろうが、

悪魔の王である魔王が良しとしたならば、

上級悪魔である先輩は何もいえないのだろう。

 

ソーナ会長も了承の様子だった。

その表情を見るに不満はあるようだったがな。

 

そもそも共闘と言うがこいつらがこちらの

指揮下に入るのか?好き勝手やられて現場を

かき回されるのが関の山では?

 

まあ、素直なアーシアは一度助けてもらった

ヴァーリ達の協力にあまり疑問を持っていない

様子だった。他の眷属は文句ありそうだが、

渋々応じているようだ。

 

先生はヴァーリをじっと見つめる。

 

「何か企んでいるだろうがな」

 

「さてね」「どうだか?」

 

「怪しい行動を取れば、だれでもお前達を刺せる

事にしておけば問題ないだろうな」

 

「そんなことするつもりは毛頭ないが、

掛かってくるならば、只では刺されないさ」

 

「そもそも、誰でもは無理だろうこの場で

数えても片手で足りるな」

 

先生の言葉に二人は苦笑するだけだった。

 

「…まあ、こいつらに関してはいったん置いておく。

さて、話はロキ対策の方に以降する。ロキとフェンリル

の対策とユウスケ達が戦う術をとある者に訊く予定だ」

 

「ロキとフェンリルの対策を訊く?」

 

先生がリアス先輩の言葉に頷く。

 

「そう、あいつらに詳しいのがいてな。

そいつにご教授してもらうのさ」

 

「誰ですか?」

 

イッセーが挙手して訊く。

 

「五大龍王の一匹、『終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)

ミドガルズオルムだ」

 

ミドガルズオルム!?北欧神話でロキから生まれた

大蛇だったけ?あれって蛇ではなく龍だったのか。

 

「まあ、順当だが、ミドガルズオルムは

俺達の声に応えるだろうか?」

 

ヴァーリの問いに先生は答える。

 

「二天龍、龍王ファーブニルの力、ヴリトラの力、

タンニーンの力で龍門(ドラゴン・ゲート)を開く。そこから

ミドガルズオルムの意識だけを呼び寄せるんだよ。

本体は北欧の深海で眠りについているからな」

 

なるほど、伝説のドラゴンが揃えば

そんなことも出来るのか。

 

「もしかして、お、俺もですか…?正直、怪物

だらけで気が引けるんですけど…」

 

匙が恐る恐る意見を言っていた。

まあ、ヴリトラの神器を持っているのは

匙だけだからな。

 

「まあ、要素の一つとして来てもらうだけだ。

大方のことは俺達や二天龍に任せろ」

 

「それで、俺達の戦う術ってどういうことですか?」

 

俺が先生に訪ねると先生は真剣な表情で答える。

 

「お前、あのグロンギとの戦闘は攻撃を防ぐので

精一杯だったろ?それは何故だと思う」

 

あの戦いの中、俺の方もちゃんと見てたんだな。

流石は堕天使のトップか視野が広いな

 

「俺が空を飛ぶには『深碧のクウガ(ビショップフォーム)』にならないと

いけないので空中戦を仕掛けられると、クウガの

長所であるフォームチェンジが封じられます。

それに対して相手は空中を普通に走ることが

出来ていたので、速度に対応するのが精一杯

でした」

 

「奴らが空を走っていた理由はロキが持つ

空中や海上を走れる靴の効果だ、そこで

ミドガルズオルムにその靴の対策を聞けれ

ばと俺は思っている」

 

なるほど、靴をどうにかできればグロンギ達と

同等に戦えるって事か。

 

「とりあえず、タンニーンと連絡がつくまで待ってい

てくれ俺はシェムハザと対策について、話してくる。

お前らはそれまで待機。バラキエル、付いてきてくれ」

 

「了解した」

 

先生とバラキエルさんはそう言って大広間から出て

いく。残されたオカルト研究部と生徒会。そして

ヴァーリ達面々。

 

「赤龍帝!」

 

美猴が手を挙げる。

 

「な、なんだよ」

 

イッセーが尋ねると美猴はイタズラっぽい笑顔で言った。

 

「この下にある屋内プールに入っていいかい?」

 

そんな美猴の予想外な質問にリアス先輩がずいっと

前に出て、美猴に指を突き付ける。

 

「ちょっと。ここは私と赤龍帝である兵藤一誠の家よ。

勝手な振る舞いは許さないわ」

 

いや、俺も住んでますけど。忘れてもらっては困る。

二人だけの愛の巣じゃないぜ?にしても、

リアス先輩のこういう発言はいつもの事だが、

なんか美猴に当たり強くない?敵だから当たり前だが。

 

「まーまー。いいじゃねぇか、スイッチ姫」

 

ベチンッ!

 

リアス先輩が美猴の頭を激しく叩いた!

うおぉ、大分強くいったな。

 

美猴は頭を押さえながら涙目で訴える。

 

「いってぇぇぇぇぇっ!何すんだぃ!スイッチ姫」

 

「あなたね!貴方のせいで私は…冥界では

変な名称で呼ばれているのよ!」

 

涙目なのはリアス先輩も同じだった。

あー、そういえば最初にそう呼んだのは

美猴だったか。

 

「いいじゃねぇか。おっぱいドラゴン、俺も見てるぜ。

光栄だぜぃ、俺の名付けたのが使われているんだからさ」

 

美猴はカラカラと楽しそうに笑うだけだ。

 

「うぬぬぬぬぬ!どうしてくれましょうか…ッ!」

 

リアス先輩は美猴の態度が気に入らないようで、

紅いオーラを纏い、全身をわなわなと震わせていた。

マジで爆発寸前って感じだ!

 

「こ、これが失われた最後のエクスカリバー

なんですね!はー、すごーい」

 

「ええ、ヴァーリが独自の情報を得まして、

私の家に伝わる伝承と照らし合わせて、

見つけてきたのですよ。場所は秘密です」

 

声の方へ視線を向ければ、イリナとアーサー

がエクスカリバーについて話していた。

 

こういう時はイリナの性格は便利だ、

誰とでもすぐに打ち解けるからな。

 

横では木場とゼノヴィアが警戒しながら

二人のやり取りを聞いている様子だった。

 

二人も剣士だからな。伝説の聖剣は

やはり気になるのだろう。

 

と、アーシアが俺の服を引っ張った。

何やらもじもじしている。

 

「どうした、アーシア?」

 

「あ、あの…」

 

アーシアが視線をヴァーリに向けていた。

 

その様子に俺はすぐに理解する。

 

「お礼か?」

 

俺の一言にアーシアは静かに頷いた。

 

先日次元の狭間に飛ばされたアーシアを

ヴァーリが救ってくれたという。

そのお礼を一言いいたかったのだろう。

 

危険だからあまり関わらせたくはないがアーシア

のお願いを無下には出来ない。

 

俺はアーシアの手を引き、ヴァーリの前に立つ。

 

ヴァーリは椅子に座り、足を組んで読書をしていた。

 

「ヴァーリー、いいか?」

 

「なんだ、兵藤祐介」

 

俺はアーシアを促すと、ヴァーリの前に出た。

 

「あ、あの…。先日は助けてくださいまして、

有難うございました」

 

「ん?ああ。そうだったね。ま、こちらも

気まぐれでやっただけだ。お互い気にしな

いでいこう」

 

ヴァーリは視線を一度こちらへ向けただけで、

直ぐに読書に戻った。

 

まあ、これでいいだろう。

アーシアをこれ以上関わらせたくないからな。

 

ふと、俺は気になることがあり、

部屋のソファでケータイを弄っている

東城に声を掛ける。

 

「なあ、東城ちょっといいか?」

 

「ああ、何か用か?」

 

東城は俺の顔をちらりと見るとすぐに

ケータイに視線を戻す。

 

「いや、前に俺が暴走したときに

大分迷惑かけたって聞いてな。その時に

東城の力を吸い取ったらしいじゃねえか

もう、大丈夫なのか?すまなかったな」

 

「はあ、そのことか、確かに一時的に

変身出来なくなったが、アナザークウガ

が倒された後に普通に変身できるようになった

から問題はない。まあ、力を吸われた

影響か、アルティメットクウガになる

為には強い怒りが必要になったがな」

 

「なっ!俺のせいで制限が出来たのかよ。

マジですまない」

 

俺は東城の話を聞き頭を下げる。

 

「お前が気にすることは無い。

この落とし前はお前を利用しようとした

奴等に返させてもらうさ」

 

そう言う東城の瞳には強い意志が見えた。

 

「そうか、ありがとうな」

 

「かまわんさ」

 

俺達はそれだけ会話してその場を離れる。

 

「この猿!滅するわ!」

 

「やってみろぃ!スイッチ!」

 

部屋ではリアス先輩と美猴がいまだに

喧嘩していた。

 

はあ、今回の共同作戦、本当に大丈夫か?

 

 

―〇●〇―

 

 

先生が帰ってきたあと、俺とイッセーと匙、そして、

ヴァーリと東城は転移魔方陣で兵藤家から飛んだ。

 

ミドガルズオルムを呼び出すために、特別に用意

した場所で意識を呼び寄せるらしい。

 

着いた場所は只の真っ白の空間だった。

周りを見渡しても目立つ場所はあったは…。

 

大きなドラゴンが佇んでいた。

 

『先日以来だな、お前達』

 

「タンニーンのおっさん!」

 

「お久しぶりです。タンニーン様」

 

そこにいたのは元龍王のタンニーン様だった。

そうか、ミドガルズオルムを呼び出すには

各ドラゴンの力が必要だと言われていたしな。

 

「ふむ、この間は感じなかったが、

ユウスケもドラゴンの力を手に入れたのか?」

 

え、ドラゴンの力!?俺そんなもの手に入れたか?

 

「気づいていないのか。かすかだがお前から

ドラゴンの力を感じてな」

 

「もしかして、雷の龍を放つ魔法を覚えたんですが

それかもしれないですねバオウザケルガっていう

呪文なんですけど」

 

俺がバオウの名を聞くとタンニーン様が反応する。

 

「バオウ、懐かしい名だな。そいつは俺が

まだ龍王だった頃に俺達龍王に何度も歯向かって

来た暴龍の名だ」

 

「え、バオウって実在したドラゴン何ですか!?」

 

「ああ、当時はまだ若く俺達ほどの力は無かったが

成長すれば龍王にも匹敵すると言われていた龍だが

ある日を境に現れなくなってな誰かに倒されたかと

思われていたが、まさか魔法となっているとはな

気を付けろユウスケそのバオウが俺の知る者と同じ

かは分からないが、警戒はするべきだ奴に心まで

奪われないようにな」

 

と、タンニーン様は俺に忠告する。

 

「で、…そちらがヴリトラか」

 

俺の次に匙を見るタンニーン様。

視線を向けられた肝心の匙は

ビビって全身を震わせていた。

 

「ド、ド、ドラゴン…龍王!最上級悪魔の…!」

 

緊張と尊敬が混じっている様子だ。

 

「緊張するなよ。おっさんは強面だけど、

良いドラゴンなんだ」

 

「バ、バカ!最上級悪魔のタンニーン様だぞ!

お、お、おっさんだなんて!」

 

まあ、匙の言い分も分からなくはない。

相手は俺達よりも高位の悪魔で元龍王だ。

それをおっさん呼びなんて普通はありえんはな。

 

イッセーに指を突き付けて匙が言う。

 

「最上級悪魔ってのは、冥界でも選ばれた者

しかなれない。もっと言えば、レーティング

ゲームの現トップ10内のランカーが全員最上級

悪魔だ。冥界での貢献度、ゲームでの成績、

能力、それら全て最高ランクの評価をしてもらって

初めて得られる、悪魔にとって最上級悪魔の

位なんだよ」

 

と、匙が熱弁する。その話を聞いてもイッセーは

しっくりきてないようだな。修行でタンニーン様

と大分仲良くなったようだからな。知り合いの気

のいいおっさんていう感じなんだろうな。

 

「…白龍皇にもう一人のクウガか。妙な真似を

すればその時点で俺は躊躇いなく噛み砕くぞ」

 

タンニーン様がヴァーリと東城を睨む。

とうの二人は苦笑するだけだった。

 

先生は早速術式を展開して、専用の魔方陣を

地面に描いていく。光が走っていき、独特の

紋様を形作っていた。

 

「しかし、あやつ、来るのだろうか。

俺も二、三度程度しか会ったことがない」

 

タンニーン様が嘆息しながらつぶやく。

 

「二天龍がいれば否でも応でも

反応してくるだろうさ」

 

先生が魔方陣を描きながら言う。

 

「気難しいドラゴンなの?」

 

イッセーがタンニーン様に訊くと

目を細めながら答える。

 

「あやつは基本的に動かん。世界の終末に

動き出すものの一匹だからな。使命が来る

ときまで眠りについているのだ。たまに

地上へ上がってきていたが、その時ですら

寝ていた。バオウも襲いはしても反応の無

い奴にしびれを切らして戦いを止めていた

ぐらいだしな。数百年前、ついに世界の終

りまで深海で過ごすと宣言していたからな」

 

どんな、ドラゴンだよ、でも深海で眠って

いるから意識だけ呼び出すのか。

 

「さて、魔方陣の基礎は出来た。あとは

各員、指定された場所に立ってくれ」

 

先生に促され、イッセー達はそれぞれ、

見知らぬ紋様が描かれたポイントに立った。

彼らの下に描かれている紋様がそれぞれ、

二天龍、龍王を意味するようだ。

各自指定ポイントに立ったことを先生が

確認すると、手元の小さな魔方陣を操作

して、最終調整をしているようだった。

 

カッ。

 

淡い光が下の魔方陣を走り出し、イッセー

の所が赤く光り、ヴァーリの所が白く光った。

先生の所が金色に、匙の所が黒く、タンニーン

様の所が紫色に光り輝く。

 

魔方陣は発動した。だが、何も反応がなく、

俺達は数分間その場で立ち尽くすだけだった。

 

失敗かと怪訝に思っていた俺達だが、

魔方陣から何かが投影され始めた。立体映像

が徐々に俺達の頭上に作られていくが。

 

俺はどんどん広がっていく映像の規模に

只々驚くことしか出来ない。

見ればイッセーも匙も同様に驚いていた。

 

そして。

 

俺達の目の前に映し出されたのはこの空間を

埋め尽くす勢いの巨大生物だった。

 

で、デカいッ!?

 

以前見たグレートレッドよりもデカい!

 

というよりも長い!

 

蛇の様な体に頭部は完全なドラゴンが

蜷局を巻いている様子だった。

 

バオウみたいな東洋の龍タイプなのか。

サイズは比べられるものでもないけど

これはバオウがちょっかいかけても

子供がじゃれているようなものだわ。

 

俺達が驚いているのを察したのか、

タンニーン様が言う。

 

「ドラゴンの中で最大の大きさを

誇るからな、こいつは。グレートレッド

の五、六倍はあるだろう」

 

もはや、怪獣の域すら超えてやがるな。

 

すると、怖ろしくデカい音が俺の耳に

飛び込んでくる!

 

『…………ぐごごごごごごごぉぉぉ

おおおおおおん………』

 

まさか、いびきか?

 

そう言えば、眠りについているって

話だったな。

 

「案の定寝ているな。おい、起きろ、

ミドガルズオルム」

 

タンニーン様が話しかけると、巨大な

ドラゴンはゆっくりと目を開いていく。

 

「……懐かしい龍の波動だなぁ。

ふああああああああああっ…」

 

大きなあくびをするミドガルズオルム。

 

『おぉ、タンニーンじゃないかぁ。

久しぶりだねぇ』

 

なんともゆったりとした口調だな。

こっちまで眠くなってくるよ。

 

ミドガルズオルムが俺達を見渡す。

 

『…ドライグとアルビオンまでいる。

…ファーブニルと…ヴリトラも…?

……ああ、ハオウだっけ彼も居るの

か……。なんだろう、世界の終末な

のかい?』

 

いや、バオウ名前覚えられてないじゃん。

まあ、寝ている相手から覚えられている

だけまだいい方か。

 

「いや、違う。今日はお前に訊きたい事

があってこの場に意識のみを呼び寄せた」

 

タンニーン様がそう言うが…。

 

『………ぐ、ぐごごごごごん………』

 

ミドガルズオルムは再びいびきをかき始めた。

 

「寝るな!まったく、お前と玉龍(ウーロン)だけは

怠け癖がついていて敵わん!」

 

怒るタンニーン様。ミドガルズオルムも

大きな目を再び開けていた。

 

『………タンニーンはいっつも怒ってるなぁ…。

それで僕に訊きたいことってなんなのぉ?』

 

「お前の兄弟と父について訊きたい」

 

タンニーン様がそう訊く。

 

『ダディとワンワンの事かぁ。いいよぉ。

どうせ、ダディもワンワンも僕にとっては

どうでもいい存在だし…。あ、でも、

タンニーン。一つだけ聞かせてよぉ』

 

「なんだ?」

 

『ドライグとアルビオンの戦いは

やらないのぉ?』

 

イッセーとヴァーリを交互に大きな

目で見ていた。

 

「ああ、やらん。今回は共同戦線で

ロキとフェンリルを打倒する予定だ」

 

タンニーン様の言葉にミドガルズオルムは

笑ったように見えた。

 

『へぇ、面白いねぇ…。二人が戦いもせずに

並んでいるから不思議だったよぉ』

 

そう言ったあと、改めて質問に答えだした。

 

『ワンワンはダディよりも厄介だよぉ。

牙で噛まれたら死んじゃうことが多い

からねぇ。でも、弱点もあるんだぁ。

ドワーフが作った魔法の鎖、グレイプニル

で捕らえることが出来るよぉ。それで足は

止められるねぇ』

 

まあ、こんな巨大な龍からしたら

あの狼もワンワンか。

 

「それは既に確認済みだ。だが、北からの

報告ではグレイプニルが効かなかったよう

でな。それでお前から更なる秘策を得よう

と思っていたのだ」

 

フェンリルを捉える為に作られた物が

無効化されたっていうのか!?

 

『………うーん、ダディったら、ワンワン

を強化したのかなぁ。それなら、北欧の

とある地方に住むダークエルフに相談して

みなよぉ。確かあそこの長老がドワーフの

加工品に宿った魔法を強化する術を知って

いるはずぅ。長老が住む場所はドライグか

アルビオンの神器に転送するからねぇ』

 

すると、先生がヴァーリの方を指さす。

 

「情報の方は白龍皇に送ってくれ。

こちらは頭が残念なんで辛い」

 

うーむ、家のイッセーがお馬鹿で

すみません。

 

ヴァーリが情報を捉え、口にする。

 

「…把握した。アザゼル、立体映像で

世界地図を展開してくれ」

 

先生がケータイを操作すると、画面

から世界地図が宙へ立体的に映写される。

ヴァーリは一部分を指さしていた。

 

先生は素早く、その情報を部下に

送り指示を出していた。

 

「…ほう、よくもまぁ、そんなこと

まで知っていたな」

 

タンニーン様が関心するように

ミドガルズオルムに言った。

 

『まあねぇ。地上にあがったとき、

色々とエルフやドワーフに世話に

なったからさぁ』

 

「次は、ロキが作った靴の対策だな」

 

タンニーン様は次にグロンギ達の使って

いた靴について訊く。

 

『ダディが作った靴?どれか分からない

けどぉ。さっき言ったドワーフの里に

タラリアの試作品があったはずだから

それを使うのがいいんじゃないかなぁ』

 

タラリアって翼の生えたサンダルだっけ?

まあ、何とか対応できるか。

 

「なら、最後にロキ対策はどうだ?」

 

タンニーン様は次にロキについて訊く。

 

『そうだねぇ。ダディにはミョルニル

でも撃ち込めばなんとかなるんじゃな

いかなぁ』

 

ミドガルズオルムの話を聞いて、

先生は顎に手をやった。

 

「つまり、基本、普通に攻撃するしか

ないわけだな。オーディンのクソジジイ

が雷神トールに頼めばミョルニルを

貸してくれるだろうか…」

 

「トールが貸すとは思えないが。

あれは神族が使用する武器の一つだからな」

 

先生の意見にヴァーリがそういう。

 

『それなら、それもドワーフとダークエルフ

に頼んでごらんよぉ。ミョルニルのレプリカ

をオーディンから預かってたはずぅ』

 

「物知りで助かるよ、ミドガルズオルム」

 

先生は苦笑しながら礼を口にした。

 

『いやいや。たまにはこういうおしゃべり

も楽しいよ。さーて、そろそろいいかな。

僕はまた寝るよ。ふあああああっ』

 

大きなあくびをするミドガルズオルム。

映像も少しずつ途切れてきた。

 

「ああ、すまんな」

 

タンニーン様の礼に巨大な口が

微笑んだように見えた。

 

『いいさ。また何かあったら起こして』

 

それだけ言い残すと、映像がぶれていき、

ついには消えて行った。

 

こうして俺達はミドガルズオルムからの

情報を得て、動き出すことになった。




ミドガルズオルムから有益な情報
を手に入れ対策を立てるユウスケ達

ユウスケ達は次の襲撃を
無事に乗り越えることが出来るのか?

次回、第94話「後悔」

是非見てくれよな

外伝でやってほしいコラボは?

  • 仮面ライダークウガ(五代雄介)
  • 仮面ライダーディケイド
  • 忍者戦隊、忍風戦隊、手裏剣戦隊揃い踏み
  • その他(希望があれば感想へ)
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