転生先はアニメ遊戯王みたいな平行世界   作:火壁

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 タイトルが……難しい……

 勝俊がメインじゃない場合は三人称視点でいきます。あとご都合主義のタグを入れました。


そんな展開聞いて無いけど取り敢えずヨシ!

 「えっと……ありがとうございます」

 

 「気にしない気にしない。俺があいつらを気に入らなかったから横槍入れただけだし、カードを粗末にする奴に碌な人間はいないからな」

 

 助けた女の子は“地霊使いアウス”を幼くしたような容姿の女の子だ。デュエルに意識が向いて気づかなかったが、かなり可愛い。でも今はデュエルの結果を示さないと。

 

 「デュエルは俺の勝ちだ。あの子の敗北は帳消し、理不尽なアンティルールも撤回してもらう」

 

 「クッ……分かってる。すまなかった」

 

 鯉登は女の子に向かって謝る。あいつらと比べてもマシな性格だ。

 

 「なあ、なんであんな事やったんだ? エースなんて言われてるんだからその面子もあるだろ」

 

 「……イベントは強いデュエリストが多く参加する。それに勝てば俺も強いデュエリストとして認められると思ってな。まあ、弱い者いじめと化した挙句、ボコボコにされたんだが」

 

 「それを認める事が出来たんなら上々だよ。次は楽しいデュエルにしようぜ」

 

 「……ああ」

 

 鯉登とその取り巻きは女の子に謝罪し、その場を去っていった。ギャラリーもまばらに散って俺と女の子だけになる。

 

 「えっと……あの……」

 

 「大丈夫だよ。それよりカードは全部ある?」

 

 「う、うん……」

 

 女の子のデッキを一緒に確認する。地属性で構成されたデッキのようだ。見た目のままだな。

 

 「なら良かった。ああいう手合いはイベントには多いから気を付けてな。今回はちょっとはっちゃけただけだったけど、質悪いやつだと何されるか分からない。注意してな」

 

 「あ、あの……」

 

 女の子に軽く注意を促して立ち去ろうと背を向ける。……が、

 

 「ええっと……どうしたのかな?」

 

 「……で」

 

 女の子に袖を掴まれ止められる。何か言いたげだけどお礼はさっき言われたよな。

 

 「行かないで

 

 

 

 

 

 ……勝ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 「……君は、誰だ」

 

 いや、俺の事を勝ちゃんと呼ぶのは一人。でも彼女はこの世界の住人じゃないし、顔も違う。何より()()()()()()()とは袂を別った。

 

 俺の質問は既に俺の中で解を得ている。本来この質問に意味は無いが、聞かずにはいられなかった。

 

 「そうだよね。こんなに変わっちゃったら気づくはずも無いよね……」

 

 

 

 

 ---陽菜だよ。勝ちゃん

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 睦月勝俊は人気者では無かったが、常に仲間が周りにいた。それが園田陽菜含めた勝俊の仲間の共通認識であった。仲間内で楽しんでいる勝俊や陽菜、その仲間は純粋に遊びを、青春を謳歌していた。

 

 しかし、それは唐突に終わる。理由は子供の必ず通る道。思春期の第二次性徴が訪れたのだ。

 

 勝俊と陽菜は最初は変わらず接していたが、周囲の冷やかしや心無い言葉が勝俊と陽菜の距離を開ける事となった。時には噂話に流され、相手を蔑む言葉を放つまでになる。

 

 だが、本当は互いに思い合っていた間柄であり、蔑む言葉など使いたくは無かったのだ。勝俊も陽菜も周囲に飲まれ、それは高校に入っても同様だった。しかし、互いに話しかける事も無くなった為、まだマシになったのかもしれない。

 

 その瞬間が訪れるまでは。

 

 

 

 

 

 

 「陽菜……勝俊君が、亡くなったって……」

 

 母親から勝俊の訃報を聞いた陽菜は最初、勝俊が仕掛けた仲直りのドッキリだと思った。輪の中心にいた勝俊は祝い事になると盛大にやると自作の料理を振舞っていた。葬式の真似事をしている間に仲直りの料理を振舞うのだろうと陽菜はそのドッキリに乗る事にした。勝俊が赤面しながら謝罪の言葉を述べるのを半ば楽しみにしていた。

 

 しかし、現実は非情に陽菜へ結末を突きつけた。通夜、葬式と滞りなく進み、火葬場に運ぶ事になってから母親にドッキリでは無いのかと聞くが

 

 「何言ってるの!こんな状況がドッキリだと思ってたの!? 勝俊君と仲違いしたって聞いてたけど勝俊君が嫌がらせでこんな事するわけ無いってあんたが一番分かってるはずじゃない!!」

 

 次の瞬間、陽菜は地面との距離が不確かになり、いつの間にか地面に倒れていた。母の声は遠のき、意識が闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識の無くなった後も陽菜は夢という形で現実を突きつけられていた。自分と勝俊が仲違いした後から自身がしてきた陰口や無視、それらへの恨み節が勝俊の声となって陽菜を責め立てる。

 

 「いや……やめて勝俊……ごめんなさい……そんなつもりじゃなかったの……勝ちゃん……」

 

 更に意識は闇に落ちる。自責の念からか、想い人が消えた故か、夢の中というのに陽菜の意識は

 

 

 

 

 

 

 

 消滅した。

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 「……さん……なさん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「陽菜さん!!」

 

 「ひゃあああ!!!」

 

 沈んだ意識を叩き起こすような声に飛び起きる。目が覚めたそこは全てが白で染まった部屋であった。自分は死んだのかと感じたがその前に目の前の女性が答える。

 

 「ここは“転生の部屋”死した者、生きる望みを無くした者を新たな世界に送る場所。園田陽菜さん、愛する人を失い生きる望みを無くしたあなたへ二つの選択を与えます。一つは新たな世界で生きる道を、もう一つは元の世界で今まで通り生きる道を」

 

 「あなたは……いったい誰なの?」

 

 「私はただの案内人。名前はありません。今まで案内してきた人も“女神様”と言ってくれていましたが、固有名詞はありません」

 

 「そ、そうなの……」

 

 現実離れした出来事に思考がショートしそうになる。しかし、他にも案内してきたという事はその可能性がある。陽菜は勇気を持って案内人に聞く。

 

 「勝ちゃんは、睦月勝俊はあなたが案内してきた人の中にいますか!」

 

 「む、睦月勝俊……!」

 

 案内人は思いつめたように目を見開く。間違いなく勝俊を知っていると確信を持った陽菜は意を決して問いただす。

 

 「教えて。彼を知ってるんですよね? 私はどうしても勝ちゃんに会わないといけないんです!」

 

 「……あまり気持ちのいい話ではありませんよ?」

 

 「それでも構いません。教えてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こうして現在、彼はあの世界のあなたをデュエルで倒し、故郷を去らんとしています。これで全てです。納得されましたか?」

 

 「はい……でも……」

 

 案内人からされた話は前以って注意されていたが、内容ははっきり言って最悪と呼べるものだった。勝俊の転生した世界の自分は人を使って勝俊を死の寸前に追い込み、生きる望みを絶たせたのなら、元の世界も含めて勝俊に会わせる顔が無い。

 

 「この世界に転生するのは難しい事ではありません。しかし、転生に際して特典があるのですが」

 

 「その特典で勝俊と会える人に転生は出来ますか!」

 

 「で、出来ますが……あの世界なら自分の所持しているデッキを持ち込む方が」

 

 「デュエルをやってこなかったので大丈夫です!お願いします!」

 

 「……分かりました。では……彼女にしましょう。彼を出会うまで肩身が狭いと思いますが、少しの辛抱ですので」

 

 「ありがとうございます。でも、彼女って?」

 

 「あなたがこれから転生する子も生きる望みを失ってしまい、転生を望んだ子です。彼女の記憶を引き継ぎますか?」

 

 「はい、お願いします」

 

 案内人は頷くと、詠唱を唱え転生の魔法陣を展開させる。その際、案内人が言葉を挟む。

 

 「勝俊さんと出会えるのは三日後です。そして平行同位体では無いので肉体に精神が引っ張られる可能性があります。名前を間違えないようにお気を付けて」

 

 「何から何までありがとうございます。あの世界で私がすべき事って何かあるんですか?」

 

 「いいえ。強いていうなら、彼の助けになってあげてください。彼は、あの世界の自分の宿命も背負っています。時に歩みを止めてしまうかもしれません。その時は、あなたが助けてあげてください」

 

 「勝ちゃんの……助けに……はい!」

 

 決意を新たに、陽菜は生まれ変わる。そこに不安など微塵も無く、勝俊と再び歩む未来へ飛び込んだ。

 

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 「それで、転生した身体が

 

 

 

 

 

 コミュ障、地味系、デュエルオタクのアウス女子ってわけか」

 

 「そ、それを言われると……何も言えません……」

 

 陽菜の話(回想シーン)を終えてから身もふたもない台詞だが、それを聞いて陽菜は赤面しながら俯いてしまった。しかし俺が死んでからそんな事になっていたなんて

 

 「すまん、俺が意固地にならずにいれば……」

 

 「しょ、勝ちゃんが悪いんじゃないよ!元はと言えば私が勝ちゃんを皆と嗤ったからで……私は、勝ちゃんといる資格なんて本当は無いの……でも、謝りたかった……」

 

 「いや、俺が甲斐性を見せていれば」

 

 「いいえ私が勝ちゃんの味方でいれば」

 

 「いや俺が……」

 

 「いいえ私が……」

 

 そのまま水掛け論で自分が悪いと言い続けるが、暖簾に腕押しといったように結論がつかない。

 

 「じゃ、じゃあ」

 

 「お互い様と、いうことで……」

 

 「そうだな。はは……」

 

 「ふふ……」

 

 俺達が元の世界に残してきた蟠り、それを溶かすように笑いあった。これがずっと続くように、如何なる時も離れる事が無いように願いながら。今度は守る、あの約束を。




 この世界の陽菜をどうするのかは追々書くのでそれまで待っていただければ。

 元の世界の陽菜の名前は次回で出します。

 あと作者はアウス推しです。
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