ヒト並みウマ娘 作:aa
「はあああぁぁ…来てしまった…」
私、夕莉はスズカさんのあの件でトレセンに呼び出されていた。
最初私は一人では行きづらいのでついてきてほしいと、メンシアちゃんに頼んだんだけど
『いやー、実はその日テストを受けに行かなくてはならなきゃでして…』
ということで一人で行く事になりましたチクショウ!皆が皆メンシアちゃんみたいな鋼のメンタルだと思うなよ!我中二ぞ?
そもそも私達ウマ娘ファンにとっては楽園、天国のような場所。ファン感謝祭や前の模擬レースなどの時のような例外はともかく、普通なら私みたいな奴が入っては行けない場所。
とまあ、そんな理由でメンタルを減らしながら理事長室まで歩いていく。その時にウマ娘さん達に見られると、さらにどんどんメンタルが減っていく。ギャー!見ないでください!か、顔がいい!クウキニナリタイ…
そんなこんなで地図などを使って理事長室に着いた私は、ノックをして入っていった。
「失礼しますー…」
中には理事長、駿川さん、そしてスズカさんがいた。
「こんにちは、夕莉ちゃん」
「こんにちはスズカさん!」
「歓迎!よく来てくれた!…疑問!一つ聞いてもいいか?」
「い、いいですよ。なんでしょう?」
「親御さんは連れてこなかったのか?必ず連れてこいとは言ってないが…」
・・・つまり、一人で来る必要はなかった…てこと!?
◆
「はぁ…」
「大丈夫?」
「まあ、なんとか…」
確かにお母さん連れてくればよかっ…いや、あの人も結構なウマ娘オタクだし駄目だな。
スズカさんと私はターフに来ていた。話に関しては前の話だけでも別によかったんだけど、一応もう一度聞いておこうという事になったらしい。そのため私が呼び出されたということになる。
後はまとめるだけなんだけど、それが終わるまで待っていてほしい、ということで時間潰しのためにスズカさんがトレーニングをしたいと言ったためターフに来た。説明終わり!私誰に説明したんだろう?
「人なんか多くないですか?」
「私にトレーナーがいなくなったからだと思う。いなくなった後から増え出したから」.
「虫が増えたみたいな言い方ですね」
「昔の私なら誰でも良いって思ってたけど…気持ちよく走らせてくれない人が多いから」
「・・・なんか経験済みっぽいですね」
「もう三人と契約解除したの」
「そんなに先行で走らせたいんですか。どう考えても逃げが一番って一目で分かるでしょうに」
「あまりトレーナーのことは分からないけれど、見るだけで分かる人は滅多にいないんじゃないかしら…そうだ!夕莉ちゃん」
「なんですかー?」
「トレーニングを見てくれないかしら?」
「?見ますけど」
「そういうことじゃなくって、トレーナーのように指示してほしいの」
「・・・ゑ?」
◆
私はトレセン学園でトレーナーをしている者。自分で言うのもなんだけどG1で一着をとらせてあげた事もあるベテラン。
今日はトレーナーがいないと噂のサイレンススズカを見に来たんだけど…いい走りね。でもあの走りは逃げか…あそこの女の子がそう指示してるみたいだけど、逃げは勝ちの定石とは言えない。それこそ怪物マルゼンスキーや三冠を目指しているミホノブルボンぐらいじゃないと。サイレンススズカの逃げも悪くないけど、先行の方が勝ちやすいはず。どうにかチームにいれて―――え?
私が見たものは先ほどの走りよりも格段と早くなっていたサイレンススズカだった。
◆
「どうだった?タイム」
「十秒ほど短くなっています!やっぱり無理矢理得意じゃない走りをしていたから、逃げの走りにも影響が出ていたみたいですね」
「ありがとう夕莉ちゃん。あなたの指示のおかげよ。・・・夕莉ちゃんがトレーナーになってくれれば良いのに…」
「いやいや、私なんかよりもっといい人いると思いますよ!そもそも私は中二ですし…」
「見事!本当に学生かと疑うくらい素晴らしかったぞ!」
「理事長!?」
「そこで、提案!
トレーナーになってみないか!?」
「いや展開早すぎ!?」