ヒト並みウマ娘 作:aa
「黄金世代?皆そんな呼ばれ方してんの?」
「知らないんですか!?そんなにも仲が良さそうなのに!?」
「う、うん。どんな意味なの?」
「ええっとですね――」
「ふふっ、メンシアさんらしいですね」
「テレビや雑誌も見ないって言ってたしねー」
「一流の友人なのだから、見ておくべきなのに…どこか憎めないわね」
「あれ?スペちゃんどうしまシタ?」
「私達、黄金世代って呼ばれてたんですか!?」
「「「「えぇ…」」」」
「つまり凄いってことでいい?」
「凄いなんてものじゃありません!ちゃんと分かって―」
「はいはーい、注目ー!今からトレーニングするんだから見なさーい!」
「―って、なんであそこに夕莉さんが?」
「気にしない気にしない」
「さっきから雑ですね!?ちゃんと説明してください!」
「えーっと、説明していいー!?」
「いいよー!」
「じゃあ許可もでたことだし、説明するよー。実は夕莉ちゃんは――」
◆
「――てこと。分かった?」
「凄い人じゃないですか!まだ中学生なのに理事長からスカウトされるなんて…私なんか…」
「お?どうしたの、そんな暗い顔して」
「い、いや何でもないです!見ましょうかトレーニング!明日は手伝うらしいですよ?」
むむむ、怪しい。でも無理矢理聞くのもあれだからなあ。・・・ん?
「ごめん、ちょっと離れるね!」
「え!?どこに行くんですか!」
「すぐ戻るー!」
「ちょ、ちょっと!…行っちゃった…あれ?メンシアさんウマ娘だったよね…なんで
◆
どこいった?あの二人…多分こっちだったはず
「あれー!?みんなどこー!?ぅう…みんなとはぐれちゃったよ、オグリちゃん…」
「任せろ、ウララ。きっとこっち「またんかい!」!その声は!」
「メンシアちゃん!」
「二人とも山に入っていったから心配してきたんだよ!ララ、グリ、怪我は?」
「ないよー!げんき!」
「怪我はないが…」
「お腹空いたんでしょ」
「!なんで分かったんだ?」
「まあいいから、今から戻るよ!私、ララ、グリの順番で行くよ!」
「はーい!」「分かった」
戻る前に連絡しとこ…って美羽ちゃん?なんでここに?
あ、帰っていった。何だったの…?
◆
「本当にありがとう!助かったよメンシア!大惨事になる前でよかった…」
「どうして山に行ったの?」
「キレイなちょうちょさんがいて、トレーナーに見せたくて…」
「山に入っていくウララが気になって…すまないトレーナー」
「「うーん…」」
「トレーナーさん、今回だけ許してあげれませんか?悪気があった訳ではなさそうなので」
「・・・そうね、次から一人で行かないって約束できる?」
「うん!わかった!」
「オグリもまず俺達に連絡してくれ。いいな?」
「分かった。次からそうする」
「次あったら駄目だと思うんですけど…やあ、メンシアちゃん」
「やあやあ夕ちゃん。私の迎え?」
「イエース。というかメンシアちゃんも連絡してくれればよかったのに」
「確かにそうだった。ごめん」
「いいよ、て言えるほど偉くないけどね。心配したからね?」
「ホントにごめん…」
「そういえば美羽ちゃんは?一緒にいるんじゃないの?」
「・・・どういうこと?」
「美羽ちゃんもいなくて、皆心配してるんだけど…メンシアちゃん」
「了解。ちょっと暇そうで信頼できる人探してくる。夕ちゃん連絡よろしく」
「OK。誰か目星ついてる?」
「誰にしよう…「私では駄目かな?」…仕事がないのなら」
「では早速出発しよう、メンシア」
「よろしく、ルドちゃん」
◆
私の家は代々名門トレーナーを生み出す家系として有名だった。
といっても桐生院家の次というレベルだが。
それでも担当ウマ娘にG1を勝たせてあげられたトレーナーも少なくないし、一冠を取ったこともある。
その家に生まれた私は『落ちこぼれ』だった。
トレーナーとしての素質はゼロに近く、兄妹のなかでも勉学が得意じゃなかった。
それでも兄妹は私を悪く言うこともなく、優しく接してくれた。
でも…父からは嫌われている。いや、興味がないと入った方が正しいか。
父は、トレーナーとしてはいい方だった。
だけど、それを邪魔するようにプライドが高かった。
父と同じ時期に活躍した桐生院家のトレーナーは、父よりも、それどころか今までの歴史のなかでも優れたトレーナーだったらしい。父は認めないが。
父の担当していたウマ娘はいつもいいところで止まっていた。いつも桐生院家のトレーナーに先を越されていたから。
そんな父はすべて自分のウマ娘のせいにしていた。
お前に才能がないから。
俺のトレーニングについてこれていないから。
そんなことばかり言っていたから、すぐに担当無しトレーナーになっていた。
どうにかして担当を手に入れようとしてもそのときにはもう悪評まで広がっていたので出来なかった。
そこで実家に帰り、結婚して自分の子を作り、あの桐生院家のトレーナーを倒すためトレーナーになるための英才教育を我が子に施すことにした。
だからトレーナーとして役に立たない私の事が好きではないのだろう。
私はトレーナーになるための専門学校ではなく、普通の学校に通わされた。
母や兄妹達は抗議してくれたが、自分でもなれないことは分かっていたので大丈夫だと言った。
トレーナーにはなりたかったが。
そこでトレセン学園の合宿に参加してみないかという声が、通っている中学校に届いた。
父には内緒で参加したいと母に相談すると、快く了承してくれた。
バスで一人心細くなっていると話しかけてくれた女の子がいた。彼女の名前はメンシアベレージ。今思うとウマ娘の彼女がヒトがのるバスにいたのか不思議に感じる。
メンシアさんは私に話しかけてくれただけでなく、他の人との架け橋にもなってくれた。
特に夕莉さん。夕莉さんはメンシアさんと同じ学校で、仲がいい感じだった。
私と一緒だと思っていた。普通だと。
でもそうではなかった。
夕莉さんはトレーナーとしての希代な素質。
メンシアさんは驚くべき人脈。
二人とも私とは違う世界の住人だった。
私は何?私がここにいる意味は?
宛もなく、私は歩きだした。
◆
「みたいな感じだったらどうする?」
「すべて妄想だったのか…いや確かに彼女の名字は名門と同じだが」
「え、そうだったん!?まあ、そんなことじゃなさそ「・・・よく、私が考えていることが分かりましたね。エスパーですか?」って美羽ちゃん!」
「・・・ん?今なんと…」
「だから、私が考えていることが分かりましたねって」
「一言一句あってる?」
「一言一句あってます」
「「・・・
うっそぉ!?」」