ヒト並みウマ娘 作:aa
現在午後三時、森の中私達は話し合っていた。
死ぬほど暑いです。
でもここで話を聞き出さないと駄目な気がするんだよね…
「しかし、どうしてこんなとこにいるんだい?」
「そうそう、それが気になるんですよねー。よければ教えてもらってもいいかな?」
「・・・いいですよ、といっても先ほどメンシアさんが言っていたことがほとんどですが」
「あれホントにあってたんだ…自分が怖いぜ…じゃなくて、本当にそれだけ?」
「何を言ってるんですか、私は貴女達の才能を勝手に羨ましがって、勝手に脱走してきただけですよ。ただの…最低です」
「うーんと、多分それもあってるんだろうけど、なんかまだ残ってるような…」
「・・・昔の私と似ている気がするんだ。私の場合は自分のやっていることの正当化だったが」
「ほうほう、続けて」
「君の場合はそうやって自分を卑屈して悲劇になろうとしている。バットエンドになるように」
「・・・っ」
「そうすることで自分が好きになれた気がした、正確には感情移入できた。自分を悲劇しかない主人公にすることでね。だがそんな自分が嫌いだった。皮肉だな、自分を好きになるための行動が自分を嫌いにしてしまうとは!」
「・・・ええ、そうです!その通りです!私は私の事が「ちょっと言うの待って」…は?」
「近くにいい感じの崖みたいな所ない?」
「ああ、ある。そこへ案内しようか?」
「ん、よろしく」
「なんの話を「美羽ちゃんもくるんだよ!いいから!」は、はい」
◆
「ついたぞ。どうだ、なかなかの景色だろう?」
「私高いところちょっと苦手なんだよね…」
「ならなぜここまできたんですか?」
「いい質問ですね!んじゃここで自分の思ってること全部吐き出そっか」
「は…?どういう「やらないなら私から」ちょっと!」
「スゥー…夕ちゃんのバカー!アンポンタンー!」
いきなりこの人はなに言っているですか!?しかも親友の悪口を言うなんて!
「トレーナーとしての仕事を真面目にするのはいいけどー!それで体調崩しかけるのは違うでしょーがー!」
違う、ただの心配でした。
「なかなか面白そうじゃないか。では私もやるとしよう。エアグルーヴ!君は私にたいしてはいつも誰かを頼れと言っているがー!君も私達を頼れー!たわけー!」
え、えぇ…何をしてるんですかこの人達は…
「ほらほら、美羽ちゃんも叫んじゃいなさい!」
「叫ぶって…何を?」
「自分が嫌とか止めてほしい事とかを叫ぶんだよ!ただの悪口でもいいよ!スーちゃん達も私の体じゃなくて自分の体を見なさいー!変態かー!」
「生徒会室に来るのはいいが、お菓子をそこらじゅうにこぼすなテイオー!」
「悪っぽいしゃべり方して自分だけ悪者になろうとするんじゃない、ルドちゃああああん!」
「む、むう…」
こうなったら…もう言うしかない!
「すうぅー…皆、大っ嫌いだーーー!!!私にいつも同情的な目をしてくる兄さんと妹が嫌いだー!私を一番に扱ってくるお母さんが嫌いだー!凄くポジティブで、すぐに友達になってくるメンシアさんが嫌いだー!たいして面白くないダジャレをよく言うくせに、強いシンボリルドルフが嫌いだー!自分普通ですって顔してるくせに才能ありの夕莉さんが嫌いだー!子供を嫌いな奴に勝つための道具にしてるお父さんが嫌いだ!見向きもしてくれないお父さんが嫌いだ!見向きしてくれてない、してないはずなのにクリスマスパーティーを毎年やるお父さんが嫌いだ!小学生のころ100点取った時に誉めてくれて、笑ってくれた父さんが嫌いだ!嫌いだ!嫌いだ!家族も、友達も、自分も、みんな、
大っ嫌いで大好きだーーーーー!!!!!」
◆
「ちゃんと言えたじゃねーかよ…」
「聞けてよかった…まて、私のダジャレを面白くないって「で、今どんな気持ち?」無視か!?」
「なんていうか…スッキリしたような…してないような…人を悪く言ったからかも…」
「まあ、そんなものだよ。実際陰口みたいなもんだし。でもいいんじゃない?言ったって」
「いや良くないですよ…?誰かに聞かれたら」
「だからこの誰もいない崖で叫んだんでしょ?どんなに好きでも、どんなに親友でも悪口は言いたくなる。でも溜めておくのも良くないんだよ。それに、叫んでみれば案外自分にとって小さなことを気にしてたかもしれない。それに気づけるしね」
「・・・でも、本当にこれでよかったんでしょうか。私まだ、自分のこと嫌いのままです」
「それだけじゃないはず。もうひとつあるはずだよ」
「そんなもの…いや、あります…!何か暖かいものが…!よく、分からないけど…」
「自分のこと、好きになってるんだ。認めたんだよ、自分を自分で。自分が嫌いなのって完全に消せることはほとんどないんだ。でもね、自分が好きって気持ちと一緒にいるんだよ。さっき自分で叫んでたじゃない、大嫌いで大好きって」
「・・・いいんでしょうか、この道で」
「もし違うと思ったら、変えてもいいんだ。ヒトっていうのは死ぬまで道を変えられるんだから」
「・・・一つお願いいいですか」
「なーに?」
「これからも友達でいてくれますか?」
「聞く必要ある?」
「・・・ありがとうございます!」
◆
誘ってよかったよ、この合宿に。また、彼女は光になる。だが、与えるだけの光ではない、光に支えられているヒト達に支えられて生きている。
だから私達は依存しないのだろうな…ホントにしてないか?
ぐっ!?強い風か!
「あ」
「「メンシア(さん)!!」」
メンシアが崖から落ちてしまった!
「今助けます!」
そう言った美羽はすぐさま崖から飛び降り、メンシアの手をとり、崖から生えていた木にもう片方の手でつかみ、回転し、戻ってきた!
・・・いや、
「そうはならないだろう!?」
「なっとるやろがい!!」