ヒト並みウマ娘 作:aa
「で、何か言うことは?」
「「すいませんでした」」
私達は三人で宿まで帰ってきた後、エアグルーヴさんにすっごく怒られていた。ルドちゃん以外。
「ちくしょう怒るならルドちゃんにも怒ればいいのに…」
「たわけ、会長は保護者としてついていってもらっただけだ」
「なら私も捜索しに行っただけなんですけど…あとルドちゃんもまだ子供なんですけど」
「お前は危なっかしいからな。会長がついていたから良かったものの、あそこは危ないところが多いんだ、特に崖とかな。もしそこに近づいて落ちていたらどうするつもりだったんだ?」
「「「・・・」」」
「おい、なぜ目をそらす。会長もですよ。怪我人などが出ていたらこの合宿参加の話も次から消えるんだぞ」
「ほ、本当に申し訳ないです…」
「そろそろ終わりにしないか?もう晩御飯の時間だし…」
「会長がそういうなら…次はないぞ?」
「はい…」「はーい」
「あいかわらず軽いな、メンシアは。本当に分かっているのか?」
「まあまあ落ち着いて、生徒会の人達はまだ仕事があるんじゃないですか?」
「・・・つ・ぎ・は…ないぞ?」
「分かりましたって。あ、そういえば母さんが珍しい花の種をもらったからまた育ってくれないかって」
「む、それは本当か?メンシアのお母様はよい花の種をいつも譲ってくださる。いつも思うがいいのか?」
「エアグルーヴさんが心を込めて育ててくれるからそれがいいんだって。まだ咲いたものないけど、咲いたら何本か見せてくれないかだって」
「そこまで言われるならば、戴かないわけにはいかない。合宿の後にいいだろうか?」
「りょうかーい。んじゃ詳しい後で、じゃあまたー」
「ああ、また後で」
そういって美羽ちゃんと私は夕ちゃん達のところまで戻っていった。
◆
「君達は結構仲がいいんだな…ん?メンシアのお母様とあったことがあるのか?」
「いえ、メンシアを通してだけです」
「どうして花の種を貰うようになったか、聞いてもいいかな?」
「ええ、分かりました。最初は、花に水やりをしていた時でした…」
◆
「―後は、この花だけだな…」
「おーい!エアグルーヴさーん!」
「・・・どうしたメンシア、私に何か用か?」
「いやー散歩していたら、エアグルーヴさんを見かけまして。お花、好きなんですか?」
「ああ、昔からな。ハーブティーは飲めるか?」
「一応」
「なら今度飲ませてやろう」
「・・・意外とエアグルーヴさんって私に優しくないですか?嫌いそうなタイプなのに」
「お前は会長の心の拠り所、友になってくれたようだからな。あの方は自分一人で溜め込みやすい…」
「それを言うならエアグルーヴさんもでしょ。トレセンの学生として勉強やレースはもちろん、生徒会副会長にお花の水やり手入れ。大変じゃないですか?」
「これぐらい出来なければ女帝はつとまらん。・・・お前もレースだけに集中すべきだと思うか?」
「自分がやりたいならやれば良いだけじゃないですか?他人にとやかく言われる…ことはあるだろうけど、聞く必要なんてないですよ」
「・・・ふっ、お前ならそういうと思っていた」
「え、何その昔からお前のことを知っているみたいな感じ…」
「会長からお前の話をよく聞くんだ。聞きすぎて頭が痛くなる時もあるが…メンシアは誰かを否定することはないと」
「そうですかね?違うと思ったら結構否定しますけど。って、あ。虫」
「!!ど、どこだ!?」
「落ち着いてください、取りますから」
「取る!?わ、私についてるのか!?」
「あー…ちょっと目を閉じていてください」
「わ、分かった!早くしてくれ!!」
「んー…と、取れました!ほいっと、見えないとこ逃がしました。あけていいですよー」
「ホントか!?」
「ホントですって」
「・・・いないな?すまない…助かった…」
「虫、苦手だったんですね」
「てんとう虫以外はな…花達にも影響が出るから慣れないといけないんだが…」
「なら、取るの手伝いますよ?」
「だが、私の花だからな…私がやらねば」
「・・・一つ質問いいですか?」
「急にどうした。まあいいが…」
「ルドちゃん…会長が一人では解決しづらい事を一人で解決しようとしようとしていたらどう思いますか?」
「それはもちろん協力させてほしいと思う。一人で抱え込む必要はないと・・・まさか」
「エアグルーヴさんも一人で抱え込む必要はないんじゃないですか?」
「だが私は女帝として…「なら皇帝でもあるルドちゃんが抱えてもよくないですか?」それは違う!」
「違くないですよ。出来ない事を出来るようになろうとするのは良いですよ。でも一人で出来ないなら誰かに頼りましょうよ。将来的に慣れたいなら手伝いますし。勉強と一緒」
・・・会長が話したくなるのも分かる。
こいつは、いい奴なんだろう。裏表がない…そう感じさせる。
「なら、教えてもらおうか、先生?」
「言っときながらあれですけど、慣れるのに教えも何もないですよね…」
◆
「このような感じで、虫を取ってもらうついでに世間話をしていると、メンシアがお母様に私の事を話したようで、メンシアを通して仲良くなり…今に至るのです」
「なるほど…メンシアの協力は超強力ということだな!」
「いや、超がつくほどではないですが…確かに強力ですね」
「・・・そうか」
「急に元気が失くなられたようですが…どうしましたかいちょ…ハッ!」
エアグルーヴのやる気が下がった!
◆
「なんかどこかでしょうもないことになってる気がする」
「急にどうしたのメンシアちゃん。今からご飯ですよー」
「はいはーいっと。今日カレー?」
「いえーす。まあ夏の合宿と言ったらこれだよねー!トレーナーはお金で食べるところ変わるらしいけど」
「なら、サブトレーナーの夕莉さんはそっちじゃないんですか?」
「一応学生として来てるからね、極力こっちにいてほしいんだって」
「「へー」」
「そういや美羽さんはなんで行っちゃったの?」
「えっと、お二人に嫉妬して…です…」
「嫉妬?私達に?するとこある?」
「自分では普通と思っても周りからしたら欲しいものだったりするしね。まあ美羽ちゃんも凄い才能があるんだけどね…」
「気になるなーそれ。っていい忘れてた!明日からは実際にトレーナーやウマ娘に質問したり、指導してもらったりするらしいから。覚えていて」
「へー。どこでやるの?」
「一つのチームに複数人入るらしいよ。二人とも私のとこだから安心して」
「オッケー」「分かりました!」
明日から本格的に、夏合宿が始まる!
・・・なんか体感遅いな…