ヒト並みウマ娘 作:aa
カワイイカレンチャン。
目の前の女の子はそう覚えろって言ってきたね。
自分でそう言うと普通はイタく感じるけど、ホントにカワイイからそう感じないね。すごい。(小並感)
・・・カレンチャン?
「思い出した!私の友達が凄い凄い言ってた子か!」
「あ、見たことは無いんだ…メンシアさんはどうしてここに?」
「それはこっちの台詞だぜ?どうしてここで泣いていたの?」
「・・・やっぱり聞いてた?お願い、ここで泣いてたことは…」
「オーケーオーケー、誰にも言わないよ。その感じだと言いたくなさそうだし言わなくてもいい。・・・一つ気になることがあるんだけどいい?」
「じゃあお礼に。答えれる範囲ならいいよ?」
「答えられなかったら言わなくていいよ、カレンチャンってトレセン学園の合同のやつで来たの?」
「そうだよ?」
「有名人だよね、よくバレずにこれたね?」
「え、凄いキャーキャー言われてたよ?そういえばカレンに一人だけ見向きしてなかったけど、メンシアさんに似てたな」
キャーキャーされてたのか…
「って、メンシアさん、そろそろ宿に帰る頃合いじゃない?」
「それを言うならカレンチャンもでは?」
「カレンは…後で行くね!気にしないで!すぐに追いつくか『グゥー…』…ら…」
「・・・焼きそばあるけど食べる?」
「モライマス…」
カレンチャンに焼きそばと割りばしを渡して、私はとなりに座った。
「いただきます…ん…美味しい!」
「でしょ?私の友達が作ったやつなんだ」
「貰ってよかったの?」
「私はさっき貰って食べたし、いいよ。それは必要になるからって持たされたやつ」
「どうして必要になるって分かったんだろう…」
そうやって食べてると、急にカレンチャンの顔が暗くなった。
「・・・」
「・・・聞か…ないの…?」
「多分泣いてたことに関係あるでしょ?さっきは言いたくなさそうだったからね、今回も聞かないよ」
「・・・そっか」
「でも、私の妄想なんだけどね、そう聞くってことは本当は聞いて欲しいんじゃないの?ここにいても、いて欲しくないって感じしないし。してるかもだけど」
「・・・そう、かも。じゃあ、話すね?聞いてくれる?」
「おっしゃばっちこい」
「今日のお昼のことなんだけどね…」
◆
今日からグループに分かれてトレセンのトレーナーさんに教わるようになったでしょ?
カレンのグループはウマ娘四人だったんだ。
カレンはみんなと仲良くなるために挨拶をしたの。
「今日からみんなよろしくね!」
「「「・・・」」」
「みんな、どうしたの?」
でも、無視されちゃったんだ。
その時はたまたま聞こえなかったのかなって思ったんだけど、その後も嫌がらせが続いて…
「あの、トレーナーさ「ちょっといいですか!」ちょ…」
カレンがトレーナーさんに話しかけようとすると、必ず邪魔されたり…
「ふぅ、ちょっと休憩…きゃっ!」
飲み物を飲もうとすると、背中を押してきたり…
・・・あんまり思い出したくないんだけど、一番辛かったのはあれ、かな…
「今日はこれで終わり!皆、よく頑張ったね。今日はゆっくり休んでね!」
今日はあんまり教えてもらえなかったな…明日は絶対!
「・・・ちょっとこっち来てよ」
「!…なんですか?」
「あんたさ、なんで参加してきたの?」
「そ、それは…」
「どうせ、おもしろそうだからーとかでしょ」
「そんなわけ・・・!」
「私達は本気でトレセンに入りたいの。あんたみたいに中途半端な気持ちじゃないの!」
「・・・」
「そんな気持ちでいるならもう帰って」
「私たちもう戻るから」
そういってその子たちは寮に戻っていった。
カレンは…私は、気づいたら走ってた。
◆
「で、さらに気づいたらここで泣いてた、と」
「うん…」
「ほーん…一応聞くんだけどさ、面白そうって気持ちで「来てない!」だよねー」
「カレンは、カレンのカワイイをもっと広めたいから、ここに来たの!」
「うん…うん?」
「カレンのカワイイに、みんなに夢中になってほしいの!…おかしい?」
「あー、うん。えっとねー…どうしてそう思ったの?」
「それは、レースを走っているウマ娘たちを見たからなの。誰よりも…輝いていたから。いっぱい汗をかいて、髪の毛もぐちゃぐちゃ。顔も笑顔じゃない。ちょっと怖いとも思った。私の信じるカワイイとは違う、でもそんな彼女たちを見て…凄くカワイイって思った。トレセン学園に入ってレースに勝てば、カレンなら彼女たちみたいに、ううん、彼女たち以上に輝いて、カワイイと思わせられる!」
「・・・どうして、そんなにカワイイを追い求めるの?」
「・・・聞いちゃう?」
「聞かせて!カワイイカレンチャン!」
「・・・しょうがないなぁ。じゃあ生まれたときからの頃から教えてあげるね」
「あ、長くなりそう?」
「み、短く喋るから。赤ちゃんって反射でたくさん笑うじゃない?生まれたばかりのカレンもいっぱい笑う子だったんだ」
「はいはい」
「そしたらね、家族もたくさん笑ってくれたの。カワイイねって、幸せそうに。カレンのカワイさはみんなを幸せにするね、って兄さんが言ってくれたの」
「へー」
「だから、カワイイ存在であろうと決めたの。そう思ったのが…えーと、三歳くらいの時、かな」
「我が強い」
「そのために、カワイイのあらゆる研究をしつくしたの」
「研究」
「そうしたら、私にあこがれてくれる子が出てきたんだ。…嬉しかったの、カワイイカレンでいることで、家族以外のみんなも幸せにできるってわかったから。私は褒められてうれしくなる、みんなはカワイイカレンで嬉しくなる、この幸せのサイクルをもっと、もっと広げていきたいって思ったの!」
「そっかぁ、それでここに…一つ聞きたいんだけどさ
『あの子たち』にもカワイイって思われたい?」
そう聞かれたカレンチャンは―
「もちろん!」
と、笑顔で答えた。
「よっしゃ、私に任せろ」
「どうするの?」
「それは…いったん帰ろっか。そろそろ怒られる」
「ホントだ、結構やばい時間!でもウマ娘なら走れば…」
「まじ?なら先にかえりなさいな。私じゃ無理だし。」
「えっなんで!?」
「理由がありまして」
「もう、分かった。一緒に歩いて帰ろ?」
「・・・いや、でも…うーん、まあ、そういうならしょうがないか」
この後エアグルーヴさんにめちゃくちゃ怒られて、ルドちゃんに助けられた。