ヒト並みウマ娘 作:aa
「北府中よ!私は帰ってきた!」
「いやー久々だねぇここも。皆に挨拶しに行かなきゃ」
私達はいろんなことがあった夏合宿から帰ってきた。
久しぶりの学校を見ると、うーん・・・変わらないな。
教室に入ると、
「あれ?メンシアちゃんと夕莉ちゃんじゃない?」
「ホントだ!おーい、おかえりー!」
「「ただいまー!」」
「どうだった?足早い子いた?」
「そりゃウマ娘なんだから足早い子ばっかでしょ」
「いたよ?ヒトだけど」
「へー?どれくらい?」
「ウマ娘ぐらい」
「HAHAHA,そんなバナナ」
「なあなあ、かわいい子いた!?」
「たかしは黙ってろよ」
「そうだぞたかしはこっちくんなよ」
「なんでだよ!!」
ワイワイガヤガヤ
と、皆がすぐに話しかけて来てくれた。
トレセンの皆とも楽しいけど、やっぱりここは落ち着くな。
と、そこに先生が入ってきて
「はいはーい皆さん、席に着いてくださーい。大事な話がありますからねー」
と言った。
「何かなメンシアちゃん、いい話かな?悪い話かな?」
「とりあえず前払金が多くて説明が少なかったらろくなことはないね」
「・・・?たまにメンシアちゃんが喋ってることが分からないよ」
ちゃんとネタが伝わるのは夕ちゃんと親だけなんよな・・・
「はーい静かにしてね、今から話すからね。なんと、
私達のクラスに転校生が来ます!」
「先生女の子ですか!?かわいいですか!?」
「黙れたけし」
「しばくぞたかし」
「理不尽!?」
自業自得だぞたかし
「じゃあ早速入ってもらいましょうか。どうぞー」
呼ばれて入ってきたのは、少し前まで一緒に過ごしていた
「
美羽ちゃんだった。
「え、めっちゃ可愛い…」
そういうところだぞたかし。
◆
「ねえねえ!趣味は何!?」
「えっと、筋トレ…ですかね?」
「なんで疑問形なのー?(笑)じゃあ好きな食べ物は?」
「うーんと、カレー、です」
「彼氏いますか!?」
「「たかし!!」」
たかしは関節決められてる。ちょっと嬉しそう。
そんなことより、
「ビックリしたよ、転校してくるなんて。どうしてこんな急に?」
「父に相談して、ここに転校してきたんです。メンシアさんと同じ中学ですごしてみたいというのもありますが…父に挑戦したい、そう思って」
「お父さんに?」
「はい、私の父はバカでアホで、自分の実力を理解してないおおまぬけというのは言いましたよね?」
「そこまで言ってたっけ…?」
「ええ、だから父と違う道を行く、そう言ってここに来させてもらいました」
◆
「北府中に行く…?何故だ?」
「あなたとは違う道に行くため」
「ほう…」
「そして、あなたが目指したゴールに行くため、です」
「・・・そうか、いいだろう。北府中に近い家を借りてやろう。使用人も雇っておく」
「止めないんですね」
「出来の悪い娘を『こんなとこ』に置いておくわけないだろう。さっさと準備をして行け」
「・・・」
「最後に一つ言っておく」
「・・・なんですか?」
「俺にはなるなよ」
・・・当たり前です。
◆
「二人とも仲良くしてる話してるのはいいんだけどさ、私何の話してるか分からないんだけど?」
「かくかくしかじか」
「そういうことだったのか…」
「えっ、分かるんですそれで?」
「分かるわけないじゃん?」
「えぇ…」
「まあ、プライベートなことだから深く聞きませんよ」
「夕莉さんなら別に」
「じゃあ後で聞かせて?」
「いいですよ」
「今日は学校早く終わるし、トレセンに行きながらでも「メンシアさん?」あれ、先生どうしたんですか?」
「合宿に行った人たちは補習があるんですよ。忘れていましたか?」
「・・・あ」
「あらかわいそう。じゃあ二人だけで「夕莉さんもですよ」ウェ!?なんで?一応トレーナーなのに!?」
「もうトレセンには話は通っています」
「「ぐふぇえええ・・・」」
◆
というわけで一人で来ることになった。
・・・いや別にくる必要あった…?
私関わりあるの夏合宿の人達だけだし…
今日はもう帰ろ「あれ、美羽さん?」
この声は
「カレンちゃん?」
「はい、カワイイカレンです♡」
「カレンちゃんもトレセンに転校してきたんだ」
「うん、カレンのカワイイを広めるためにね」
私達は夏合宿中に出会い、偶然にも似た出来事があり、それで仲良くなった。
その出来事というのは
「メンシアさんがいなければ並んで歩くことなんてなかっただろうなぁ」
「そうだね、お姉ちゃんのおかげだね」
メンシアさんに助けられたという事。
あの人は凄い。いろんな人と仲良くできて、それを誰かに繋げられる。
「そういえばどうしてここに?何か用事でもあったの?」
「うっ…実は――ということで」
「特に意味もなく、かぁ。・・・あれ?それならよく通してもらえたね?」
「メンシアさんのおかげ。事務員さんから止められたんだけど、一緒に合宿に来ていたトレーナーさんやウマ娘さん達から
『メンシアちゃんと一緒に過ごしてたし大丈夫でしょ』
って言われて…事務員さんもそれで納得しちゃって」
「すごいなぁお姉ちゃん。お姉ちゃんも凄くカワイイんだろうな」
カレンちゃんのカワイイは詳しくは聞いてないけど凄く意味があるらしい。
「カレンは今からターフに行くけど、美羽さんも来る?」
「じゃあ、せっかくなら」
と、私はターフに行くことにした。
◆
私はトレセン学園でトレーナーをしている者。自分で言うのもなんだけどG1で一着をとらせてあげた事もあるベテラン。
今日はチームは休み。私は他のチームの偵察、というところかしら。
今見ているチームはサイレンススズカがいるチーム『スピリット』。(前にサイレンススズカをスカウトしようとして軽くあしらわれたけど、気にしていない。ええ、全く。)
普通チーム名には輝いてほしいため明るい星の名前をつける。
少し気になって何故その名前を付けたのか、聞いてみたところ、
『実は決めたのは俺じゃないんですよね。めん、いやチームの皆で。そこで一人こういったんです。
輝いてるのは星でも、皇帝でも怪物でもない。伝説は塗り変えるもの。輝くのは私達だけでいい。
って。だからこんな名前に。変ですかね…?』
変な奴らということだけが分かった。
確かに彼の持つ担当は強い。それは間違いない。
でも、それだけじゃ勝てない。それがこの世界。
あまりよくない言い方かもしれないかもしれないけど、彼は新人。
私のようなベテランはともかく、新人には彼女たちは重過ぎる。
さらに理事長が変なことをして中学生がトレーナーをやってる始末。それもサイレンススズカに。
ここで潰すには惜しい、どうにか引き抜けないか、そんなことを考えていると、『スピリット』にトレセンに転校してきたカレンチャンと、中学生らしき女の子が近づいていた。
カレンチャンはジャージに着替えており、走るようだった。
今日転校してきたばかりというのに仲がよさそうで、たしか夏合宿の時に『スピリット』にいたということを思い出した。
私は見ていなかったがなかなかいい走りらしい。
スプリンターらしいがどんな走りをするんだ…?それが本当なのか半信半疑で走りを見ていると―
素晴らしい
それに尽きた。
流石にクラシック、シニア程ではないが、今すぐデビュー出来るくらいには素晴らしかった。
絶対にほしい、そう思っていると今度は二人で走るらしい。
それも先ほど一緒に来た女の子と走るようだった。
どこから見てもヒトのようだが…まさかカレンチャンというウマ娘は性格が悪いのか?
もう収穫はなさそうだなこの走りを見たら帰ろう。
ダッ
・・・え?
どうやら、ウマ娘はともかく、ヒトの伝説を塗り替えてしまったようだ。『スピリット』は。
後日、ウマ娘と同じ速度で走るヒトがいるという都市伝説ができたらしい。