ヒト並みウマ娘   作:aa

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説得に、いくぞー!(説得に行くとは言ってない)

ガンちゃんのお願いの詳細を聞くため、私とガンちゃんは中庭に移動した。

 

「・・・で、改めて聞くけど誰を説得してほしいの?」

「はい、ライスシャワーさんです」

「どうして、というか何を説得してほしいのよ?」

「・・・ライスさんは、もうレースには出ない、出たくないと言っているんです」

「つまり、出るように説得してくれと」

「はい。私も説得するというMissionをCompleteしようとはしたのですが、逃げられてばかりで、失敗してるのです」

「途中の英語なんか滑らかだったね。なんで出たくないって言ってるんだろう…あのレースが絶対関係してるんだろうけど…まあ本人から聞くことにしようか」

「!では…」

「よし、どこにいるか分かる?」

「任せてください。このミホノレーダーを使えばあっという間に…」

 

 

「見つけられました」

「タイム四十分ジャスト!早いな…強いて言うならただのしらみつぶしだったけど」

ここは裏庭、物陰に隠れている私達を除けば、ライスさん一人…!

「どうしますか?このまま行っても逃げられますが」

「・・・・ここで待ってて。一人で行ってくる」

そういって私はライスさんの前に…いや後ろだな、に立った。

「!だ、誰ですか…?」

「だ、誰ですか…?と聞かれたら、答えてあげるが世の情けってね。ドーモ。ライス=サン。メンシアです。」

「え、えっと、メンシアさんですか?」

「あ、そうですそうです。前のレース見ましたよ~。かっこよかったです!」

「・・・まさか、あの時、声を出してた…?」

「あらやだ、認知されてたんだ。嬉しい」

「・・・なんの…用ですか?」

「どうしてレース出たくないんですか?」

 

「・・・あなたも…レースに出ろって言うんですか?」

「いや?言いませんけど?」

 

「え…?」

「まあ確かにガンちゃん…ブルボンさんに説得してくれとは言われたけど、なんで出たくないのか聞きたかっただけだし。やめるやめないは個人の勝手だし」

「・・・そんなこと、ライスに言う人、初めてです」

「えっ他に言う人いそうだけど…そうそう、もっかい聞きますね、なんで出たくないんですか?あっ聞かれたくなかったら言わなくていいです大丈夫です」

「・・・ライス、幸せの青いバラに…ヒーローになりたかったんです。皆を笑顔にできる、ヒーローに。でも…ダメだった。レースに出ても、皆を不幸にするだけ…ライスが勝ったら、不幸にしちゃう…」

「へー、勝つとは思ってるんですね」

「え…?」

「いや自分が勝ったらって、勝つ自信はあるんだなって」

「そ、そんなつもりじゃ!」

「いいじゃないですか!自信があることはいいですよ!特に勝負事をする人は大事だと思います!」

「・・・」

「っと、ちょっと話ずれちゃいました?ヒーローになりたいんですね。でも、誰かが言ってましたよ。

ヒーロー…英雄は、英雄になろうとした瞬間、失格なんですって」

「!…じゃあ…じゃあ…!」

「だから、なにもしない?それも私は違うと思います。たとえ、弱かったり、運がなかったり、不幸だったとしても、それがなにもしない理由にはならない」

「っ・・・」

「惑わしてばっかりですいません。でも、最後に道を決めるのは周りじゃない。自分自身。まあ、レース以外にもいろいろ人を幸せに出来ることなんて、たくさんあると思いますけどね。自分で探すべきですよ。・・・あ、そうだ。最後に一つだけいいですか?」

「な、なんですか?」

「あなたの走りで、私は笑顔になりました。あなたは私のヒーロー。誰がなんと言おうともね。多分、あなたのライバルになれる人も同じ考えですよ。では、これで~」

 

 

と、言ってきたものはいいもの…

「私矛盾言ってない?大丈夫?これ」

「まあ、英雄は~ってくだりはいらなかったかも」

「えっもう言ってきたんですよね?今さら悩みます?」

「・・・」

怖くなって夕ちゃんと美羽ちゃんのとこまで来たよ!ガンちゃんもいるよ

「正直、ガンちゃんが望んだものじゃないでしょ。それは本当にごめん。でも、人の生き方は自分以外に決めれる人はいない。そう思っているから、私は」

「いえ、問題ありません。確かにレースに出てほしいと思う感情は私のものでした。勝手に決めていいものではありません」

「・・・でも、見たかったな~あの走り。正直見てきたなかで一番好きかも」

「メンシアちゃんまだレースあんまり見たことないでしょ。でも確かによかったな~」

「・・・スズカさんに言いつけておきましょうか」

「一番はスズカさんに決まってるって!」

 

 

「あ、あの!」

 

 

呼ばれた方を見てみるとそこにいたのは

 

 

「ライスさん?」

「「あ、じゃあ私はこれで」」

「逃げられた!…えーと、なにか?」

 

「た、確かにヒーローになろうとしたら、もうなれないかもしれない…でも!ライスの走りで、少しでも、少しでも笑顔になる人がいるなら、走り続けたい!誰かのヒーローになれるなら、なりたい!だから…だから、ライスは、走ります!」

 

 

 

「まさか、その宣言をするために探してたんですか?」

「ひゃっ!お、おかしかったですか?」

「いやいや、最光ですよ。で?ガンちゃん。どう思う?」

「ライスさん…私にとっても、あなたはヒーローです。ですが、私のエゴであなたを引き留めるわけにはいけない。それでも…エゴを言わせてください。どうか走ってくれませんか?私の…ヒーロー」

「・・・ふふ」

「?なにかおかしな点が?」

「ライス、走るって宣言しに来たのに、『走って』ってお願いされるなんて…」

「・・・!そうでした。そう、言ってました」

「ブルボンさんも、恥ずかしがるんだね?」

「み、みないでください!」

 

もうそこに、メンシアはいなかった。

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