「・・・ん?」
ここはどこだ?確か俺は飯田たちと施設へ戻ろうとして・・・
「何で縛られてるんだ?」
現在俺は何やら箱型の水槽がいくつも並ぶ倉庫の様な場所で椅子に座らされた上で鎖と南京錠でぐるぐる巻きにされていた
「これ位なら、まさか合宿の成果がこんなに早く役に立つとは」
生命戦維を数本出して南京錠の鍵穴に突っ込み十数分でなんとか解除できた俺は慎重に周りを探索する
「・・・ただの魚が入ってるだけなら良かったんだけどな」
水槽の中には脳がむき出しの異形の怪物達、敵連合が脳無と呼ぶ怪物が無数に存在した
「とりあえずは動かないみたいだから刺激を与えないように・・・ってあれは」
脳無が入る大量の水槽、その中に水面から脳ではなく緑色の何かが見える水槽が一つだけあった。恐る恐る近づいて中を確認すると
「ラグドール!?」
そこには魂が抜けたように目は開けているのにこちらの言葉に反応が無いプロヒーローラグドールが裸で水槽に入っていた
「ラグドール!しっかりしてください!!」
急いで水から引き上げて自身の上着を脱ぎ裸のラグドールにかけて出口を探す
(ここがどこだか分からないがここに居るのは危険すぎる、様子が変なラグドールを連れて早くここから離れないと)
「ここから離れられるのは困るな」
「っ!敵か」
「悪いね、前々から良い個性だと思っていてね、丁度いいから貰うことにしたんだ」
(クソッ!極制服もないこの状況どうすれば)
「糸道一身君、君の個性も良いと思っていたんだ、だから・・・僕にくれないか?」
「やるわけねえだろ!」
俺は生命戦維を束ねて鞭にして敵へと攻撃した。
◇
「ここか、急ぐぞ」
「ちょ、ジーニストさん!もう、いつもの冷静さが全くないんだから」
「仕方あるまい、自分の所でインターンを受け持った学生を二人とも攫われたのだ。本当なら一番いる可能性のあるオールマイト達の所へ行きたいだろうに」
「ほんとクソ真面目ですよね。それならさっさと終わらせて向こうへ行きましょう」
Mt.レディはそういうと脳無保管庫の敷地内にあった軽トラを靴の様に足に履き足を高く上げると
「フン!」
勢いよく振り下ろし保管庫の壁を派手に壊した
「糸道!」
壊れた倉庫、そこでまずベストジーニストが目にしたのはラグドールを抱えボロボロになりなっている糸道だった
「糸道しっかりしろ!いったい何があった!」
「ベストジーニスト・・・敵・・逃げ、ろ」
その言葉を聞いて直ぐ、ベストジーニストはこの場に居る全員の服の繊維を操作してその場から脱出する、その直後、ジーニストたちが居た場所が突然爆発する
「やっと倒れたか、まさか殺さないよう手加減したとはいえ僕と戦いながらこの場にある脳無を駄目にされるとは、ますます欲しくなる」
「お前は」
(先ほど聞いた敵連合のブレーンか)
ベストジーニストは相手をこの作戦の前に警察から聞かされた敵と判断し繊維を操り拘束、そして同時に攻撃を加える
~~~~
(何だ?体が重い、俺は何でこんなとこで寝てるんだ?何か凄い音するし)
数秒の思考の末、自分の状況を思い出し起き上がると周りは悲惨なことになっていた
「何だ、これ・・・周りの建物が粉々に」
どんな災害が起こったらこのような酷い結果になるのか。まだふらつくのを抑えながら周りを確認しようとすると体に何かを巻き付けられ持ち上げられる
「シンリンカムイ」
「糸道君大丈夫か!今はここを離れる、暴れないでくれよ」
そのまま、シンリンカムイに抱えられ音の発生源から遠ざかっていく
(何が)
音の発生源の方を見てみると黒いスーツの恐らく敵相手にエッジショットとエンデヴァーが攻撃をしているのが見えた、そして
「シンリンカムイ、あそこにいる人って」
「ああ、信じられないかもしれないがオールマイトだ。なぜあのような姿になったかは分からんが」
体は細く血まみれになりながらあの敵と戦っているのだろう。今にも倒れそうだが両足で踏ん張って敵を見据える
(エンデヴァー達の様に加勢しようなどとは思い上がらない、ただ少しでもオールマイトの力になれるように)
体が旨く動かないが何とか動かして手から生命戦維を出し形にしていく
(時間が無い、どんなに効果が少なくても良いからとにかく直ぐに作れる物を)
「糸道君はここに、私はオールマイト達の応援に行ってくる」
「ま、待ってください、これをオールマイトに」
そう言ってシンリンカムイにできたものを渡し終えると、また意識を失ってしまった
~~~~
「今の僕が掛け合わせられる最高最適の個性たちで君を殴る!」
(糸道少年、力を借りるよ)
『糸道君から渡してほしいと!』
先ほどシンリンカムイから渡された手甲を両腕にしっかり付いているのを確認してオールマイトは拳を構える
複数の個性を掛け合わせた攻撃に弱体化したオールマイトの腕からは血が出て痛々しく折れ変色するがそんなこと関係ないとばかりに右腕のパワーを左腕に移しオール・フォー・ワンを攻撃する。予想外の攻撃にまともに食らってしまうオール・フォー・ワンだが攻撃が浅く大したダメージが入っていなかった
「そりゃあ腰が入っていなかったからなあ!」
そう言ってオールマイトは今度は左腕のに残った力を右腕に移し血を吐きながら攻撃をする
「!!」
その時腕から、正確には糸道が作った手甲から力が湧いてくるのを感じた
(ありがとう、糸道少年!)
「UNITED STATES OF SMASH!」