ご注文はチノくんですか?   作:岩ノ森

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都会編以前に時間が戻ってチノ「くん」時代の話となります。構想したのが都会編以前だったので。
あと今までと比にならないくらいスケベ描写多いので要注意です。


閑話:チノくんと災難

 「今週は凶の運勢が出ておる。1週間いっぱい災難に見舞われることじゃろう」

 「えぇ・・・そんなぁ」

 ボクは今、おじいちゃんにカフェドマンシーというコーヒーを使った占いで運勢を占ってもらっています。

 おじいちゃんのカフェドマンシーは怖いくらいに当たると評判でした。

 そのおじいちゃんの占いで凶が出てしまいました。当たるも八卦当たらぬも八卦、と言いますがこれから1週間気が重いです・・・。

 「でも待て。それと同時に嬉しい幸運にも見舞われる、と出ておる」

 「どういうことですか?」

 災難と幸運が一緒に出るなんて変な話もあるものです。二つは対極に位置するものだと思うのですが。

 何となくモヤモヤを抱えながら、ボクは1日を終えました。

 

 

 「んーっ、よく寝た」

 朝起きて学校の制服に着替えたボクは伸びをしながら朝の準備をしていました。

 「チノ、ココア君を起こしてきてくれ」

 「はい」

 お父さんに言われココアさんを起こしに行きます。ココアさんは相変わらず寝ぼすけです。今の今までボクより早く起きているところを見たことがありません。せっかくのお父さんの朝ごはん、冷めないうちに早めに食べてほしいものです。

 というわけでいつもの通りにココアさんの部屋まで来ました。どうせまだ夢のなかでしょう。

 「ココアさん、いい加減起きてください」

 そんな風に思っていたから、ボクは今日ノックをするのを失念していた。

 ガチャリと部屋のドアを開けたそこには。

 「え?」

 「あ・・・・・」

 制服に着替え中のココアさんが立っていた。

 しかもタイミングが良い、もとい悪いことにココアさんはおそらく就寝用のブ・・・、下着を外そうとしている最中だった。

 丸みを帯びた滑らかな半球が目に飛び込んできた。

 朝日の逆光で肝心なところは見えてはいないけど、その日の光が半裸のココアさんをより煌びやかに彩っているようだった。

 「ち、チノく・・・あ、あの・・・」

 「・・・・・はっ!」

 思いがけぬトラブルに、ボクは半ば放心状態だった。

 「ごっ!ごめんなさいぃーーーーーっ!!!」

 絶叫のような謝罪を上げながら、ボクはドアを勢いよく閉め逃げるようにキッチンへと向かった・・・。

 

 

 「・・・・・・・・・・」

 「ち、チノくん。あんまり気にしないで・・・」

 「ごめんなさい・・・」

 「い、いいよ。わざとじゃないんだし」

 今日の朝ごはんはいつも以上に口数が少ない。さっき自分が起こした失態から逃げるように、一心不乱にモムモムと朝食を口の中に詰め込んでいた。

 ココアさんの胸・・・綺麗だった・・・・・。下着も・・・・・・。

 「うがああああああ!!!」

 「ちっ、チノくん!?落ち着いて!!」

 さっきの衝撃的な光景を脳内から削除しようと頭をガンガン机に打ち付ける。でも考えまいとすればするほど、さっきのココアさんの肢体が脳内に鮮明に浮かび上がってきた。

 「本当にごめんなさい・・・・・」

 「いいんだよ。一緒に住んでればこういうこともあるって」

 一番嫌なのはココアさんのはずなのに。男のボクにあんな姿を見られて。

 でもあっさりと許してくれるなんて、本当にココアさんは優しい人です。

 「お先にごちそうさまでした。私、準備してくるから」

 「あ、はい。ごゆっくり・・・」

 そんな風にホッとした束の間だった。

 ココアさんは日頃から若干不注意なところがある。

 今日もその癖が祟ったのか、椅子から立った瞬間ドターンッとすっ転んでしまった。

 「いったぁ・・・」

 「こ、ココアさんっ。大丈夫です・・・か」

 「えっ・・・?」

 ココアさんはうつぶせに倒れこんだ。

 その結果、ボクの方にスカートの方を向けて倒れてしまっている。

 その拍子にスカートがペロンとめくれていた。

 そのせいで・・・その、ココアさんのピンクの水玉をボクは目撃してしまった。

 バッとココアさんは急いで隠したけど、もう遅かった。

 「・・・・・ごめんなさい」

 「いえ・・・こちらこそお見苦しいものを・・・・・」

 全然見苦しくなんてなかった。

 とても綺麗で形がよかった。

 

 

 「はぁ・・・」

 朝からとんでもないもの・・・を続けてみてしまい謎の疲労感に襲われていた。まだ学校も始まってないというのに。

 「おっはよー、チノー」

 ココアさんと別れ、学校への通学路でいつもの通りマヤさんメグさんと合流しました。

 「どうしたの。ちょっとダランとしてるけどー?」

 「ああ、いえ・・・。何でもないんです・・・・・」

 こんなこと、マヤさんメグさんに話せるわけがない。相手が女の子ならなおさらです。

 「無理しちゃダメだよー?」

 「はい・・・」

 「変なこと考えて眠れなかったとかー?」

 「ちっ、違いますっ!」

 「そ、そんな叫ばなくても・・・」

 マヤさんがニヤニヤしながらからかってきたのでつい大声を出してしまった。微妙に図星だし・・・・・。

 「もーマヤちゃん。早くしないと遅れるよー」

 「そ、そうだな。行こうぜチノ」

 「はい」

 そう言って一緒に登校しようとした時だった。

 ヒュゥッと程よく冷たく心地いい風がボクたちの間を通り抜けた。今日は天気もいいということもあって、その風は日差しの温かさに強調されより涼しく感じた。

 それはとても良かったんですが、その風はそれなりに強めの風だった。

 「あっ」

 「えっ?」

 そのせいでマヤさんメグさんのスカートがめくりあがってしまい、中の鮮やかなパンツがふわっと見えてしまった。

 「・・・・・・・・・」

 「ち、チノくん・・・・・」

 「み、見ただろ・・・・・」

 「・・・・・・・・・・・」

 焦って顔を明後日の方向に向けたけどもう遅かった。

 マヤさんのは薄い水色、メグさんのは濃い目の赤と意外と挑戦的なものだった。

 「見ただろ見ただろなあ!?」

 「すいませ・・・ぐえんぐえん」

 マヤさんがボクの体を鷲掴みにしてぐらんぐらんと揺らしてくる。

 明らかに不意な風だった。

 

 

 「たっく、見たの忘れろよ?」

 「すいません・・・」

 「マヤちゃん、チノくんのせいじゃないし許してあげよう?」

 男のボクに下着を見られたというのに、二人ともあっけらかんとしています。ココアさんと同じく、根がとても優しいのでしょう。

 しかしいたずらな風に振り回されて、ボクはさらに体力を消耗していました。もう何も起こらないでくれと願うばかりです。

 そんなこんなで教室に着きました。これから授業なんだし、朝起きたことは隅に置いておいて勉学に集中しましょう。

 「そろそろホームルーム始まるよー」

 「そうだな、さっさと席に・・・うわっと!?」

 「きゃあっ!?」

 「二人とも!?」

 席が若干密集していたせいか、二人とも椅子の脚に足を絡まらせてしまい転びそうになった。

 下手をすれば大ケガに繋がる、そう本能で判断したのかボクは瞬時に二人の体を支えようと飛び出していた。

 

 ドッシャーンッ

 

 「いたた・・・、ふえ?」

 「つつ・・・、えっ?」

 「むごご・・・」

 結論から言えば二人にケガは無かった。それは良かった。

 でも二人の体を支えようと飛び出したのがまずかった。

 

 どこをどうすればそうなるのか、僕は二人のパンツ・・・いやスカートの中に顔をうずめてしまっていた。

 「え・・・え?」

 「な・・・な・・・」

 「む、ぐぐ・・・」

 目と鼻の先どころではない密着した至近距離に寒色と暖色のコントラストがあった。

 ぷにぷにと柔らかく、下腹部特有の温かみと芳醇な香りをしっかりと感じ取ってしまった。

 「な、何やって・・・!んぅっ!」

 「あ、あまり動かないでぇ・・・ひうっ」

 「んむ~~っ」

 抜け出そうともがけばもがくほど、二人の敏感な部分を意図せず刺激してしまいマヤさんメグさんは扇情的に体をくねらせる。

 それと同時に二人の大事なところから甘い匂いがより強く放出される気がする。

 それに比例してボクもよりもがいてしまい、そのもがきに触発され二人もより体をくねらせてしまうという悪循環に陥っていた。

 「いい加減にしろーーーーーっ!!!」

 「チノくんのエッチーーーーーっ!!!」

 「ぐがはぁっ!!!」

 二人のすらっとした脚からキレのあるキックが放たれた。

 僕は体感的に、5秒ほど宙を舞った。

 

 

 「た、ただいまです・・・」

 「おかえりー・・・ってチノくん大丈夫!?ボロボロだけど!?」

 「気にしないでください・・・ははっ」

 あの後も、マヤさんメグさんを始めとした学校の女子の皆さんと色んなハプニングを起こしてしまい、心も体もボロボロだった。

 でも最終的にみんな許してくれてよかった・・・。ボクが女の子だったら下手すれば一生許さないのに。みんな優しい人たちです。

 「無理しないで、体調悪かったら休んでね?」

 「あ、ありがとうございます。でも大丈夫です。着替えてきますね」

 今朝あんなことがあったのに、ボクのことを心配してくれる。ココアさんも優しい人だ。その優しさがボロボロの心身に染みわたります。

 そんな風にしみじみしながら、ボクは更衣室の扉を開けた。

 「え・・・?」

 「あ・・・」

 肝心なことを忘れていた。

 女子更衣室が現在修理中だから、女子のみなさんも非常手段として男子の更衣室を使うと。

 でも女子が使用中の場合は札をぶら下げておくようにしておいたのだが、肝心の女子の方がそれを忘れていたようだ。

 目の前にいる、リゼさんが。

 「み、見るなーーーーっ!!!」

 「がはっ!!」

 投げられた拳銃がボクの顔を直撃した。

 リゼさんは例によって服を取っ払い、下着姿だった。

 その下着も例によってストライプの縞縞模様だった。

 リゼさんのスタイルの良い体に、とてもよく似合っていた。

 

 「ご、ごめんなさい・・・。リゼさん・・・・・」

 「い、いや・・・。こっちも失礼した・・・・・」

 「いえ・・・・・」

 これで何度目になるだろう。流石に怒っても良さそうなのに許してくれた。リゼさんも優しい人です。

 でもどうしよう。おかげでラビットハウスが妙な雰囲気に・・・。

 お客さんが来たらビックリしちゃうから、ハプニングは忘れて仕事に専念しないと。

 と思った矢先に事件は起こった。

 「あれ?虫かな?」

 「え?」

 「っ!?」

 ココアさんの指さす方を見てみると、床に黒い物体がいた。確かに虫のように見える。飲食店での虫は衛生面の評価に繋がるので、中々に由々しき事態です。

 「もしかしてゴキ・・・」

 「うわあああああああ!!!」

 「っ!!?」

 あの黒い虫の単語の一部をココアさんが口にした途端、虫嫌いのリゼさんは半狂乱となりボクの方に突っ込んできた。

 

 ムギュウッ!!

 

 「むごっ!!」

 そのままリゼさんの豊満な胸部がボクの顔面を直撃した。リゼさんのそれは鍛えられているのか張りがあり、強く顔を埋めるとその分反発してくるようだった。

 「り、リゼちゃん落ち着いて!!」

 「ヤダヤダ虫ぃ!!!」

 「もごごごごご!!!」

 リゼさんはボクを胸にうずめたまま暴れ回る。その衝撃で鍛えられた胸部の張りが作用反作用の法則で、ボクの顔面を圧迫してきた。

 

 カランカランッ

 

 「はあっはあっ、ごめんください!みんないる!?」

 ドアを開けて現れたのは千夜さんだった。走って来たのか息を切らして若干頬を上気させている。

 「ち、千夜さっ・・・!」

 「えっ」

 「わああああああっ!!」

 リゼさんはボクを胸に埋めたまま、千夜さんの方に突っ込んでいった。

 

 バターーーンッ!!

 

 「きゃあっ!」

 「うわっ!」

 「むごおっ!!」

 そのまま3人で倒れた結果。

 ボクはリゼさん千夜さんの両者の胸に顔をすっぽり覆われた。

 「な・・・な・・・・・」

 「ち、チノく・・・・・」

 「んーっ!」

 張りのあるリゼさんの胸とは真逆に、千夜さんのそれは和菓子みたいにふんわりもちもちしていた。

 二つの相反する感触の胸に埋まり、ボクは息ができなくなった。

 「んーっ!んーっ!!」

 「あっ・・・チノくん・・・っ」

 「ちょっ・・・やめ・・・っ」

 顔を動かし何とか息をできる場所を探す。

 でもそれによって二組の胸がムニュムニュ動き、ボクの顔に凄まじい柔らかさを伝えてきた。

 二人も敏感なのか、それぞれの口から生温かい吐息を漏らす。

 温かい息、温かい胸。それぞれを触覚で感じ取ったボクはもはや抵抗もできず、ダランとする他なかった。

 

 「あ、虫だと思ったの、コーヒー豆だった・・・」

 大山鳴動して鼠一匹だった。

 

 

 「すいませんでした・・・」

 「いえ、そんな・・・」

 「わ、私も悪かった・・・」

 リゼさんと千夜さんに土下座して謝る。2人の女性の体を手籠めにするような真似、偶然であってもあってはならない。

 それにしても今日はこんなことが続きすぎです。もういい加減収まってほしいけど・・・。

 「・・・あっ、そういえば千夜ちゃん!大急ぎで入って来たみたいだけど何かあったの?」

 ココアさんが無理矢理話題を変えてくれた。助かった・・・と思ったけど、何だか目が恐い・・・。

 「あっ!そうだったわ!!シャロちゃんが!!」

 

 

 「シャロさんは向こうですね?」

 「ええ!早くしないと!!」

 大急ぎで走ってシャロさんの所に向かう。どうやらいつものように、フルールの制服姿で宣伝のチラシを配っていたらしい。

 「そういえば千夜。今日はミニスカなんだな」

 「ええ。今週はミニスカ和服ウィークで・・・」

 確かに千夜さんはいつもの伝統ある和服の制服と違い、ミニスカの和服姿だった。

 似合ってはいるけど、全速力で走ってるとスカートの中身が見えそうで目のやり場に困る・・・。

 「あっ、いた!シャロちゃん!!」

 「あっ!」

 そこにいたシャロさんは・・・!

 「助けてーーーっ!!」

 不良野良うさぎたちに囲まれていた。

 

 「いつも通りに見えるが・・・」

 「シャロちゃんホントにうさぎに好かれるね」

 シャロさんはうさぎが苦手なのですが、何故か当の本人はうさぎに好かれます。よくうさぎに逃げられるボクにとっては羨ましい体質です。

 って、そんなこと思ってる場合じゃなかった。当の本人は困ってるんだから助けてあげないと。

 「シャロちゃん!応援連れてきたわ!!」

 「シャロさん!今助けますね!!」

 そう言ってシャロさんの元へ全速力で駆ける。

 

 ピョンッ

 

 「いやあああっ!!」

 シャロさんの足元でうさぎが飛び跳ね、それに驚いたシャロさんがバランスを崩す。

 

 ガッ

 

 「きゃっ!」

 「うわっ」

 それと同時に千夜さんが地面の石に躓き、バランスを崩した。 

 

 ドサドサッ!ドサァッ!!

 

 「「きゃーーーっ!!」」

 「わーっ!むぐうっ!!」

 ボクたち3人はそのまま地面に倒れ込んだ。

 「ち、チノく・・・」

 「な、何で・・・?」

 「ん~~~っ」

 またもや何をどうすればそうなるのか、ボクはシャロさんと千夜さんのミニスカの中身の下敷きとなっていた。

 ボクの顔の鼻を境目にした上部分に千夜さん、下部分にシャロさんのおし・・・下半身が乗っていた。

 「む~~~っ、ん~~~っ」

 「あっあっ・・・」

 「そ、そんなに動いたらぁ・・・ひゃあっ」

 朝体験した、マヤさんとメグさんと同じような状況になっていた。でも二人の体は(失礼ながら)それよりも発達している。

 より大きなそれを嗅ぎ分けて、ボクは呼吸のできる空間を探した。

 ところがそれが間違いだった。

 本で読んだけど、生物のフェロモンというものは大体下半身から放出されるらしい。

 ようやく呼吸のできる空間を見つけたボクは、それを失念して鼻で息を目いっぱい吸い込んでしまった。

 その途端、二人の甘い匂いが混ざり合ったものが肺の中に飛び込んできた。

 鼻腔内の神経と、肺の中のセンサーがその芳醇な香りを脳内に電気信号で伝えた。

 「~~~~~~っっっ!!!・・・・・・・っ!!!」

 「ご、ごめんなさい~っ!」

 「だ、大丈夫~っ!?」

 「チノーーーっ!!」

 「チノくーーーんっ!!!」

 朝からずっと色々我慢してきたボクは、とうとうノックアウトされた。

 「かっ・・・はっ・・・・・」

 ボクは放心状態で、無言のまま澄み切った青い空を見上げるだけった。

 

 

 「・・・・・・・・・・・・・」

 その晩、ボクは自分の部屋の暗がりで悶々としていた。

 奇跡的に昼間の失態は皆さん許してくれた。なんて器の大きな人たちだ。全身全霊で感謝しないと。

 いや・・・それもだけど・・・・・。

 「こ、これが災難・・・?」

 おじいちゃんにカフェドマンシーで占ってもらった時にでた災難の相。それが今日一日のあれっていうのだろうか・・・。

 「こ、これが一週間・・・耐えられない・・・・・っ」

 嬉しい幸運に同時に見舞われるってあれなのか?

 でも思春期男子のボクにとっては幸運どころじゃないっ!もう新手の拷問に近いっ!!

 今日ですらギリギリだったのに、これが連続して一週間なんて・・・どうなっちゃうんだ・・・・・。

 「・・・負けるわけにはいかない」

 そうだ。絶対に間違いを犯すわけにはいかないんだ。

 ボクを支えてくれる大事な友達。彼女たちを失望なんてさせるか。

 「これから一週間!耐えきって見せる!!」

 ボクはそう決意を新たにした。

 

 

 それから一週間が過ぎた。

 「だ、大丈夫?チノくん・・・?」

 「だ、だ、だ・・・だいじょ・・・うぶ・・・・・ですっ・・・・・」

 予想通り、一週間連続してハプニングに見舞われた。

 ココアさんがブラを外そうとしている所に直撃したり、バランスを崩したリゼさんのスカートの中に頭から突っ込んだり、雨に濡れてうちでシャワーを浴びている千夜さんを目撃したり、カフェインに酔ったシャロさんがボクを胸にうずめてきたり、マヤさんメグさんを始めとした女子の皆さんが教室で着替えている所を間違って目にしてしまったり、しまいには青山さんの上着の中に突っ込んでしまい大人の下着と胸部の感触を直接味わってしまったりした。

 もう、限界を遥かに超えていた。

 でもそれも今日でようやく終わりだ。

 あの占いから一週間経つ。

 これで災難ともおさらばです。

 「体調悪そうだぞ?」

 「ちょっと休んできたら?」

 「体調管理も仕事のうちよ?」

 「もしかして夜更かしかー?」

 「夜はちゃんと寝ないとダメだよー?」

 みんなラビットハウスに集まってくれてる。

 わざわざコーヒーを飲みに来てくれて、本当に優しい人たちです。

 ボクの大事な友達にしてお客さん。

 そんな人たちに誇れる喫茶店にする。

 それがこのラビットハウスの跡取り息子、香風智乃の役目です。

 

 「ちょっと心配・・・。私占ってあげるね」

 「え?」

 「大丈夫!カフェドマンシーのやり方は覚えたから!」

 いやちょっと待って!?

 ボクが静止する暇もなく、ココアさんはボクの飲んだコーヒーのカップで占いを始めた。

 「えっと何々・・・?これから一か月、嬉しいことの連続だって!」

 「えっえっえっ!?」

 「良かったねチノくん!」

 嬉しいことって!?まさか!?

 そう思った瞬間、ボクはグラっとバランスを崩した。

 「うわあっ!?」

 「「「「「「わあっ!!」」」」」」

 それと同時に、みんなもなぜか同時にバランスを崩し床に倒れ込んだ。

 

 ドシーーーーーーーンッ!!!

 

 「んっ。んんーーーーーっっっ!!!!!」

 予想通り、ボクはそこにいる女子全員の女体にまみれていた。

 6人全員の、温かな体温と柔らかい感触を直接感じていた。

 「ち、チノ・・・!」

 「こ、このや・・・あっ」

 「そ・・・そんなとこ触らないでぇ」

 「く、くすぐったいわ・・・ひゃっ」

 「は、早くどい・・・ひっ」

 「チノく~んっ・・・」

 ボクは声にならない叫びをあげた。

 

 それから一ヵ月してボクは思い知らされた。

 天国と地獄は紙一重なんだと。

 

 

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