ご注文はチノくんですか?   作:岩ノ森

7 / 65
チノちゃんを男の子にする際に真っ先に思い付いた回です。


チノくんと温泉プール

 「皆さん遅いですね」

 今日は仕事の汗を流すために、ココアさん達と近場の温泉プールへ来ています。

 早速水着へ着替えてプール内に入ったのですが、他の皆さんはまだ着替え中のようです。

 (大勢と一緒にプール・・・)

 大勢と一緒に出かけるなんて、ボクにとっては初めての経験です。だから言いようのない不安があります。

 (うまく話せるかな・・・)

 不安のあまり、腕の中のおじいちゃん、もといティッピーを強く抱きしめます。うさぎ特有の温かさが伝わってきて、少しですけど不安がやわらぎます。

 「チノくーん!お待たせー!」

 「あっ、皆さん」

 どうやら皆さんも着替え終わったそうです。やってきたココアさんの声のする方向を向きます。

 そして皆さんの姿を見て、思わずティッピーを落とした。

 「あれ?どうしたの、チノくん?」

 当たり前だけどみんな水着を着ていた。でもその水着のデザインが問題だった。

 水着はいわゆる、ビキニだった。胸の谷間やおへそ、腿や鼠径部まで見えている。中学生男子のボクにとってはあまりに刺激が強すぎた。

 さっきの心配事なんて頭から吹き飛んでいた。

 

 

 「ここのお湯は高血圧や関節痛に効果があるらしい」

 「ぬるま湯につかっているのもいいかも」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ボクの両側にはリゼさんと千夜さんがいる。二人は皆さんの中でもひときわ、その、胸部分が大きい。そんな二人に挟まれるといやが応でも委縮してしまう。ボクは二人の胸を視界に入れないよう精一杯だった。

 「おい毛玉、お前にぴったりだな」

 「あっちにティッピーにぴったりの桶があったわよ」

 二人ともボクの頭の上に乗っているティッピーに話しかけてくる。ということは当然、ボクの方に近づいてくるというわけで。一ミリも触れ合っていないのに二人の体の体温を感じる気がした。

 「あ、嫌がるなよ。温泉嫌いなのか?」

 「濡れるとしなしなになっちゃうの?」

 二人のかわす言葉も、脳みそがピンクに染まったボクの耳にはどうにもいかがわしい言葉に聞こえてしまう。だんだんと体が熱くなってきたけど多分温泉の効能とは関係ない気がする。

 「すいません。ボクちょっと向こう側に」

 このままだと色々とどうかしちゃいそうなので、ひとまず二人の体から離れることにした。

 (刺激が強い・・・)

 思えば皆さんとプールに来た時点で、こうなることを察するべきでした。でも今悔やんでもしょうがありません。

 (ちょっと頭冷やそ・・・)

 確か向かい側に冷水のプールがあったはずです。そこに浸かって色々クールダウンしましょう。ボクはプールの中を、半分顔を出しながら進んでいきました。

 

 パンッ

 

何かに当たる音がします。柔らかいけど、弾けそうな張りをしているモノに。

 「あっ、ごめん」

 見上げるとそこにはシャロさんが立っていた。そしてボクの目の前にはシャロさんの張りの良いお尻があった。

 慌てて目をそらすため、シャロさんとは反対方向に向きます。

 「ん~っ。気持ちいいね、チノくん!」

 その方向ではココアさんが伸びをして立っていた。腕を天に挙げて体を伸ばしているので、体の小さな隆起や胸から腰にかけてのくびれ、隆起が織り成す体の陰影などが強調されていた。

 

 

 「あれ?チノくんは?」

 「トイレに行くって小走りで走っていったぞ」

 

 (チノよ、男として生まれたなら己を律することができるようになるんじゃぞ)

 残されたうさぎの老人は孫息子の成長を願わずにはいられなかった。

 

 

 「ふぅ~」

 温泉に浸かると心まで洗われるような気がする。私は体の力を抜いて、ぷかーって浮き上がらせるようにした。そうするとより気持ちいい気がする。

 「チノくん大丈夫かな?お腹壊してないといいけど」

 チノくんはついさっき、トイレに小走りで向かってったらしい。慣れない環境で無理させちゃったかな。姉として心配だよ。

 「まあ大丈夫なんじゃないのか。男子だし」

 「心配事に男子とか女子とか関係ないよ」

 「そうだな、すまん」

 リゼちゃんが申し訳なさそうに謝る。でもしょうがないのかもしれない。私たち、男子とのかかわりがすごく少ないから、男の子がどんなものなのかがよく分からない。私の身の周りだと家族であるお兄ちゃんたちとお父さんを除けば、後はチノくんくらいだし。

 「そういえばプールに来て思ったんだけど」

 リゼちゃんがまた話しかけてきた。

 「チノってさ、意外と筋肉あるよな」

 その言葉に、一瞬頭が真っ白になる。思い返すとチノくんは結構筋肉質だ。ガチガチのマッスルさんってわけじゃないけど、必要な肉は付いてて、不必要な肉は付いてない。スマートだけど胸板とかはしっかりしていた。あどけない顔をしてるけどやっぱり男の子なんだ。

 「・・・すまん。今のは忘れてくれ」

 リゼちゃんは顔を赤らめて静かになっていた。顔を半分プールに付けて、お湯をぶくぶくさせていた。

 (触ったら固いのかな・・・)

 なんて思ってしまい、顔を水にザブンと沈める。体が熱いけど、多分温泉の効能とは関係ない気がする。

 




チノくんの地の文が敬語とタメ語が混じってますが、これは意図的に使い分けてます。普段は敬語だけど男の子の部分が出るときにはタメ語、みたいな。

拙い絵ですけど自作のイメージ漫画です→ https://www.pixiv.net/artworks/84549372 (リンクって貼っていいのかな。問題があれば消します)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。