やはり俺が歌姫達を守るのは間違って・・・ないな   作:むぅち

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STAGE23 凱旋 ドッグファイト

八幡サイド

 

 教官役をやることになったもののその教える本人がどこにもいないんだけど、どうすればいい?

 

「あ、ハチマン」

「ミラージュ」

「隊長から聞きました、ハヤテの教官をやることになったみたいですね」

「まぁな、んでその本人を探してるんだけど、どこに行ったか知らないか?」

「はぁ、多分甲板の所にいるんじゃないですか?大体いつもそこにいますから」

「なるほどな」

「・・・すみません、勝手に巻き込んでしまって」

「別に謝る必要なくないか、偶々今回その役割が来たのが俺だっただけだ」

「そう、ですね。ではハヤテの事よろしくお願いします」

 

 ミラージュは礼を言うとそのまま行ってしまった。・・・何だろう、前にアラド隊長が『変わった気がする』と言っていたがやってることは奉仕部にいた時と変わらない気がする。違いがあるとすれば頼れる仲間がそばにいる、それくらいだろ。

 

「さて探すか」

 

 

甲板

 

 さて、言われた通りにやってきたがどこにいる?キョロキョロ見ていると1人でぐるぐる回っているハヤテを見つけた。

 

「ん?なんだハチマンか、どうしたんだ?」

「聞いてないのか?数日後にお前とミラージュでテストをするんだぞ」

「はぁ?なんだよそれ」

「マジで聞いてなかったのか、んでそのテスト前に俺がお前のことを教えろって言われたから来たんだ」

「そうなのか、まあ誰に教わろうと飛ぶことには変わらないだろ?」

 

 そりゃそうだ、結局は飛ぶんだよな。

 

「取り敢えず着替えるぞお前が今どのくらい飛べるのか知りたいからな」

「よっしゃ!」

 

 そしてハヤテと共にVF-1EXに乗り空へ出た。だが

 

「随分飛びにくそうだな」

 

 色々指示を出して動きを見てみるも傾けすぎたり飛ばしすぎたりと本当にあの時飛べていたのか不思議に思えるほどだった。だがそれをいちいち教えている時間はない、だったら。

 

『くそ、なんでだ?!』

「落ち着けハヤテ、細かい操作なんかはこの際忘れろ。今はテストまでの時間が惜しい」

『じゃあ、何やるんだよ』

「ひたすらドッグファイトあるのみだ、見た感じお前の場合理屈より実戦で教えた方が早そうだからな。じゃあ行くぞ!」

『ちょ!いきなりかよ!』

「戦場にスタートの合図なんてないぞ。ほれ、反撃しないとやられっぱなしだぞ」

 

 そうしてドッグファイトを始めたが終始俺が後ろを取り続けた為ハヤテは反撃出来ずに逃げるだけだった。このまま飛び続けるのもしんどいため一時的に休憩することにした。

 

「なんで後ろを取れないんだよ」

「それは取らせないようにしてるからな、取り敢えず今のやり方じゃあ俺どころかミラージュにも勝てない」

「・・・」

「俺の思いつく限りじゃ今のお前に勝てるチャンスがあるとすれば隙をついて攻撃するしかねぇな」

「隙?隙なんてどうやって作るんだよ」

「1番やりやすいのだと、イライラさせるか突拍子も無い動きをして動揺させるかだな」

「イライラさせる・・・」

「早くやるんだったら前者だな、後者は余程のことがないとあいつでも驚かないだろう」

 

 仮にもエリート一家の血筋なんだからそれくらいの対処だって容易なはずだ、だったらバカ真面目な性格を利用すればどこかでミスる。そこを一気に攻めるのが楽なやり方だ。

 

「よし、休憩もここまでにして続き行くか」

「おう!」

 

 その後もひたすらドッグファイトを繰り返した。ハヤテには感覚を掴んでもらい少しでも相手をイラつかせられるようにしないとな。楽しみだなミラージュが悔しがる所を見るの・・・ なんか俺性格悪くなってない?

 

 

テスト当日

 

 今日はハヤテのテストの日だ、俺もそのテストを見ようと管制室に向かったはずなのだが・・・・

 

~バラバラに砕けるほど舞い上がれ 引き裂かれた記憶の果てなき翼~

 

 

 何故かワルキューレ、っていうかフレイヤのレッスンを見学していたのだがなんかフレイヤの調子が良くないな・・・まさか俺がいるからとかじゃないよな?」

 

「さ、流石にそれはないんじゃない?」

「いやでも、この前のオーディションで俺ヴァール扱いされてましたし・・・」

 

 すると美雲さんはカナメさんにアイコンタクトをしてレッスン室の中に現在の外の様子が映し出されているのだが・・・

 

「おいおい、早速やられてんじゃねぇかよ」

「そう言えばハチハチってハヤハヤのこと教えてたんだよね?」

「はい、まぁ多少は当たるとは思ってましたけどこんなに早く当たるとは思いませんでした」

 

 

『うぅ!』

『適性のないものが戦場に出ても命を落とすだけ、ならば!』

 

 全く、容赦ないなミラージュは。ミラージュはハヤテの後ろにピタリとついていつでも落とせるようにしている。するとハヤテの機体の動きが変わった。

 

『ブルー急速に高度低下』

『アンコントロールの模様です!』

「アンコントロール?!」

 

 どうやら自分でAIのコントロールを切ったみたいだ、さてここからどうする?

 

『ハヤテ・インメルマン候補生直ちに脱出しなさい!』

『うるせぇ、負けたら、飛べなくなる・・・』

 

「はぁ、とんだ見込み違いだったな。ミラージュ、強制脱出を!」

『了解!・・・え、ダメですサポートだけでなく遠隔操作も切られています!』

「なっ!」

「あのバカ!」

「消化班、および救護班緊急退避!」

 

 みんなが焦っている中フレイヤはハヤテの元へ向かおうとするが

 

「どこに行くつもり、今はレッスン中よ?」

「え?でもハヤテが!」

「彼は今自分の戦場で戦っている、フレイヤ・ヴィオン」

「は、はい」

「貴女の戦場は何処なの?」

「えっ・・・私の、戦場?」

 

 美雲さんの問いに戸惑いながらもハヤテの声を聴きその答えを見つけた。そうだフレイヤに出来ることは一つだ。

 

「そうか、ハヤテも今戦って・・・」

 

 すると頭のルンが輝き始めフレイヤは歌いだした。ハヤテと一緒に戦っていることを伝えるかの如く。

 

 

 

例えば途切れた空が見えたなら~ 震える僕の声が聞こえるのなら~

 

 

 

 

バラバラに砕けるほど舞い上がれ~

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、うた?」

 

 フレイヤの歌はハヤテの所に届いた。調子を取り戻してきたのか数値も上がっていき

 

「フォールドレセプターアクティブ!」

「わぁ~!」

「うふ」ピコ

 

 美雲さんの操作で曲が流されフレイヤも乗ってきた。ハヤテはフレイヤの歌に答えるように飛んだ。

 

「さぁ、ここからだぞハヤテ。今までの分まとめて返してやれ!」

 

 

飛び交う無数の感覚の中で ホントの自分さえもなくしてしまう~

 

「まだ試験は終わってないぜ?教官殿!」

「なに?!」

「いっくぜー!」

 

 ハヤテはミラージュの後ろからペイント弾を放つも躱され逆に回り込まれてしまう、ミラージュがロックオンをするとそれを待っていたかのように機体を直立させ急ブレーキをし角度を変え太陽のある方へと飛んで行った。太陽の光に目をやられているとハヤテが機体をバトロイドに変形させてミラージュの機体にペイント弾を当てた。決まりだこれでハヤテは合格だ。

 

「負けた、私が・・・」

 

 

僕らの輝きは~無敵にもなれる~

 

 ハヤテとフレイヤ、二人の動きはシンクロして踊っているかのように飛んでいた。

 

「踊ってる」

「ひらひら~!」

「この子の歌で・・・」

「インメルマンダンスって所かしら?」

「よかったわねハチマン君教え子が合格になって」

「個人的にはちょっと複雑ですけどね。じゃあ俺は行きます」

 

 ハヤテの合格はうれしさ半分悔しさ半分くらいだ、だってそうだろ。似たような状態で勝てなかったやつがここに一人いるんだから。

 

 

甲板

 

「お?ハチマンやったぜ俺!」

「あぁ、おめでとさん」

「なんだハチマンあんまりうれしそうじゃないな」

「忘れたんですかガイさん、俺の時のテスト」

「あっ・・・」

「ハチさんの時の」

「テスト?」

「こいつもハヤテと同じようなテストを受けたんだ、しかも途中で美雲さんに歌ってもらってな」

「え?!そうなん?」

 

 くそ、人の黒歴史を!

 

「それでもなお引き分けたんだ、っていうか9割9部9厘負けた」

「でもしょうがない部分もあったんじゃないのか?ハヤテはある程度ノウハウがあったからほとんど自力で飛べたけどお前の場合はなんの知識もないところから始めてメッサー中尉に引き分けたんだから」

「メッサーってあのいけ好かない野郎か!」

「ハチさんって意外とすごい人やったんやねぇ・・・」

 

 フレイヤから悲しい評価を受けていたことに泣きそうになったけど何はともあれこれでハヤテもデルタ小隊の一員になれたんだ。

 

 

 

 




何とか間に合った
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