元の世界から帰還した俺たちは、まあちょっとした小町の歓迎会として裸喰娘々で食事を取っていた。まあ人は少ないけどな。それも仕方がない先日の事件でみんな更に色々やり始めている。
「なんかみんなピリピリしてるね」
「そりゃそうだ、向こうに戻るちょっと前まで戦ってたからな。それもひとつの国が宣戦布告してきたんだから」
「小町、とんでもないタイミングで来ちゃったんだね」
「そこまで気にする必要はありませんよ?」
「そうそう、小町ちゃんみたいな可愛い子は大歓迎だ!」
「チャック中尉、明日覚悟してください?」
「こ、こえぇよハチマン・・・」
「・・・シスコン」
「コマコマ見たく私も構ってよ〜」
全ては小町優先に決まってるだろ、小町に害を成すものは徹底的に排除するまで。
すると店の扉が開かれ沢山の人間が押し寄せてきた。
「置いいたぞ!」
「フレイヤ・ヴィオンさんですね?!」
「今回の出来事について一言お願いします!」
「こちらに視線ください!」
「な、なんだなんだ?!」
「まずい、フレイヤが!」
「スパイという噂が出ていますが?!」
「ワルキューレに入った目的は?!」
「貴女がウィンダミア軍を手引きしたっていうのは本当なんですか?!」
やってきたのはテレビのアナウンサーや記者だったのだが、聞いてくる質問はやはりフレイヤがスパイなんじゃないかと言うものばかりだった。
みんながみんな気になることではあると思うが俺自身まだフレイヤと出会ってそんなにたってないけど俺の人間観察で見てる限りフレイヤは嘘を着くのが苦手なんだと思う。ウィンダミア人特有の『ルン』にも出やすいと言うのもあるが普段の行動や表情なんかを見てもスパイに向いてないのは明白だ。
不味いな、フレイヤを逃がさないと
「小町、俺達がマスコミを避けるからその隙にフレイヤと逃げてくれ」
「う、うん」
「ハヤテ、その2人の護衛任せる」
「ああ!」
「チャック中尉、ミラージュ!」
俺は2人に合図を送りフレイヤとマスコミの間に入る。
「止めなさいあなた達!」
「おいおい、なんなんだよ。客じゃないなら帰ってくれ!」
「見せもんじゃねぇんだ、帰れ!」
「もう食事中にお行儀悪いぞ!」
ちょ!あんたが出てくると!
「あっ!マキナ中島!」
「あっ・・・」
「レイナ・プラウラーもいるぞ!」
「非常事態・・・」
2人の登場で周りの記者達は一気にそっちに意識が行った、今なら!
「ハヤテ、小町、フレイヤを連れいてけ。今なら逃げられる」
「分かった!」
「まっかせといて!」
そしてフレイヤを連れていった小町達、これで問題ないな。さてと、マキナさん達を助けないとな。
小町サイド
お兄ちゃんからの指示で誰にも見つからないような浜辺までやって来ました。
「はあはあ、いやーいきなり走ると疲れる〜。コマチちゃんよく着いて来られるね」
「兄と違ってそこそこ動けていたので、今は多分追いつけないと思いますけど。と言うか、フレイヤさん・・・」
「無理してんじゃねーよ」
「ふぇ?なんも無理なんか・・・」
ツンッ
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
ハヤテさんがフレイヤさんの角?を突くとフレイヤさんは大きな悲鳴を上げた。ちなみに後で知ったことなんですがウィンダミア人にとってあのルンを触るって言うのは恋人とか夫婦がやるようなことらしいです。
「な、何すんね、えっち!」
「無理してんじゃねーか」
「え?」
「角、青いまんまだぞ?」
「え、あっ?」
「嘘つくならもっと上手くつけ、強がってんのが見え見えで鬱陶しいんだよ」
「み、見え見え?皆にも?!」
「はい、小町でも気がついたので恐らく・・・」
「うぅぅ、はぁ・・・」
頑張ってバレないようにしていたらしいけどけっこうわかりやすかったんだよね。
「私、ワルキューレに残りたい、でもウィンダミアのみんなのことも気になる・・・うう、なんで戦争なんかするんかねー!!」
フレイヤさん、やっぱり気にしているんだ故郷のみんなのこと。でも、ずっとなりたかったものになれたから残りたい。その2つの間でずっと揺れていたんだ。
「私の祖父は地球人、祖母はゼントラーディです」
「ミラージュさん」
「2人は人類史上初の異星人同士のカップルで、しかも、当時2つの勢力は戦争状態にあったそうです。それでも2人は結ばれ地球人とゼントラーディも共存出来るようになった」
へぇ、そんなことがあったんだ。でもそれってどれくらい前の話なんだろう?と言うか・・・
「ミラージュさん、それ、フレイヤさんに滅茶苦茶プレッシャー掛けてませんか?」
「え?!わ、私はそんなつもりじゃ!」
「へっ、流石天才一族、プレッシャーのかけ方も天才級か?」
「な!」
「聞いたぜ?お前のじいちゃんとばあちゃんは伝説の天才エースパイロットなんだってな?」
「っ!!私の事より貴方はどうするんです?!デルタ小隊に残るんですか?」
「今関係ないだろ・・・」
「残りませんよね〜?ラグナはウミネコだらけですし、猫アレルギーですし、野良ウミネコにも負けっぱなしですし」
あ、あれ?もしかしてこの2人って・・・
「うるせえ次は絶対勝つ!」
「さあ、どうかしら?」
「ゲロかぶり女!」
「な!それは貴方のせいでしょ?!」
「フレイヤさん、この2人って」
「いつもこんな感じなんよ、ハチさんは爆弾コンビって言ってた」
確かに、爆弾コンビって言われても納得しちゃうなこれじゃあ。
「ひひひ、ウヒヒヒヒ」
「やっと、笑顔になりましたね」
「あぁー!もうめんどくせぇ、行くぞフレイヤ!」
「えぇ!どこに行くんかね?!」
「いい所だよ!」
ハヤテさんはフレイヤさんを連れて行ってしまった、まあでも大丈夫でしょ、多分
「ミラージュさん、お店の方は大丈夫なんですか?」
「えぇ、ハチマン達が対処してくれたので」
「へぇ、お兄ちゃんちゃんとやれてるんですね、いつも『めんどくさい』とか『俺は悪くない、全部社会が悪い』とか言ってるのに」
「初めの頃はあまり聞きませんでしたね、最近は面倒だの、なんだのって言っていますけど・・・」
「口ではイヤイヤ言いながらちゃんとやってくれるので。所でミラージュさん」
「なんですか?」
「さっきのミラージュさんのお爺さんとお婆さんのお話、もう少し聞いてもいいですか?」
「えぇ、構いませんよ」
八幡サイド
「あぁぁぁぁぁ、やっと帰った」
「おつかれさん、ほれ、飲み物」
「あざっす」
「お疲れ様、ハチハチ。頑張ったね」
「お疲れ」
主にあんたらが出てきたのが被害が大きくなった原因なんだけどな。
「もう暫くは働きたくないな、と言うかずっと働きたくない」
「そりゃ無理だろ」
直ぐに否定されちゃったよ、ぐすん、これも戦争するヤツらが悪い。俺戦争やってんじゃん。自業自得じゃん。
俺は外の空気を吸いたくなり表に出た。不意にマクロスエリシオンの方を見ると1機のバルキリーが飛び出して来るのを確認した。よく見るとハヤテの機体だったのだがハヤテの機体は飛びながら踊りだした。
「何やってんだ、アイツ」