あれから俺達は合流地点へとやってきたんだが
「それで、何か弁明はあるかなハチハチ?」
「俺は無実です・・・」
「じゃあこの映像は何?」
「どういうわけか色んな人達がやってきただけなんです、決して自分からあんな風になりたいなんて思ってないんです。本当です信じてください!」
「今の貴方が言いそうなこと当ててあげましょうか?『縁起でもないこと言うなよ』『少し眠らせてくれ』『この戦いが終わったら結婚するんだ』」
「全部死亡フラグじゃないですか、完全に俺の事殺しに来てるじゃないですか」
敵軍に倒されるなら何も文句は無いけどこんな変な死に方いやだ!
「はいはい2人とも落ち着いて」
「カナメさん、助かり・・・」
「それはラグナに帰ってからよ、その方がゆっくり話ができるでしょ?」
「それで、どうかしら、セキュリティの方は?」
「全部ゴミ、カス、こんなんじゃ全然チクチクしない」
「あはは・・・」
「そろそろ行きましょう、時間が経って見つかったら面倒ですし」
「そうね、それじゃあ2人ともお願いね?」
「「了解!」」
俺達は動いた。まずは遺跡の近くまでやって来て様子を伺う。
「ゴテゴテのハデハデな厚化粧、どう見ても学術調査じゃ無いよね」
「・・・始めようマキナ」
「了解、秘密工場の素顔を拝見!」
2人は遺跡の周りのセキュリティと言うセキュリティを全て偽装または解除していく。
「ゴリゴリ〜」
「息ぴったりだな」
「ぴったりになったのよ、ようやくね」
「そう言えば前に聞いたことがありますね、前は結構仲が悪かったって」
「そうなの、前は本当に仲が悪くて顔を合わせれば喧嘩ばかり、ライブだって中止になった事が。水と油、混ぜるな危険」
俺からすれば今のマキナさんと美雲さんの方が混ぜるな危険感が強いんだけど。気のせい?
そうこう言ってる間に目的の場所へとやってきたが・・・
「なんだここ、遺跡の中なんだよな?」
「タンクだらけじゃねぇかよ、中身は、水?」
「もしかして、次元兵器の冷却水?」
「いや、こいつをコンテナの中から見つけた。一般的な飲料水のようだ。軍で見たことがある」
「ハズレレ〜骨折り損の水浸し〜」
「・・・」
なんでこんな所に飲料水?ここの兵士に配ってるのか?それにしてはあの警備体制は大袈裟すぎじゃね?それにただの水なのにウィンダミアがここを占拠する必要あるのか?
「軍に納入されてる水、っ!」
レイナらなにか閃いたようでペットボトルの水の中にカプセル型の検査機を入れる。だが結果はただの水だと証明させてしまった。
「あったあった〜美味しそうなのがこんなに!」
とどこかへ行っていたフレイヤが持ってきたのは木の箱に入っていたちょっと毒々しい見た目のリンゴだった。
「銀河リンゴか、それも軍への納入品だ。安いが栄養価が高く、重宝されていたはず・・・」
「銀河リンゴ、正式名称ウィンダミアアップル。あまり知られていないけど」
「へぇ知らんかった、でもみんな知らん間にウィンダミアのリンゴ食べてたんやね、プスリ、うわぁ!何すんねマキナさん?!」
「ちょーっと味見!」
マキナさんはフレイヤの持っていたリンゴに検査機を突き刺し中身の栄養値を確認した。だがこれもただのリンゴだったようだ。すると遺跡内に警報が鳴り響いた。
「マキナとレイナは脱出経路の確保、ミラージュ達はサンプルの回収、守備は任せたわよメッサー君、ハチマン君!」
「「了解」」
「サンプルって言ったってただのリンゴと水だろ?」
「いいから早く!」
それぞれが作業を始めた。にしても収穫がリンゴと水だけか・・・2つのサンプル、組み合わせ・・・・・その言葉を思い浮かべた時マキナさんとレイナの2人の姿が俺の目に入る。
ん?リンゴと水、水と油、ありえない組み合わせ・・・・・混ぜるな危険?
「あっ・・・」
「どうした?」
「ハヤテ、その水の中にリンゴを入れてみてくれ」
「え?これをか?」
「あぁ、俺の予想が正しければ、欲しがってた物が出てくるはずだ」
俺の指示でハヤテはリンゴの一部を取り、水の中に入れてもう一度検査してみる。すると
「ポリフェノールと重炭酸塩の結合、っ!高濃度のフェイズノールを検出?!」
「やってくれるわね・・・」
「え?え?どういうことかね?」
「ここの水とウィンダミアアップルを食べると体内でヴァールを誘発するフェイズノールが検出される、恐らくほかの惑星にも同じ成分の水が存在していて、ウィンダミアはその水とリンゴを使って人為的にヴァール化を促進、風の歌でマインドコントロールしていた」
そうなるとウィンダミアが今の今まで何もしてこなかったのはウィンダミアアップルと水を普及させるために何もしてこなかったのか。
「って、話してる場合じゃないわね。とにかく今は逃げましょう、レイナ、どっちに行けばいい?」
「こっから行ける」
俺達は兵士に見つかる前にその場から離脱、レイナの指示の元逃げる。
すると突然、歌が聞こえてきた。この声・・・
「美雲さん?」
「何やってんだ!」
「急いで!」
「早くしないと兵が来るぞ?!」
だが遅かった、俺、ハヤテ、ミラージュ、フレイヤの4人は防壁で他のメンバーと分断されてしまった。
「フレフレ達が!」
『中尉達はそのまま先へ行ってください!』
『直ぐに追いつきます!』
「そっちは任せたぞハチマン! 行きましょう」
メッサー中尉達はそのまま先へと向かった。
「まずいな、来るぞ」
「フレイヤは下がって」
「みんな、こっちだ!」
ハヤテは排気口を開け俺達を誘導する。・・・何か変だ
「どうしたんですかハチマン?」
「何か変じゃねぇか?アイツら、さっき見た時影は3つしかなかった、侵入者なのに3人しか追ってこないって」
「メッサー中尉達の方へ向かったのでは?」
「入口の厳重な警備を忘れたのか?あれだけがっちり守ってたんだ、なのに中身がこれって」
逃げた先はさっきと似た感じの空間が広がっていた。やっぱり変だ、こんなに広いのに手薄過ぎる。周りを警戒しながら進むとライトに照らされた。
「うっ、やっぱり待ち伏せてやがった!」
「罠に掛かったのは3匹、か、統合政府の犬共と、裏切り者ウィンダミア人」
「空中騎士団!」
「こいつらが・・・」
なんかマクロスの新しいゲームが出るらしいですね、楽しみ