「また面倒なのがきやがって」
「風を穢す裏切り者め」
俺達は直ぐにフレイヤの前に立ち構えた。だが相手は直ぐに近づいてきてハヤテには右ストレートを左頬に、ミラージュは鳩尾に、俺も腹に一撃入れられそうになったのをガードしたがそれでもかなり痛い。
「ハヤテ!ミラージュさん!ハチさん!っ!」
「う、ぅぅ・・・ フレイヤに、手を出すなっ・・・」
「ふん、ルンも抑えられない未熟者が・・・」
なんか偉そうなのがすげぇムカつくな、ん?ミラージュがこっちを見てくる。よく見ると右手には閃光弾がある。なるほど、やりたい事は分かった。
俺は小さく頷き、閃光弾を使える隙を作る。
「ふん、随分楽な仕事だな。武器も持たない奴に剣を向けて、それだけで賃金発生するんだろ?紹介してくれよ」
「なんだと?」
「なんだと、じゃねぇよ。何お宅らルンに神経いきすぎて耳が遠いのか?耳鼻科行くことを進めるぞ」
「それにアンタら、ヴァールを盾にしないと何にもできないんだろ?強ぇ強ぇごりっぱな、うっ!」
「ハヤテ!」
「えい!」
ハヤテの顔面が蹴られたのと同時にミラージュは閃光弾を投げると強い閃光と耳にくる強い音が発生し、それと同時に俺達は一斉に動く、だが
「っ!!」バン!
逃げようと思った瞬間、脇腹に嫌な感じを受け後ろに飛ぶと何かが横切る音が聞こえその音を頼りに反撃する。だが手応えはなかった。
だんだんと光が弱まっていくとハヤテとミラージュは倒れていた。まさか奴らあの閃光の中で的確に俺達を狙えたってのかよ。
「油断するな」
「地球人風情が・・・」
「離れろ!」バンバン!
「はぁ!」
「ぐふっ!」
2人から敵を離そうと発砲するも簡単に避けられ反撃を喰らってしまって倒れた。っべーなんか変な音が内側から聞こえたんだけど。
そしてミラージュは拘束され俺とハヤテは軽いサンドバック状態になった。
「ぐっ!」
「かはっ!」
「立てよ・・・」
本当は今すぐにでも意識をブラックアウトさせたかったがそうもいかない。今の状況で1番最悪なのはフレイヤを殺されることだ、だから立ち上がる。
「う、ぅぅ!!」
「ほう、やればできるじゃないか」
「よせボーグ、尋問する前に殺す気か?」
「尋問?今すぐにでも処刑するべきです」
例えもう一度死んだとしても・・・フレイヤだけは
「アンタら、なんでこんな事すんね・・・そんなに気に入らないなら私だけボコボコにすればいいね!」
「・・・これは戦争だ」
「戦争?」
「俺達には制風権を確立し、ブリージンガルの星々を解放すると言う大義がある。統合政府に強制的に併合された人々を解放し自由を取り戻すのだ」
解放、ね・・・
「その割には随分と縛り付けるようなやり方してんのな、そんなのが大義だってのか?」
「先に我らの平和を土足でふみにじったのは貴様らの方だ!」
「っ?!」
「ウィンダミアは地球人が来るまでは静かな星だった」
「俺達は俺達の世界を取り戻す!」
自分勝手、とまでは言えない。もしアイツらの言ってる事が事実ならば非はこちらにある。誰がやったかなんて分かりはしないがやったという事実がある。だがそれを理由に平和を脅かすなんて事をしていいものか。
するとずっと黙っていたフレイヤが口を開いた。
「だからって、だからって、食べ物を粗末にしちゃいけん!!」
「・・・は?」
「皆が、カリンおばちゃんやニールスおじさんや、皆が一生懸命作ったリンゴを戦争に使うなんて・・・・それが本当にウィンダミアの為なんか?!リンゴと皆に、謝らんかい!!」
「フレイヤ・・・」
・・・あぁ言う奴が本当に国の為を思って戦える人なんだろうな、すげぇって思えるわ。
「なっ・・・」
「ははは、これは1本取られたな。ボーグ?」
「マスターヘルマン・・・」
すると今度は別の奴が話し始める。
「私の家もリンゴ農家だったよ、だが、畑も両親も兄弟も、皆あの戦争で失ってしまった。これは、戦争なのだ」
「・・・」
「カシム・・・」
「茶番はそこまでにしろ、フレイヤ・ヴィオン。祖国を捨てて、 お前は何故穢れたもの達の歌を歌う?」
「祖国を、捨てて?」
カシムと呼ばれた人の後ろから白い髪の男がやってきた。この感じ、他の奴らとは別格、まさかこいつが白騎士か?
「私はウィンダミアを捨ててなんか・・・」
「では何故歌う?憎むべき者たちの歌を」
その時フレイヤの脳裏に美雲さんの言葉が再生される。
『貴女は何故ステージに立つの?何の為に?どんな思いで歌っているの?』
「わ、私は、私は・・・」
「お前はただ、歌と言う幻に取り憑かれているだけに過ぎん」
「っ・・・」
「何の覚悟も持たぬ者の歌など戦場には不要、その震えるルン事切り落とし、祖国の大地に返してやろう。それが、同じ風の元で生まれた者のせめてもの情だ」
白騎士は剣を抜き今にもフレイヤに切りかかろうとするがフレイヤと白騎士の間に俺は割って入る。
「フレイヤ、下がれ」
「ハチさん・・・」
「そこをどけ地球人」
「無理だな、コイツ1人守れないなんてデルタ小隊の名折れだからな」
白騎士を思いっきり睨みつけると白騎士は何故か少し目を見開き、驚いた。
「貴様が、亡霊か?」
え?何、なんか言い出したんだけど?亡霊、まさか目か?目が死人っぽいから亡霊なのか?
「何訳わかんないこと言ってんだよ、目か?目なのか?」
「アル・シャハルで俺の事を狙撃してきただろ」
「っ!」
そうだ、アル・シャハルで敵の一機を狙撃して外したんだった。かなり遠かったから気づかなかったがコイツの機体だったのか。
「だったらどうした」
「いやなに、我らに風を読ませぬ奴がどんな奴かと思ってな」
「だったら残念だな、こんな腐り目ゾンビで」
♪♪♪♪〜♪〜♪〜
俺と白騎士が睨み合っていると聞き覚えのある曲が聞こえてきた。
「この曲は・・・」
「もしかして」
「ったくおせーよ」
辺りを見ると若干霧がかっていてあちこちから飛んでくるシグナスの放つ光が反射して眩しいまである。
見つめ合って恋をして 無我夢中で追いかけて だけどもっと知りたくてメラメラしてる~
空中騎士団はシグナスのホログラムに惑わされ、実体がないのにホログラムを切る。
向こうの連中が惑わされてる間にやってきた美雲さんに手を差し出された。
「大丈夫かしら、ハチマン?」
「一応、動けます・・・」
俺は美雲さんの手を取り他のメンバーと共にこの場を脱出、やけに脇腹が痛むが今は我慢。
遺跡から脱出するとチャックさんが4機のジークフリートを率いてやって来てくれた。
「待たせたな、デルタ小隊名物、ジークフリート4機お届け!」
近くに来たメッサー中尉に視線を向けると右腕に包帯、そこに血がにじみでていた。
「大丈夫ですか、その腕?」
「ふっ、お前こそ、派手にやられたな。その脇腹」
「問題ありませんよ、それよりも今はヴォルドールから脱出しませんと」
「そうだな、但し、アイツらが簡単に逃がしてくれるならな」
そう言って俺達はジークフリートに乗り込み臨戦態勢に入る。
マクロス、新しいアニメやるやん・・・