【完結】色づく想ひ    作:ワンダーS

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 初めましての方は初めまして、どうも作者です。
 タイトルは歌詞から
 以上


prologue

 

 何処か遠くから響いてくる聞き覚えのあるその声に、ふと意識を取り戻した。まるで水底にでも沈んでいるかのような浮遊感を覚えるが、呼吸のできない苦しさは感じない。自分が今何をしているのか、どのような状況にいるのか全く理解できないでいた。

 『…っ!』

 ぼんやりとした思考の中で困惑していると、今一度響いてくる声。確かに聞いたことがある声だ、けれどそれが誰のものであったのか、もう思い出すこともできない。

 続いて草をかき分ける足音が近づいてくる。先ほどの声の主なのか、それとも他の人物なのか。確認しようと目を開こうとするも、どうもうまくいかず、依然と暗闇の中に居る。

 『大丈夫ですか、すぐに助けますからね!』

 すぐ近くから聞こえてきたその声は水の中から聞いているかのように揺らいでいる。この人物と自分との間でフィルターでも掛かっているのだろうか、ますます自らの現状への疑念が生じていく。

 『えいやっ…!』

 そんな掛け声らしきものを挙げたかと思うと、次の瞬間がしりと自らの右手が掴まれた。唐突の事で驚くと同時に、掴まれた部分から先ほどまではぼんやりとしていた感覚が急激に実感を伴っていく。

 ぐぐっと腕が引っ張られていくと、それは徐々に肘、肩へと伝播していき、やがて顏半分が感覚を取り戻したところで、再び声が聞こえてくる。

 「うぅ、強情ですね…!ミオ、手伝ってください!」

 「ちょっと待って、すぐ行くから!」

 掛かっていたフィルターは無くなり、はっきりと声が聞き取れた。呼びかけられたもう一人が応えると、次第に足音が一つ近づいてくる。目の前の辺りで止まったかと思えば、がしりと腕を掴まれる感触が加えられた。

 「合わせるよ、フブキ。」

 「はい、せーのっ!」

 「「うんとこしょ、どっこいしょ!」」

 自分はカブか何かだろうか。聞こえてきた掛け声に心の中でツッコミを入れていると、しかしそんなもの飛んで行ってしまう程に途轍もない力で腕が引っ張られる。すると、胴体から足の先に至るまで一気に液体から個体に変わるように感覚を取り戻していき、やがて全身が実体を伴った。

 そうして、ようやく自らの身体がつい先ほどまで消滅しかけていたのだと分かった。それを理解してぞくりと背筋に怖気が走る。

 助けてくれた二人に感謝を伝えるため身体を起こそうとするが、感覚を取り戻したばかりの身体は言う事を聞いてくれない。靄の掛かっていく思考の中、せめて恩人の姿だけでもと、最後の力を振り絞り目を開く。

 そうして視界に映ったのは心配そうにこちらへと向けられた二対の瞳、そして…。

 (…どうして、獣耳…。)

 薄れゆく意識の中印象的だったのは、それぞれが頭の上に生やしていた白と黒の獣耳だった。

 




 この小説だけど、現時点で公式から情報が少ないから殆ど妄想で書きます。これから先も。  
 もちろん、情報に準じることもある。

 では、気に入ってくれた人は、シーユーネクストタイム
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