昨年は、この小説を読んでいただきありがとうございました。どうか、今年もよろしくお願いいたします。
では、今年もゆっくり読んでいってください。
あれから早咲は、すくすくと成長していき、私を越すぐらいの背丈にまでなった。仕事の方も幼少期から私を手伝っているおかげか、最近では、私と同じぐらい手際が良い。もう、そろそろ早咲に仕事を任せようと私は考えている。
「おっと……ふぅ、良かった…こぼれなくて」
そんなことを考えていると、危うく味噌汁を吹きこぼしそうになった。
「早咲、諏訪子と神奈子を呼んできて」
「はい、わかりました。リリー様」
もうすぐ、朝食が完成するので私は、早咲に二人を呼んでくるように頼んだ。そういえば、早咲は私のことを様付けで呼ぶ。何回も訂正したのに、私のことを諏訪子や神奈子と同じ神様だと認識しているようだ。
「おはよう、リリー」
「諏訪子、おはよう。神奈子もおはよう」
朝食を作り終え、居間へ行くと全員が揃っていた。私は、諏訪子に挨拶を返し、朝食を机に並べていく。
「それじゃ、いただきます」
「「「いただきます」」」
その声とともに今日もいつも通り、賑やかで楽しい日が始まった。
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今ごろ永琳は、どうしているだろう?最近、そんなことを考えることが増えてきた。おそらく、今の楽しい生活があの頃の日々と重なって感じられるのだろう。
そろそろ、前みたいに旅を再開するとしよう。永琳のこともあるし。よし、そうと決まれば諏訪子たちに話してみよう。そう決断し私は、諏訪子たちがいる居間へ足を向けた。
「仕事、終わったのかい?お疲れさん」
私が居間にいくと、諏訪子が労いの言葉を掛けてくれる。それに返事をしつつ私は、全員が揃っているのを確認し、話を切り出した。
「実は…私、ここを出ようと思うの」
「「「ええっ!?」」」
私がそう言ったとたん、諏訪子たちが驚愕の声をあげる。
「急にどうしたんだい?今の暮らしに何か不満でも?」
「そうだよ。本当に何かあったのかい?」
「リリー様が…出ていく?」
諏訪子と神奈子は、私が急に出ていくと言ったことに焦落ち着きを失い、早咲は、驚きのあまり呆然としていた。とりあえず私は、諏訪子たちに落ち着いてもらうため訳を話し始めた。
「それでね。出ていく理由なんだけど…」
・・・妖精説明中・・・
「なるほど…昔にそんなことがあったんだね」
「なら、私たちに止める理由はないよ」
「そうですね…寂しいですが、仕方ありません」
私の話が終わると諏訪子たちは、口々にそう言った。永琳のことは、諏訪子には話したことがあった気がしたが、初めて聞くようだった。
「それで、いつ出るんだい?」
「う~ん…一週間後にするよ」
「そうか…それなら、今から一週間、めいっぱい楽しまないといけないね」
それから一週間は、諏訪子の言葉通り今まで以上に楽しんだ。みんなで湖へ行楽に出掛けたり、神社の大掃除をして思い出をたくさん作った。
そして一週間後、とうとう旅立ちの日がやってきた。
「リリー、準備はできたかい?」
「うん!大丈夫だよ」
忘れ物もないし、仕事も早咲に引き継いでもらった。準備万端だ。
「寂しくなるねぇ」
「…ぐすっ……んえっ…」
早咲は、私の準備が終わる前からすでに泣いていた。しかし、それは当然のことだ。諏訪子や神奈子とは、違って早咲は人間だ。人間の寿命は短く、もう私と会う可能性は極めて低い。だからこそ、この中でいちばん悲しみが強いのだろう。
「ほら早咲、いつまで泣いてるんだい。リリーに言いたいことがあるんだろう」
神奈子がそう言って早咲を肩を叩いた。肩を叩かれた早咲は、嗚咽まじりの言葉でゆっくりと話し出した。
「…リリー様…育てていただいてっ……ありがとうございました…」
「私だって…一緒に暮せて楽しかったよ。ありがとう!」
早咲の告白を聞いて私まで涙が出てきたが、湿っぽい別れは嫌なので涙をこらえ、笑顔で返事を返した。
そんなやり取りをしていると、ついに別れの時が訪れた。
「リリー様…お元気で!」
「ここには、またいつでも寄っておくれ」
「諏訪子の言う通りだ。気軽に帰ってきなよ」
「ありがとう!それじゃ、またどこかで…」
最後にそう言い残し私は、空へと旅立った。
今回も読んでいただきありがとうございました。
昨年は、できるだけ週一投稿を頑張りましたが、今年は、学業のこともあり投稿頻度が下がると思われます。ご了承ください。
ではまた、次回も読んでいただければ幸いです。