今回は、少しシリアスな内容になります。タグに『ほのぼの』と書いてあるのに申し訳ありません。
それでも大丈夫という方は、今回もゆっくり読んでいってください。
人類が月へ移住する話を聞いてから数日がたち、永琳との別れまで残り一週間となった。楽しい時間は、あっという間に過ぎるものだ。
私は、この日々を一日ずつ大切に過ごしていた。永琳も仕事を減らし私と一緒にいる時間を増やしてくれた。
そんな楽しい時間も、残り二日となった。
「あのね、永琳。私、あなたに言わないといけないことがあるの」
「何かしら?」
私は、永琳に今まで言ってこなかった自分の素性を打ち明けることにした。
「私、実は人間じゃないの」
「えぇ。知ってたわ」
「えっ!?なんで知ってるの!?」
永琳が知っていたことに私は、驚いた。
「なんでって、リリー。あなた、昔に私を助けた時、風を起こして男を倒したじゃない」
「覚えてたんだ」
「当たり前じゃない。リリーと出会った日だもの」
私は、永琳の返答に恥ずかしくなった。
「でも、いきなりどうしたの?」
「やっぱり永琳には、本当のことを言っておきたくって」
「ふふっ。ありがとうね」
永琳は、嬉しそうにそう言った。
そして、永琳と別れる当日に事件は起こった。
その日、私と永琳はロケットに人々を誘導する現場で指揮をとっていた。
「八意さん、大変だ!」
すると、そこへ慌てた様子の男がやってきた。
「どうしたのかしたの?」
「それが、妖怪の大群がこの街にも攻めてきたんだ!」
「なですって!」
男の言ったことに周囲は、騒然となった。
「今は、守備の者で抑えているが…」
まぁ、抑え切れないだろう。それは、ここにいる全員がわかっていた。
「私がいくわ」
私は、男にそう言った。
「リリー。あなた、何を言って…」
「私なら戦力になるかもしれないし、それに私はここに残るって決めているしね」
「だからって…」
「それじゃ、またね。永琳」
私は、永琳に別れを告げ走り出した。
「まって、リリー!」
「駄目だ八意さん。あなたは、この街に必要な方だ」
「離してっ!」
後ろから永琳が私を追いかけようとしたが、周りの人に止められていた。
私は、悲しい気持ちを抑えて前線に向かった。
「うわぁ…」
私は、絶句した。私が到着した時には、すでに前線はひどい有り様だった。地は、赤黒くなり、生臭いにおいが漂っていた。
「おい貴様、何者だ。人じゃねぇな?」
私が絶句していると、名も知らぬ妖怪が声をかけてきた。
「そうですが?」
「今からおもしれぇことするんだ。一緒どうだ?」
「お断りします」
「何だとっ…ぐわっ!?」
そう言って私は、その妖怪に春風をぶつけた。妖怪は、吹っ飛ばされそのまま気絶した。
「てめぇ、何しやがる!」
私が攻撃したのを皮切りに、周りの妖怪達が襲いかかってきた。
「「「「ぐえっ!?」」」」
しかし私は、自分の周囲に春風を起こし妖怪達をまとめて吹っ飛ばした。
そんな作業をしばらく繰り返していると、不意に後ろから大きな音が聞こえた。
ロケットが発射したのだ。
「ふぅ、良かった~」
私は、ロケットが無事に発射したことに安堵した。しかし妖怪は、まだまだ私に襲いかかってくる。
「あと、千ぐらいかな?」
妖怪は、みるみる数を減らし残り千程になったが、私もだいぶ疲弊していた。
このままじゃ埒が明かない。そう思った私は、最後の力を振り絞って妖怪をまとめて倒すことにした。
「もう、これで終わりだー!」
そう言うと私の周りに春の嵐が吹き荒れ、数十個の竜巻が生まれた。
竜巻は、妖怪を次々に飲み込み、街を更地に変えて消滅した。
竜巻が消えた後は、私以外周りには何も残っていなかった。
「やっと…終わった…」
そう呟くと私は、力を使い果たし意識を失った。
今回も読んでいただきありがとうございました。
初めてのシリアスでしたが、やっぱり作者は苦手に感じました。
次回は、番外編としてこの話の永琳視点をお送りします。
また、次回も読んでいただけたら幸いです。