春告精は古代より春を運ぶ   作:柿乃種

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 どうも、作者の柿乃種です。
 UAが500を突破しました!読んでくださった方ありがとうございます。
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 では、今回もゆっくり読んでいってください。



第五話 春と諏訪の国

 永琳達が地上を旅立った日から幾ばくかの時が流れた。

 そんなある日、長い間眠り続けていた春がようやく目覚めようとしていた。

 

 「うっ、うぅん~」

 

 私は、日の暖かさを肌に感じて目覚がめた。

 ぼんやりとした意識の中、重い身体を起こす。少しぼやけた視界で辺りを見渡すとそこは、荒れ果てた土地だった。

 

 「あれ?なんで、こんな所で寝て…」

 

 はじめのうちは寝ぼけていたが、少しするとだんだん意識がはっきりしてきた。

 

 「あぁ…戦い疲れて寝ちゃたんだ」

 

 私は、すべて思い出した。永琳と別れたこと、妖怪と戦ったこと、そして気を失ったこと。

 

 「永琳…」

 

 それと同時に、永琳と別れた悲しさや寂しさがこみ上げてきた。

 

 「うっ……うぅ……」

 

 この時私は、生まれてはじめて泣いた。大切な友人、永琳との別れを惜しんで…。

 

 しばらくの間、泣いていた私だが、別れ際に永琳に伝えた言葉を思い出した。

 「またね」だ。再会の意を込めて伝えたこの言葉、永琳なら理解してくれるだろう。

 そんなことを考えていると、悲しかった感情がだいぶ和らいできた。

 

 「よしっ、旅を再開しよう!」

 

 心に余裕ができた私は、一時中断していた春告げの旅を再開することにした。

 目的地はないが再び永琳に会うその日まで、長く気ままな旅が始まった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 そして、春告げの旅を再開してから数十年が経過した。

 私は、各地を転々とし『サメの上を跳ぶ兎』や『連なった八つの山』など様々な景色を見た。人里も何度か見かけた。

 人里を発見する度に私は、数日から長い時で数年程滞在した。永琳のいた街よりも規模が小さく、発展もまだまだ途中だが、人との暮らしに私は心が暖かくなった。

 

 「次は、どこに行こうかな?」

 

 現在、滞在している人里もかれこれ一年近くになったので、そろそろ移動することにした。

 

 「あっちの大きな湖に行ってみよう!」

 

 そうして私は、大きな湖のある方へ飛んでいった。

 

 その湖は私が思っていたよりも近くにあり、わりとすぐに到着した。

 

 「おぉー!おっきーい!…あれ?」

 

 湖に到着した私は、その大きさに感嘆の声を洩らしたが、ふと視線を下にさげると湖岸に人里があることに気付いた。

 その人里は、永琳と暮らしていた街と同じぐらいの大規模なものだった。

 

 「よしっ、次はここに住もう!」

 

 そう言って私は人里の外れに降り、そこからは徒歩で移動した。

 

 「あっ、見えてきた!」

 

 少し歩くと、里を囲っている柵と簡素な門が見えてきた。門に人は、おらず簡単に里の中に入ることができた。

 

 「いい感じのところだなー」

 

 里の中は、まだまだ発展途上だが、すごく活気に溢れておりとても居心地の良さそうな場所だった。

 

 「どこに住もうかな?」

 

 この土地の雰囲気が気に入った私は、住む場所を見つけるため里の探索を開始した。




 今回も読んでいただきありがとうございました。
 タイトルからわかる通り、リリーが新しく訪れた場所は諏訪の国です。という訳で次回は、あの神様が登場予定です。
 また、次回も読んでいただけたら幸いです。
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