虹ヶ咲 彼氏彼女の事情   作:ワサオーロラ

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第三段二人目は愛さんです!

それではどうぞ!

Twitterに彼氏たちのビジュアルあるので、よかったらどうぞ!

https://mobile.twitter.com/haming_fain/status/1481703643476676609


宮下愛 熱と初詣

「はぁ…んん!」

 

「ここ…どう?」

 

「はぁ…はぁ…っん…気持ちいぃ」

 

「じゃあ、ここもっと…やるね。」

 

「ぅん……っ」

 

愛さんの部屋に響く甲高い声。その一音一音が俺の耳を通り、脳を通過する。その脳信号がやがて俺の鼓動を早めていく。その日はたまたま同じ時間に部活の助っ人が終わったので、一緒に帰るついでに少しモンジャを食べに行った。食べ終わって、食休みとして愛さんの部屋で休んでいたのだが……

 

「……んん!」

 

マッサージしようと思って、愛さんをうつ伏せに寝かせ、腰回りを押しているだけなのに…こんな…こんな…!!

 

「ん、どうしたの。朱衣?」

 

指を止めた俺に愛さんは体制を変えずに聞いてくる。

 

「い、いや、なんでもない!//」

 

「そっか〜。それにしても、朱衣のマッサージ気持ちいぃ〜」

 

「そ、それは良かったよ。」

 

「うん。やっぱりぃ凝ってるのかなぁ〜」

 

「そうだね。結構凝ってる。あんまり頑張りすぎないでよ?」

 

「あはは〜ありがとう!でも愛しゃんがやりたくてやってることだからねぇ〜!」

 

年末にバスケ部のウインターカップがあって、それに助っ人として呼ばれたりしていた。フルとは言わないものの、なかなか長い時間出ていた気がする。だからとは言わないが、少しでも疲れを取ってほしい…なんなら、俺いたら寝れないんじゃないかとも聞いたのだが、一緒にいたいということだったのでついてきたのだ。ただでさえいろんな部の助っ人してるから人に比べて疲れるだろうに……

 

「寝ちゃってもいいよ。」

 

「確かに気持ちよくてなちゃいそうだけど、寝たくないな〜」

 

「疲れてるんだから寝な〜」

 

「まあ〜いいじゃん。朱衣といる時は朱衣と話していいたいの。」

 

「でも……」

 

「いいの!それより……」

 

彼女は俺の手首と掴んで自分の腰の置くと

 

「しゃっきのやつ、もっとして?」

 

俺の方へ首だけ向けた彼女の顔は熱っているかのように赤くなっていた。しかも手も妙に熱く、脈が早かった。あと…さっきからたまに呂律が回ってない。可愛くてスルーしてた…!!

 

なんとなく嫌な予感がしたので、ごめんねと一言耳元でいうと、愛さんをうつ伏せから仰向けにして、勢いよくお姫様抱っこで持ち上げる。

 

「ひやぁ!ちょ、朱衣?!」

 

その言葉を気にせずに、ポニテの彼女の髪についているゴムを外し、ベットに運んだ。ヘアゴムを外し、下ろした髪からふわりといい匂いがしたが、俺にはそれを堪能する余裕がなかった。

 

「愛さん…熱あるよね?」

 

「そ、そんにゃことにゃいよ〜」

 

「しかも熱あること気づいてたよね?」

 

「それは〜あはは…」

 

図星をつかれたのか、彼女は笑って誤魔化そうとしたので、ベットに肘をつき、寝ている愛さんと目線を合わせる。

 

「ちなみにいつ頃から?」

 

「き、昨日の夜ぐらいから…」

 

「なんで今日休まなかったの?」

 

「すぐ下がると思ったし、迷惑かけちゃうから…」

 

「はぁー、そんなことだろうとは思ってたよ。」

 

俺は予想していた答えが返ってきて少し呆れながらも、だらんとしていた愛の手をつかむ。

 

「確かにね、わかるよ?心配させたくないのも知ってる。でもやせ我慢なんて気づく人もいるし、悪化する一方だし。」

 

「うん…ごめんね。」

 

「いや、こっちこそ気づくの遅くなってごめん。運動したからとか、鉄板のせいとかって思ったから。」

 

「ううん。朱衣は悪くないよ。こうやってうちのこと見ててくれたんだもん。それだけで、愛さん幸せだよ。」

 

俺の手を握る力がより強くなる。そして彼女は弱々しく、ニコッと笑ってみせた。例えるなら、空が雲で覆われ、薄い雲から、少し日の光が漏れているみたいな感じだろうか。頑張っている感が見え見えなのだ。今ぐらい全てを預けて寝ればいいものを…

 

「まあ、寝なよ。俺お姉さんに熱冷ますシートでも貰ってくるから。」

 

立ち上がって手を離そうとき、何故か愛は俺の手を離してくれなかった。

 

「どうした?」

 

「その…休むからさ、寝るから。寝るまでこう……手を…//」

 

愛は言葉に詰まりながらも、何かを伝えようとしていたが、なんとなく察した俺は小さくため息をついて、ベットの横に座った。

 

「手、繋いでおくから、安心して寝ていいよ。」

 

「へ?」

 

「ん?違った?」

 

「いや、そうだけど、愛さんまだそこまで言ってないのに…」

 

何を今更聞くかと思いきや……そんなの決まってるだろ。

 

「愛のことだからなんでもわかるんだよ。察しが良いわけではないけど、愛が思ってることぐらいはなんとなくわかるから。」

 

「そ、そっか…//」

 

「もう大丈夫そ?」

 

「うん//その……ありがと…」

 

「いいんだよ。だって、俺がやりたくてやってるんだから。」

 

その言葉を聞いて彼女はクスッと笑った。無邪気な子供みたいだ。それから彼女はあっという間に眠りに堕ちた。そろそろ良いかと思って、熱冷ますシートもらいに行こうと手を離そうとしても、思っている以上に握る力は強くてなかなか離してくれなかった。残り人差し指だけになった時、んん…っていう寝言が聞こえて彼女を見ると、年頃にしては少し幼い女の子に見えて、そんな子に人差し指をぎゅっと握られてると思うと少し、心が緩んでしまう。それからと言うもの、人差し指を握る力が緩むことはなく、俺は熱冷ますシートをもらいに行けず、そこでずっと手を繋ぎ続けることにした。

 

その後2日間彼女は助っ人を休むことになった。このことをバスケ部に言いにいくと、やっぱり無理させちゃったかと心配していた。やはりやせ我慢なんてするもんじゃない。

 

それから年が明け、元気になった愛と一緒に初詣に行った。鳥居の外まで続く列に並んでいる時間に愛と何気ない会話をするこの時間がなんとも言えず幸せで満ちている。こうして愛といれたら良いな〜そして俺たちの番が回ってきた。

 

四十五円を入れ、二礼二拍手……

 

((これからも何事もなく…この人と一緒に居られますように…!!))

 

「愛は何お願いしたの?」

 

「ん?秘密だよ!」

 

声をかけた俺の方へ振り向き、愛は満面の笑みでそう答えた。そして今日は愛の笑顔のように雲ひとつない快晴だった。




最後まで読んでいただきありがとうございます!!

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