それではどうぞ!
https://mobile.twitter.com/haming_fain/status/1481703643476676609
こちら自分のTwitterで、彼氏くんたちのイメージビジュアルを載せているのでよかったら見ていってください!!
「おはよう。彼方さん」
「あ、おはよ〜」
年が明け、今年初の朝日が雲の隙間から薄く、僕の足元を照らしている。いつもは賑やかな住宅街もその日は違った。辺りは静まり返り、道路を吹き抜ける風と草木が揺れる音、それ以外の音は何もしない。除夜の鐘はとうに鳴り終わり、今どきは神社で年を越すと言うことも少なくない。それに実家に帰って年を越すこともある。僕も去年まではそうだった。つまり、時間にして9時40分。周りの家の人たちは寝ているか家にいないということだろう。
去年は母の実家で年越しをしていたが、今年は僕だけ1日遅れて行くことにした。その理由は…あそこにいる彼女と今日1日を満喫するから
家の玄関先に立っている彼方さんは口の前に手を当て、ふぅーと息を吐いて、手を擦り合わせている。僕に気づいた彼女はぼくに元気よく手を振ってきた。僕もそれを見て胸の前で手を振りかえす。
「「あけましておめでとうございます。」」
「あ。」「おぉ。」
「えへへ//」 「あはは//」
ただこれがハモっただけで、お互いに照れ、笑みが溢れる。こんな他愛もない会話さえも愛おしいと思える。やはり僕のお嫁さんは可愛い。
「じゃあ行こっか。」
「うん。」
さりげなく彼女の手を握り、その手を彼女が握り返す。お互いに顔を見ることはできないが、体温と鼓動だけは感じることができる。彼方さんも手は温かく、手のひらから少しだが鼓動を感じることができた。
「どきどき…してるね」
「へ!い、いや〜そんなことは〜……あはは」
「誤魔化したってだめだよ?」
「むっ…凪くんだってどきどきしてるくせに…」
「そうだね。」
彼女と繋いだ手をダッフルコートのポケットに入れ、必然的にお互いの体の距離が縮まる。彼方さんの髪が揺れ、うっすらと香るいい匂いに気を失いそうになりながらも、彼女の耳元で囁く。
「一緒だね。」
彼方さんは僕の手を振り解き、マフラーを耳まで持ち上げて、赤くなったそれを隠す。
「い、今のはちょっと…ずるい気がするな〜」
「ふふ、彼方さん。結婚してから照れること多くなったよね。」
「そ、そりゃ〜彼方ちゃんだって照れることはあるし、その……は、初恋が叶ったわけだし。」
彼女はモジモジしながらそう言った。なんだろう…行動ひとつひとつが可愛くて愛おしい。
「僕忘れてたからな〜ずっと幼馴染果林だと思ってたくらいだから。」
正直高校で再会しても全く気づかなかったし、なんならこの間クリスマスに彼方さんの家に行った時に思い出したくらいだから。自分の初恋だからとか一切関係なしにこうやって付き合えて結婚までしてるのはある意味奇跡であり運命でもあるのかもしれない。そんな気がする。
「確かにそんなこと言ってたね〜」
「今更ながら、忘れていたことに罪悪感を感じているよ。」
「別に気にしなくてもいいよ〜だって、今こうやって一緒にいられてるんだから。」
さっきは彼女から離したのに今度は彼方さんの方から手を握ってくる。急になことにびっくりした僕は肩をぴくつかせ、彼方さんの方をそっと見る。彼女は僕と目が合うなり、ニヤニヤと微笑んでいた。僕はそんな彼女の頬をつねる。
「いひゃいよぉ〜」
「やってくれたな。彼方さん?」
僕は指を離し、つねったところを手で優しく撫でる。少し赤くなった頬、どうやらそれはつねられただけの理由ではないようだった。撫ではじめてから彼女と目が合うことはない。
「ごめん。そんなに痛かった?」
「い、いや〜痛くはなかったけど……」
「ほら、こっち向いて?」
僕は再び繋いだ手を離し、彼女と向き合う。そして左手を顔に伸ばし、僕の方へ顔を向けさせる。彼方さんの顔は真っ赤だった。つねったところもだが、つねってないほうの頬も真っ赤になっていた。
「だ、ダメだって〜!」
「すごい赤くなってるじゃん!でも、左の頬はつねってないはず……」
彼女は僕の手を振り払ってマフラーをさらに深く巻きつけ、もう目から上しか見えない状態になる。
「どうしたの?」
「笑わないでね?」
笑う……なんの話だろう……
「笑わないよ。だからなんでも言って?」
「あのね、彼方ちゃん…最近凪くんに何されてもどきどきしちゃって……さっきみたいに急に顔とか触られると……恥ずかしいし、距離近いから、すぐ顔に出ちゃうようになっちゃったの。」
「……そう、だったんだね。」
え、どう反応したらいいんだ?まあ〜素直に嬉しいし、僕もそんなことされたらどきどきして心臓が飛び出そうになる。でも、まさかそれを面と向かって言われるとは……
「ふふ…」
「あ!笑わないでって言ったのに!!」
彼女は僕の背中をぽこぽこ叩く。こういう風に優しく、可愛く叩いてくるからさらに愛おしさが増して行く。
「本当に彼方さんは…可愛いね。」
「か!……そんなこと言ったって何も出ないぞ〜?」
彼女は頬をかいて、照れながら微笑んだ。もう、行動ひとつひとつが愛おしい……
「強がらなくてもいいよ。照れてる彼方さんも僕は好きだよ。」
「彼方ちゃんだって……凪くんのこと大好きだから……//」
僕は彼方さんのことを抱きしめた。無性にしたくなったとしか言えない。最初はびっくりしてた彼女もそのうち、僕のことを抱きしめ返してくれる。ふと彼方さんを見ると、たまたま目があった。その目に僕は吸い寄せられるように釘付けになっていく。もう反らせない。
僕は彼方さんの右の頬に右手で触れる。彼女はビクってしたけど、僕のことを見上げ続ける。そして彼方さんは瞳を閉じる。道路でこんなことするなんていけないことだろう。だがこの気持ちを抑えることが僕にはできない。そして僕は彼女の唇に自分の唇を重ねる。ぼくはもうすこし自分の欲を抑えられる人だと思っていた。
「んっ…」
ほんの数秒だがそれが何時間にも感じさせる。この時間がずっと続けばなと、どれだけ思ったことか……
僕たちは唇を離し、見つめ合う。少し涙目になった彼方さんの目を親指で拭う。すると彼女は幸せそうに笑った。それに流されるように僕も自然と笑みが溢れる。彼女を離し、腕を後ろに組んで先に行ってします。だが、3歩ぐらい進んだぐらいで止まった。そして彼方さんは僕の方を向いて、こう言った。
「これからもよろしくね。旦那様」
もう好きすぎてやばい
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