これから頑張っていきますのでよろしくお願いします!!
それではエマさん3話目、どうぞ!
「モテたいって?ww」
うるせぇよ。そんなの自分でよくわかってる。
「チビに人権ねぇからww」
チビは遺伝だ……頼むから……関わってこないでくれ……
中学の頃、こんな日々が日常と化していた。自分よりも下のやつをからかっては優越感に浸る。そんな輩しか俺に話しかけては来なかった。人が話しかけに来る度、何も言わず、ニコニコと笑ってそいつらの話を聞いた……シカトしても、蹴られるし、ため息とかを吐いても何を言われるか分からない。とにかく俺には相手を不快にさせないように振る舞うことしか出来なかった……
高校に入って何かが変わると思ったが、変わったのは環境だけで、自分の中の“何か”は変わることがなかった。いつも周りの顔色を伺い、周りに合わせ生きる……自分の意見や答えなんていらない……周りに合わせていれば、何もされない。何も言われない。そう過ごしたかったのに……
慣れって怖いね。もう動じないよ。変わったのは環境だけって言ったね?前言撤回してあげよう。ただ人が変わっただけ……状況なんて何も変わらないし、なんなら酷くなった。暴言や暴力なんて当たり前、そこにパシリやたかりだって追加された。一部の人だからあれかもしれないけど、虹ヶ咲学園ってのはある意味自由な学園なんだなと常々思っていた。そんなある日、定期がなくなり、更新しようとしていた俺は、さすがにダメだと断るもそいつらにボコボコにされ、お金を取られ、動くことが出来ずに、大木の影に寝転がる。
(あぁ…帰りどうしょ。寮泊めてくれる人……あ。俺友達いないじゃん……やっぱミスったな〜高校デビュー)
そんな時君に出会った。俺は君の優しさに救われた。今でも鮮明に思い出せる。君の心配そうな顔を。そして第一声に君はこう言った。
「痛くないの…?」と
「ーーー。ーーーぁくん。」
なんだろう。誰かの声が聞こえる。
「ーーやくん!!」
誰だ……寝させてくれ……今はそんな気分じゃない。夢でも見たくなかった。
「輝弥くん!!」
誰かの呼び掛けに俺は起きた。その声の持ち主は誰かわかったものの、その人の姿はどこにも見当たらない。もしくは見えない。真上から声がするのに……
「え、エマさん?どうしたの?」
「あ、輝弥くん。おはよ〜。起きられたね。よしよし」
上を見ても、真っ暗でどこからか手が出てきて、俺を撫でる。もう意味がわかんねぇ……てかなんで俺横で寝てるん?あと頭の下がやけに心地いい。なんだろう……枕より安心するというか嗅ぎ慣れた匂いがする。
「や、やめてよ!それで、俺何してた?」
「輝弥くん。私の膝で寝ちゃったから。起こそうとしたんだけど、寝顔が可愛くてちょっと甘やかしちゃった。」
「あ、そうだったんだ……え?」
寝っ転がったまま伸びをしながら答える俺を違和感が襲った。膝で寝てた……じゃあこれは、膝枕であるってことで……この真上にある黒い影は……まさか……
俺は唾を飲み込み、その影を凝視する。うん……考えないことにしよう。確かにでかいけど、気づかなかった自分が恥ずかしい……//
「ごめんね!すぐ起きるから!//」
「いいんだよ。輝弥くん、気持ちよさそうに寝てたから。これも“彼女の特権”ってやつなのかな?」
「エ、エマさん!?どこでそんな言葉覚えたの?!」
「え?果林ちゃんとか愛ちゃんとかがよく言ってるから。使ってみたくなってね。」
そう言って笑う彼女に俺は何も言えない。ほんとに惚れると弱いとはこのことだ。惚れちまったもんはしょうがないだろ!!なんて言いたいけど、言う機会なんてないから。そっと心にしまっおく。
起き上がって、辺りを見渡すと部室で同好会の子たちが各々が休憩を取っていた。視界に入ったエマさんはもの寂しげに膝を撫でていた。膝枕心地いいからいつでもウェルカムなんだよな……こんなこと本人には言えるわけもない……//
「ん〜〜はぁ、ありがとう、エマさん。おかげでよく眠れたよ!」
「ううん、いいんだよ。このくらいならいつでもするよ。」
少し伸びをして、お礼を言うと、彼女はそう答えて俺に手を振り練習に戻る。
「ふぅ〜」
(待って、待って!!起きたらエマさんの膝の上っていう神シチュなのに、めっちゃエマさんの匂い嗅いじゃって、俺変態みたいじゃねぇかよ〜!!確かに常日頃からあぁ……いい匂いだな……とか思ってるけど!あんな堂々と嗅いだら、バレちゃって嫌われるかもぉ〜やっちまった〜それに顔熱いし、こんなんじゃエマさんとまともに話も出来ねぇ……てか……)
(なんだろう。すごいモヤモヤする。なんでだろ……さっきまでそんなこと無かったのに、輝弥くんと離れた途端にこんなだ……離れたくなかったのかな?でも、それは最近結構ある事だから、慣れた気がしたのに、慣れない……輝弥くんと話したり、触れたり触れられたりするけど、毎回ドキドキして、逃げちゃう。こんなのいつまでも続けてたら嫌われちゃうかな?顔真っ赤で、こんな顔じゃ輝弥くん見れない……でも……)
(どんな顔して合えばいいか分かんねぇよ〜〜!!)
(どんな顔して合えばいいのか分からないよ〜〜!!)
2人は両手で両頬をおさえ、声を発さないように悶絶した。それでもエマさんは小声ではわわ……と呟いているのであった。
「エマ先輩?どうしたんですか?」
「はわぁ!ど、どうしたの?かすみちゃん……//」
「エマ先輩、顔真っ赤じゃないですか!大丈夫ですか?」
「しー!だ、大丈夫だよ!ちょっと熱いだけだから。」
そしてそれぞれの作業へ戻った。練習してる人がいれば、相談や、話し合いをしている人たちもいるそんな中、ちょくちょくエマさんと目が合う気がする。振り返っては、俺を見て手を振っても振り返してくれない……これは何かあったな……?
「高咲さん。ちょっとエマさん借りていい?」
「え、いいですけど、何かあったの?」
「いや、何も無いよ。ただちょっと、ね。」
「そう。分かったよ。でも、この後併せしたいから出来るだけ早めにお願いできる?」
「すぐ終わるよ。」
そして俺はエマさんに歩み寄った。
「エーマさん。」
「ふぇあ!ど、どうしたの?輝弥くん。」
「一緒に外、行かない?」
俺は指でドアの方を指して、そう言った。だが、エマさんはそこまで乗る気じゃなかった。
「ごめんね、この後みんなとの併せあるから……」
そんな申し訳なさそうな顔をしないでくれよ〜エマさん〜
「外と言っても、すぐそこの廊下だし、なんなら高咲さんにも許可取ってるからすぐ終わらせるつもり。だからほんの少しだけ……ダメ?」
俺は手を合わせてお願いした。エマさんは少しもごもごと口を動かして、
「じゃあ、少しだけなら…いいよ?//」
なんでそんなに顔が赤いのか……聞こうと思ったけど、そんなことを聞くのは野暮でしかない。
「ありがとう、エマさん。行こう!」
俺は彼女の腕を掴んで、部室の外へ駆け出した。慌てる彼女には申し訳なかったが、ずっと自分の方を不安そうに見つめてくる彼女を放っておくことが出来なかった……早く解決したい、不安を解消させたい、それの為だけに廊下を走り、階段を駆け下りる。そして、俺らは外にあるベンチに腰掛けた。
2人とも息を切らし、はぁ、はぁ、という呼吸の声だけを発している。心拍も上昇してるそんな状態で俺は缶のカフェオレを彼女に渡す。もちろん冷たいやつだ。
「はいこれ。」
「あ、ありがとう……」
「走らせちゃってごめん。」
「ううん。気にしないで。それより何かあったの?」
「何かあったと言われれば、なかったけど、すごい心配そうにこっち見てきたから、何かあったのかなって……」
彼女はそれを聞いてはっとした。そしてそのまま暗い顔になり口をつむんだ。彼女にはよく見てるなと思った反面、気づいて欲しくなかったという気持ちが混在していた。それに俺は気づくことなく、ずっと話し続けた。
「エマさん大丈夫?俺なんかしちゃったかな?」
「ううん。輝弥くんは悪くないの。私がただ気にしてるだけだから。」
「ん〜そこが気になるんだよな〜じゃあ、教えてくれたらなにかするってのだったら教えてくれる?」
「……分かったよ。ねぇ、輝弥くん。中学時代、何があったの?」
俺はカフェオレを手から離し、それが地面に落ち、そのまま頭を抱えて、うずくまる。一時も忘れないあの記憶……
俺はその言葉を聞いて、その頃のことがフラッシュバックしてきた。思い出したくもない人達に囲まれて過ごした3年間……相談なんて出来る人もいない。そんな地獄のような日々……段々と息がしずらくなっていり、過呼吸になる。何も考えられなくなっていくが、ただひとつ。ずっと頭の中に響き続けるそれは俺をずっと蝕み続ける。
“お前は救いようがない奴だ”
「輝弥くん!輝弥くん!!」
過呼吸になった俺にエマさんはずっと声をかけ続けていた。しかし俺の耳に届くことは無かった。揺すったり、なんだリをずっとしたけど、それらは無駄になった。どうしていいか分からない彼女は俺を抱きしめ、背中を摩った。声をかけず、ただひたすらにそうするだけだった。不思議と落ち着いてきた俺はそのまま今まで思っていたことを涙とともに垂れ流す。
「俺はァ…ダメな奴なんだ……救いようのないクズ……いい所なんてない……そんな人間なんだ……いつも人と自分を比べて、それを理由に諦めてきた……上には上がいると自分に言い聞かせ、好きだったものも……全てを蔑ろにしてきた。そんな人生なんだよ……だからなんでも諦められた……こんな俺じゃなくても……いや、俺じゃない方がエマさんは……いいのかもしれないと何度思ったことか……でもその度に……君をもっと知りたいって思った。だからごめん。エマさん……俺は……君を、君だけはどうしても諦めることが出来ない……俺に……君を好きでいさせて欲しい……」
そして彼女の背中に手を回し、抱きつく。項に生ぬるい液体が垂れる。気づいたけど、俺は動こうとしなかった……今行ったことの後悔とどんな顔で見ればいいかの気まずさに顔をあげられなかった。数回鼻をすすり、エマさんは口を開いた。
「輝弥くんの中学校の人達は、そうあなたを評価したのかもしれない。でもね、輝弥くん。確かに私より小さかったとしても大きかったとしても、私はそんなことに囚われて君を好きになってないよ。」
終始彼女は俺の頭を撫でて、話してくれる……ほんとにどうにかなりそうだ。
「かすみちゃんを助けてあげた時だってそう。私は輝弥くんの心とか内面で好きになったの。だから、輝弥くんは外見に自信がなくても、内面で自信を持って。それと……私ももっと、もーーーーっと、輝弥くんのこと知りたい。だから〜」
エマさんは俺の頬に手を添えて、顔を持ち上げる。目が合った時、彼女の唇が俺の唇に重なったのがわかった。しかしあまりに突然のことで俺は動けない。そして唇を離した彼女は泣いているのに、少し満足そうな顔をしていた。
「私を好きにさせた責任と好きを教えた責任取ってね。輝弥くん。」
「エマさん……!」
「ふふ……大好きだよ、輝弥くん。」
「俺も大好き。」
再び唇を重ねる。今度はさっきよりも長い時間し続けた。無意識のうちに手を繋いでいた俺たちはそれを見てふっと笑った。
「離さないから。」
「私もずっと繋いでるよ。」
時計を見ると、結構時間が経っていて、手を繋いだまま走って戻ったが、併せは後日ということになっており、それ以上に泣いた跡があったことにみんな驚いてそれどころではなくなったのだ。
その日同好会の活動が終わってから少し部室に残り、中学時代のことをエマさんに話した。彼女は俺の話を真剣に聞いてくれ、話し終わってからまた俺の頭を撫でてくれた。もぅ敵わない……好きすぎる。そして彼女も心配になった理由を話してくれた。どうやらうなされていて、寝言で「嫌だァ……来るなぁ……」とか言ってたらしい。何故そこで中学のことってわかったのかは知らないけど、それ以上に恥ずかしかった。でもそれ以上に、思っていたことをエマさんに言えたし、泣いたこともあり、スッキリした……
正直、彼女は頭が上がらない。こんな自分を好きになってくれて感謝しかない。これからも一緒に居たいな……なんてね。
「エマさん、好きになってくれてありがとう。」
「どうしたの急に?」
「いや、言いたくなっただけ。」
「そっか……これからもよろしくね。輝弥くん。」
「こちらこそよろしく。エマさん」
人を好きになったことも無い俺が良く教えられたもんだ。でも、どんな出会いであれ、俺の彼女は最高だ。異論は認めん!!
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