「あ〜あ〜あぁ…どうしよう…」
「そんなため息ついてどうしたの?」
「あ〜悠雅か。そんなに大きかった?」
「それはそれは大きかったよ。なんかあったの?」
「うん…実は……」
それは,二ヶ月前の話………スクールアイドル同好会の部室にて。
侑「みんなお疲れ様。聞いてもらいたいことがあるんだけど,みんな今時間ある?」
果林「珍しいわね。部活後に話なんて、いつもはすぐ解散って感じなのにね」
愛「まあ〜いいじゃん。こんなこと滅多にないから,愛さん少し楽しみだよ」
歩夢「で,どうしたの,侑ちゃん」
侑「とりあえず座ってよ」
みんなを座らせて,話し始める
侑「これからもっとみんなを知ってもらうために、もっと観客も魅了させるために、どうしたらいいかと考えて,個々の輝きが増したら、グループとしても個人としても輝きが増すと思ったの。そこで,ネットで調べた結果,ある高校で実際に行われている方法を見つけたんだから,それをみんなにやってもらいたいなって思ったんだけど,いいかな?」
かすみ「いいに決まってるじゃないですか〜これをやったら,世界中の人たちがかすみんのファンに…ぐふふ」
しずく「かすみさん,声出てるよ」
璃奈「楽しそう!やってみたい。璃奈ちゃんボード:キリリ」
彼方「彼方ちゃん,今お目々ぱっちりだよ〜」
せつ菜「はい。うちの部長が持ってきたことですから,とてもやりがいのあるものだと思います。それで、どんなことをするんですか?」
侑「ありがとうみんな。みんなには,好きな人を作ってもらいたいんだ」
スクールアイドルたち「…………え」
侑「その高校の先生によると,彼氏とか,好きな人を作ることで,その人に見られていると感じ,よく見られたいと思うから、輝きが変わるんだって」
栞子「す,好きな人ですか?不純です。私たちは,仮にもアイドルなのですよ?」
しずく「そ,そうですよ、それにそんな急に彼氏なんて//」
侑「じゃあ,聞き方を変えるね。挙手制で行きます。」
かすみ「なんだか嫌な予感が…」
侑「今好きな人いる人!挙手して」
渋々手が上がっていく。その数,9 エマだけがあげなかった。
侑「エマさん,まだいないんだね。」
エマ「うん…ごめんね、まだ好きとか分からなくて」
侑「そっか,分かったよ、自分のペースでいいよ。」
かすみ「エマ先輩だけズルくないですか?かすみんだって自分のペースがあるのに…」
侑「?誰も今すぐ作れなんて言ってないよ?」
かすみ「へ?」
侑「みんなその好きな人と結ばれたいと思うのは必然だと思うし,個人のタイミングがあることもわかる。だから,みんなに決めて欲しい。これはみんなとその人たちに関わることだから私の一存では何も言えないからね。」
そこからしばらく沈黙が続いた。突然そんなこと言われてもどうしていいか分からないのだ。自分の気持ちに正直のなるのは大切だけどもし撃沈したら,失恋したら、どうなるのかと考えたらどうしても足は動かせないスクールアイドルたち
すると璃奈が手を挙げた。
璃奈「あの〜」
侑「璃奈ちゃんどうしたの?」
璃奈「誰かに踊ってもらった方がわかりやすいと思うんだけど…」
果林「それいいわね。確かにどう変わるか比較できるわね」
しずく「でも誰に踊ってもらうんですか?」
侑「…歩夢,お願いしてもいい?」
歩夢「え!む,むむ,無理だよ〜見られてると緊張しちゃうし…」
侑「歩夢,私はみんなの今の限界のその先を見たい。そしてその輝きをみんなと共有できたらいいなと思ってる。そのために歩夢の力を貸して欲しい」
歩夢「やっぱり敵わないな〜分かったよ、私やるよ。」
侑「ありがとう〜歩夢!」
そう言って座っている歩夢に抱きついた。
侑「準備はいい?」
歩夢「うん。いつでもいいよ」
愛「その人とあんなことやこんなことしてる歩夢を…」
歩夢「も,もう,愛ちゃん。恥ずかしいよ…」
みんな「あははは」
侑「じゃあ、流すよ。」
その時の歩夢は,今までと全てが違って見えた。これが‘好きな人を思う気持ち’なんだと思った。
歩夢「はぁ,はぁ,どうだった?」
侑「す,すごいよ歩夢!ときめいちゃったよ〜」
栞子「確かに,今までより生き生きとしていた気がします。」
愛「ねー,これやったら愛さんたちももっと輝けるかな?」
侑「うん。絶対そうだよ!」
果林「まあ〜,いいわ。あなたの意見には賛成よ。でも…私たちがやるのに、あなたがしないっていうのは,なんだか不公平じゃないかしら?」
侑「え…」
歩夢「ふふ,侑ちゃんも好きな人いるもんね」
侑「歩夢〜それは言わない約束…//」
歩夢「ごめんね。でもなんだか可愛かったから」
果林「それなら好都合じゃない。」
かすみ「かすみんも果林先輩に賛成です」
愛「じゃあみんなで一緒に作って、誰が1番早いか選手権でもしない?」
侑「わ,分かったから、私も作るから。」
しずく「先輩,今言いましたからね。」
侑「うん…じゃあみんな,一緒に頑張ろ!」
スクールアイドルたち「おー!!」
「ってことがあってさ〜未だに告白できないでいるっていうね。」
「へ〜そんなことが,確かに悩ましいね…こんなこと聞くのもあれだけどさ…その好きな人って誰?」
「………ん//」
自分の家のソファーに座りながら、後ろに立つ僕に指を刺す侑
「?どういうこと?」
「//だから,ん!」
勢いをつけてまた僕を刺した。
それを理解した僕はちょっと侑をいじりたくなった。
「え〜わかんないよ,口で言って欲しいな〜」
「//!!」
後ろ姿でも赤くなってるのがわかるくらい彼女は縮こまっていた。
「…悠雅が//…好き/」
こちらとて好きじゃないわけじゃない。なんならずっと片想いだと思っていた。しかも、好きな人が恥ずかしがって、自分のことを好きと言っている…この状況で平常でいられるわけがない。
「侑!」
「わぁ!//な,何?!急に!」
僕は我慢ができず、後ろからバックハグをした。
「ごめん,ずっと片想いだと思ってたから、今までの気持ちが一気に湧きあがっちゃって」
「私も片想いだと思ってた。私たち両片想いだったんだね。」
「そうだね。」
「で,さっきの返事は…//?」
と,下から覗き込むように聞いてくる。
「あ〜//こちらこそよろしくお願いします//」
「あはは。なんで敬語?でもありがとう」
「いや,こちらこそだよ。そういや,これって俗にいうおうちデートってやつだよね。今思ったけど」
侑の顔を見ると,どうやらそういうこと考えてなかったらしい。不意に言われて,顔がトマトみたいだった。
「侑,そういうこと考えてなかっただろ?」
「あはは,うん。考えてなかったよ。今更おうちデートっていうほど,うち来てないわけじゃないじゃん。」
「まあ〜そうだけどさ〜」
すると,侑がちょこちょことよって来て耳打ちしてきた。
「じゃあ、今度はちゃんと誘うね…おうちデート」
耳打ちされた耳を押さえ,侑を見ると彼女はお返しと言わんばかりの不敵な笑みを浮かべていた。
いろんな恋の形があるけど,これが僕たちの恋の形なんだと思った。